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その通りコウノトリ!(そんなこと言ったっけ?)

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「ポン……女神!?」

 思わず本音が出かけたのを咄嗟に飲み込めば、声の主は意外にも『あれっ』と不思議そうな声音で返してくる。

『私、「ポンコ」って名前言ったけ? まぁ、「ポンコ様」でも「女神様」でも好きなように呼んでもらっていいけど……強いて言えば「女神様」の方が嬉しいかな。曲がりも何も私、神だし』

 毎度おなじみ、俺をこの世界へと送り込んだ忌まわしき女神の声が俺の頭の中に響く。どうやら彼女の正しい名前は「ポンコ」と言うらしい。



 ――いや、いかにも「ポンコツ」から取ったみたいな、良く言ってもタヌキみたいな名前がお前の本名なんかーい!!!



 そうツッコミたくなるが、俺は目の前にいるマリーのことを思い出して咄嗟に言葉を飲み込む。

 この女神の声は、俺にしか聞こえない。だからマリーを待っている間、俺は不審者を見る目に晒されまくることになったのだ。

 せっかく料理まで奢ってくれた、サモナー美少女にまであんな白い目を向けられたくはない。ささやかな祈りを抱きつつ、おそるおそるマリーの方を見れば――マリーもまた、意外な表情を浮かべていた。



「エージさん、ひょっとして……神の声を聞くことができるのですか?」



 そう尋ねるマリーの声は驚きと期待、そして――感嘆のようなものが込められているように感じた。

「え、あの、その……」

 何から説明すれば良いのかわからず、どもっている俺に対しマリーは言葉を畳みかけてくる。

「いえ、それなら……エージさんが四大元素やサモナーのことを知らないのも、説明がつきます。エージさん。あなたは今、神様の声を聞いているのではないですか?」

 いきなり核心をついてきたマリーの言葉に、俺は押し黙った。
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