60 / 101
顔も忘れてきた頃合いだというのに、今更夫ヅラされても……
顔も忘れてきた頃合いだというのに、今更夫ヅラされても……⑧
しおりを挟む
「フェーベル教授がとちって、ジル様を公爵に連れて行かせてしまったので、私も後を追ってハーターシュタインに入国したんです。そしたら、公爵が野ばらの会のハーターシュタイン支部から優秀な術師を雇ってて、捕まっちゃいました……。まさか金に釣られて、同じ会員である私に危害を加える者がいるとは思わなかったです……」
マルゴットは術師との戦闘を思い出したのか、悔しそうに頬を膨らませた。
「まぁ、お父様が……? 先程分かり合えたけれど、数日前までは頑固親父だったものね……」
「ジルの実家に行ったらさ、アンタの母親が、侍女のマルゴットが捕まってると言ってたんだよ。だから出国前に開放しなきゃと思ったんだ。結構な金むしりとられた……」
「2人ともすいません……。私のせいで手を煩わせてしまったわ」
どうやら、野ばらの会は、金で動く様な組織らしい。同じ会員であっても一枚岩ではないのだろうか?
「金の事なら気にするな」
「それよりも私、捕まってしまう間際に、大公がジル様に触れられられなくなるように、呪いを重ね掛けしたんですが、お役に立てましたか?」
「ええ! 助かったわ!」
やはり大公がジルに触れられなくなっていたのは、マルゴットのお陰だった様だ。彼女の有能ぶりには頭が下がる。
再会を喜ぶ2人に対して、大公が声を荒げた。
「そうだったのか!? 侍女の分際で余計な事を! というか、その怪物からさっさと近衛兵たちを解放したまえ!」
「お断りします……。貴方にはきついお仕置きをしませんと……」
いきり立つ大公の前に、マルゴットが立ち塞がる。
彼女は分厚い本を広げ、呪文の様な言葉をブツブツと唱える。すると彼女に召喚された黒い手はポイっと近衛達を海へと放り投げた。
「「ギャー!!」」
男達は叫び声を上げ、沖の方まで飛ばされていく。黒い手は空になった両手で大公を掴む。
「ヒィ……!! 放してくれ! ジル! 侍女を止めてくれ!!」
巨大な手に握りしめられる大公の姿を見ると、少し気の毒に思え、ジルはマルゴットに声をかけようとした。しかし……。
「ジル!! 少し美しくなったからと調子に乗りやがって! すっからかんのクソ女のくせに!」
大公が放った許せない言葉に、ジルは彼を睨み付けた。
「頭すっからかんのオッサンには言われたくないのですわ!」
「何だと!!」
大公と醜い言い争いをするジルの隣で、ハイネが溜息を尽いた。呆れたのかもしれない。でも大公を憎む気持ちは収まらない。唇を噛み、俯く。
すると急にハイネが屈み、ジルの背と膝に手を回した。エッと思う間もなく、ジルの身体は持ち上げられる。
「きゃあ!!」
ハイネに横抱きにされていた。
ジルはやたら近い位置にあるハイネの顔に慌てる。
「俺にとって、ジルは価値がある人財だ。アンタが言うような、ただの外見だけの女じゃない! きっとブラウベルク帝国になくてはならない人間に育つ! 残念だったな。アンタに人を見る目があったら、ジルはきっと公国を強国にしただろうに」
ハイネは勝ち誇った表情で大公を笑い、ジルを抱えたまま波止場へ向かって歩みを進める。
彼が大公に対して言った言葉で、ジルは温かい気持ちになっていた。
「ハイネ様、有難うございます……」
「アイツに俺のお気に入りが貶されるのを黙って見てられなかったんだ」
近い位置にある彼の横顔は、今更ながらに赤く染まる。
首を捻り、大公の様子を確認すると、黒い手によって地面に引きずり込まれていた。
その哀れな姿を見ても、もう助けてやろうとは思わない。
ジルは大公にお別れの言葉をかける事にした。
「テオドール様! 私をブラウベルク帝国に送ってくれた事、感謝しますわ! 私、過去を捨て、新しい人生を歩みます!」
ジルが言葉を吐ききると同時に、大公の姿は完全に埋まった。
マルゴットの事だから、命を奪う事まではしてないだろうが、無事な姿では戻れなそうだ。
波止場に泊まった大型の帆船にジル達が乗り込むと、港に馬に乗った男が2人現れる。バシリーとオイゲンだった。2人の姿を目にし、ジルは心から安堵した。
「無事でしたのね! 良かったわ!」
「港に急いでいたら、先輩が1人で多数のハーターシュタインの近衛達と戦ってて、ヒヤヒヤしました」
「あのくらい、別に僕1人で片づけられたんですけどねぇ」
バシリーはヤレヤレと肩を竦めているが、その顔は傷を負っているし、腕は止血の為なのか、布がきつく巻き付けられている。けして楽な戦いではなかったはずだ。
「戦闘の隙を付かれて、大公の馬車を通してしまいましたが、大丈夫でしたか?」
「ああ。もう大丈夫だ。2人ともさっさと船に乗れ。出航するぞ」
「「了解しました!!」」
ハイネは2人を促し、ジルを抱えたまま船内へと入って行く。
「あの……、もう1人で歩けますわ」
「足を捻ってただろ? 揺れる船の上を歩くのは危険だし」
「うぅ……」
さっきから擦れ違う船員たちの生温かい視線が気になる。どう思われているのだろうか?
船内の最奥のドアをハイネが開く。室内は、意外と豪華な調度品でまとめられていた。
「ハイネ様の部屋ですか?」
「そうだ。今の時間からだったら、今日の夜までにはブラウベルクに着くから、それまでちょっと休もう」
ハイネはそう言うと、布が張られたカウチにジルを下ろしてくれた。
「有難うございます」
「桶に水を汲んで来る。今更かもしれないけど、捻挫した足を冷やした方がいいだろ」
「え!? 放っておいても!」
ジルの訴えは無視され、ハイネは部屋を出て行ってしまった。
1人になり、ジルは漸くハーターシュタインとの離別を意識する。
小さな窓から港が少しずつ離れていくのが見えたからだ。
ブラウベルクで生きていく事を決意したのに、少しだけ寂しい光景だった。
カウチから立ち上がり、窓に近寄る。
夜の闇に、港はすぐに見えなくなる。
嫌いではなかった母国。これでもう見納めなのかもしれない。
ボンヤリと波の動きを見るジルの背後でガチャリとドアが開いた。
「ジル……?」
「あ、お帰りなさい」
ハイネは手に持つ桶をカウチの下に置いた。
「もしかして、後悔してるのか? 俺に連れ去られる事」
「いえ。ブラウベルクにまた戻れるのは嬉しいです。ただ、もう実家に帰る事も、好きだった景色を見に行く事も出来なくなるのだと思って……。私は欲張りなのかもしれないですわ!」
「ブラウベルクで気に入る物を増やせばいい。俺が色んな所に連れて行って、ハーターシュタインの事はすぐ忘れさせてやる」
ランプに照らされたハイネはニヤリと悪人面で笑う。彼の自信溢れる態度が、ジルの憂鬱さを吹き飛ばした。
「まず私と一緒にトマトを食べてくださいませ。ブラウベルクに帰ったら、もうトマトが実っているかもしれませんわ」
「あぁ、そういえば食べさせてもらう約束をしてたよな? アンタが料理してくれるのか?」
「ええと……。料理は嗜み程度なので、あまり期待しないで下さいね!」
「おいおい、大丈夫かよ……」
「何とかなるものですわ! それに生でもいただけますしね」
さっそくブラウベルクに帰ってからの楽しみが出来て、心が弾む。
あの国で過ごした半年は、やはりそれなりに濃く、ハイネの他にもちゃんと関わり続けたい人々がいる。
庭師のモリッツは、ジルが居ない間にトマトやラナンキュラスの世話をしてくれていただろうし、ちゃんとお礼の品を贈りたい。
フェーベル教授には、グレート・ウーズでの騒動の件を謝らなければならない。
バシリーやオイゲンを一度食事に呼んでちゃんと話してみたいという思いもある。
そしてマルゴットとは引っ越す家を探さなければ!
(寂しさなんて、感じる暇もないかもしれないわ。だってちょっと考えただけで、やりたい事がたくさん思い浮かぶんだもの!)
「ちゃんと足冷やせよ。俺は少し……寝る。流石に疲れた」
ハイネはそう言うと、桶を置いたカウチと逆の一人掛けのソファに沈み込む様に座り、目を閉じた。
(ええ!? 同室で休むの!?)
動揺するが、ハイネが寝るのなら、特に問題ないのかもしれない。
カウチに座り、靴と絹の靴下を脱いで足を浸す。冷たい水は、ジルの眠気を覚ましていく。
向かい側に座るハイネはひじ掛けにもたれ、既に夢の世界に旅立っていそうだ。
その穏やかな寝顔を眺め、ジルはまた彼と関われる事を改めて嬉しく思えた。
マルゴットは術師との戦闘を思い出したのか、悔しそうに頬を膨らませた。
「まぁ、お父様が……? 先程分かり合えたけれど、数日前までは頑固親父だったものね……」
「ジルの実家に行ったらさ、アンタの母親が、侍女のマルゴットが捕まってると言ってたんだよ。だから出国前に開放しなきゃと思ったんだ。結構な金むしりとられた……」
「2人ともすいません……。私のせいで手を煩わせてしまったわ」
どうやら、野ばらの会は、金で動く様な組織らしい。同じ会員であっても一枚岩ではないのだろうか?
「金の事なら気にするな」
「それよりも私、捕まってしまう間際に、大公がジル様に触れられられなくなるように、呪いを重ね掛けしたんですが、お役に立てましたか?」
「ええ! 助かったわ!」
やはり大公がジルに触れられなくなっていたのは、マルゴットのお陰だった様だ。彼女の有能ぶりには頭が下がる。
再会を喜ぶ2人に対して、大公が声を荒げた。
「そうだったのか!? 侍女の分際で余計な事を! というか、その怪物からさっさと近衛兵たちを解放したまえ!」
「お断りします……。貴方にはきついお仕置きをしませんと……」
いきり立つ大公の前に、マルゴットが立ち塞がる。
彼女は分厚い本を広げ、呪文の様な言葉をブツブツと唱える。すると彼女に召喚された黒い手はポイっと近衛達を海へと放り投げた。
「「ギャー!!」」
男達は叫び声を上げ、沖の方まで飛ばされていく。黒い手は空になった両手で大公を掴む。
「ヒィ……!! 放してくれ! ジル! 侍女を止めてくれ!!」
巨大な手に握りしめられる大公の姿を見ると、少し気の毒に思え、ジルはマルゴットに声をかけようとした。しかし……。
「ジル!! 少し美しくなったからと調子に乗りやがって! すっからかんのクソ女のくせに!」
大公が放った許せない言葉に、ジルは彼を睨み付けた。
「頭すっからかんのオッサンには言われたくないのですわ!」
「何だと!!」
大公と醜い言い争いをするジルの隣で、ハイネが溜息を尽いた。呆れたのかもしれない。でも大公を憎む気持ちは収まらない。唇を噛み、俯く。
すると急にハイネが屈み、ジルの背と膝に手を回した。エッと思う間もなく、ジルの身体は持ち上げられる。
「きゃあ!!」
ハイネに横抱きにされていた。
ジルはやたら近い位置にあるハイネの顔に慌てる。
「俺にとって、ジルは価値がある人財だ。アンタが言うような、ただの外見だけの女じゃない! きっとブラウベルク帝国になくてはならない人間に育つ! 残念だったな。アンタに人を見る目があったら、ジルはきっと公国を強国にしただろうに」
ハイネは勝ち誇った表情で大公を笑い、ジルを抱えたまま波止場へ向かって歩みを進める。
彼が大公に対して言った言葉で、ジルは温かい気持ちになっていた。
「ハイネ様、有難うございます……」
「アイツに俺のお気に入りが貶されるのを黙って見てられなかったんだ」
近い位置にある彼の横顔は、今更ながらに赤く染まる。
首を捻り、大公の様子を確認すると、黒い手によって地面に引きずり込まれていた。
その哀れな姿を見ても、もう助けてやろうとは思わない。
ジルは大公にお別れの言葉をかける事にした。
「テオドール様! 私をブラウベルク帝国に送ってくれた事、感謝しますわ! 私、過去を捨て、新しい人生を歩みます!」
ジルが言葉を吐ききると同時に、大公の姿は完全に埋まった。
マルゴットの事だから、命を奪う事まではしてないだろうが、無事な姿では戻れなそうだ。
波止場に泊まった大型の帆船にジル達が乗り込むと、港に馬に乗った男が2人現れる。バシリーとオイゲンだった。2人の姿を目にし、ジルは心から安堵した。
「無事でしたのね! 良かったわ!」
「港に急いでいたら、先輩が1人で多数のハーターシュタインの近衛達と戦ってて、ヒヤヒヤしました」
「あのくらい、別に僕1人で片づけられたんですけどねぇ」
バシリーはヤレヤレと肩を竦めているが、その顔は傷を負っているし、腕は止血の為なのか、布がきつく巻き付けられている。けして楽な戦いではなかったはずだ。
「戦闘の隙を付かれて、大公の馬車を通してしまいましたが、大丈夫でしたか?」
「ああ。もう大丈夫だ。2人ともさっさと船に乗れ。出航するぞ」
「「了解しました!!」」
ハイネは2人を促し、ジルを抱えたまま船内へと入って行く。
「あの……、もう1人で歩けますわ」
「足を捻ってただろ? 揺れる船の上を歩くのは危険だし」
「うぅ……」
さっきから擦れ違う船員たちの生温かい視線が気になる。どう思われているのだろうか?
船内の最奥のドアをハイネが開く。室内は、意外と豪華な調度品でまとめられていた。
「ハイネ様の部屋ですか?」
「そうだ。今の時間からだったら、今日の夜までにはブラウベルクに着くから、それまでちょっと休もう」
ハイネはそう言うと、布が張られたカウチにジルを下ろしてくれた。
「有難うございます」
「桶に水を汲んで来る。今更かもしれないけど、捻挫した足を冷やした方がいいだろ」
「え!? 放っておいても!」
ジルの訴えは無視され、ハイネは部屋を出て行ってしまった。
1人になり、ジルは漸くハーターシュタインとの離別を意識する。
小さな窓から港が少しずつ離れていくのが見えたからだ。
ブラウベルクで生きていく事を決意したのに、少しだけ寂しい光景だった。
カウチから立ち上がり、窓に近寄る。
夜の闇に、港はすぐに見えなくなる。
嫌いではなかった母国。これでもう見納めなのかもしれない。
ボンヤリと波の動きを見るジルの背後でガチャリとドアが開いた。
「ジル……?」
「あ、お帰りなさい」
ハイネは手に持つ桶をカウチの下に置いた。
「もしかして、後悔してるのか? 俺に連れ去られる事」
「いえ。ブラウベルクにまた戻れるのは嬉しいです。ただ、もう実家に帰る事も、好きだった景色を見に行く事も出来なくなるのだと思って……。私は欲張りなのかもしれないですわ!」
「ブラウベルクで気に入る物を増やせばいい。俺が色んな所に連れて行って、ハーターシュタインの事はすぐ忘れさせてやる」
ランプに照らされたハイネはニヤリと悪人面で笑う。彼の自信溢れる態度が、ジルの憂鬱さを吹き飛ばした。
「まず私と一緒にトマトを食べてくださいませ。ブラウベルクに帰ったら、もうトマトが実っているかもしれませんわ」
「あぁ、そういえば食べさせてもらう約束をしてたよな? アンタが料理してくれるのか?」
「ええと……。料理は嗜み程度なので、あまり期待しないで下さいね!」
「おいおい、大丈夫かよ……」
「何とかなるものですわ! それに生でもいただけますしね」
さっそくブラウベルクに帰ってからの楽しみが出来て、心が弾む。
あの国で過ごした半年は、やはりそれなりに濃く、ハイネの他にもちゃんと関わり続けたい人々がいる。
庭師のモリッツは、ジルが居ない間にトマトやラナンキュラスの世話をしてくれていただろうし、ちゃんとお礼の品を贈りたい。
フェーベル教授には、グレート・ウーズでの騒動の件を謝らなければならない。
バシリーやオイゲンを一度食事に呼んでちゃんと話してみたいという思いもある。
そしてマルゴットとは引っ越す家を探さなければ!
(寂しさなんて、感じる暇もないかもしれないわ。だってちょっと考えただけで、やりたい事がたくさん思い浮かぶんだもの!)
「ちゃんと足冷やせよ。俺は少し……寝る。流石に疲れた」
ハイネはそう言うと、桶を置いたカウチと逆の一人掛けのソファに沈み込む様に座り、目を閉じた。
(ええ!? 同室で休むの!?)
動揺するが、ハイネが寝るのなら、特に問題ないのかもしれない。
カウチに座り、靴と絹の靴下を脱いで足を浸す。冷たい水は、ジルの眠気を覚ましていく。
向かい側に座るハイネはひじ掛けにもたれ、既に夢の世界に旅立っていそうだ。
その穏やかな寝顔を眺め、ジルはまた彼と関われる事を改めて嬉しく思えた。
0
お気に入りに追加
1,033
あなたにおすすめの小説


美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる