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狙われた日本人 2

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 スクエアーフォーの第二工場は、順調に稼働していた。この工場では、蜘蛛型の警備ロボットの製造をしている。量産すれば、飛躍的に治安が回復する。
 寮やマンション、アパートの建設を急ピッチで進んでいる。
 時乃達の新しい住まいも完成しているのだが、有明のゲートが、後藤家にあるので、まだ、移動していない。逆に後藤家の方々を移動してもらおうかとしたのだが、輝のお婆さんに病があり、本人も頑なに拒むので、それも無理であった。

 時乃は、しばらく休んでいたが、久しぶりに登校することにした。
 冬の制服に袖を通し、スカートを履く、靴下は、地味な黒である。真鋳色の髪は、シールドウェーブ通信機を常時装着しているので、縛ることをしていない。
 真鍮色の髪が秋風に舞う。太陽の光を受けると、不思議な色を放つ。
 いまだに、警察、自衛隊、マスコミは、多いが、ひと時よりは、減っている。町もわりと活気を取り戻していた。
 教室に入ると。生徒達は、時乃に視線を注いだ。まるで、珍獣でも見るがごとくに。席に座ると、時乃は、石原に挨拶をした。
「おはよう」相変わらず棒読みである。
 石原は、嬉しそうに目を丸くして。
「お久しぶり、もう大丈夫?」
「大丈夫だ」
「そう、良かった。みんな心配していたんだよ」
「そうなのか」
「そうですよ」
 錦野も時乃に挨拶をした。時乃は、嬉しく感じた。しかし、小田が宇宙人だったと言う話になった時は、少し目をそらした。

 ホームルームで、長原先生は、文化祭のことを話している。時乃は、一応聞くふりをしている。
「では、出し物は、メイド喫茶でよろしいですか」
 男子生徒が、喜んで「はーい」と言って、手を叩いている。
 時乃は、心の中で、健二と同じで結構みんなマニアックではないかと、考えていた。
 女子生徒は、顔を見合わせている者、反対意見を言う者などさまざまであった。でも、多数決でメイド喫茶になった。
 女子は、全員メイド服着用となり、各自用意することとなった。

 時乃は、帰りに石原に誘われた。断る理由もなかったので、家に行くことにした。
 時乃は、石原、錦野に憑いて行く。家にあがると誰もいないようである。石原の「ただいまー」と言う声が響いた。
 リビングのソファーに座り、クッキーと紅茶をいただく。文化祭のメイド服の話になり、時乃は、以前秋葉原のメイド喫茶行った時の話をして盛り上がった。
「メイド服、二人のも用意するよ」と時乃
「悪いですよ、高いものでしょ」
「いや。大丈夫。それに、二人にはお世話になっている」
「ただいまー」
石原瑠奈の兄真咲が帰ってきた。リビングに入って、時乃と目が合ったので、少し視線をずらした。石原瑠奈は、なにげに兄の後押しがしたくてしかたがない。
「お兄ちゃん、文化祭来てね。うちのクラス、メイド喫茶だから、楽しいよ」
 兄の真咲は、顔を赤らめて、
「行きますよ。そう行くよ」
真咲は、時乃のメイド服姿を想像し興奮していた。
「お兄ちゃんどうしたの」
瑠奈は、不思議そうにしている。
「何でもない、勉強あるから、失礼するよ」
「はーい」瑠奈は、兄に返事をする。
 色々話は、弾み。メイド服は、時乃が用意することで、意見は一致した。

「では、気を付けてね」石原は、手を振る。
「ばいばい」と錦野も手を振る。
「またな」と時乃は、普段言葉で手を上にする。

 後藤家に帰ると、二階にあがり、七畳半の和室に入る。そこには、時乃の母艦有明の出入り口がある。
 時乃は、有明に入ると、居住区のショピングモールに行く。メイド服を探してみたけれど、今ひとつ現代的な品がない。やむをえずフィンに連絡を入れる。
(フィン。今風のメイド服が三着欲しいのだが、用意できないか?)
(んー。どんなデザインでもいいの?)
(そうなだー。ネットで少し調べてから、資料送るよ)
(はい。了解です)
 時乃は、自分のブースに入り、ネットから、満足いくデザインのメイド服を選ぶ。ファイルをコピーして、フィンの端末に送信した。
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