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テレビのニュースは、東京での銃撃事件一色である。
『昨日、東京都千代田区で起こった銃撃事件の続報です。現場の機械部品は、極めて人間の姿をしていると言うことです。少々お待ちください。今入った情報によりますと、その機械の金属は、地球に存在しないものであることが、判明しました』
時乃は、真鋳色の髪を右横に縛り、ソファーにゆったりと座りテレビを観ている。横には、健二の子供、輝がいる。
「輝君凄い事件だな」他人事のように時乃は言う。
「そうなの」
「子供には、わからないか」
「僕のお家には、おねいちゃん達がいるから、悪い人こないよね」
ふと。時乃は不安がよぎった。それは、輝の今の発言である。おねいちゃん達がいるから悪い奴はこない。いや。相手が真奈でありプレアディスなら、逆に危険である。人質を取られた上、正面から真奈と戦闘して勝てる自信はない。真奈の力は絶大なのである。
「輝君、おねえさんお仕事いってくるよ」
「うん。いってらさーい」
時乃は、第二工場に入っていった。生産ラインは、まだ完成していないが、従業員は増えつつある。社宅や寮も建設予定である。そうすれば全国から雇用できると考えている。
時乃は、第二工場の事務所に入った。
「おはようございます」
一番手前の従業員が、気が付いて挨拶をする。時乃は、人差し指を口にあてて。
「気を使わなくてもいい」
と言い。こそこそ奥の応接室に入った。そして時乃は、言った。
「フラットと同じで、戦争屋のわたしは、事務的なことで役にたたないからな」
時乃は、テレビをつける。
『昨日の銃撃事件現場の残骸から見つかった人型ロボットは、地球外生命体のものと学者の意見は一致しました』
『宇宙人評論家の田中教授をお迎えして、番組を勧めたいと思います』
「宇宙人評論家なんているのか」
『古代から、宇宙人は幾度となく地球に来ているのです。ナスカ、エジプト、モアイ、オーパーツ。このほどの人型ロボット全て宇宙人のものです』
「はいはい」
『宇宙人は、これからどのような行動に出ると思いますか?』
『地球制服です』
「べただな」
時乃は、頭の上で手を組みながら。
「地球の存在は、昔から皆知っていた。しかし干渉することは、禁忌とされていた。だが、わたしもそうだが、よりによって跳躍先が、地球そして日本であった。昔から我々の世界迷い込む地球人がいた。その多くは、日本人であったな。健二の記憶によると、神隠しと言うらしい」
『宇宙人に対する、対抗処置はあるのですか?』
『地球には、核兵器がある。宇宙人を殲滅できるであろう』
時乃は、通信機をつけ。
(フィン。真奈の目的はなんだろう)
(んー。禁忌にふれると言うことは、どうしても欲しいものがあるのかしら)
(欲しいもの?真奈は全てを持っていると思うが…ないとすれば永遠の命)
(あ。そうそう話は変わりますが、虹の原学園と言う学校を買収しておきますたぅ。たぶん、澄香には、必要かと思って)
(売っていたのか?)
(はい。たまたま、理事長と知り合いになりましたところ、経営が厳しいので、売りに出したと話をしていたので)
(フィンって、人付き合い上手いな)
(んー。それほどでもないですよ)
(話は変わるが、拠点を後藤家から移動しよう。もし真奈が、本腰入れてきたら、狙われる危険がある。後藤家の人に迷惑掛けるとよくないからな)
(そうですね。澄香の意見に賛成です。何時も思うのですけど、澄香は自分のことを悪だというけど、本当は、善なのでは?)
(それは聞かないでくれ。わたしは、悪なのだよ)
(んー。拠点は、第二工場近くに建設しましょう)
(たのむ)
時乃は、通信機をとりはずし、テレビを観る。
『でありますから、自衛隊も総力を挙げて首都防衛に努めていきます』
「自衛隊では勝てないのだよ。奴らには」
時乃は、チャンネルをかえる。
『パトカーを銃撃した犯人に関する情報は、残された銃弾と薬きょうだけのようです。現場近くにいた人の証言も蜃気楼のようだったとか、曖昧な証言が多いようです』
「そう、わたしが写真やテレビに映っても、曖昧にしか記憶されないのだよ」
時乃は、真鋳色の髪を指でくるりと巻いた。
『昨日、東京都千代田区で起こった銃撃事件の続報です。現場の機械部品は、極めて人間の姿をしていると言うことです。少々お待ちください。今入った情報によりますと、その機械の金属は、地球に存在しないものであることが、判明しました』
時乃は、真鋳色の髪を右横に縛り、ソファーにゆったりと座りテレビを観ている。横には、健二の子供、輝がいる。
「輝君凄い事件だな」他人事のように時乃は言う。
「そうなの」
「子供には、わからないか」
「僕のお家には、おねいちゃん達がいるから、悪い人こないよね」
ふと。時乃は不安がよぎった。それは、輝の今の発言である。おねいちゃん達がいるから悪い奴はこない。いや。相手が真奈でありプレアディスなら、逆に危険である。人質を取られた上、正面から真奈と戦闘して勝てる自信はない。真奈の力は絶大なのである。
「輝君、おねえさんお仕事いってくるよ」
「うん。いってらさーい」
時乃は、第二工場に入っていった。生産ラインは、まだ完成していないが、従業員は増えつつある。社宅や寮も建設予定である。そうすれば全国から雇用できると考えている。
時乃は、第二工場の事務所に入った。
「おはようございます」
一番手前の従業員が、気が付いて挨拶をする。時乃は、人差し指を口にあてて。
「気を使わなくてもいい」
と言い。こそこそ奥の応接室に入った。そして時乃は、言った。
「フラットと同じで、戦争屋のわたしは、事務的なことで役にたたないからな」
時乃は、テレビをつける。
『昨日の銃撃事件現場の残骸から見つかった人型ロボットは、地球外生命体のものと学者の意見は一致しました』
『宇宙人評論家の田中教授をお迎えして、番組を勧めたいと思います』
「宇宙人評論家なんているのか」
『古代から、宇宙人は幾度となく地球に来ているのです。ナスカ、エジプト、モアイ、オーパーツ。このほどの人型ロボット全て宇宙人のものです』
「はいはい」
『宇宙人は、これからどのような行動に出ると思いますか?』
『地球制服です』
「べただな」
時乃は、頭の上で手を組みながら。
「地球の存在は、昔から皆知っていた。しかし干渉することは、禁忌とされていた。だが、わたしもそうだが、よりによって跳躍先が、地球そして日本であった。昔から我々の世界迷い込む地球人がいた。その多くは、日本人であったな。健二の記憶によると、神隠しと言うらしい」
『宇宙人に対する、対抗処置はあるのですか?』
『地球には、核兵器がある。宇宙人を殲滅できるであろう』
時乃は、通信機をつけ。
(フィン。真奈の目的はなんだろう)
(んー。禁忌にふれると言うことは、どうしても欲しいものがあるのかしら)
(欲しいもの?真奈は全てを持っていると思うが…ないとすれば永遠の命)
(あ。そうそう話は変わりますが、虹の原学園と言う学校を買収しておきますたぅ。たぶん、澄香には、必要かと思って)
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(んー。それほどでもないですよ)
(話は変わるが、拠点を後藤家から移動しよう。もし真奈が、本腰入れてきたら、狙われる危険がある。後藤家の人に迷惑掛けるとよくないからな)
(そうですね。澄香の意見に賛成です。何時も思うのですけど、澄香は自分のことを悪だというけど、本当は、善なのでは?)
(それは聞かないでくれ。わたしは、悪なのだよ)
(んー。拠点は、第二工場近くに建設しましょう)
(たのむ)
時乃は、通信機をとりはずし、テレビを観る。
『でありますから、自衛隊も総力を挙げて首都防衛に努めていきます』
「自衛隊では勝てないのだよ。奴らには」
時乃は、チャンネルをかえる。
『パトカーを銃撃した犯人に関する情報は、残された銃弾と薬きょうだけのようです。現場近くにいた人の証言も蜃気楼のようだったとか、曖昧な証言が多いようです』
「そう、わたしが写真やテレビに映っても、曖昧にしか記憶されないのだよ」
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