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本編
#19 頭を抱える選択
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楽しかったジュリーとのお茶会。晩御飯までの合間をふかふかのソファに座りながらお茶を飲んで過ごしている。目線の先にあるのはジュリーに貰った新作のパンフレット。手を伸ばせば届く距離の机の上に置かれているのだが、ただ手に取れば良いわけではない。今私は究極の選択を迫られているのだ。
あぁどうしよう。帰ったら直ぐに見よう! 絶対に! とかって帰りの馬車では思ってたのだけど......。でもなんかその、あのなんというかウィンと一緒の時に中身を初めて見るのもありなのかもなぁとか思わなくもないわけで。一度考えちゃったから、素直に目の前にあるパンフレットを手に取ることが出来なくなってしまった。だってもう明日は学園に行く日だから、別にちょっとの辛抱だし。でもそう思う今も目の前でパンフレットは、私を読んでくれないの? とばかりにも誘惑してくるものだから。
うーんどっちを選べばいいの!? ......いや、もう見てしまおうか。だって見れば見るほどどーしてもみたいっ! っていうこの欲望は抑えきれないのだもの。うんうんいいよね。浮かんだ罪悪感を打ち消すように心の中で一人謝る。ウィンごめんなさい。ちゃんと明日一緒に見ましょうね。私はひと足お先に見てしまうけど。
ふぅぅ。息を整えて慎重にパンフレットを手に取った。ここにはどんなドレスが、アイテムが載っているのだろうか。もう待ちきれない。たたっ楽しみっ。過去一の分厚さだもんね。読むと決まったら先に紅茶は片付けて万が一にもこぼさないようにしなくっちゃ。ふんふふーんと鼻歌を歌いながら周囲をキレイにする。
この綺麗に製本されたパンフレットにはいくつかのブランドの商品が載っているの。私の好きなブランドや見たことの無い新しくできたブランドまで一覧になって載っているのだ。いつも早く手に入れたい、見たいって思うのだけど、正式に配られて手に入れられる日はだいぶ遅くて待ち遠しかったから、本当にジュリーには感謝しかない。明日はお礼にクッキーでも焼いて持っていこうかしら。ジュリーはサクサクザクザクしたクッキーが好きなのよね。
コンコンっ。軽いノック音が聞こえる。
「お嬢様ー?夕食の用意が整いましたよ!」
・・・・・・!!! いけない、もう晩御飯の時間だわ。うぅ迷ってないで1ページでも見ておけばよかったわ、、、でもお腹も空いたし、お腹が減っては刺繍もできないもの。ご飯の後じっくり読もうっと。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
「お姉様? ねぇねぇほら見てちょうだい! 今日は私友人とアイデアンナリリエの宝石店に行ってきたの。でね! この指輪を買ってきたのよ」
食事中にも関わらず手を止めて指輪の着いた右手を主張するローズマリー。あれは多分だけどガーネットかな。そっと鑑賞するも手は動かし続ける。ゆっくりじっくりと焼かれた色とりどりのお野菜とお魚。口に入れた瞬間ホロホロとなくなっていく。火加減、塩加減がバッチリで美味しいわ。美味しさがぎゅうってつまってる。こんなにおいしいのだからお食事に夢中になっていればいいものを。
「そう、素敵ね。ローズマリーにピッタリじゃない。ガーネットかしら? 」
「あらあら、本当ねぇ。ガーネットね、とっても可愛いじゃない。ローズにはその赤い色が似合っているわ。こんなに似合ってるのだからもっとネックレスとかなんだとか買ってきても良かったのに」
「えへへっ! 似合ってるでしょ? 次はガーネットのネックレスも見てこよっかな 」
「まぁいいわね。明日にでもここにいつもの宝石商を呼びましょう。最近は家族で同じ大きな宝石を分け合うのが流行っているんですってね。ローズ一緒に選びましょう」
「わぁ楽しみ、ありがとうお母様。あっ、そうそうお母様聞いて? あのね今日アンディーったらね、」
それなりに二人と会話しながらご飯を食べ終えた。早く部屋に戻ろう。
人気のない廊下を歩きながらぼーっと考える。パンフレットどうしようかな。結局こんな時間になっちゃった。外ではぼんやりとお月様が光って、星はキラキラきらめいていて。ゆらめく蝋燭の明かりで読むのもいいけど、もうなんか疲れちゃったわ。ふぁ~ぁ。油断するとあくびが出る。瞼もおもいって、いうか、なんか半分くらいしかあかなくなってきちゃったし......。やっぱり明日、明日にね、ウィンと一緒に読もうっと。うつらうつらとしながらもパンフレットを手に取り丁寧に鞄に入れておく。これで忘れないはず......大丈夫ね。
そのまま気づけば朝だった。
「お嬢様起きて、起きてください! 」
「おはよう......サリー。すぅ─────」
「な! また眠りに戻らないで。もぉ昨日パンフレットを読み漁っていたのか知らないけど夜更かしはダメよ、起こすの結構面倒くさいんだからね」
「きのうは、よんでないわ」
「うそうそ。あんなに抱き抱えて持ってたのに? 」
「今日ウィンとみるのよ」
「へぇそうなの? じゃっ起きなきゃね」
その言葉と共にガバッともふもふ毛布が外される。ああ朝だ。寒い。渋々ベットから降りて準備する。学園へ向かう馬車の中でもやっぱりまだ眠たくて寝そうになる。
今日はいつもよりも早く授業が終わったらすぐにウィンのいる教室に向かいましょう。少しでも早く中身がみたいわ。......それにしても
「サリー、やっぱりもうちょっと優しく起こしてくれてもいいと思うの」
「朝は思考が止まってるお嬢様を起こさなきゃいけないんだからしかたないでしょ? そうだ、ほんとに夜更かしはやめてちょうだいね」
「だから昨日はすぐに寝たわ。夕食で疲れてしまったから。夜更かしなんてしてません! 」
グレイス学園に着くとサリーとはお別れ。今日一日は放課後待ってるご褒美のために頑張ろう。
あぁどうしよう。帰ったら直ぐに見よう! 絶対に! とかって帰りの馬車では思ってたのだけど......。でもなんかその、あのなんというかウィンと一緒の時に中身を初めて見るのもありなのかもなぁとか思わなくもないわけで。一度考えちゃったから、素直に目の前にあるパンフレットを手に取ることが出来なくなってしまった。だってもう明日は学園に行く日だから、別にちょっとの辛抱だし。でもそう思う今も目の前でパンフレットは、私を読んでくれないの? とばかりにも誘惑してくるものだから。
うーんどっちを選べばいいの!? ......いや、もう見てしまおうか。だって見れば見るほどどーしてもみたいっ! っていうこの欲望は抑えきれないのだもの。うんうんいいよね。浮かんだ罪悪感を打ち消すように心の中で一人謝る。ウィンごめんなさい。ちゃんと明日一緒に見ましょうね。私はひと足お先に見てしまうけど。
ふぅぅ。息を整えて慎重にパンフレットを手に取った。ここにはどんなドレスが、アイテムが載っているのだろうか。もう待ちきれない。たたっ楽しみっ。過去一の分厚さだもんね。読むと決まったら先に紅茶は片付けて万が一にもこぼさないようにしなくっちゃ。ふんふふーんと鼻歌を歌いながら周囲をキレイにする。
この綺麗に製本されたパンフレットにはいくつかのブランドの商品が載っているの。私の好きなブランドや見たことの無い新しくできたブランドまで一覧になって載っているのだ。いつも早く手に入れたい、見たいって思うのだけど、正式に配られて手に入れられる日はだいぶ遅くて待ち遠しかったから、本当にジュリーには感謝しかない。明日はお礼にクッキーでも焼いて持っていこうかしら。ジュリーはサクサクザクザクしたクッキーが好きなのよね。
コンコンっ。軽いノック音が聞こえる。
「お嬢様ー?夕食の用意が整いましたよ!」
・・・・・・!!! いけない、もう晩御飯の時間だわ。うぅ迷ってないで1ページでも見ておけばよかったわ、、、でもお腹も空いたし、お腹が減っては刺繍もできないもの。ご飯の後じっくり読もうっと。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
「お姉様? ねぇねぇほら見てちょうだい! 今日は私友人とアイデアンナリリエの宝石店に行ってきたの。でね! この指輪を買ってきたのよ」
食事中にも関わらず手を止めて指輪の着いた右手を主張するローズマリー。あれは多分だけどガーネットかな。そっと鑑賞するも手は動かし続ける。ゆっくりじっくりと焼かれた色とりどりのお野菜とお魚。口に入れた瞬間ホロホロとなくなっていく。火加減、塩加減がバッチリで美味しいわ。美味しさがぎゅうってつまってる。こんなにおいしいのだからお食事に夢中になっていればいいものを。
「そう、素敵ね。ローズマリーにピッタリじゃない。ガーネットかしら? 」
「あらあら、本当ねぇ。ガーネットね、とっても可愛いじゃない。ローズにはその赤い色が似合っているわ。こんなに似合ってるのだからもっとネックレスとかなんだとか買ってきても良かったのに」
「えへへっ! 似合ってるでしょ? 次はガーネットのネックレスも見てこよっかな 」
「まぁいいわね。明日にでもここにいつもの宝石商を呼びましょう。最近は家族で同じ大きな宝石を分け合うのが流行っているんですってね。ローズ一緒に選びましょう」
「わぁ楽しみ、ありがとうお母様。あっ、そうそうお母様聞いて? あのね今日アンディーったらね、」
それなりに二人と会話しながらご飯を食べ終えた。早く部屋に戻ろう。
人気のない廊下を歩きながらぼーっと考える。パンフレットどうしようかな。結局こんな時間になっちゃった。外ではぼんやりとお月様が光って、星はキラキラきらめいていて。ゆらめく蝋燭の明かりで読むのもいいけど、もうなんか疲れちゃったわ。ふぁ~ぁ。油断するとあくびが出る。瞼もおもいって、いうか、なんか半分くらいしかあかなくなってきちゃったし......。やっぱり明日、明日にね、ウィンと一緒に読もうっと。うつらうつらとしながらもパンフレットを手に取り丁寧に鞄に入れておく。これで忘れないはず......大丈夫ね。
そのまま気づけば朝だった。
「お嬢様起きて、起きてください! 」
「おはよう......サリー。すぅ─────」
「な! また眠りに戻らないで。もぉ昨日パンフレットを読み漁っていたのか知らないけど夜更かしはダメよ、起こすの結構面倒くさいんだからね」
「きのうは、よんでないわ」
「うそうそ。あんなに抱き抱えて持ってたのに? 」
「今日ウィンとみるのよ」
「へぇそうなの? じゃっ起きなきゃね」
その言葉と共にガバッともふもふ毛布が外される。ああ朝だ。寒い。渋々ベットから降りて準備する。学園へ向かう馬車の中でもやっぱりまだ眠たくて寝そうになる。
今日はいつもよりも早く授業が終わったらすぐにウィンのいる教室に向かいましょう。少しでも早く中身がみたいわ。......それにしても
「サリー、やっぱりもうちょっと優しく起こしてくれてもいいと思うの」
「朝は思考が止まってるお嬢様を起こさなきゃいけないんだからしかたないでしょ? そうだ、ほんとに夜更かしはやめてちょうだいね」
「だから昨日はすぐに寝たわ。夕食で疲れてしまったから。夜更かしなんてしてません! 」
グレイス学園に着くとサリーとはお別れ。今日一日は放課後待ってるご褒美のために頑張ろう。
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