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ルーシーとお母さん
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ルーシーはせっせと雑巾を絞っていた。
この春、お城の雑用係として雇われたルーシーは努力家なのだけが取り柄の平凡な女の子だった。特別、可愛いわけでも何かすごい力を持っているわけでもない。
そんなルーシーが、なぜ素晴らしいお姫様の住むお城の掃除をしているのか?
「ふぅ、疲れた。でもお母さんが言っていた通りね、雑巾がけをするならしっかり雑巾を絞らないと」
言いながらルーシーは右手を上に、雑巾を縦に持ってぎゅっとそれを絞る。
早くに父親を亡くしたルーシーは、ずっとお母さんと二人で暮らしてきた。時に他所の家の家事を手伝い、時に村の農作業の協力をしたりしながらルーシーとお母さんは一緒に生きてきた。裕福ではないが決して不幸ではない生活。
だが、ルーシーのお母さんは病に倒れた。
近所の人の手を借りるにも、限界がある。食べ物を買うのにも、お金がいる。何よりきちんとお医者さんに見せて、治療をしてもらわないとお母さんは元気になることができない。
――だからルーシーは王都に向かって、お姫様にお願いをすることにした。
この春、お城の雑用係として雇われたルーシーは努力家なのだけが取り柄の平凡な女の子だった。特別、可愛いわけでも何かすごい力を持っているわけでもない。
そんなルーシーが、なぜ素晴らしいお姫様の住むお城の掃除をしているのか?
「ふぅ、疲れた。でもお母さんが言っていた通りね、雑巾がけをするならしっかり雑巾を絞らないと」
言いながらルーシーは右手を上に、雑巾を縦に持ってぎゅっとそれを絞る。
早くに父親を亡くしたルーシーは、ずっとお母さんと二人で暮らしてきた。時に他所の家の家事を手伝い、時に村の農作業の協力をしたりしながらルーシーとお母さんは一緒に生きてきた。裕福ではないが決して不幸ではない生活。
だが、ルーシーのお母さんは病に倒れた。
近所の人の手を借りるにも、限界がある。食べ物を買うのにも、お金がいる。何よりきちんとお医者さんに見せて、治療をしてもらわないとお母さんは元気になることができない。
――だからルーシーは王都に向かって、お姫様にお願いをすることにした。
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