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地雷確定(引き返せない)

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「……」

 サモナー少女は、何も答えない。



 あれ、何か地雷踏んだ?

 ここで彼女がブチギレたら、さっきの土の妖精召喚&グッシャーを食らわされるかもしれない。あれの召喚は時間がかかるらしいが、俺の全力ダッシュであれから逃げられるだろうか? 自信がない……あのポンコツ女神がもう一回、異世界転生させてくれるかどうか。いや、それより話を逸らした方がいいか……視線を泳がせ、しどろもどろになる俺をサモナー少女は真っすぐに見つめる。

「……おっしゃる通りです。まぁ、私もあなたと同じ『訳アリ』というか……本当なら私も、一人でゴブリンに戦いを挑むつもりはなかったんですよ」

 ときどき目を伏せながら、意味深に語るサモナー少女。



 あ、これは確実に地雷だ。



 そう悟ったが、サモナー少女の言葉を止めることはできない。踏み抜いた地雷はもう、元に戻せないのだ――俺はそのままサモナー少女の話に、耳を傾ける。

「別に、隠すこともないからお話すると……私の名前はマリー。初級サモナーとして、他の職業の仲間と共にパーティーを組んでいたのですが……」

 サモナー少女、マリーの表情は暗く「これから話すことは決して明るくて楽しいものではないんですよ」という顔をしている。だが、それでも俺は話を促すことしかできない。

「……その、パーティーに何かあったのか?」

 ここでいう「パーティー」はきっと、宴会とかどんちゃん騒ぎとかとは違うのだろう。何かを成し遂げるための仲間、チーム。経緯はどうあれ、今一人になってしまったということはそのパーティーからはみ出してしまったということなのだろう。



 待っているのはどんな大爆発か、予想もつかないが踏んでしまった地雷だ。もはや引き返すことはできない、どうにもできない居心地の悪さを感じる俺に、マリーは話し続けた。
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