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奥の寝所、寝台に横たえたその身体の上にのしかかる。
「すおう……」
揺れる瞳に誘われもう一度その唇を奪う。
舌を絡ませ、擦り合わせると、痺れるような快感に思考力が麻痺していく。
「ん……ふ、んぅ……」
甘く耳に突き刺さる吐息が理性を溶かす。
気が急くままに兄の服を半ば剥ぎ取るようにして脱がせ、自身のものも脱ぎ捨てた。
唇を合わせたまま滑らかな肌の上に手を這わせ、まだ柔らかいままの小さな突起を探り当てる。
軽く引っ掻き抓ると、擽ったいのか身をよじる兄。
快楽を拾っている様子はない。
それはつまり、兄が他者の肌を知らない証左。
何故か無性に、その事実が嬉しかった。
「ん、んっ……ふぁ……ぅんっ……」
執拗いほどに弄り続けているうちに反応が変化していく。
ぴくり、ぴくりと細い身体が小さく跳ねる。
柔らかかった胸の突起はいつの間にか、控えめにではあるが立ち上がっていた。
弄っているのとは反対側も愛撫しようと、口付けを中断する。
「あ……」
口を離した時に兄から漏れた、名残惜しげな声は気のせいだろうか。
そんなはずは無いと己に言い聞かせ、もう一つの突起を口に含み、甘噛みする。
「ぁんっ……あ、はぁ……あっ……」
爪で弾き抓り、甘噛みして舌で捏ねくり回す度に耳朶を打つ嬌声。
俺の手で啼かせている。
心の奥底がほんの少し、満たされた気がした。
「あぁっ、んっ……すお、う……」
切なげな声で呼ばれ、視線を上に向ける。
薄く開けられた唇の隙間から、ちらちらと誘うように揺れる赤い舌。
これは、口付けを強請られているのだろうか。
「すおう、あっ……んん……」
誘いに乗って、深く口付ける。
たとえ誘いでなかったとしても、そう見えるような行動をとった貴方が悪い。
上顎を舌でなぞれば、びくびくと身体を震わせる兄。
そろりと触れてきた舌に遠慮なく絡み付き、さりさりと擦れ合う感触を味わう。
舌を伝って注ぎ込んだ唾液をこくりと嚥下する音に、また少し、満たされた気がした。
胸の突起を弄っていた手を、しっとりと吸い付くような肌の感触を確かめながら下げていく。
脇腹を辿って、下腹部へ。
中心で頭をもたげていたそれにそっと触れると、組み敷いている身体がびくりと震えた。
「んぅ……ふっ……んんっ……」
手で包み込むようにして、時折緩急をつけながらやわやわと扱く。
鈴口から零れる体液で濡れたそれは、扱くたびにくち、くちゅりと粘着質な水音を立てる。
「ふぁ……ぅん……ん、ふぅんっ……」
段々と、反応が大きくなっていく。
それに合わせて、追い上げるように、しかし傷付けないよう加減しながら、力を強める。
「ふぅ、んっ……んぅ……んんんっ……!」
頃合を見計らって鈴口に爪を立てると、兄は弓なりに身体をしならせ、自身の腹に白濁を散らした。
このままでは息を整えづらかろうと唇を離す。
代わりに、手にかかった白濁を丹念に舐めとっていく。
口の中に生臭い苦味が広がるが、不思議と気にならない。
途中で兄が食い入るように見つめていることに気づき、見せつけるようにして舐めとった後の指を唾液で濡らしていく。
十分に濡れたことを確認しつつ、無意識のうちにだろう、兄と互いに絡ませ合っていた脚をほどき、その脚を閉じられないように間に腰を挟み込んだ。
唾液で濡れた指を兄の後孔に添え、つぷりと中指を埋める。
ゆっくりと入り口から解すように中を暴いていく。
熱い内壁がうねり、ぎゅうぎゅうと絡みついてくる。
「ふっ……う……」
兄が苦しそうに吐息を漏らす。
それもそうだろう、まだ指一本だというのに食いちぎらんばかりに締め付けられているのだ。
少し考えて、唇を重ねる。
迎え入れるように薄く開かれた隙間から舌を差し入れ中を這わせると、強ばっていた身体から余計な力が抜けた。
二本目、三本目と指を増やしていく。
「ん、ふ……んぅ……んんっ!」
解すように動かしていると、ある一点で一際大きく身体を跳ねさせる兄。
その場所を頭に刻み込みながら、触れるか触れないかのすれすれを刺激する。
艶めかしく揺れる腰に煽られ、わずかに残っていた余裕が消し飛んだ。
指をまとめて引き抜く。
もうそろそろ大丈夫だろう。
何より、俺が限界だった。
「すおう……」
揺れる瞳に誘われもう一度その唇を奪う。
舌を絡ませ、擦り合わせると、痺れるような快感に思考力が麻痺していく。
「ん……ふ、んぅ……」
甘く耳に突き刺さる吐息が理性を溶かす。
気が急くままに兄の服を半ば剥ぎ取るようにして脱がせ、自身のものも脱ぎ捨てた。
唇を合わせたまま滑らかな肌の上に手を這わせ、まだ柔らかいままの小さな突起を探り当てる。
軽く引っ掻き抓ると、擽ったいのか身をよじる兄。
快楽を拾っている様子はない。
それはつまり、兄が他者の肌を知らない証左。
何故か無性に、その事実が嬉しかった。
「ん、んっ……ふぁ……ぅんっ……」
執拗いほどに弄り続けているうちに反応が変化していく。
ぴくり、ぴくりと細い身体が小さく跳ねる。
柔らかかった胸の突起はいつの間にか、控えめにではあるが立ち上がっていた。
弄っているのとは反対側も愛撫しようと、口付けを中断する。
「あ……」
口を離した時に兄から漏れた、名残惜しげな声は気のせいだろうか。
そんなはずは無いと己に言い聞かせ、もう一つの突起を口に含み、甘噛みする。
「ぁんっ……あ、はぁ……あっ……」
爪で弾き抓り、甘噛みして舌で捏ねくり回す度に耳朶を打つ嬌声。
俺の手で啼かせている。
心の奥底がほんの少し、満たされた気がした。
「あぁっ、んっ……すお、う……」
切なげな声で呼ばれ、視線を上に向ける。
薄く開けられた唇の隙間から、ちらちらと誘うように揺れる赤い舌。
これは、口付けを強請られているのだろうか。
「すおう、あっ……んん……」
誘いに乗って、深く口付ける。
たとえ誘いでなかったとしても、そう見えるような行動をとった貴方が悪い。
上顎を舌でなぞれば、びくびくと身体を震わせる兄。
そろりと触れてきた舌に遠慮なく絡み付き、さりさりと擦れ合う感触を味わう。
舌を伝って注ぎ込んだ唾液をこくりと嚥下する音に、また少し、満たされた気がした。
胸の突起を弄っていた手を、しっとりと吸い付くような肌の感触を確かめながら下げていく。
脇腹を辿って、下腹部へ。
中心で頭をもたげていたそれにそっと触れると、組み敷いている身体がびくりと震えた。
「んぅ……ふっ……んんっ……」
手で包み込むようにして、時折緩急をつけながらやわやわと扱く。
鈴口から零れる体液で濡れたそれは、扱くたびにくち、くちゅりと粘着質な水音を立てる。
「ふぁ……ぅん……ん、ふぅんっ……」
段々と、反応が大きくなっていく。
それに合わせて、追い上げるように、しかし傷付けないよう加減しながら、力を強める。
「ふぅ、んっ……んぅ……んんんっ……!」
頃合を見計らって鈴口に爪を立てると、兄は弓なりに身体をしならせ、自身の腹に白濁を散らした。
このままでは息を整えづらかろうと唇を離す。
代わりに、手にかかった白濁を丹念に舐めとっていく。
口の中に生臭い苦味が広がるが、不思議と気にならない。
途中で兄が食い入るように見つめていることに気づき、見せつけるようにして舐めとった後の指を唾液で濡らしていく。
十分に濡れたことを確認しつつ、無意識のうちにだろう、兄と互いに絡ませ合っていた脚をほどき、その脚を閉じられないように間に腰を挟み込んだ。
唾液で濡れた指を兄の後孔に添え、つぷりと中指を埋める。
ゆっくりと入り口から解すように中を暴いていく。
熱い内壁がうねり、ぎゅうぎゅうと絡みついてくる。
「ふっ……う……」
兄が苦しそうに吐息を漏らす。
それもそうだろう、まだ指一本だというのに食いちぎらんばかりに締め付けられているのだ。
少し考えて、唇を重ねる。
迎え入れるように薄く開かれた隙間から舌を差し入れ中を這わせると、強ばっていた身体から余計な力が抜けた。
二本目、三本目と指を増やしていく。
「ん、ふ……んぅ……んんっ!」
解すように動かしていると、ある一点で一際大きく身体を跳ねさせる兄。
その場所を頭に刻み込みながら、触れるか触れないかのすれすれを刺激する。
艶めかしく揺れる腰に煽られ、わずかに残っていた余裕が消し飛んだ。
指をまとめて引き抜く。
もうそろそろ大丈夫だろう。
何より、俺が限界だった。
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