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皇帝陛下と初対面!
皇帝陛下と初対面!②
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貴族達は宮殿の大広間から、前庭へと場所を移し、皇帝陛下と皇太子の決闘という、前代未聞の大イベントを見守る。
始めは微妙な面持ちで見学していた彼らは、父子の真剣勝負を前に、徐々に声援を送り始める。
ジルはそんな貴族達の輪から少し離れて立つ。
先程の式典での衝撃的な展開について、ハイネに問い詰めたいのに、こんな状況では聞くに聞けないし、彼から上着を預かっているから、帰る事も出来ない。
皇帝に対し、大きく踏み込んだハイネの姿を恨みがましく見つめる。
(私が伯爵って……、流石に無理よ)
バザルやライハナに住む領民を思い返す。確かに善良な人々は居た。だけど、殺人や差別に加担する者がかなり多く、うまくやって行けそうに感じられない。
ハイネの上着の皺を伸ばしながら、小さくため息を吐く。
――キンッ
金属音が一際高くなり、ジルは顔を上げた。
「流石ハイネ様だ!」
「殿下の勝ちだ」
貴族達が騒ぐ。
ハイネが皇帝の剣を弾きとばした様だ。
(凄い……。ハイネ様、ちゃんとお強いのね)
大歓声の中、片腕を突き上げる彼の姿が眩しい。視線が合えば、モヤモヤも忘れて頬が緩んだ。
「腕を上げたな」
「アンタに舐められ続けるのも癪だからな」
皇帝は豪快に笑い、ハイネに向かって何か小さな物を投げた。
「受け取れ、約束の物だ。うまくやれよ」
「了解」
何を贈られたのだろうか?
彼等の話の内容に全く見当が付かず、首を傾げた。
「ジル! 何でそんなに離れてるんだよ。ちゃんと見えてたのか?」
貴族達の輪を抜け、ハイネはジルの元に駆け寄って来た。
「見てましたわ。剣術も得意でしたのね」
「まぁ、コロッと暗殺されないくらいにはな。ちょっと時間くれ」
「え? はい」
自分達だけ抜け出していいのだろうかと思い、貴族達の方を見ると、パラパラと散らばり、人数が減っていく。今日はもうお開きになったのかもしれない。
ジルは自分の手に持つ物を思い出し、ハイネに差し出す。
「上着を着ないと風邪をひいてしまいますわ」
「アンタの方が寒いだろ」
彼は上着を受け取ると、ジルの背後に回り、肩にかけてくれた。そして手を引かれる。
(う……。どうして色んな方々が見ているのに、いつも通りに私と接するのかしら!?)
宮殿の中に連れられ、前を行く彼をジト目で睨む。
「もう式典は終わりなのですわよね? どこに向かってますの?」
「俺の部屋」
「え!?」
付き合っているとは言え、いきなりプライベートな空間に踏み入れてもいいのだろうかと慌てる。
(そういえばこの前、恋人同士の行為として、お互いの私室で過ごすものだと言っていたわね。まさかそれを今日実戦なさるおつもりなの!?)
「何で赤くなってるんだ。昼飯を一緒に食おうと思っただけなんだけど」
「そうでしたのね!!」
食事するくらいなら、大丈夫そうだ。ジルは安堵し、ホッと息を吐いた。
青い絨毯の上を歩き、宮殿の奥へ奥へと進む。公国の宮殿の造りもそうだったが、やはり、身分の高い者の居室は深部に配置されている様だ。
ハイネは一際大きな扉の前で止まった。
両脇に立つ衛兵が敬礼し、「お帰りなさいませ」と言っているので、ここが彼の私室とみていいだろう。
彼は扉を開け、中に入る。
「お邪魔します……」
シンプルながらも、センスの良い部屋だ。
色をそろえた調度品は、一歩間違えると無機質な印象になりそうなのに、そうなっていないのは、一品一品が凝った細工が施されているからだろう。
清涼感のある香りが彼らしい。
(私、同年代の男性の私室に入るの初めてなのよね……)
部屋の中央で手を放されたものの、どうしていいか分からず、その場でクルクル回る。
「何やってんだ……。回転してないで、カウチに座ってて。俺はお茶貰ってくるから」
「あ、はいっ」
彼に働かせるのは抵抗があるものの、宮殿の構造も知らないので、自分が行くとも言えず、大人しくカウチに腰かける。
室内をボンヤリ見回していると、ハイネがトレーを手に戻って来た。カップを二つローテーブルに置き、ジルの隣に座る。
「向かいに座りませんの? どうして隣に……」
「俺の部屋なんだから、どこに座ろうと俺の勝手だろ」
「う……」
彼から注がれる視線に再び落ち着かなくなり、持って来てもらったお茶を口にふくむ。飲みやすい温度のハイビスカスティーは酸味があるものの、許容範囲内なので美味しく感じる。
少し気分がスッキリし、式典の事を聞きたくなる。
「私が伯爵って……、何かの間違いですわよね?」
「さっき説明しただろ? アンタはマリク伯領の税収で、前伯爵への貸付金残高に充当すればいいだけ。放置しておくには、気の毒なくらいの金額だった」
「もしかして、イグナーツから聞き出しましたの?」
会社の内部事情が漏れてしまっている事に、若干気分が悪くなる。
「そう! たまたま二人で話す事があったから、アンタの会社について色々聞いといた」
(この人、絶対イグナーツから情報を仕入れる為に、わざわざ私のいない時を見計らって会いに行ったわね……。時々純粋に見えるからといって、油断できないわ……)
つい胡乱な目つきで彼の顔を見てしまう。
「まぁ、爵位は高いにこしたことないだろ? ちょうど良かったな!」
爽やかな笑みを向けられても、ジルとしては微妙な気分のままだ。
「でも、たった五年とはいえ、あれだけ広大な領地の管理なんて出来ると思えなくて……」
「心配するな。困った事があったら協力するから」
「それは……心強いですけど」
ジルの言葉に、ハイネは嬉しそうにニンマリとした。
「爵位については改めて文書を送らせるから。それよりさ、さっき、親父と決闘した時、何をかけていたと思う?」
急に話題を反らされ、ジルはキョトンとした。皇帝から小さな物を渡されていたのは目にしたが、それのことを言っているのだと分かるが、良く見えなかった。
「さぁ……? 分かりませんわ」
ハイネは頷き、ポケットから小箱を取り出した。紅色のビロードが貼り付けられたそれは、アクセサリーでも入っていそうに見える。
蓋が開けられる。中に鎮座していたのは、大粒のダイヤモンドがセンターストーンとして使われた指輪だった。石は大きさもさることながら、その透明度の高さからも、相当価値ある代物のようだ。
「綺麗、ですわね」
「これは、母の遺品なんだ。親父が結婚を申し込む時に渡したらしい」
皇族ともなると、これ程の指輪を婚約指輪にしてしまうのかと、ジルは目を丸くする。
「ハイネ様はお母様の遺品を傍に置いておきたくて、皇帝陛下から譲ってもらったんです?」
「そ、そんなわけないだろ! 何でボケるんだよ。ワザとなのか?」
何故急に怒られなければならないのか分からず、ジルは頬を膨らませた。
「分からないから聞いたのに、そんな言い方しなくてもいいでしょう?」
「あー。そうだよな……。悪かった」
ハイネは素直に謝り、小箱の中から指輪を取り出した。
「アンタにこれを付けてほしいんだ」
「……私に?」
「そう。アンタに。一度ちゃんと言わなきゃいけないと思って……」
「む……」
「俺と結婚して」
真っ直ぐに見つめる眼差しは、真剣そのもの。彼は冗談を言っているわけではないのだ。
「答えは『はい』しか認めない。最長でも五年内――マリク伯領を返還するまでには、アンタを嫁にするつもりだから」
「ご……五年……」
結婚については、去年騙される様に母国の大公に嫁がせられた苦い経験から、これまでハイネから話を持ち出されても、それとなく話を逸らすなどしてかわしてきた。彼はそれを良く思わなかったから、こうして目に見える物で実感を持たせたいのかもしれない。
ハイネの事は好きだ。たぶん……何もかもが。
でも、結婚した後、愛だけじゃやっていけない事が分かるから怖いのだ。
利用されたり、期待に応えられなくて幻滅されたり。たぶん色んな事がある。好きだからこそ、余計に傷つくんじゃないだろうか?
だけど、こうして彼と交際して、出会いのチャンスを奪っている以上、無責任に逃げ続ける事も出来ない。
覚悟を決め、ノロノロと彼の前に左手を差し出す。
「く……ください……」
「もっと嬉しそうな顔しろよ」
彼は苦言を呈しながらも、ホッとした表情でジルの手を掴む。
薬指に指輪が通されていく。
直前まで微妙な気分だったのに、指輪という拘束具で彼に捕らわれていく様な光景が、甘い様な感覚をもたらした。
不思議とぴったりはまったのは、何の偶然か?
(私、本当に将来ハイネ様と結婚するのね)
ストンと地に足が付いた様な感覚だ。
思えば、この国に来てからずいぶんフワフワと、自分の所属する国すらよく分からないままに、暮らしていた。
ジルに居場所を与えてくれたハイネに対し、何故か強い不信感を感じ、彼を傷つけた事もあった。
それなのに、彼はちゃんと向かい合ってくれた。
今度は自分が、彼を思いやる番なのかもしれない。
「大切にします」
二つの意志を込めた言葉を紡ぐ。
「俺も……大事にするから」
引き寄せられた腕の中で目を閉じると、漸く彼との未来が見えた気がした。
始めは微妙な面持ちで見学していた彼らは、父子の真剣勝負を前に、徐々に声援を送り始める。
ジルはそんな貴族達の輪から少し離れて立つ。
先程の式典での衝撃的な展開について、ハイネに問い詰めたいのに、こんな状況では聞くに聞けないし、彼から上着を預かっているから、帰る事も出来ない。
皇帝に対し、大きく踏み込んだハイネの姿を恨みがましく見つめる。
(私が伯爵って……、流石に無理よ)
バザルやライハナに住む領民を思い返す。確かに善良な人々は居た。だけど、殺人や差別に加担する者がかなり多く、うまくやって行けそうに感じられない。
ハイネの上着の皺を伸ばしながら、小さくため息を吐く。
――キンッ
金属音が一際高くなり、ジルは顔を上げた。
「流石ハイネ様だ!」
「殿下の勝ちだ」
貴族達が騒ぐ。
ハイネが皇帝の剣を弾きとばした様だ。
(凄い……。ハイネ様、ちゃんとお強いのね)
大歓声の中、片腕を突き上げる彼の姿が眩しい。視線が合えば、モヤモヤも忘れて頬が緩んだ。
「腕を上げたな」
「アンタに舐められ続けるのも癪だからな」
皇帝は豪快に笑い、ハイネに向かって何か小さな物を投げた。
「受け取れ、約束の物だ。うまくやれよ」
「了解」
何を贈られたのだろうか?
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「ジル! 何でそんなに離れてるんだよ。ちゃんと見えてたのか?」
貴族達の輪を抜け、ハイネはジルの元に駆け寄って来た。
「見てましたわ。剣術も得意でしたのね」
「まぁ、コロッと暗殺されないくらいにはな。ちょっと時間くれ」
「え? はい」
自分達だけ抜け出していいのだろうかと思い、貴族達の方を見ると、パラパラと散らばり、人数が減っていく。今日はもうお開きになったのかもしれない。
ジルは自分の手に持つ物を思い出し、ハイネに差し出す。
「上着を着ないと風邪をひいてしまいますわ」
「アンタの方が寒いだろ」
彼は上着を受け取ると、ジルの背後に回り、肩にかけてくれた。そして手を引かれる。
(う……。どうして色んな方々が見ているのに、いつも通りに私と接するのかしら!?)
宮殿の中に連れられ、前を行く彼をジト目で睨む。
「もう式典は終わりなのですわよね? どこに向かってますの?」
「俺の部屋」
「え!?」
付き合っているとは言え、いきなりプライベートな空間に踏み入れてもいいのだろうかと慌てる。
(そういえばこの前、恋人同士の行為として、お互いの私室で過ごすものだと言っていたわね。まさかそれを今日実戦なさるおつもりなの!?)
「何で赤くなってるんだ。昼飯を一緒に食おうと思っただけなんだけど」
「そうでしたのね!!」
食事するくらいなら、大丈夫そうだ。ジルは安堵し、ホッと息を吐いた。
青い絨毯の上を歩き、宮殿の奥へ奥へと進む。公国の宮殿の造りもそうだったが、やはり、身分の高い者の居室は深部に配置されている様だ。
ハイネは一際大きな扉の前で止まった。
両脇に立つ衛兵が敬礼し、「お帰りなさいませ」と言っているので、ここが彼の私室とみていいだろう。
彼は扉を開け、中に入る。
「お邪魔します……」
シンプルながらも、センスの良い部屋だ。
色をそろえた調度品は、一歩間違えると無機質な印象になりそうなのに、そうなっていないのは、一品一品が凝った細工が施されているからだろう。
清涼感のある香りが彼らしい。
(私、同年代の男性の私室に入るの初めてなのよね……)
部屋の中央で手を放されたものの、どうしていいか分からず、その場でクルクル回る。
「何やってんだ……。回転してないで、カウチに座ってて。俺はお茶貰ってくるから」
「あ、はいっ」
彼に働かせるのは抵抗があるものの、宮殿の構造も知らないので、自分が行くとも言えず、大人しくカウチに腰かける。
室内をボンヤリ見回していると、ハイネがトレーを手に戻って来た。カップを二つローテーブルに置き、ジルの隣に座る。
「向かいに座りませんの? どうして隣に……」
「俺の部屋なんだから、どこに座ろうと俺の勝手だろ」
「う……」
彼から注がれる視線に再び落ち着かなくなり、持って来てもらったお茶を口にふくむ。飲みやすい温度のハイビスカスティーは酸味があるものの、許容範囲内なので美味しく感じる。
少し気分がスッキリし、式典の事を聞きたくなる。
「私が伯爵って……、何かの間違いですわよね?」
「さっき説明しただろ? アンタはマリク伯領の税収で、前伯爵への貸付金残高に充当すればいいだけ。放置しておくには、気の毒なくらいの金額だった」
「もしかして、イグナーツから聞き出しましたの?」
会社の内部事情が漏れてしまっている事に、若干気分が悪くなる。
「そう! たまたま二人で話す事があったから、アンタの会社について色々聞いといた」
(この人、絶対イグナーツから情報を仕入れる為に、わざわざ私のいない時を見計らって会いに行ったわね……。時々純粋に見えるからといって、油断できないわ……)
つい胡乱な目つきで彼の顔を見てしまう。
「まぁ、爵位は高いにこしたことないだろ? ちょうど良かったな!」
爽やかな笑みを向けられても、ジルとしては微妙な気分のままだ。
「でも、たった五年とはいえ、あれだけ広大な領地の管理なんて出来ると思えなくて……」
「心配するな。困った事があったら協力するから」
「それは……心強いですけど」
ジルの言葉に、ハイネは嬉しそうにニンマリとした。
「爵位については改めて文書を送らせるから。それよりさ、さっき、親父と決闘した時、何をかけていたと思う?」
急に話題を反らされ、ジルはキョトンとした。皇帝から小さな物を渡されていたのは目にしたが、それのことを言っているのだと分かるが、良く見えなかった。
「さぁ……? 分かりませんわ」
ハイネは頷き、ポケットから小箱を取り出した。紅色のビロードが貼り付けられたそれは、アクセサリーでも入っていそうに見える。
蓋が開けられる。中に鎮座していたのは、大粒のダイヤモンドがセンターストーンとして使われた指輪だった。石は大きさもさることながら、その透明度の高さからも、相当価値ある代物のようだ。
「綺麗、ですわね」
「これは、母の遺品なんだ。親父が結婚を申し込む時に渡したらしい」
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「ハイネ様はお母様の遺品を傍に置いておきたくて、皇帝陛下から譲ってもらったんです?」
「そ、そんなわけないだろ! 何でボケるんだよ。ワザとなのか?」
何故急に怒られなければならないのか分からず、ジルは頬を膨らませた。
「分からないから聞いたのに、そんな言い方しなくてもいいでしょう?」
「あー。そうだよな……。悪かった」
ハイネは素直に謝り、小箱の中から指輪を取り出した。
「アンタにこれを付けてほしいんだ」
「……私に?」
「そう。アンタに。一度ちゃんと言わなきゃいけないと思って……」
「む……」
「俺と結婚して」
真っ直ぐに見つめる眼差しは、真剣そのもの。彼は冗談を言っているわけではないのだ。
「答えは『はい』しか認めない。最長でも五年内――マリク伯領を返還するまでには、アンタを嫁にするつもりだから」
「ご……五年……」
結婚については、去年騙される様に母国の大公に嫁がせられた苦い経験から、これまでハイネから話を持ち出されても、それとなく話を逸らすなどしてかわしてきた。彼はそれを良く思わなかったから、こうして目に見える物で実感を持たせたいのかもしれない。
ハイネの事は好きだ。たぶん……何もかもが。
でも、結婚した後、愛だけじゃやっていけない事が分かるから怖いのだ。
利用されたり、期待に応えられなくて幻滅されたり。たぶん色んな事がある。好きだからこそ、余計に傷つくんじゃないだろうか?
だけど、こうして彼と交際して、出会いのチャンスを奪っている以上、無責任に逃げ続ける事も出来ない。
覚悟を決め、ノロノロと彼の前に左手を差し出す。
「く……ください……」
「もっと嬉しそうな顔しろよ」
彼は苦言を呈しながらも、ホッとした表情でジルの手を掴む。
薬指に指輪が通されていく。
直前まで微妙な気分だったのに、指輪という拘束具で彼に捕らわれていく様な光景が、甘い様な感覚をもたらした。
不思議とぴったりはまったのは、何の偶然か?
(私、本当に将来ハイネ様と結婚するのね)
ストンと地に足が付いた様な感覚だ。
思えば、この国に来てからずいぶんフワフワと、自分の所属する国すらよく分からないままに、暮らしていた。
ジルに居場所を与えてくれたハイネに対し、何故か強い不信感を感じ、彼を傷つけた事もあった。
それなのに、彼はちゃんと向かい合ってくれた。
今度は自分が、彼を思いやる番なのかもしれない。
「大切にします」
二つの意志を込めた言葉を紡ぐ。
「俺も……大事にするから」
引き寄せられた腕の中で目を閉じると、漸く彼との未来が見えた気がした。
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