96 / 101
侍女の現場視察
侍女の現場視察
しおりを挟む
昨夜遅くに帝都のクライネルト邸に帰って来たマルゴットは、術の多用と長旅で疲れ切り、珍しく泥の様に眠った。目が覚めたのは、随分陽が高く昇った頃で、慌てて地味なブラウスとスカートを着用し、ジルの姿を探す。
(ジル様の荷物を片付けるつもりだったのに、こんなに寝ちゃうとか、最悪……)
私室にも、サロンにも、ジルは居ない。いったいどこに行ってしまったのか?
寝ぐせのついた前髪をおさえながら、回廊を歩く。
中庭に面した窓から眩しい光が差し込み、寝起きのマルゴットにはちょっときつい。
輝く中庭に視線を向け、マルゴットの心臓はドキリと跳ねた。
ジルが居た。
ライラックの木の下、木製のトレーが幾つも並べられ、ジルはそこに色とりどりの花を並べていた。
その傍らには、金髪の少年。この国の第一皇子の姿があった。
たぶん二人で、マリク伯領で積んで来た花々をポプリにしているのだろう。
言葉を交わし、笑い合う。
ただそれだけなのに、一枚の絵の様に美しい。
ジル達の関係は、この二日程でまた変化した様な気がする。
前まで、ジルはハイネと接する時に壁を作っているようだった。彼への恩や単純な性格の不一致、それと母国への望郷の想い――――彼女を見守る中で、色んな感情を読み取ってきた。
彼等が二人で居る時は、どういうわけかジルの姿が縮んで見えたものだったが、今は対等な――ただの恋人達みたいだ。
(兄貴は、敗北者……か……)
ざまぁ見ろと、思おうとしたが、胸に引っかかりを覚えた。何故だかほんの少し面白くない。
自分の感情に釈然としない物を感じ、しょうがなく記憶を辿る。
(私、ちっさい時は兄貴を応援してたかもしれない)
ヨナスがジルと結婚してくれたら、彼女と家族になれるかもしれず、抗いがたい魅力を感じていた。
でも現実は甘くはなく、兄はジルに拒否され、暴走した。やってはいけない事をしたのだ。
父はシュタウフェンベルク公の顔色を窺い、兄を他国に住む叔父に預け、ジルからヨナスに関する記憶を消した。
マルゴットは少しだけ複雑な心境になった時期があったかもしれない。自分達家族は、公爵家の血に惹かれる様になっている様で、傍に居たいと願ってしまうみたいなのだ。父も、姉も、兄も、マルゴットも……、魂の安寧は公爵家の者達とある事で叶えられる。
だけど、いくら傍に居たくても、恋愛感情はタブーなのだ。身分差は超えられない。
貴族と平民の違いをあの事件を通して思い知らされた。だけど、ジルとハイネはアッサリと超えてしまったらしい。
たぶん本人達次第なのだろう。
(つまり、兄貴には魅力が無かった。それだけの話、なんだね……)
我が兄ながら悲しいと、マルゴットは苦笑する。
「また気が向いたら攫いに来る」と言って闇の中に消えて行った兄。執念深いだけの馬鹿野郎だ。
溜息を吐き、中庭で身を寄せ合う二人から視線を外す。
テクテクとエントランスに向かって歩みを進めると、近くの扉がガチャリと開き、イグナーツが姿を現した。
泣きはらした様に目元が赤いのに、表情は嬉々としている。
「うわ……」
いつにも増して気持ち悪くて、マルゴットはササっと離れる。
「マルゴット、お待ちなさい」
「私今から出かけるつもりなんだけど……」
「どこへ?」
「マリク伯爵家のタウンハウス」
事件の結末に、僅かばかり興味がある。ハイネが帰ったら、ジルに直接聞けばいいのかもしれない。だけど、以前マリク伯爵がジルに吐いた暴言を思い出すと、呪いの一つや二つ、この機会にかけてやりたくなる。
(まぁ、あの赤毛の侍従が与えた制裁次第かな……)
バシリーは、一族が受けた借りを返すと言ったいた。ヘラヘラした顔の下でえげつない事を考えてている様なあの男のことだから、それなりの事をしてくれていそうではあるが、マルゴットは自分の目で確認したい。
「偶然だな。実は私もそこの弁護人と話があるんだ。共に行こう」
様子のおかしい奇人と二人で出かけるなんてあり得ないと、普段だったら思っただろう。でも悲しいかな、ジルをハイネに取られてしまい、心に隙間風が吹いている。気が付くとウッカリ頷いていた。
後悔した時にはもう遅く、庭の馬車に詰め込まれ、空いた道を快走している。
(うーん……、何だか調子が出ないな……)
窓枠に肘を付き、握った拳で、自分の頬を軽く叩く。
斜め前に座る男の顔をチラリと見る。
イグナーツの目は擦りすぎたのか、腫れぼったくなり、折角の顔面が台無しになっていた。
つい、ハハンと笑いが零れた。
「人の顔を見て笑うなんて失礼だな」
「何で泣いてたの?」
古くからの腐れ縁だから、しょうがなく気を遣ってやる。マルゴットはたまにジル以外にも優しいのだ。
「ハイネ殿下と初めてお会いしたんだ。あの方に、牽制されて……、お嬢様はもう私の手の届かないところに……、悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて……快感が……」
「キッモ」
思った以上に聞くに堪えない話で、吐きそうだ。甘く考えていた自分が悪いのか?
「素晴らしい方だ……色んな意味で……。それはそうと、朝、お嬢様から執事にならないかと言っていただいた」
「へー。って、ええ!?」
想定外の話をポンポンとされ、マルゴットの頭は混乱気味だ。
「家の事で、責任ある事をしてくれているから、何か肩書があった方が動きやすいだろうと……。ついに、私はお嬢様に認められた。いつ死んでもいい……」
「じゃあ、今死んでみる?」
マルゴットが魔導書を携えると、イグナーツは焦った様子で「やめろ!」と怒鳴った。
もっと早くに殺っておくべきだったと、ジリジリおいつめるが、いい所で馬車の扉が開けられた。
「お二人とも何をやってるんです? 着きましたよ」
使用には呆れ顔で二人を交互に見る。
「イグナーツ、命拾いしたね……」
「そのうち私の方が立場が上だと教え込まないといけないようだな」
偉そうな男の事は無視し、伯爵邸に視線を移す、その外観を見て、マルゴットは思わずポカンと口を開けてしまった。大きな邸宅の外壁のいたる所に大穴が開いている。そして窓ガラスは全て割られている。
長年手入れを怠った廃墟の方がまだマシ、といった感じの様子だ。
「ナニコレ……」
「庭に大砲が置いてあるけど、前来た時は無かったぞ……」
マルゴットが帝都を離れていた間に他国に攻め入られでもしたのだろうか? そのわりには周辺の家々問題なさそうに見えるが……。
「怖……」
イグナーツと二人、門扉の前で立ち尽くしていると、通りの向こう側から一頭の馬が近付いて来る。
「マルゴットさんじゃないですか。昨夜帰って来たのに、休んでなくていいんです?」
現れたのはバシリーだ。上機嫌な様子に首を傾げる。
「何で家がハチの巣状態に……?」
「僕の叔父が絶対に許さないと暴走しまして、この屋敷に砲撃し、伯爵を連れていってしまいました。アハハ……」
(アハハって……)
記憶が確かなら、この国は私刑を禁じているはずだ。バシリーの話しが本当なら、彼の叔父はそういう法律をガン無視した事になる。
だけど、マルゴットは正義になんて一切興味がない。
半笑いで、バシリーに頷くにとどめた。
(ジル様の荷物を片付けるつもりだったのに、こんなに寝ちゃうとか、最悪……)
私室にも、サロンにも、ジルは居ない。いったいどこに行ってしまったのか?
寝ぐせのついた前髪をおさえながら、回廊を歩く。
中庭に面した窓から眩しい光が差し込み、寝起きのマルゴットにはちょっときつい。
輝く中庭に視線を向け、マルゴットの心臓はドキリと跳ねた。
ジルが居た。
ライラックの木の下、木製のトレーが幾つも並べられ、ジルはそこに色とりどりの花を並べていた。
その傍らには、金髪の少年。この国の第一皇子の姿があった。
たぶん二人で、マリク伯領で積んで来た花々をポプリにしているのだろう。
言葉を交わし、笑い合う。
ただそれだけなのに、一枚の絵の様に美しい。
ジル達の関係は、この二日程でまた変化した様な気がする。
前まで、ジルはハイネと接する時に壁を作っているようだった。彼への恩や単純な性格の不一致、それと母国への望郷の想い――――彼女を見守る中で、色んな感情を読み取ってきた。
彼等が二人で居る時は、どういうわけかジルの姿が縮んで見えたものだったが、今は対等な――ただの恋人達みたいだ。
(兄貴は、敗北者……か……)
ざまぁ見ろと、思おうとしたが、胸に引っかかりを覚えた。何故だかほんの少し面白くない。
自分の感情に釈然としない物を感じ、しょうがなく記憶を辿る。
(私、ちっさい時は兄貴を応援してたかもしれない)
ヨナスがジルと結婚してくれたら、彼女と家族になれるかもしれず、抗いがたい魅力を感じていた。
でも現実は甘くはなく、兄はジルに拒否され、暴走した。やってはいけない事をしたのだ。
父はシュタウフェンベルク公の顔色を窺い、兄を他国に住む叔父に預け、ジルからヨナスに関する記憶を消した。
マルゴットは少しだけ複雑な心境になった時期があったかもしれない。自分達家族は、公爵家の血に惹かれる様になっている様で、傍に居たいと願ってしまうみたいなのだ。父も、姉も、兄も、マルゴットも……、魂の安寧は公爵家の者達とある事で叶えられる。
だけど、いくら傍に居たくても、恋愛感情はタブーなのだ。身分差は超えられない。
貴族と平民の違いをあの事件を通して思い知らされた。だけど、ジルとハイネはアッサリと超えてしまったらしい。
たぶん本人達次第なのだろう。
(つまり、兄貴には魅力が無かった。それだけの話、なんだね……)
我が兄ながら悲しいと、マルゴットは苦笑する。
「また気が向いたら攫いに来る」と言って闇の中に消えて行った兄。執念深いだけの馬鹿野郎だ。
溜息を吐き、中庭で身を寄せ合う二人から視線を外す。
テクテクとエントランスに向かって歩みを進めると、近くの扉がガチャリと開き、イグナーツが姿を現した。
泣きはらした様に目元が赤いのに、表情は嬉々としている。
「うわ……」
いつにも増して気持ち悪くて、マルゴットはササっと離れる。
「マルゴット、お待ちなさい」
「私今から出かけるつもりなんだけど……」
「どこへ?」
「マリク伯爵家のタウンハウス」
事件の結末に、僅かばかり興味がある。ハイネが帰ったら、ジルに直接聞けばいいのかもしれない。だけど、以前マリク伯爵がジルに吐いた暴言を思い出すと、呪いの一つや二つ、この機会にかけてやりたくなる。
(まぁ、あの赤毛の侍従が与えた制裁次第かな……)
バシリーは、一族が受けた借りを返すと言ったいた。ヘラヘラした顔の下でえげつない事を考えてている様なあの男のことだから、それなりの事をしてくれていそうではあるが、マルゴットは自分の目で確認したい。
「偶然だな。実は私もそこの弁護人と話があるんだ。共に行こう」
様子のおかしい奇人と二人で出かけるなんてあり得ないと、普段だったら思っただろう。でも悲しいかな、ジルをハイネに取られてしまい、心に隙間風が吹いている。気が付くとウッカリ頷いていた。
後悔した時にはもう遅く、庭の馬車に詰め込まれ、空いた道を快走している。
(うーん……、何だか調子が出ないな……)
窓枠に肘を付き、握った拳で、自分の頬を軽く叩く。
斜め前に座る男の顔をチラリと見る。
イグナーツの目は擦りすぎたのか、腫れぼったくなり、折角の顔面が台無しになっていた。
つい、ハハンと笑いが零れた。
「人の顔を見て笑うなんて失礼だな」
「何で泣いてたの?」
古くからの腐れ縁だから、しょうがなく気を遣ってやる。マルゴットはたまにジル以外にも優しいのだ。
「ハイネ殿下と初めてお会いしたんだ。あの方に、牽制されて……、お嬢様はもう私の手の届かないところに……、悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて……快感が……」
「キッモ」
思った以上に聞くに堪えない話で、吐きそうだ。甘く考えていた自分が悪いのか?
「素晴らしい方だ……色んな意味で……。それはそうと、朝、お嬢様から執事にならないかと言っていただいた」
「へー。って、ええ!?」
想定外の話をポンポンとされ、マルゴットの頭は混乱気味だ。
「家の事で、責任ある事をしてくれているから、何か肩書があった方が動きやすいだろうと……。ついに、私はお嬢様に認められた。いつ死んでもいい……」
「じゃあ、今死んでみる?」
マルゴットが魔導書を携えると、イグナーツは焦った様子で「やめろ!」と怒鳴った。
もっと早くに殺っておくべきだったと、ジリジリおいつめるが、いい所で馬車の扉が開けられた。
「お二人とも何をやってるんです? 着きましたよ」
使用には呆れ顔で二人を交互に見る。
「イグナーツ、命拾いしたね……」
「そのうち私の方が立場が上だと教え込まないといけないようだな」
偉そうな男の事は無視し、伯爵邸に視線を移す、その外観を見て、マルゴットは思わずポカンと口を開けてしまった。大きな邸宅の外壁のいたる所に大穴が開いている。そして窓ガラスは全て割られている。
長年手入れを怠った廃墟の方がまだマシ、といった感じの様子だ。
「ナニコレ……」
「庭に大砲が置いてあるけど、前来た時は無かったぞ……」
マルゴットが帝都を離れていた間に他国に攻め入られでもしたのだろうか? そのわりには周辺の家々問題なさそうに見えるが……。
「怖……」
イグナーツと二人、門扉の前で立ち尽くしていると、通りの向こう側から一頭の馬が近付いて来る。
「マルゴットさんじゃないですか。昨夜帰って来たのに、休んでなくていいんです?」
現れたのはバシリーだ。上機嫌な様子に首を傾げる。
「何で家がハチの巣状態に……?」
「僕の叔父が絶対に許さないと暴走しまして、この屋敷に砲撃し、伯爵を連れていってしまいました。アハハ……」
(アハハって……)
記憶が確かなら、この国は私刑を禁じているはずだ。バシリーの話しが本当なら、彼の叔父はそういう法律をガン無視した事になる。
だけど、マルゴットは正義になんて一切興味がない。
半笑いで、バシリーに頷くにとどめた。
0
お気に入りに追加
1,033
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
【完結】悪役令嬢に転生したのでこっちから婚約破棄してみました。
ぴえろん
恋愛
私の名前は氷見雪奈。26歳彼氏無し、OLとして平凡な人生を送るアラサーだった。残業で疲れてソファで寝てしまい、慌てて起きたら大好きだった小説「花に愛された少女」に出てくる悪役令嬢の「アリス」に転生していました。・・・・ちょっと待って。アリスって確か、王子の婚約者だけど、王子から寵愛を受けている女の子に嫉妬して毒殺しようとして、その罪で処刑される結末だよね・・・!?いや冗談じゃないから!他人の罪で処刑されるなんて死んでも嫌だから!そうなる前に、王子なんてこっちから婚約破棄してやる!!
旦那様、離婚しましょう
榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。
手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。
ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。
なので邪魔者は消えさせてもらいますね
*『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ
本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......
ご令嬢は一人だけ別ゲーだったようです
バイオベース
恋愛
魔法が有り、魔物がいる。
そんな世界で生きる公爵家のご令嬢エレノアには欠点が一つあった。
それは強さの証である『レベル』が上がらないという事。
そんなある日、エレノアは身に覚えの無い罪で王子との婚約を破棄される。
同じ学院に通う平民の娘が『聖女』であり、王子はそれと結ばれるというのだ。
エレノアは『聖女』を害した悪女として、貴族籍をはく奪されて開拓村へと追いやられたのだった。
しかし当の本人はどこ吹く風。
エレノアは前世の記憶を持つ転生者だった。
そして『ここがゲームの世界』だという記憶の他にも、特別な力を一つ持っている。
それは『こことは違うゲームの世界の力』。
前世で遊び倒した農業系シミュレーションゲームの不思議な力だった。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる