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食事も終わり、一息ついたところ、時乃の左腕に輝く物が現れた。光り輝く五つの輪。その光り輝く腕輪から声がもれる。
『空間融合!座標X二千七百三十六、Y四百六十三、Z二百六』
「来た!二階のあの部屋か」
時乃は、勢い良く席を立ちあがると、二階に上っていった。残された三人も、釣られるように、階段を上っていった。
五郎、健一、輝は、時乃の背中越しに、二階の和室を覗いた。その空気は歪、あたかも妖怪番組の演出のように、異様な空気を放っていた。
時乃は、わき腹に手を入れ、グレートソードを取り出した。
「空間結合」と時乃は言った。
時乃は、グレートソードを畳に刺した。体を中心に聖方陣が大きく描き出された。その瞬間!その七畳半の和室に飛び込んできたのは、歪な円筒で機械の塊のような物であった。靄がかかっていてよく見えなかったが、それには、宇宙船のハッチのような物がついていた。五郎、健一、輝は、二日続けて、ありえないものを見たので、そのショックは隠せなかった。
時乃は、その空気を読み説明を始める。
「これは、普通皆が考える宇宙船の一部と思って欲しい。この切れている部分から先は、亜空間に存在するわけだ。ちなみに船の名前は、有明!わたしの母艦と言うわけだ」
そう言うと、時乃は、外部パネルを開け、キーボードで入力していく。
白い空気が一気に流れ出て、扉が開いた。時乃は、ゆっくりとその中へと入って行った。
残された三人は、理解するのに苦悩していた。輝は、子供であるためか、もの凄く楽しそうな顔になってきた。この子のこのような顔を見るのは久しぶりであろう。
時乃は、奥へと向かった。そこはもう別の世界―亜空間に浮かぶ母艦の中。
一つの部屋に入った。そこには、多くの端末が並び忙しく動いていた。大きなスクリーンのある端末の前に座ると。キーボードに自分の認証番号を入力して右手をスキャンした。
機械的な音声が流れた。
『有明、全機能回復中。作業終了まで、あと三十秒』
『五・四・三・二・一・零』
『有明全機能復旧オールグリーン』
「アリス!フィン、フラット、メイティ、メルティの解凍を実行」
『了解、澄香様』
アリスとは有明のAIのことである。時乃は命令すると、隣の部屋に移った。そこには手術室のような機械やベッドなどがあり、大きな病院の検査室のようでもあった。
時乃は、ベッドに横になると。
「アリス!生体USBを」
『了解!作業に入ります』
ベッドは、そのまま大きな機械の中に入っていった。ものの五分もしないうちに、再びベッドは出てきた。時乃の首に赤色の機械的な首輪が装着されていた。色白の肌のためかよく目立つ、間違い探しでもしたら、直ぐにわかるような大きさの物である。これは、生体USB、自分の情報を他の者や端末に渡すための物、また無線としての利用も可能である。
時乃は、今まで着ていたジャージを脱いで、ロッカーに入っていた服に着替えた。
時乃の真っ白い肌に、長い真鍮色の髪がふわっと触れた。ほのかに膨らんだ胸を隠すように。
ゴシック調の服に着替えると同時に、四つのカプセルが開いた。中から真鍮色の髪の少女が三人と金髪に青い瞳の少女が一人出てきた。お互い顔を見合わせながら、大きく伸びをした。そして、時乃を見て。
「お帰りなさいませ!時乃様」
真鍮色の髪をセミロングに整えた双子のメイティとメルティが挨拶した。
「澄香またよろしくな!」
真鍮色の髪をポニーテールにしている少女が、強そうな目を輝かせながら、時乃の肩叩いた。
金髪の少女は、
「お待ちしていました。どうにか時間に間に合ったようですね」
時乃は、直ぐに金髪の少女に指示をした。
「フィン!情報を貰ってくれ」
そう言うとフィンの体から出てきたコードが、時乃の生体USBに装着される。情報がフィンに流れる。少しの時間がかかった。
フィンの目に涙が溢れ、長い金髪を濡らした。
「健二さんは、ご苦労されたようですね。私達がこのような計画を立てたばかりに…」
時乃は、澄んだ茶色の瞳にフィンの青い瞳を映しながら。
「わたしは、この思いに対して、答を探すつもりだ」
フィンは、コードを時乃から外すと、端末に向かい、腕から出た無数のコードを差し込んだ。体の中をデーターが行き来する。
「ん!」
フィンは、首をかしげながら。
「男と女!性別が地球にはあるのですね。これは極めて不思議なこと」
時乃は、健二の記憶を一部共有しているので、性別のことは、そう疑問なく受け入れていた。
「この地球は、人間種だからな、我々のような御使い種とは違う」
時乃は、話を続けて。
「我々の外見は、地球では女なのだよ。それを踏まえて行動しないと、データーの中にあるように、おかまと言う中性もいるようだが、その存在は極めてまれだから、そう設定しないほうがいいだろう」
フィンは、手のコードを外した。
「データー処理完了。三人とも、澄香の情報をもらって」
フラット、メイティ、メルティの三人は、首の生体USBと端末を繋ぎ、時乃澄香の情報を受け取った。
食事も終わり、一息ついたところ、時乃の左腕に輝く物が現れた。光り輝く五つの輪。その光り輝く腕輪から声がもれる。
『空間融合!座標X二千七百三十六、Y四百六十三、Z二百六』
「来た!二階のあの部屋か」
時乃は、勢い良く席を立ちあがると、二階に上っていった。残された三人も、釣られるように、階段を上っていった。
五郎、健一、輝は、時乃の背中越しに、二階の和室を覗いた。その空気は歪、あたかも妖怪番組の演出のように、異様な空気を放っていた。
時乃は、わき腹に手を入れ、グレートソードを取り出した。
「空間結合」と時乃は言った。
時乃は、グレートソードを畳に刺した。体を中心に聖方陣が大きく描き出された。その瞬間!その七畳半の和室に飛び込んできたのは、歪な円筒で機械の塊のような物であった。靄がかかっていてよく見えなかったが、それには、宇宙船のハッチのような物がついていた。五郎、健一、輝は、二日続けて、ありえないものを見たので、そのショックは隠せなかった。
時乃は、その空気を読み説明を始める。
「これは、普通皆が考える宇宙船の一部と思って欲しい。この切れている部分から先は、亜空間に存在するわけだ。ちなみに船の名前は、有明!わたしの母艦と言うわけだ」
そう言うと、時乃は、外部パネルを開け、キーボードで入力していく。
白い空気が一気に流れ出て、扉が開いた。時乃は、ゆっくりとその中へと入って行った。
残された三人は、理解するのに苦悩していた。輝は、子供であるためか、もの凄く楽しそうな顔になってきた。この子のこのような顔を見るのは久しぶりであろう。
時乃は、奥へと向かった。そこはもう別の世界―亜空間に浮かぶ母艦の中。
一つの部屋に入った。そこには、多くの端末が並び忙しく動いていた。大きなスクリーンのある端末の前に座ると。キーボードに自分の認証番号を入力して右手をスキャンした。
機械的な音声が流れた。
『有明、全機能回復中。作業終了まで、あと三十秒』
『五・四・三・二・一・零』
『有明全機能復旧オールグリーン』
「アリス!フィン、フラット、メイティ、メルティの解凍を実行」
『了解、澄香様』
アリスとは有明のAIのことである。時乃は命令すると、隣の部屋に移った。そこには手術室のような機械やベッドなどがあり、大きな病院の検査室のようでもあった。
時乃は、ベッドに横になると。
「アリス!生体USBを」
『了解!作業に入ります』
ベッドは、そのまま大きな機械の中に入っていった。ものの五分もしないうちに、再びベッドは出てきた。時乃の首に赤色の機械的な首輪が装着されていた。色白の肌のためかよく目立つ、間違い探しでもしたら、直ぐにわかるような大きさの物である。これは、生体USB、自分の情報を他の者や端末に渡すための物、また無線としての利用も可能である。
時乃は、今まで着ていたジャージを脱いで、ロッカーに入っていた服に着替えた。
時乃の真っ白い肌に、長い真鍮色の髪がふわっと触れた。ほのかに膨らんだ胸を隠すように。
ゴシック調の服に着替えると同時に、四つのカプセルが開いた。中から真鍮色の髪の少女が三人と金髪に青い瞳の少女が一人出てきた。お互い顔を見合わせながら、大きく伸びをした。そして、時乃を見て。
「お帰りなさいませ!時乃様」
真鍮色の髪をセミロングに整えた双子のメイティとメルティが挨拶した。
「澄香またよろしくな!」
真鍮色の髪をポニーテールにしている少女が、強そうな目を輝かせながら、時乃の肩叩いた。
金髪の少女は、
「お待ちしていました。どうにか時間に間に合ったようですね」
時乃は、直ぐに金髪の少女に指示をした。
「フィン!情報を貰ってくれ」
そう言うとフィンの体から出てきたコードが、時乃の生体USBに装着される。情報がフィンに流れる。少しの時間がかかった。
フィンの目に涙が溢れ、長い金髪を濡らした。
「健二さんは、ご苦労されたようですね。私達がこのような計画を立てたばかりに…」
時乃は、澄んだ茶色の瞳にフィンの青い瞳を映しながら。
「わたしは、この思いに対して、答を探すつもりだ」
フィンは、コードを時乃から外すと、端末に向かい、腕から出た無数のコードを差し込んだ。体の中をデーターが行き来する。
「ん!」
フィンは、首をかしげながら。
「男と女!性別が地球にはあるのですね。これは極めて不思議なこと」
時乃は、健二の記憶を一部共有しているので、性別のことは、そう疑問なく受け入れていた。
「この地球は、人間種だからな、我々のような御使い種とは違う」
時乃は、話を続けて。
「我々の外見は、地球では女なのだよ。それを踏まえて行動しないと、データーの中にあるように、おかまと言う中性もいるようだが、その存在は極めてまれだから、そう設定しないほうがいいだろう」
フィンは、手のコードを外した。
「データー処理完了。三人とも、澄香の情報をもらって」
フラット、メイティ、メルティの三人は、首の生体USBと端末を繋ぎ、時乃澄香の情報を受け取った。
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