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妖精の森編
笑顔と感謝の朝食にて
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窓から差し込む日の陽ざしが爽やかな朝の訪れを知らせる。
雀のような小鳥達の声。その囀りを聞くたび、この世界も日本の朝と同じなんだなと思う。
ただ違うとしたら、人肌の柔らかさと温もりを持ったフィギュアが顔の上に跨り、ひたすら瞼を叩いている事だ。
「スーギちゃん」
可愛い声で自分の名を呼ぶ可愛いフィギュア。
「おーきてー。スーギちゃん」
声の主はマーヤだ。
パニティーに連れられてミルミネに怒られるだけではなく、アウレリアにも怒られるのは可哀想だと思い、白髪の代わりに他の妖精達に擁護してもらうのを頼んだ。
その所為かは分からないが懐かれた。
「起きないと泣いちゃうぞー」
泣いちゃうぞと言いながら声はいたって元気だ。
実家に帰った時、親戚の子供が遊んでほしさ一心に頬をぺしぺしと叩いたり顔に抱き着いたりと、こんなふうに起こしに来たことがあったなと思い出す。
「起きたいんだ。でもね、顔の上に乗って瞼を叩かれてたら起き上がれないし、目も開けられないんだ」
そう言えばあの時も似たような事を言ったなと、ほのぼのとした目覚まし時計に自然と笑顔になる。
「起きたー! スギちゃんおはよー!」
マーヤはパッと明るい笑顔になり大三郎の顔に抱き着く。
「おはよう。うん、尚更、目が開けられない。はは」
大三郎は顔に抱き着いているマーヤを両手で優しく包むように持ち上げると、両手に包まれたマーヤは、えへへというような笑顔を見せる。
それを見て、こんな朝も悪くないと大三郎も笑顔になった。
「マーヤは朝が早いんだね?」
「何時もは遅いよ」
「そうなの?」
「うん!」
元気良くお寝坊さんだと告白されて軽い笑いが込み上がる。
「あはは。んじゃ、俺と一緒だな」
「スギちゃんと一緒」
マーヤはそう言いながら、笑顔で自分を包んでいる大三郎の手に抱き着く。
拝啓 父上様
この世界に来てから、こんなに微笑ましい朝を迎えたのは初めてです。
もしパニティーとマーヤが夢オチなら僕は死ぬかもしれません。鬼は夢オチで構いませんが。
その鬼に、パニティーの優しさとマーヤの微笑ましさを学ばせたいですが、バカっぱいはバカっぱいなのでバカっぱいのままでしょう。
ハイレベルな美人さんで、スタイル抜群な乳のバカデカい処女。
これだけなら、僕の両手に包まれている妖精に引けを取らないのですが、所詮、鬼畜・De・バカっぱいです。
その鬼畜バカっぱいが、微笑ましい朝をぶち壊すように僕を睨んでいます。
何故、僕の寝室に鬼が居るのでしょう?
寝ている僕の横にですね、憑りついた悪霊のように立っているのです。
何か言いたそうにしているので、嫌ですが相手をしようと思います。
朝の挨拶にドーマンセーマンと言ったら消えないかな。そんな淡い期待を持ってそろそろ起きたいと思います。
親愛なる貴方の息子より。
「……。ドーマンセーマン」
「何ですかそれは?」
「いえ、何でもないです」
「それより、いい加減起きてください」
「分かってるよ。可愛い妖精さんが起こしてくれたし。ね?」
大三郎は笑顔でマーヤを見ると、マーヤも可愛らしい笑顔で見返してくる。
「もう朝食の時間ですからさっさと起きてください」
「朝食? 朝飯も出るのここ?」
「そうですよ。妖精さん達が用意してくださったのですから、杉田様は有り難く頂かなければなりませんよ」
「無駄にデケー乳が重くて苛々してんのは分かるけどよ、何時も一言多いんだよお前は」
「そうですか。粗チン過ぎて体が軽い杉田様が羨ましいですよ」
「他の奴はどんだけ重い一物持ってんだよ。処女のクセに男のアレを言べッ!」
空手の試割をするように大三郎の顔面にめり込むエスカの手刀。
「マーヤ! 何してるんだ!? 朝食の準備のお手伝いしなさい!」
エプロン姿のパニティーがドアから入って来るなり、マーヤに向かいプンスコしている。
「お姉ちゃん、スギちゃんが」
マーヤはエスカの容赦ない手刀に驚いて、大三郎が死んでしまったのではないかと顔を青ざめさせる。
「大丈夫、いつもの事だから。それより早くお手伝いしなさい!」
「い、いつもなの?」
「そーだよ。その程度は朝の挨拶みたいなものだからね」
「でもでも、スギちゃんの顔がひょうたんみたくなってるよ?」
「あとでちんちん治してあげれば元に戻るよ」
「ちんちん? どこにあるの?」
「スギタのお股にあるよ」
「マーヤもちんちん治してあげたい」
「じゃあ、後で一緒に治してあげよう」
「うん!」
「ほら、皆のお手伝いしに行くよ」
「わかったー」
マーヤは元気よく答えると大三郎の顔の所まで行き、頬にキスをしてパニティーと飛んでい行った。
「……。エスカさん」
「何ですか?」
「妖精と言うのは天使なのです」
「何が言いたいのですか?」
「見習ったらどうですか?」
「そうですね。おいたが過ぎたロシルに対するホーデリーフェさんを見習った方が良さそうですね」
「あのですね。僕は妖精の話をしているのに、何故、魔神が鬼神を見習う話になるのでしょうか? それに、魔神と鬼神が合体したら、この世界が滅亡する前に僕が絶命してしまうのでやめてください」
「どうでも良いですが、早く起きて支度してください」
「僕の絶命はどうでも良い括りなんですね。分かります」
大三郎は口元に手を当て、心の中で泣きながら起き上がるとエスカが服を差し出す。
手渡された服は自分の服ではなく見慣れない物だった。
「なにこれ?」
「礼服です」
「礼服?」
「はい。今日の午前中にこの地方の総責任者が来られますので」
「この地方?」
「日本で言う関東地方など、ある一定の地域を呼称するのと同じだと思ってください」
「ふ~ん」
エスカは、どうせ大三郎に詳しく説明しても、興味が無いものに対して記憶しない妖精レベルだと理解している。なので、必要に迫られた時以外の説明はさらっと言う事にしていた。
案の定、”この地方の総責任者”と、言うものを頭の片隅にすら置いていない大三郎は、寝る前に下着類だけは乾いていたのでトランクスだけを履いて寝ていた。そしてそのままパンツ一丁の姿でベットから出てエスカから貰った服を着る。
その姿を見たエスカは、服を渡すとスッと背中を向けた。
「それにしてもだ」
「何ですか?」
「パニティーですらあの程度と思ってしまうくらい、俺は何時もエスカに酷い目に合わされているんだな」
「そうでしょうか?」
「まぁ、何時もされるお仕置きに比べれば、あの程度は朝の挨拶みたいなもんだがな」
「では、これからあの起こし方にします」
「ほう。何時も起こしに来てくれるのか?」
「用事がある朝だけです」
「ほう。何時も用があったら嫁のように起こしに来てくれるんだな? 嫁のように」
エスカは『嫁』と言う言葉に反応し露骨に嫌な顔をする。
「露骨に嫌な顔をされても今更嫌味にもならんよ」
「嫌味ではありません。嫌なだけです」
「そんなに嫌なら俺が裸エプロンで起こしに行ってやるよ。エスカたーん、朝でちゅよーって」
「そうですか。では、拳で返事をしますね」
「何でも暴力で解決しようとするのはどうかと思うが?」
「暴力ではありません」
「まぁそうだな。お前の殴る蹴るは屁をこくくらい普通の事だもんな」
エスカに尻を突き出し何時ものように小馬鹿にするが、その尻にゴウと風切り音を鳴らし、エスカのタイキックが突き出している大三郎の尻に炸裂した。
「その局長殿は何時来られるのだ?」
朝食をとりながら昨日の出来事を聞いていたメルロが質問をする。
「えっと~。お昼前には来ると思うわ~」
「局長は10時前後に到着すると思います」
プルシラの大雑把な説明を補足するように、ホーデリーフェが正確な時間を告げる。
「部隊を引き連れて来られるのか?」
「いえ。数人の護衛だけでしょう。護衛と言っても名目上だけですし、本来の目的は今回の宣言について副支長との質疑応答が主になります」
ホーデリーフェの言葉を聞いてロシルは溜息を洩らす。
「どうせ来るのはマイゼンとアゲイルでしょ? あの二人の質疑応答って殆ど説教じゃない。いいえ、あれは尋問ですわ」
「そうなってしまうのは副支長が原因なのでは?」
「姉様! ホーデリーフェ達はこうやって私を苛めるのです。ロシルは……ロシルは……、頑張っているのに」
ロシルはそう言いながら、隣に座っているエスカの腕にしがみ付く。
「今回の事は私からビックボスに説明しますので、そんなに説教はされないと思いますよ。……多分」
エスカは話をしている最中、昔の事を思い出していた。
大抵、ロシルの行動で大問題に発展した場合、寧ろ説教で済む事を有り難いと思わなければならない事ばかりだった。今回も説教されるだけで済むなら有り難いと思わなければならない。話せば済むことを法的事案に拡大させ、本人が意図したものではないとしても、救難信号と応援要請も同時に出してしまっている。
大説教は免れても、説教は免れないだろうとエスカは思うのだった。
「ところで救世主様よ」
「何でしょう?」
「前屈みで食事をするのはどうかと思うぞ? ちゃんと座ったらどうだ?」
「ちゃんと座りたいんですが尻が痛くて無理なんです」
「どうしてだ?」
「SМ好きの女王様が僕のお尻に恋をしてしまいまして」
「えすえむ?」
「人をいたぶる事に快楽と快感を覚える人の事を言います」
「何だそれは? 狂った拷問官ではないか。青星ではそう言った者をSМと言うのか?」
「いえ。拷問官の拷問は仕事の一環だけど、SМは趣味です」
「趣味!? 拷問など大抵は機密情報を扱う者が捕虜になった時を想定して、漏洩を防ぐため拷問を耐える訓練で体験するのだが……青星は趣味で拷問を楽しむのか? 訓練ですら趣味にしてしまうなんて……。だから、青星から来る者は戦いのエリート集団なのだろうな」
それだったら、特殊な大人の趣味をお持ちの方々は皆スーパーマンになってしまうよ。そうツッコみたいのだが、色々とポジティブに捉えてくれるメルロに何を言っても素で受け止められ、このままだと収集がつかなくなってしまうと、大三郎は苦笑いで返すしかなかった。
そんな大三郎をよそにメルロは言葉を続ける。
「しかし、その中で神々に認められた救世主様はエリート中のエリート。いや、そんな言葉では失礼になるか? 兎に角、凄い御仁なのは理解できる。うむ、救世主様を我らの前に遣わしてくれた神々に感謝せねばな。勿論、救世主様にも神々同様、心から感謝しているぞ」
メルロの真っ直ぐな目に(ごめんね。おっぱい揉むだけの救世主で。ほんと、ごめんね)と、口元に手を当て目を反らし、心の中で号泣しながら何度も詫びた。
エスカは大三郎の心の懺悔を察したのか、持っているフォークを大三郎の額に投げ刺してやろうとしていた手を止める。
メルロのお陰で命拾いをした大三郎なのだが、尚も尊敬の眼差しで見てくるメルロから必死に目を反らすので精一杯だった為、それに気づく余裕は無かった。
そんな中、ソフィーアが紙に何かを書きエスカに渡す。
エスカがソフィーアから手渡された紙を見ると、エスカ達がビックボスと会っている間、メルロと二人でリトットへ買い物に行って来ると書かれていた。
「分かりました。もし、早く終わるようでしたら私も杉田様を連れてリトットへ行きますね」
それを聞いたソフィーアはにこりと微笑む。
「何で俺もリトットへ行くんだ?」
「荷物持ちは必要ですから」
「言うと思った。絶対、言うと思った。だけど敢えて聞いてみた。でも、思った通りの答えが返って来てがっかりした。俺、がっかりした」
「何をがっかりする事があるのです? ソフィーアさんに荷物を持たせる気ですか?」
「ソフィーの荷物なら喜んで運ぶよ」
「では、何が不満なんですか?」
「お前が俺を健康器具と従者としか思ってない事にがっかりしてるんだ」
「一応、救世主とも思ってますよ」
「もーね。お前の口から出る救世主って言葉が軽く聞こえるの。もーね。ふわっふわなの」
「ふわふわしている杉田様にぴったりではありませんか」
「そーだね、としか言えない俺に泣きそう」
「嬉し泣きができて良かったではありませんか」
「嬉しくはないんだよ? どこをどーしたら俺が嬉し泣きできる要素があるのか寧ろ知りたいけど、もう一度言うよ? 嬉しくはないんだよ? 泣きながらおっぱい揉んでやろうか?」
「汚らわしいのでやめてください」
「救世主を汚らわしいってお前、ふわっふわから汚れになってんじゃねーか。お前、その内、俺、咽び泣くぞ」
エスカはフンと鼻を鳴らし食事を続ける。
ロシルやホーデリーフェ、プルシラはこんなエスカを一度も見た事が無かった。
驚きはあったが、心なしかエスカは楽しんでいるように見えて頬が緩んでしまう。
「姉様」
「何ですか?」
「楽しそう」
「え?」
「そうですね。エスカさん、楽しそうですね」
「うん。プルシラもそ~思うな~。ふふふ」
優しい微笑みで見てくる三人、いや、ロシルは嫉妬が混じっている微笑みだが、エスカはそんな三人の微笑みに「た、楽しくなんかありません」と動揺しながら答える。
「やはりそうか。ふむ。私から見ても、救世主様と会話をしているエスカ殿は楽しそうに見えるからな。見ているこちらも楽しくなる。な? ソフィー」
ソフィーアは満面な笑顔で頷く。
「な、なな、何を言っているのですか? ぜ、全然楽しくありません」
「お二人には感謝しているのだ」
「何をです?」
「ソフィーの笑顔を久しぶりに、本当に久しぶりに見れた」
それを聞いたソフィーアは紙に何かを書きそれを見せる。
”私もメルの笑顔を久しぶりに見たよ。笑い声も久しぶりに聞いた。本当に嬉しかったよ”
少し涙を浮かべた満面な笑顔のソフィーア。
それを見て嬉し泣きしそうなメルロ。
「姉様は本当に変わられましたね」
エスカの腕に絡みついているロシルが呟く。
「何がです?」
「誰かをこんなにも笑顔に出来る姉様をロシルは誇りに思います」
「え?」
「うむ。ソフィーの笑顔を取り戻してくれた救世主様とエスカ殿には心から感謝している」
ソフィーアもメルロの言葉と同じ思いだと祈るようにエスカに頭を垂れる。
ホーデリーフェやプルシラも優しい笑顔でエスカを見ている。
だが、エスカは皆を笑顔にするような事はしていない。
ただ、大三郎の言葉を反射的に返しているだけであり、大三郎が何かするたびお仕置きをしているだけ。それに感謝されてもどう返していいか分からない。
「別に私は何も……」
口ごもるように俯き、上目遣いで大三郎を見ると、大三郎が変な姿勢でこちらを見ている。
目と目が合った瞬間、大三郎が何かを言いだした。
「ロシル。私には感謝は無いのですか?」
「え?」
不意に自分の名を呼ばれ大三郎を見ると、手を洗う場所でしていたエスカの真似をしている。
「そうですか、ライトニングですね」
「ぶふっ!!」
不意を突かれたロシルは思わず吹き出してしまった。
「……。杉田様、一つお尋ねしますが」
「何ですか? エスカさん?」
「それは私の真似ですか?」
「私の真似? 何を言っているのか分かりませんね?」
エスカがする斜に構え胸の下で腕を組み、顎を少し上げツンした表情で言う。
「そうですか」
「ええ。私はただ乳がデカいだけですよ」
エスカはにこりと大三郎に微笑み立ち上がる。
大三郎もにこりと微笑み玄関に走り出す。
「私から逃げられるとでも?」
身体能力では遠く及ばないが玄関の前まで来ている。
逃げ切れると思いエスカに振り向き煽る。
「へ! 追いつけるものなら、追いついてますね。そうですね」
振り向いた目の前にエスカが居た。
もうこれはあれだ、お仕置きだ。と悟る大三郎。
「覚悟は出来てますか?」
「はい」
大三郎は涙目で返事をすると、エスカのお仕置きスペシャルが始まる。
それを見ている皆は声を出して笑った。
気持ちの良い妖精の森の朝に、大三郎の悲鳴と皆の笑い声が一日の始まりを知らせる。
雀のような小鳥達の声。その囀りを聞くたび、この世界も日本の朝と同じなんだなと思う。
ただ違うとしたら、人肌の柔らかさと温もりを持ったフィギュアが顔の上に跨り、ひたすら瞼を叩いている事だ。
「スーギちゃん」
可愛い声で自分の名を呼ぶ可愛いフィギュア。
「おーきてー。スーギちゃん」
声の主はマーヤだ。
パニティーに連れられてミルミネに怒られるだけではなく、アウレリアにも怒られるのは可哀想だと思い、白髪の代わりに他の妖精達に擁護してもらうのを頼んだ。
その所為かは分からないが懐かれた。
「起きないと泣いちゃうぞー」
泣いちゃうぞと言いながら声はいたって元気だ。
実家に帰った時、親戚の子供が遊んでほしさ一心に頬をぺしぺしと叩いたり顔に抱き着いたりと、こんなふうに起こしに来たことがあったなと思い出す。
「起きたいんだ。でもね、顔の上に乗って瞼を叩かれてたら起き上がれないし、目も開けられないんだ」
そう言えばあの時も似たような事を言ったなと、ほのぼのとした目覚まし時計に自然と笑顔になる。
「起きたー! スギちゃんおはよー!」
マーヤはパッと明るい笑顔になり大三郎の顔に抱き着く。
「おはよう。うん、尚更、目が開けられない。はは」
大三郎は顔に抱き着いているマーヤを両手で優しく包むように持ち上げると、両手に包まれたマーヤは、えへへというような笑顔を見せる。
それを見て、こんな朝も悪くないと大三郎も笑顔になった。
「マーヤは朝が早いんだね?」
「何時もは遅いよ」
「そうなの?」
「うん!」
元気良くお寝坊さんだと告白されて軽い笑いが込み上がる。
「あはは。んじゃ、俺と一緒だな」
「スギちゃんと一緒」
マーヤはそう言いながら、笑顔で自分を包んでいる大三郎の手に抱き着く。
拝啓 父上様
この世界に来てから、こんなに微笑ましい朝を迎えたのは初めてです。
もしパニティーとマーヤが夢オチなら僕は死ぬかもしれません。鬼は夢オチで構いませんが。
その鬼に、パニティーの優しさとマーヤの微笑ましさを学ばせたいですが、バカっぱいはバカっぱいなのでバカっぱいのままでしょう。
ハイレベルな美人さんで、スタイル抜群な乳のバカデカい処女。
これだけなら、僕の両手に包まれている妖精に引けを取らないのですが、所詮、鬼畜・De・バカっぱいです。
その鬼畜バカっぱいが、微笑ましい朝をぶち壊すように僕を睨んでいます。
何故、僕の寝室に鬼が居るのでしょう?
寝ている僕の横にですね、憑りついた悪霊のように立っているのです。
何か言いたそうにしているので、嫌ですが相手をしようと思います。
朝の挨拶にドーマンセーマンと言ったら消えないかな。そんな淡い期待を持ってそろそろ起きたいと思います。
親愛なる貴方の息子より。
「……。ドーマンセーマン」
「何ですかそれは?」
「いえ、何でもないです」
「それより、いい加減起きてください」
「分かってるよ。可愛い妖精さんが起こしてくれたし。ね?」
大三郎は笑顔でマーヤを見ると、マーヤも可愛らしい笑顔で見返してくる。
「もう朝食の時間ですからさっさと起きてください」
「朝食? 朝飯も出るのここ?」
「そうですよ。妖精さん達が用意してくださったのですから、杉田様は有り難く頂かなければなりませんよ」
「無駄にデケー乳が重くて苛々してんのは分かるけどよ、何時も一言多いんだよお前は」
「そうですか。粗チン過ぎて体が軽い杉田様が羨ましいですよ」
「他の奴はどんだけ重い一物持ってんだよ。処女のクセに男のアレを言べッ!」
空手の試割をするように大三郎の顔面にめり込むエスカの手刀。
「マーヤ! 何してるんだ!? 朝食の準備のお手伝いしなさい!」
エプロン姿のパニティーがドアから入って来るなり、マーヤに向かいプンスコしている。
「お姉ちゃん、スギちゃんが」
マーヤはエスカの容赦ない手刀に驚いて、大三郎が死んでしまったのではないかと顔を青ざめさせる。
「大丈夫、いつもの事だから。それより早くお手伝いしなさい!」
「い、いつもなの?」
「そーだよ。その程度は朝の挨拶みたいなものだからね」
「でもでも、スギちゃんの顔がひょうたんみたくなってるよ?」
「あとでちんちん治してあげれば元に戻るよ」
「ちんちん? どこにあるの?」
「スギタのお股にあるよ」
「マーヤもちんちん治してあげたい」
「じゃあ、後で一緒に治してあげよう」
「うん!」
「ほら、皆のお手伝いしに行くよ」
「わかったー」
マーヤは元気よく答えると大三郎の顔の所まで行き、頬にキスをしてパニティーと飛んでい行った。
「……。エスカさん」
「何ですか?」
「妖精と言うのは天使なのです」
「何が言いたいのですか?」
「見習ったらどうですか?」
「そうですね。おいたが過ぎたロシルに対するホーデリーフェさんを見習った方が良さそうですね」
「あのですね。僕は妖精の話をしているのに、何故、魔神が鬼神を見習う話になるのでしょうか? それに、魔神と鬼神が合体したら、この世界が滅亡する前に僕が絶命してしまうのでやめてください」
「どうでも良いですが、早く起きて支度してください」
「僕の絶命はどうでも良い括りなんですね。分かります」
大三郎は口元に手を当て、心の中で泣きながら起き上がるとエスカが服を差し出す。
手渡された服は自分の服ではなく見慣れない物だった。
「なにこれ?」
「礼服です」
「礼服?」
「はい。今日の午前中にこの地方の総責任者が来られますので」
「この地方?」
「日本で言う関東地方など、ある一定の地域を呼称するのと同じだと思ってください」
「ふ~ん」
エスカは、どうせ大三郎に詳しく説明しても、興味が無いものに対して記憶しない妖精レベルだと理解している。なので、必要に迫られた時以外の説明はさらっと言う事にしていた。
案の定、”この地方の総責任者”と、言うものを頭の片隅にすら置いていない大三郎は、寝る前に下着類だけは乾いていたのでトランクスだけを履いて寝ていた。そしてそのままパンツ一丁の姿でベットから出てエスカから貰った服を着る。
その姿を見たエスカは、服を渡すとスッと背中を向けた。
「それにしてもだ」
「何ですか?」
「パニティーですらあの程度と思ってしまうくらい、俺は何時もエスカに酷い目に合わされているんだな」
「そうでしょうか?」
「まぁ、何時もされるお仕置きに比べれば、あの程度は朝の挨拶みたいなもんだがな」
「では、これからあの起こし方にします」
「ほう。何時も起こしに来てくれるのか?」
「用事がある朝だけです」
「ほう。何時も用があったら嫁のように起こしに来てくれるんだな? 嫁のように」
エスカは『嫁』と言う言葉に反応し露骨に嫌な顔をする。
「露骨に嫌な顔をされても今更嫌味にもならんよ」
「嫌味ではありません。嫌なだけです」
「そんなに嫌なら俺が裸エプロンで起こしに行ってやるよ。エスカたーん、朝でちゅよーって」
「そうですか。では、拳で返事をしますね」
「何でも暴力で解決しようとするのはどうかと思うが?」
「暴力ではありません」
「まぁそうだな。お前の殴る蹴るは屁をこくくらい普通の事だもんな」
エスカに尻を突き出し何時ものように小馬鹿にするが、その尻にゴウと風切り音を鳴らし、エスカのタイキックが突き出している大三郎の尻に炸裂した。
「その局長殿は何時来られるのだ?」
朝食をとりながら昨日の出来事を聞いていたメルロが質問をする。
「えっと~。お昼前には来ると思うわ~」
「局長は10時前後に到着すると思います」
プルシラの大雑把な説明を補足するように、ホーデリーフェが正確な時間を告げる。
「部隊を引き連れて来られるのか?」
「いえ。数人の護衛だけでしょう。護衛と言っても名目上だけですし、本来の目的は今回の宣言について副支長との質疑応答が主になります」
ホーデリーフェの言葉を聞いてロシルは溜息を洩らす。
「どうせ来るのはマイゼンとアゲイルでしょ? あの二人の質疑応答って殆ど説教じゃない。いいえ、あれは尋問ですわ」
「そうなってしまうのは副支長が原因なのでは?」
「姉様! ホーデリーフェ達はこうやって私を苛めるのです。ロシルは……ロシルは……、頑張っているのに」
ロシルはそう言いながら、隣に座っているエスカの腕にしがみ付く。
「今回の事は私からビックボスに説明しますので、そんなに説教はされないと思いますよ。……多分」
エスカは話をしている最中、昔の事を思い出していた。
大抵、ロシルの行動で大問題に発展した場合、寧ろ説教で済む事を有り難いと思わなければならない事ばかりだった。今回も説教されるだけで済むなら有り難いと思わなければならない。話せば済むことを法的事案に拡大させ、本人が意図したものではないとしても、救難信号と応援要請も同時に出してしまっている。
大説教は免れても、説教は免れないだろうとエスカは思うのだった。
「ところで救世主様よ」
「何でしょう?」
「前屈みで食事をするのはどうかと思うぞ? ちゃんと座ったらどうだ?」
「ちゃんと座りたいんですが尻が痛くて無理なんです」
「どうしてだ?」
「SМ好きの女王様が僕のお尻に恋をしてしまいまして」
「えすえむ?」
「人をいたぶる事に快楽と快感を覚える人の事を言います」
「何だそれは? 狂った拷問官ではないか。青星ではそう言った者をSМと言うのか?」
「いえ。拷問官の拷問は仕事の一環だけど、SМは趣味です」
「趣味!? 拷問など大抵は機密情報を扱う者が捕虜になった時を想定して、漏洩を防ぐため拷問を耐える訓練で体験するのだが……青星は趣味で拷問を楽しむのか? 訓練ですら趣味にしてしまうなんて……。だから、青星から来る者は戦いのエリート集団なのだろうな」
それだったら、特殊な大人の趣味をお持ちの方々は皆スーパーマンになってしまうよ。そうツッコみたいのだが、色々とポジティブに捉えてくれるメルロに何を言っても素で受け止められ、このままだと収集がつかなくなってしまうと、大三郎は苦笑いで返すしかなかった。
そんな大三郎をよそにメルロは言葉を続ける。
「しかし、その中で神々に認められた救世主様はエリート中のエリート。いや、そんな言葉では失礼になるか? 兎に角、凄い御仁なのは理解できる。うむ、救世主様を我らの前に遣わしてくれた神々に感謝せねばな。勿論、救世主様にも神々同様、心から感謝しているぞ」
メルロの真っ直ぐな目に(ごめんね。おっぱい揉むだけの救世主で。ほんと、ごめんね)と、口元に手を当て目を反らし、心の中で号泣しながら何度も詫びた。
エスカは大三郎の心の懺悔を察したのか、持っているフォークを大三郎の額に投げ刺してやろうとしていた手を止める。
メルロのお陰で命拾いをした大三郎なのだが、尚も尊敬の眼差しで見てくるメルロから必死に目を反らすので精一杯だった為、それに気づく余裕は無かった。
そんな中、ソフィーアが紙に何かを書きエスカに渡す。
エスカがソフィーアから手渡された紙を見ると、エスカ達がビックボスと会っている間、メルロと二人でリトットへ買い物に行って来ると書かれていた。
「分かりました。もし、早く終わるようでしたら私も杉田様を連れてリトットへ行きますね」
それを聞いたソフィーアはにこりと微笑む。
「何で俺もリトットへ行くんだ?」
「荷物持ちは必要ですから」
「言うと思った。絶対、言うと思った。だけど敢えて聞いてみた。でも、思った通りの答えが返って来てがっかりした。俺、がっかりした」
「何をがっかりする事があるのです? ソフィーアさんに荷物を持たせる気ですか?」
「ソフィーの荷物なら喜んで運ぶよ」
「では、何が不満なんですか?」
「お前が俺を健康器具と従者としか思ってない事にがっかりしてるんだ」
「一応、救世主とも思ってますよ」
「もーね。お前の口から出る救世主って言葉が軽く聞こえるの。もーね。ふわっふわなの」
「ふわふわしている杉田様にぴったりではありませんか」
「そーだね、としか言えない俺に泣きそう」
「嬉し泣きができて良かったではありませんか」
「嬉しくはないんだよ? どこをどーしたら俺が嬉し泣きできる要素があるのか寧ろ知りたいけど、もう一度言うよ? 嬉しくはないんだよ? 泣きながらおっぱい揉んでやろうか?」
「汚らわしいのでやめてください」
「救世主を汚らわしいってお前、ふわっふわから汚れになってんじゃねーか。お前、その内、俺、咽び泣くぞ」
エスカはフンと鼻を鳴らし食事を続ける。
ロシルやホーデリーフェ、プルシラはこんなエスカを一度も見た事が無かった。
驚きはあったが、心なしかエスカは楽しんでいるように見えて頬が緩んでしまう。
「姉様」
「何ですか?」
「楽しそう」
「え?」
「そうですね。エスカさん、楽しそうですね」
「うん。プルシラもそ~思うな~。ふふふ」
優しい微笑みで見てくる三人、いや、ロシルは嫉妬が混じっている微笑みだが、エスカはそんな三人の微笑みに「た、楽しくなんかありません」と動揺しながら答える。
「やはりそうか。ふむ。私から見ても、救世主様と会話をしているエスカ殿は楽しそうに見えるからな。見ているこちらも楽しくなる。な? ソフィー」
ソフィーアは満面な笑顔で頷く。
「な、なな、何を言っているのですか? ぜ、全然楽しくありません」
「お二人には感謝しているのだ」
「何をです?」
「ソフィーの笑顔を久しぶりに、本当に久しぶりに見れた」
それを聞いたソフィーアは紙に何かを書きそれを見せる。
”私もメルの笑顔を久しぶりに見たよ。笑い声も久しぶりに聞いた。本当に嬉しかったよ”
少し涙を浮かべた満面な笑顔のソフィーア。
それを見て嬉し泣きしそうなメルロ。
「姉様は本当に変わられましたね」
エスカの腕に絡みついているロシルが呟く。
「何がです?」
「誰かをこんなにも笑顔に出来る姉様をロシルは誇りに思います」
「え?」
「うむ。ソフィーの笑顔を取り戻してくれた救世主様とエスカ殿には心から感謝している」
ソフィーアもメルロの言葉と同じ思いだと祈るようにエスカに頭を垂れる。
ホーデリーフェやプルシラも優しい笑顔でエスカを見ている。
だが、エスカは皆を笑顔にするような事はしていない。
ただ、大三郎の言葉を反射的に返しているだけであり、大三郎が何かするたびお仕置きをしているだけ。それに感謝されてもどう返していいか分からない。
「別に私は何も……」
口ごもるように俯き、上目遣いで大三郎を見ると、大三郎が変な姿勢でこちらを見ている。
目と目が合った瞬間、大三郎が何かを言いだした。
「ロシル。私には感謝は無いのですか?」
「え?」
不意に自分の名を呼ばれ大三郎を見ると、手を洗う場所でしていたエスカの真似をしている。
「そうですか、ライトニングですね」
「ぶふっ!!」
不意を突かれたロシルは思わず吹き出してしまった。
「……。杉田様、一つお尋ねしますが」
「何ですか? エスカさん?」
「それは私の真似ですか?」
「私の真似? 何を言っているのか分かりませんね?」
エスカがする斜に構え胸の下で腕を組み、顎を少し上げツンした表情で言う。
「そうですか」
「ええ。私はただ乳がデカいだけですよ」
エスカはにこりと大三郎に微笑み立ち上がる。
大三郎もにこりと微笑み玄関に走り出す。
「私から逃げられるとでも?」
身体能力では遠く及ばないが玄関の前まで来ている。
逃げ切れると思いエスカに振り向き煽る。
「へ! 追いつけるものなら、追いついてますね。そうですね」
振り向いた目の前にエスカが居た。
もうこれはあれだ、お仕置きだ。と悟る大三郎。
「覚悟は出来てますか?」
「はい」
大三郎は涙目で返事をすると、エスカのお仕置きスペシャルが始まる。
それを見ている皆は声を出して笑った。
気持ちの良い妖精の森の朝に、大三郎の悲鳴と皆の笑い声が一日の始まりを知らせる。
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