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『猫神』とこれから
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そんな訳で、アリシアの仲間たちとも軽く顔合わせをした後(俺の名前は『ハク』でお願いした)、俺の拠点に戻ってきた。
「相変わらず意味わからないレベルの空間よね。」
「はっはっはっ、俺の集大成だからなココは!!」
拠点に入った瞬間に失礼な事を言い放つアリシアだが、俺は気にしない。
「あ、ハクお帰りなさい……その人は?」
主は少し前に起きて部屋の中を見て回ってたらしい。
女子にしては珍しく、地球の時から武器とかに興味があったみたいだからな。
「コイツはアリシア。ギルドのネームプレートにあった俺の親友。で、色々あってここに来てたみたいだ。」
「初めまして、アリシア・リーフよ。よろしくね?」
「あ、はい、西園寺 雪です。」
2人は挨拶が終わったあと、2人だけで話がしたいとの事だったので俺は大人しく料理を作って待つ。
主は当然だが、アリシアも飯はまだだったみたいだからな。
さて、今回作るのはオーク肉の香草シチューだ。
オーク肉はめっちゃ美味いのだが、如何せん脂っこい。
そこで、余分な脂を分解してくれる香草、ペパの葉と臭みを消すロリェの葉、少しだけスパイシーにしてくれるサンシェの実などを刻み込んだ特性スパイスを使う。
あとは野菜を少しばかり大きめにざっくりとカットし、オーク肉を食べやすい大きさにして、鍋にぶち込んで少し炒める。
その後、ミルクと塩、少しのレモの実の果汁と先程のスパイスを混ぜ込み、煮込んで完成だ。
あとは煮込んでる間に、パンをカットして後片付けを済ませる。
色々と済ませて30分ぐらいして味を確認。
思いっきり猫舌なので、全力で冷まして味に問題が無いのを確認。
久しぶりの料理だったが、満足できるシチューが出来てホッとした。
「ただし俺の皿には氷を入れるけどな~」
熱いのは食べれませんからね!!!!
「主~、アリシア~、シチューできたぞ~」
「あ、ありがとう。」
「アンタの料理も久しぶりね~」
俺が呼ぶと、2人は話を中断して皿を取りに来る。
実は2人とも料理は下手では無いが、そこまで得意という訳でもないラインにいる……ギリギリ。
いわゆるダークマターと呼ばれる物質を作らないって言うだけの話ではあるが。
なので地球に居た頃は時々、西園寺一家の為に料理していた。
「んで、主はこの後どうするか決めたか?」
2人の雰囲気を見る限り、ある程度は溶け込めた様なので聞いてみる。
「俺としちゃあ、主がこっちで暮らすにしろ、向こうに帰るにしろ、主の傍から離れる気は無いからな。主の意向に合わせるよ。」
一応、帰る手段がない訳では無いが、正直言うとめんどくさい。
「ハク、私はこの世界で生きたい。家族の皆には会いたい気持ちもあるけど…正直言うと、それ以外の周りの人間に私は会いたくない。」
まぁ、だろうな。
主の周りの人間はほとんど屑と言って差し支えないレベルの人間だ。
妖魔の類いなんて一般人には見えないし、陰陽師の家系と言うだけで変な噂が立つし、他家の陰陽師連中も優秀で容姿の優れた主を我が物にしようと薄汚い策を巡らせてくる。
「だから、私、アリシアさんと一緒に行くよ。ハク、手伝ってくれる?」
「当たり前だろ………うし、なら飯食った後に家族に手紙を書いてくれ。次元を超えるレベルの転移だと人を飛ばすことは出来ないが、無機物…手紙とかならできる。」
人を転移させられないのは、人の魂が耐えられないから。
そもそも魂は、肉体が滅んだ後に魂の川と呼んでいる『流れ』に乗る。
その川の流れに乗って次元を輪廻するのだが、基本、その川はひとつの世界で完結するのだが、今回の様なイレギュラーで魂の滝みたいなものに呑み込まれ『落ちる』。
地球はこの世界よりも高次元に存在する為、落ちたらほぼ一方通行だ。
そして、無機物のような魂の無い物質ならば莫大な魔力を引き換えに、『次元の番人』経由で届けてもらえる。
過去の転移者もそれで手紙を渡していたのを見た事がある。
何はともあれ、主はこの世界で生きることを決めた。
ならば俺はそれをサポートするだけだ。
「相変わらず意味わからないレベルの空間よね。」
「はっはっはっ、俺の集大成だからなココは!!」
拠点に入った瞬間に失礼な事を言い放つアリシアだが、俺は気にしない。
「あ、ハクお帰りなさい……その人は?」
主は少し前に起きて部屋の中を見て回ってたらしい。
女子にしては珍しく、地球の時から武器とかに興味があったみたいだからな。
「コイツはアリシア。ギルドのネームプレートにあった俺の親友。で、色々あってここに来てたみたいだ。」
「初めまして、アリシア・リーフよ。よろしくね?」
「あ、はい、西園寺 雪です。」
2人は挨拶が終わったあと、2人だけで話がしたいとの事だったので俺は大人しく料理を作って待つ。
主は当然だが、アリシアも飯はまだだったみたいだからな。
さて、今回作るのはオーク肉の香草シチューだ。
オーク肉はめっちゃ美味いのだが、如何せん脂っこい。
そこで、余分な脂を分解してくれる香草、ペパの葉と臭みを消すロリェの葉、少しだけスパイシーにしてくれるサンシェの実などを刻み込んだ特性スパイスを使う。
あとは野菜を少しばかり大きめにざっくりとカットし、オーク肉を食べやすい大きさにして、鍋にぶち込んで少し炒める。
その後、ミルクと塩、少しのレモの実の果汁と先程のスパイスを混ぜ込み、煮込んで完成だ。
あとは煮込んでる間に、パンをカットして後片付けを済ませる。
色々と済ませて30分ぐらいして味を確認。
思いっきり猫舌なので、全力で冷まして味に問題が無いのを確認。
久しぶりの料理だったが、満足できるシチューが出来てホッとした。
「ただし俺の皿には氷を入れるけどな~」
熱いのは食べれませんからね!!!!
「主~、アリシア~、シチューできたぞ~」
「あ、ありがとう。」
「アンタの料理も久しぶりね~」
俺が呼ぶと、2人は話を中断して皿を取りに来る。
実は2人とも料理は下手では無いが、そこまで得意という訳でもないラインにいる……ギリギリ。
いわゆるダークマターと呼ばれる物質を作らないって言うだけの話ではあるが。
なので地球に居た頃は時々、西園寺一家の為に料理していた。
「んで、主はこの後どうするか決めたか?」
2人の雰囲気を見る限り、ある程度は溶け込めた様なので聞いてみる。
「俺としちゃあ、主がこっちで暮らすにしろ、向こうに帰るにしろ、主の傍から離れる気は無いからな。主の意向に合わせるよ。」
一応、帰る手段がない訳では無いが、正直言うとめんどくさい。
「ハク、私はこの世界で生きたい。家族の皆には会いたい気持ちもあるけど…正直言うと、それ以外の周りの人間に私は会いたくない。」
まぁ、だろうな。
主の周りの人間はほとんど屑と言って差し支えないレベルの人間だ。
妖魔の類いなんて一般人には見えないし、陰陽師の家系と言うだけで変な噂が立つし、他家の陰陽師連中も優秀で容姿の優れた主を我が物にしようと薄汚い策を巡らせてくる。
「だから、私、アリシアさんと一緒に行くよ。ハク、手伝ってくれる?」
「当たり前だろ………うし、なら飯食った後に家族に手紙を書いてくれ。次元を超えるレベルの転移だと人を飛ばすことは出来ないが、無機物…手紙とかならできる。」
人を転移させられないのは、人の魂が耐えられないから。
そもそも魂は、肉体が滅んだ後に魂の川と呼んでいる『流れ』に乗る。
その川の流れに乗って次元を輪廻するのだが、基本、その川はひとつの世界で完結するのだが、今回の様なイレギュラーで魂の滝みたいなものに呑み込まれ『落ちる』。
地球はこの世界よりも高次元に存在する為、落ちたらほぼ一方通行だ。
そして、無機物のような魂の無い物質ならば莫大な魔力を引き換えに、『次元の番人』経由で届けてもらえる。
過去の転移者もそれで手紙を渡していたのを見た事がある。
何はともあれ、主はこの世界で生きることを決めた。
ならば俺はそれをサポートするだけだ。
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