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2.つまらない女な私の話もしよう

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私が彼と知り合うきっかけとなったグループに誘われたのは26歳の頃だった。社会人4年目で会社の同期に誘われて行ったホームパーティーにいた女の子と意気投合し、そこからいつの間にかグループに加わっていた。

地方都市で生まれ育ち、就職してもその地を離れなかったメンバーをメインに構成された仲良しグループ。

私は就職のタイミングでその地方都市に来た。
その都市は某世界的大企業とその子会社、下請け会社で成っているような場所だった。

私は海が見えるさらに田舎の地方都市の生まれだった。実家から通える女子大に通い、就職で地元を離れた。

就職したのは精密機械の部品を扱うメーカーで、営業事務職として働いていた。

5年目にそのグループに加わるまでは特に仲の良い友人や恋人は出来ずに、月に1回程同期と飲みに行くくらい、休日はヨガやジムにゆるく通っていた。

人付き合いの悪いつまらない人間だったと思う。太ってもいないがスタイルが特別いいわけでもない若いだけの女。それが私だった。

最後に彼氏がいたのは大学生の頃で、その彼氏とは1年半弱付き合ったが、いつの間にか連絡が来なくなった。風の噂で聞いたところによると、その男は私と付き合ってたときから年上の人妻とも接点を持ち、後にその女性の離婚が成立するとひっそりと籍を入れたそうだ。狭い田舎ではよくある話だと思う。
好きだったかと言われると首を傾げたくなる、それくらいの関係しか築けなかったそんな男以来誰とも付き合うことがなかった。

そんな私が同期に誘われてホームパーティーに誘われたのも行ったのも本当に偶然や気まぐれとしか言いようがないし、そこで同じヨガのスタジオに通っている女の子と出会い意気投合したのも偶然だった。

そのグループで私が過ごしたのは2年だった。
会社都合の転勤で東京に異動となり、辞令が出てから2週間程でバタバタと引っ越しになった。

グループのメンバーも別れを惜しんで送別会を開いてくれ、彼も参加していた。

東京に引っ越してからも2年ほどはメンバーの結婚式に呼んでもらって彼にも会うことがあった。

彼はあいかわらずいい人で、結婚式の二次会終わりには自分も散歩したかったからと私をホテルまで送り届けてくれた。

最後に会った時は私達は30歳で、私には東京で出来た彼氏がいて結婚の話も出ていた。

いつかの二次会で酔ったグループのメンバーの一人が「ケリーと環ちゃんが付き合ってたら良かったのに」と言った時、他のメンバーは「確かに~!」と言って笑い、私が彼の顔を見ると困ったような少し悲しそうな顔をしていた。

彼にとって私はどんな人間だったんだろう。

やっぱり好かれていたのかな。つまらない女だけれど自惚れてもいいのかな、何故かそう思った。
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