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プロローグ

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「我が国ジェドは留学生を輩出し、彼女たちはそれぞれ別の国に行った。皆、それぞれ真面目に勉学へ励んでくれたが……それなのに、なぜ『鉛の矢のキューピッド』なんて不名誉な称号を得ているんだ」

 どこか苛立たし気にそう話す青年を、私は「まぁまぁ」と宥めすかす。

「私たち五人は国の発展のため、それから諸外国との関係強化のために留学に行きましたがその全員がなぜか婚約破棄に巻き込まれてしまったのは事実ですし……別れをもたらす『鉛の矢のキューピッド』なんて言われても、仕方がないですよ」



 言いながら私は、自分を含む五人の留学生と彼女たちに纏わる五つの婚約破棄を思い返した。


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