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誘い 4

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 二週間が経ち、時乃も学園生活に慣れてきた。さすがに勉強はついていけないのを悟り、帰ってから、フィンに生体USBから、日本の勉強内容をインプットしてもらっている。そのおかげで、他のことに気を回せるので、かなり楽になった。
 コントロールしにくい授業があった。体育である。水泳の授業で日本記録以上を出してしまい、ごまかすのに苦労した。
 そんなある日、時乃は、学食で天丼とカレーを食べた後、階段を上り教室に向かっていた。その時、上の階から悲鳴が聞こえたと思ったら、車椅子が少女を乗せたまま落ちてくる。
 時乃は瞬時に危険を感じ
「空間制御!我見る座標を水平に」
 時乃の足元を中心に聖方陣が形成される。
 車椅子は、速度をゆるめたので、時乃が走り受け止めた。
「大丈夫か!石原」
「はい。なんとか、助かりました」
「何があったんだ」
 錦野が、スカートを押さえながら、下りてきた。
「瑠奈ごめん。誰だか知らないけど、フックのような物でスカートめくってきて手が離れて…」
 時乃は、腕を組み。
「これは、虐めと言う行為ではないのか」
「いえ、特定の人物を狙ったものではないかも」
「そうなのか?」
「誰でもよかったのだと思います。最近、学園荒れているので…」
「なるほど」
「時乃さんありがとう」
「あたしからも、ありがとう」
 石原と錦野から礼を言われる。時乃は、その白い頬を赤らめた。
 
 時乃の弟、真奈は北朝鮮にいた。首都近郊に、プレアディス正規軍基地を密かに建造していた。
「これは、空間を操る能力!そしてこの詠唱、澄香兄様のもの、やはり生きていたのね。まあ、お兄様とフィンなら、これ位のことを企むと思っていましたよ。楽しくなりそうね」
 横にいた補佐官山本は。
「生きていましたか?」
「そのようですね。刺客の用意をしなさい」
「了解しました!中将殿」
 時乃真奈の真鍮色の髪が怪しく光る。澄香よりも髪は長く腰下まである。
「計画の邪魔をされては困りますからね。わたし達には、日本人が必要なのです」
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