元社畜が異世界でスローライフを行うことになったが、意外とそれが難しすぎて頭を抱えている

尾形モモ

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異世界でも周りとの兼ね合いや人間関係のいざこざからは逃げられない模様

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「一日一善? 加護……? 一体、何をしろって言うんですか?」

『何だっていいのよ! 情けは人の為ならず、っていうでしょ? 神が加護を与えるにも、それ相応の行いを何かしてないと『不公平だ』ってことでタブー扱いされてるの。こうやってあなたを異世界に飛ばしたのだって、前の世界であなたがあんまりにも可哀想な死に方をしたから特例で認めてあげたことなのよ? だから、私が何かあなたに授けてあげるならあなたが何か私に認められるようなことをしないと……だからとにかくいいことをして、神の加護を受けるにふさわしいと思われるようなことをしなきゃいけないの』



 ……要は神様に何か願い、叶えてもらうためにはそれ相応の努力なり善行なりが必要というわけだ。結果や実績を出さないと評価はしてもらえないし、恩恵を受けることもできない。

 シビアと言えばシビア、だが……考えてみれば前世とさほど変わらなかったような気もする。



 どれだけ努力しても結果が伴わなければ相手にされない。だが、せっかく頑張って成功を収めても周りがそれを「妥当だ」と認めてくれなければ堂々と対価を受け取ることはできない。陰口、粗さがし、不公平、不平不満。そういうものが湧きだせば、神と言えどもそうそう「加護」を授けることはできないのだろう。

「……わかりました。とにかく、何か世のため人のためになることをすればいいんですよね?」

 しぶしぶそう答える俺の言葉に、女神は「そう! だから頑張ってちょーだい!」と能天気な言葉を返すのだった。
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