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妖精の森編
幻想的な森の中で⑥
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「フォ、フォ、フォーデリーフェじゃ、じゃないの。ど、どど、どうちた、どうしたのかちら? かしら?」
一目で動揺しまくっているのが分かるロシルに対し、ホーデリーフェは無言のまま見つめる。
「な、なな、何か、よ、よよ、用かしら? 用ガッ――!」
エスカ並みのアイアンクローがロシルの顔面に炸裂する。
「用ですか? ええ、ありますよ。たっぷりと」
「ちょ、ちょっと、待って、フォぉおぉぁぁああああ!!」
容赦なくギリギリと締め上げるホーデリーフェ。
「ロシルちゃ~ん。宣言しちゃったでしょ~? 駄目だよ~。宣言する時は~、私達に許可を貰ってからだって~、約束したじゃな~い?」
「ご、ごめん、な、なさいぃぃいやぁああああ!!」
「それに、宣言だけじゃなく、救難信号と応援要請も同時に出すとは何事ですか?」
「しら、知らないわよぉおおぉおフォーデリーフェぇぇえ!!」
更に締め上げるホーデリーフェ。
「局長、明日来ちゃうよ~」
「ど、どど、どうしよぉおおぉほほーぃいやぁああああ!!」
ホーデリーフェの表情が徐々に鬼神の如き顔になる。
「ホーデリーフェさん。もう、そのくらいで」
エスカが優しく止めに入る。
ホーデリーフェはエスカが言うならとアイアンクローを解き、ロシルをギロリと睨み地面へ投げ捨てた。
「ビックボスには私から誤解から生じた誤報だったと説明しますので」
「エスカさんに言っていただけると局長も納得すると思います。エスカさんにはご迷惑とお手数をお掛けして申し訳ありません」
「本当にごめんなさ~い」
ホーデリーフェとプルシラは深々と頭を下げる。
「いいのです。全ては杉田様が悪いのですから」
「何で!?」
「あら? もう、傷が治ったのですか?」
「妖精さん達が治してくれた」
数人の妖精が満面な笑みを浮かべ、手に白髪を持ちキャッキャと騒ぎながら飛んで行く。
「また、抜かれたのですか?」
「うん……」
「杉田様の白髪、いえ。杉田様に何の価値も無いと言うのに」
「あれ? 毛から本体に拡大したように聞こえたんですけど?」
「そんな事より」
「あ、俺、そんな事なのね。了解です」
「杉田様には後で話があります」
「僕には無いです」
「本当に無いのですか?」
「無いよ?」
「分かりました。本当に無いのなら、寝室へ戻っても良いですよ。でも、もし――」
「もう少しここに居たくなりました!」
大三郎は背筋を伸ばしエスカに敬礼をする。
エスカはフンと鼻を鳴らし、アイアンクローで魂が抜けかけて倒れているロシルの下へ行く。
「ロシル? 大丈夫ですか?」
「ね、ねえ……さま」
「余り皆に迷惑をかけてはいけませんよ」
「は、はい。姉様……ごめんなさい」
「立てますか?」
「む、無理です。で、でも……」
「でも?」
「姉様にギュっとされたら元気になれます」
「え?」
「姉様……」
捨てられた子犬のような目でエスカを見るロシルに、エスカは小さく溜息をつくと「仕方ないですね」とロシルを抱きしめた。
――でゅふふ。ね、姉様の胸が、でゅふふふふ。どさくさに乳首をあまガッ!
ロシルの頭にホーデリーフェのメテオ級ゲンコツが降り注ぐ。
驚くエスカ。再び床ペロをするロシル。
「エスカさん。甘やかさないでください」
「え? すみません」
「フォーーーデリーーーフェーーー!!!」
昇竜拳のように立ち上げるロシル。
「何ですか?」
「あんたねー! 姉様の女神の如き抱擁を何だと思ってるのよ!?」
「エスカさんの抱擁は滅多に経験できませんので貴重な体験ですが、それより副支長」
「何よ!?」
「元気ですね」
「え?」
「元気ですね」
「ぁ……ぁぁ……ぁ。私、もう駄ヴぇ!」
ホーデリーフェはロシルの首を正面から片手で鷲掴みし、鼻と鼻がくっ付いてしまいそうなほど顔を近づける。
「普段の私で話した方が足りない頭でも理解しやすいか? お?」
「いいえ……じゅうぶんです」
「ね~ね~。妖精さん達が~、私達のお部屋を用意してくれたって~」
それを聞いたホーデリーフェは、こんなにも迷惑をかけたのに宿泊する部屋まで用意してくれた事に感謝をし、何時もの口調に戻す。
「そうですか。それなら、後で正式にお礼を言わなければなりませんね」
「そ~だね~」
「姉様! 後で私ヴぉ!」
プルシラがエスカに駆け寄ろうとしたロシルの首に腕を回し耳元で囁く。
「ロシルちゃ~ん。そろそろいい加減にしよ~か~?」
何時も笑みを絶やさないプルシラの目が少しだけ開く。それは決して開けてはならぬ禁断の扉を開くのと同じこと。ロシルは反射的に返事をする。
「うん。ロシル、いい加減にする」
「良い娘ね~」
そう言うとプルシラの目が閉じ、何時もの微笑みの目に戻った。
そして、プルシラは言葉を足すようにある事を耳元で囁く。
「ロシルちゃ~ん。ここって~温泉があるんだよ~」
「温泉?」
「そ~。エスカさんも入るかもよ~。ここで時間使っちゃって良いのぉ~?」
それを聞いたロシルは、キビキビ動くロボットのように「それでは姉様! 私達はこれで失礼します!」と、二人を連れて用意された部屋へと去って行った。
「嵐のような娘だな……」
大三郎がぼそりと言うとエスカが溜息交じりだが微かな笑顔で「ええ」と答えた。
「それより。ねーねー、エスカたん」
「何ですか? 気持ち悪い」
「気持ち悪いのは余計だろ」
「何ですか?」
「エスカたんはぁ、特別階級監視人なんだって~?」
「ええ、そうですが? 誰から……ロシルからですか」
「あの娘の事はどうでも良いんだよ~ぅ」
「何ですか? 言いたい事があるならはっきり仰ってください」
「うん、じゃあ、はっきり言うね」
「はい」
「貴様、援助金とかたらふく貰えるそうじゃねーか?」
エスカは大三郎の問いに微動だにせず目を見返す。
そして少し黙った後、何食わぬで答える。
「だから何です?」
「だから何ですってきやがったか……。おうバカっぱい!」
「何ですか?」
「衣食住くらい用意しろや! って僕は言いたいんですけど!」
「働けば良いではないですか?」
「おおう。正論ぶちかましやがって……。てかおい、俺に働きながら世界を救えってか?」
「そうですよ?」
「そんな時間あるんですか? 滅亡まで一年ですよ?」
「頑張れば良いのではないですか?」
「このバカっぱいは他人事みたく言いますね?」
エスカは胸の下で腕を組み何時もの斜に構えた姿勢で目を見て問いかける。
「では、お聞きしますが、衣食住を用意しないと世界は救えないと? 働いていたら世界は救えないと仰るのですね?」
「そんな事は言ってない」
「では、何ですか?」
「忘れてましたね?」
「何をです?」
「自分の権限やら特権を忘れてましたね?」
「……。忘れていませんよ?」
「うん。お前が嘘を言うのが分かるようになった。うん。お前は嘘を言っている」
「嘘ではありません」
「では、何ですか? 嘘以外に何があるんですか?」
「杉田様に必要ないと判断しただけです」
「何を?」
「衣食住」
「必要です! 一番必要ですよエスカさん!」
「あら? そうですか?」
「あら? そうですね?」
「分かりました。次からはお水を用意します」
「お水? 水のみ?」
「ふぅ。仕方ありません。氷も入れて差し上げます」
「わお! 氷水! 贅沢! って言うかバカチクビ!」
憤慨する大三郎に対しエスカはフンと鼻を鳴らし背を向け部屋へと歩いて行く。
大三郎はハッと何かに気付きエスカに声を掛かた。
「ねーねー、エスカたん」
「今度は何ですか?」
溜息交じりな返事をし大三郎へ向き直る。
「エスカたんて処女なんだって?」
「ッッッ!!?」
何時もとんでもない事を言ってくる大三郎の言葉に慣れてきたとはいえ予想外だった。
エスカの人生の中で面と向かい”処女なんだって?”などと言われた事など無い。
どんな場面でも臆する事の無いエスカだが、流石にこれには耐性は皆無。
動揺と恥ずかしさが混じり合いカーッと顔が赤くなる。
「顔が赤くなった。処女ですな」
「あ、貴方は……」
「何? 処女のエスカた――」
大三郎に向かい弾丸の如く走り出すエスカ。脱兎の如く逃げ出す大三郎。
「楽しそう……」
二階の窓から二人を見ていたロシルが呟く。
「エスカさん、変わられましたね」
「ええ。あの頃とは大分違いますわ」
「ロシルちゃんは~、どっちのエスカさんが好き~?」
「え? どっち……?」
どんな苦難にも立ち向かい、己の身を顧みず頼る者には手を差し伸べ続けた孤高で高貴な聖騎士長エスカ。
逃げる背中に飛び蹴りを喰らわせ、倒れた大三郎を仰向けに寝かせた後、すかさずマウントポジションからの顔面殴打をしているエスカ。
「あんな姉様、見た事が無いですわ」
「そうですね」
「ふふふ。我慢しなくなったって~、言ってたもんね~」
「そうなの?」
「はい。笑顔で」
「そう……。姉様が」
ロシルの顔から笑みがこぼれた。
一目で動揺しまくっているのが分かるロシルに対し、ホーデリーフェは無言のまま見つめる。
「な、なな、何か、よ、よよ、用かしら? 用ガッ――!」
エスカ並みのアイアンクローがロシルの顔面に炸裂する。
「用ですか? ええ、ありますよ。たっぷりと」
「ちょ、ちょっと、待って、フォぉおぉぁぁああああ!!」
容赦なくギリギリと締め上げるホーデリーフェ。
「ロシルちゃ~ん。宣言しちゃったでしょ~? 駄目だよ~。宣言する時は~、私達に許可を貰ってからだって~、約束したじゃな~い?」
「ご、ごめん、な、なさいぃぃいやぁああああ!!」
「それに、宣言だけじゃなく、救難信号と応援要請も同時に出すとは何事ですか?」
「しら、知らないわよぉおおぉおフォーデリーフェぇぇえ!!」
更に締め上げるホーデリーフェ。
「局長、明日来ちゃうよ~」
「ど、どど、どうしよぉおおぉほほーぃいやぁああああ!!」
ホーデリーフェの表情が徐々に鬼神の如き顔になる。
「ホーデリーフェさん。もう、そのくらいで」
エスカが優しく止めに入る。
ホーデリーフェはエスカが言うならとアイアンクローを解き、ロシルをギロリと睨み地面へ投げ捨てた。
「ビックボスには私から誤解から生じた誤報だったと説明しますので」
「エスカさんに言っていただけると局長も納得すると思います。エスカさんにはご迷惑とお手数をお掛けして申し訳ありません」
「本当にごめんなさ~い」
ホーデリーフェとプルシラは深々と頭を下げる。
「いいのです。全ては杉田様が悪いのですから」
「何で!?」
「あら? もう、傷が治ったのですか?」
「妖精さん達が治してくれた」
数人の妖精が満面な笑みを浮かべ、手に白髪を持ちキャッキャと騒ぎながら飛んで行く。
「また、抜かれたのですか?」
「うん……」
「杉田様の白髪、いえ。杉田様に何の価値も無いと言うのに」
「あれ? 毛から本体に拡大したように聞こえたんですけど?」
「そんな事より」
「あ、俺、そんな事なのね。了解です」
「杉田様には後で話があります」
「僕には無いです」
「本当に無いのですか?」
「無いよ?」
「分かりました。本当に無いのなら、寝室へ戻っても良いですよ。でも、もし――」
「もう少しここに居たくなりました!」
大三郎は背筋を伸ばしエスカに敬礼をする。
エスカはフンと鼻を鳴らし、アイアンクローで魂が抜けかけて倒れているロシルの下へ行く。
「ロシル? 大丈夫ですか?」
「ね、ねえ……さま」
「余り皆に迷惑をかけてはいけませんよ」
「は、はい。姉様……ごめんなさい」
「立てますか?」
「む、無理です。で、でも……」
「でも?」
「姉様にギュっとされたら元気になれます」
「え?」
「姉様……」
捨てられた子犬のような目でエスカを見るロシルに、エスカは小さく溜息をつくと「仕方ないですね」とロシルを抱きしめた。
――でゅふふ。ね、姉様の胸が、でゅふふふふ。どさくさに乳首をあまガッ!
ロシルの頭にホーデリーフェのメテオ級ゲンコツが降り注ぐ。
驚くエスカ。再び床ペロをするロシル。
「エスカさん。甘やかさないでください」
「え? すみません」
「フォーーーデリーーーフェーーー!!!」
昇竜拳のように立ち上げるロシル。
「何ですか?」
「あんたねー! 姉様の女神の如き抱擁を何だと思ってるのよ!?」
「エスカさんの抱擁は滅多に経験できませんので貴重な体験ですが、それより副支長」
「何よ!?」
「元気ですね」
「え?」
「元気ですね」
「ぁ……ぁぁ……ぁ。私、もう駄ヴぇ!」
ホーデリーフェはロシルの首を正面から片手で鷲掴みし、鼻と鼻がくっ付いてしまいそうなほど顔を近づける。
「普段の私で話した方が足りない頭でも理解しやすいか? お?」
「いいえ……じゅうぶんです」
「ね~ね~。妖精さん達が~、私達のお部屋を用意してくれたって~」
それを聞いたホーデリーフェは、こんなにも迷惑をかけたのに宿泊する部屋まで用意してくれた事に感謝をし、何時もの口調に戻す。
「そうですか。それなら、後で正式にお礼を言わなければなりませんね」
「そ~だね~」
「姉様! 後で私ヴぉ!」
プルシラがエスカに駆け寄ろうとしたロシルの首に腕を回し耳元で囁く。
「ロシルちゃ~ん。そろそろいい加減にしよ~か~?」
何時も笑みを絶やさないプルシラの目が少しだけ開く。それは決して開けてはならぬ禁断の扉を開くのと同じこと。ロシルは反射的に返事をする。
「うん。ロシル、いい加減にする」
「良い娘ね~」
そう言うとプルシラの目が閉じ、何時もの微笑みの目に戻った。
そして、プルシラは言葉を足すようにある事を耳元で囁く。
「ロシルちゃ~ん。ここって~温泉があるんだよ~」
「温泉?」
「そ~。エスカさんも入るかもよ~。ここで時間使っちゃって良いのぉ~?」
それを聞いたロシルは、キビキビ動くロボットのように「それでは姉様! 私達はこれで失礼します!」と、二人を連れて用意された部屋へと去って行った。
「嵐のような娘だな……」
大三郎がぼそりと言うとエスカが溜息交じりだが微かな笑顔で「ええ」と答えた。
「それより。ねーねー、エスカたん」
「何ですか? 気持ち悪い」
「気持ち悪いのは余計だろ」
「何ですか?」
「エスカたんはぁ、特別階級監視人なんだって~?」
「ええ、そうですが? 誰から……ロシルからですか」
「あの娘の事はどうでも良いんだよ~ぅ」
「何ですか? 言いたい事があるならはっきり仰ってください」
「うん、じゃあ、はっきり言うね」
「はい」
「貴様、援助金とかたらふく貰えるそうじゃねーか?」
エスカは大三郎の問いに微動だにせず目を見返す。
そして少し黙った後、何食わぬで答える。
「だから何です?」
「だから何ですってきやがったか……。おうバカっぱい!」
「何ですか?」
「衣食住くらい用意しろや! って僕は言いたいんですけど!」
「働けば良いではないですか?」
「おおう。正論ぶちかましやがって……。てかおい、俺に働きながら世界を救えってか?」
「そうですよ?」
「そんな時間あるんですか? 滅亡まで一年ですよ?」
「頑張れば良いのではないですか?」
「このバカっぱいは他人事みたく言いますね?」
エスカは胸の下で腕を組み何時もの斜に構えた姿勢で目を見て問いかける。
「では、お聞きしますが、衣食住を用意しないと世界は救えないと? 働いていたら世界は救えないと仰るのですね?」
「そんな事は言ってない」
「では、何ですか?」
「忘れてましたね?」
「何をです?」
「自分の権限やら特権を忘れてましたね?」
「……。忘れていませんよ?」
「うん。お前が嘘を言うのが分かるようになった。うん。お前は嘘を言っている」
「嘘ではありません」
「では、何ですか? 嘘以外に何があるんですか?」
「杉田様に必要ないと判断しただけです」
「何を?」
「衣食住」
「必要です! 一番必要ですよエスカさん!」
「あら? そうですか?」
「あら? そうですね?」
「分かりました。次からはお水を用意します」
「お水? 水のみ?」
「ふぅ。仕方ありません。氷も入れて差し上げます」
「わお! 氷水! 贅沢! って言うかバカチクビ!」
憤慨する大三郎に対しエスカはフンと鼻を鳴らし背を向け部屋へと歩いて行く。
大三郎はハッと何かに気付きエスカに声を掛かた。
「ねーねー、エスカたん」
「今度は何ですか?」
溜息交じりな返事をし大三郎へ向き直る。
「エスカたんて処女なんだって?」
「ッッッ!!?」
何時もとんでもない事を言ってくる大三郎の言葉に慣れてきたとはいえ予想外だった。
エスカの人生の中で面と向かい”処女なんだって?”などと言われた事など無い。
どんな場面でも臆する事の無いエスカだが、流石にこれには耐性は皆無。
動揺と恥ずかしさが混じり合いカーッと顔が赤くなる。
「顔が赤くなった。処女ですな」
「あ、貴方は……」
「何? 処女のエスカた――」
大三郎に向かい弾丸の如く走り出すエスカ。脱兎の如く逃げ出す大三郎。
「楽しそう……」
二階の窓から二人を見ていたロシルが呟く。
「エスカさん、変わられましたね」
「ええ。あの頃とは大分違いますわ」
「ロシルちゃんは~、どっちのエスカさんが好き~?」
「え? どっち……?」
どんな苦難にも立ち向かい、己の身を顧みず頼る者には手を差し伸べ続けた孤高で高貴な聖騎士長エスカ。
逃げる背中に飛び蹴りを喰らわせ、倒れた大三郎を仰向けに寝かせた後、すかさずマウントポジションからの顔面殴打をしているエスカ。
「あんな姉様、見た事が無いですわ」
「そうですね」
「ふふふ。我慢しなくなったって~、言ってたもんね~」
「そうなの?」
「はい。笑顔で」
「そう……。姉様が」
ロシルの顔から笑みがこぼれた。
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