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YOUは何しに異世界へ?

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 一緒に食事をする、といってもその詳細はシチュエーションによってまちまちだ。
 仲の良い男女が高級なディナーをいただくのも、遠足で同じ班になってシートの上でお弁当を食べるのも「一緒に何か食べている」ということには変わりない。

 とはいえ、サモナー少女は「ご馳走する」と言ったのだから主導権は俺ではなく彼女にあるのだろう。

 ここは自然豊かな森の中だと思っていたが、知らないだけで食堂があるのか? ……今の俺、金を持ってないから支払いすることになったら非常に困る。そもそもこの世界、「金銭」や「経済活動」といった概念が存在する世界なのか?

 いや、お礼とか言ってくれたし向こうが奢ってくれるはずだ、たぶん……うぅ、助けた側でしかも相手は年下のはずなのになんかタカる気まんまんみたいで悲しい。

 そんな立つ瀬のない俺に、サモナー少女が話しかけてくる。

「その……あなたば見たところ、戦闘職に就いている様子もないですがなぜあんなところにいたのです?」

「えっ? あっ、それは……」

 ヤバい、どうしよう。



 正直に「なんかブラック会社で死んだら異世界転生して、女神に言われるがまま何か善行しようと思ったところでした☆」なんて言っていいものだろうか? このファンタジー世界なら、異世界転生を口にしても別に違和感はなさそうだがそれはあくまで俺の主観かもしれない。じゃあ俺は、何と言うべき?

 まぁ待て。こういう時はまず、相手の気持ちを考えるべきだ。

 このサモナー少女から見て俺は、「特に何の戦闘力も特殊能力もないのに、いきなり出てきた謎の男」のはずだ。



 ……どこからどう見ても怪しい奴じゃないですかーやだー!!



「あー、それは、その……ちょっと……なんていうか、訳アリで……」

 嘘は言ってない。けど、めっちゃあやふやな回答。気の短い相手だったらすぐ「なんじゃそりゃ」と言い返されてしまうだろうが、サモナー少女は哀れなる俺を見て一応察するところはあったようだ。だが、まだ何か言いたげな彼女の口を封じるべく今度は俺が質問してみる。

「それを言うなら君だって、なんでたった一人でゴブリンと戦っていたんだ? 君は、えっと『サモナー』っていう職業で時間を稼げないと危なかったんだよね……?」



 そう尋ねると、サモナー少女はぴたりと立ち止まった。
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