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本編
5月16日*
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新人の出来る事が増えたお陰で、ここ最近では40分ほどの残業で済む様になっていた。
日も長くなって、外がまだ明るい。
「ただいま。」
「おーおかえりー。」
「良悟はどうしてる?」
「寝室。17時くらいから拗ねちゃって、立て篭ってんの。」
それはもしかして俺のせいか。
心当たりが有る。
良悟はしっかりしてる、このタイミングで拗ねたという事は先ず間違いないだろうな。
「土曜日の件か。」
「だろうね。なぁ、パジャマ有った?」
「いや、丁度探してるところだ。」
手を洗いに行った洗濯機の上にも、着替えるつもりで向かった自室にも無い。
あとはリビングかと思ったんだが。
「俺のも無いんだよねー。」
「まさか人質かっ?」
その時、和己のスマホが鳴った。
メッセージの通知音らしいそれを少し眺めていたかと思ったら、カシャっとスクリーンを保存して、膝から崩れ落ちた。
「くっ、ふっはははっ、まじ可愛い過ぎかよ…っ、これ見てよ陸也」
肩を揺らして悶えながら差し出してくるスマホは、脅迫状だった。
「聞かれてたなっ。」
「お前、パジャマと同等かよっ、安過ぎるだろっ、はぁっ、」
人質は預かった、というメッセージに俺と和己のパジャマが写った写真が送られてきた。その人質は俺と交換らしい。
もう少し、膝を写して欲しかったな。よし、見に行くか。
「あーー立て籠もり犯に聞いてみてくれないかーっ。俺の他にこの間のアイスとオレンジジュースが有るんだが必要無いだろうかーっ。」
ーーピコン。
「ふっ、くっ、いるってさ...っ、ふっははは、」
「あーーすまない、ただいまも言ってもらえないだろうかーっ。」
「おい、やめろって…っ、くっ、腹痛いだろっ、」
ーーピコン。
ヒーヒー笑い転げる和己が、なんとか見せてくれた画面にはただ一言追加されていた。
「直接言うから早く持って来い、か。」
可愛い事をするが、少し乱暴だな。
「和己、少し頼めるか。」
「良いけど何っ?」
「手首を縛る紐が有ると助かるんだが。」
「あーー。有るわ。」
和己の察しの良さには感心する。
そして、その楽しそうに跳ね上がる唇も表情も良い。
キスしたくなるが、それは後だな。
「硬いのと柔いのどっちよ?」
「キツくしても痛く無い方、が良いだろうな。」
「オーケー有る有る。持ってくるから先に飯食ってたら?」
「いや、大丈夫だ温めてくる。」
ーーーーー
なんで、なんでだ。
何処で間違ったんだ、?
完璧だっただろ、!?
パジャマを人質に取って、代わりに陸也が寝室に来てくれて、拗ねたバカみたいな俺を慰めてくれるーー筈だったのにっ、!
「食べないのか?溶けるぞ。」
「食べる...っ、」
なんで、膝の上に座らされてダイニングでアイス食べてるんだっ、
「可愛いねぇ良悟。手も足も出ないって感じ?」
「足は出るっ、」
「届いて無いよ?恥ずかしいね?」
ぐうの音も出ないとは、こういう事か。
寝室に手ぶらで来るや否や、おいでって言うから抱きしめてくれると思って着替えられずに居たらしい陸也の胸に飛び込んだ。
しっかり抱きしめてくれて、左手で俺の頬を撫でて、首、肩、そのまま腕まで撫で降ろした所でふと、違和感を感じた。
「陸也、右手どうかした…あっ、ぅわ、え?」
左手でガッチリ手首を掴まれ、右手に隠してたであろう紐か何かで後ろ手に縛られると、あっさり肩に担ぎ上げられた。
それで今、晩御飯を食べる片手間にわざわざ箸をスプーンに持ち替えて、アイスを食わせてくれる。
因みに、足は着かない。
陸也が左脚を胡座を組むみたいに曲げてるせいで、余計だ。
爪先が床を擦りもしないというのは、同じ男として若干腹立つ。
和己なら届くだろうから、俺にしかこの手は通じない。
というか、なんで和己にまで煽られるんだっ、
「まだ謝罪を聞いてないな、良悟。」
「別に、何も悪い事してないっ。」
「人質を取っただろ?」
「パジャマじゃんっ。」
「和己が困ってたぞ。」
それは、俺が悪いかも知れない。
「どうしたのか、聞かれなかったのか?」
俯くしかない。
だって聞かれた。
ちゃんと何時もみたいに、どうしたのって聞いてくれた。
でもこれは和己のせいじゃないし、どっちかと言うと絶対、確実に陸也のせいだし。
「陸也に言うから良い、って言った。」
「それで和己が傷付かないと思ったのか?」
「思った...っ、」
「ちゃんと言ったか?」
「言ってなぃー…っ、」
だって和己は関係ない。もし言えば和己がごめんねって謝ってくれるって分かってた。けど、俺は和己のごめんが聞きたい訳じゃない。
「だって、陸也がわるぃ。」
「それはそうだな。土曜日の件を言ってるのなら、俺が悪い。その説明も挽回もあとでさせて欲しい。だけど今は和己の話の途中だ。先にこっちを片付けたい。良いか?」
「良い。分かった。」
前にもこういう事をされた。
その時も、アイスを食わせて貰いながら怒られるのは可笑しいだろ、と言ったらそんな事ないって言うから、普通の家はそんなもんなのかと思って、アレっ?となったのを覚えてるっ、
これは、むくれた子供に言い聞かせる時によく効く手らしい。
こいつのこういう所、ムカつくっ、
しかもそれがちゃんと効くのもムカつくっ、
でも、アイスは美味い。ラムネのアイスだ。
「美味いか?」
「ん。ラムネの所食べたい。」
「説明してあげた方が良かったんじゃないか良悟。」
「…和己に説明したら、和己がごめんって言う。けど、和己は悪くないから謝らせたくない。俺の和己は何も悪くない。」
「今の録音して、いい?」
「和己、」
「いや、良いよ。今ので充分わかったよ。」
陸也が呼ぶけど、それを制して和己がスマホを出してくる。
何、そのスマホ。
「許すよ良悟。ちょっと傷付いて何で俺放置されちゃったのかなぁ、寂しいなぁって思ってたけどもう一回言ってくれたら、チャラに出来ると思うなっ。」
「なに、を言うの?」
「俺の和己、ってもう一回言って良悟。録音するから。そしたらチャラだし、陸也の話をする間は俺がアイス食べさせてあげる。」
「もう少し早くごめんなさいすべきだったな良悟。」
「意地張って良い事ないな、って今思ってるー…。」
「良い勉強になったな。」
ーーーーー
偶には別々が良い日だって有る。
例えば、個別に謝りたい時とか。
二人きりになりたい時とか。
悪い男の台詞みたいに、和己と陸也それぞれに愛してるって言いたい時がある。
三人で居ると二人に同じだけ言わないと大変な事になる。
「んぁあー…っ、♡ふぅうっ、かいぃ、いく、いくっ、いく陸也ぁあッ♡」
陸也の騎乗位は深くて、お腹がおかしくなるっ。
息がしづらいし、勝手にナカがきゅむきゅむ締め付けて、勝手にもぐもぐしてイク。
ましてやお尻掴まれたら、ギリギリ着いてる膝も片方が浮く。
だからって膝を立てれば、丸まる背中を抱かれて、お腹の中を余計に真っ直ぐ陸也の熱が入って来る。
「あぅぅー…っ、♡ぅ、あ、うぅっ、いぃ、♡いい、きもちぃっ、♡」
ローションの音もえっちだし、ピストン毎に耳に吹き込まれる陸也の熱い息も良い。
「またいく、いく、イクッー…っ♡ふっ、ふぅ、はぁ♡」
ほんとはバックが良い。
いつもバックだし、陸也の寝バックは凄く安心するっ。
重たくて、熱くて、逃げられないのが良い。
でも今日はこのあと和己の部屋にも行く。
「あと一回、奥をヌいて良いか良悟っ、」
「良いっ。」
良いに決まってる。
力が抜けた身体でなんとか、陸也の耳までしがみついてはむっと口に含む。
途端に膨らむ、お腹の中の熱が苦しくてゾクゾクして、また甘イキしたー…♡
おなかヒクヒクしてる。
「たっぷり出してー…♡」
今日は2回だけ。
陸也と2回、和己と2回。
その間、俺が何回イクかは関係ない。
何回だって良い。
二人が求めてくれるなら、俺は何回でも熱くなれるし、気持ち良くなれる。
和己の部屋に運んでくれた時には、まだ日本語話せたんだけどな。
ソファに下ろしてくれて、陸也がキスをくれて和己の部屋を出た。
今度は俺が手を伸ばして、和己を抱き寄せると、やっと来てくれたなんて言う。
こんな顔の綺麗な男が、心底嬉しそうに俺を待ってるなんて嬉しいに決まってる。
「りょーご♡」
「んー…?」
「これ、まだ勃つ?」
「んー…わかんない♡」
「そっかぁ。やってみようねぇ。」
パジャマも着てない、バスタオル一枚の身体を剥がされ、手を突っ込まれた所をすりすりされる。
「頑張り過ぎたのかなぁ。」
半分くらいしか勃たないけど、それを口に含まれてからもう言葉が出ない。
陸也の出した精液毎、突っ込まれた指がこぷこぷ混ぜる。
「あぁー…♡やらぁ。」
「んー俺もいや。♡良悟のアナル混ぜ混ぜさせて。」
「うぅっ。♡」
前立腺をきゅって挟んで、指がトントンする。
それに飽きたら意地悪みたいに、また音を立てて混ぜる。
「いれて」
「いや♡」
「いれて」
「いーや♡」
「んんうーーっ、おねがー…ぃ、ほしぃ、」
名前を呼んでもおねだりは効かなかった。
なら、もっと過激なおねだりにしよう。
右手を伸ばした。
和己のカリがおっきいやつに。
俺も先っぽ撫でて、括れをすりすりする。
左手は和己の右手を握って、もっと奥へ招き入れた。
ごぷって音がした♡
「あー…食べたの俺の指?」
「んぅ。♡」
腰も自分で動かせる。へこへこするの和己が好き。
それに、ちゃんと角度を付けたまま指を固定しててくれるから、好きな所に当てるのは簡単だった。
「可愛い。そんなに欲しい?」
欲しい、と答える前に身体が限界だった。
具体的には脳味噌だったのかも。
ごめんって思いながら和己の肩を掴んで、ラグに押し倒した。
握った物は硬くて、太い。
カサを飲み込んで、根元まで全然痛みも無く飲み込んだ。
飲み込む途中もぞりぞりして気持ち良いし、陸也がヌいてくれた奥はまだ開いてる。
「あ、あ...っ、やばっ、はぁー…っ、出、るっ、良悟っ、」
「そんなに出したいー…かずみ♡」
「あは、は、はぁー最高っ。お願い良悟、」
「良いよ。出して♡」
俺の挑発は上手く行った。
たっぷり愛され慣れた身体は、好きな男の好きな性器をたっぷりあいしてあげられる。
たった6回のピストン。騎乗位。
和己の胸に手を付いて、背中を逸らしてイッた。
「はー…ァっ♡」
「はぁ、はぁーっ、はぁ、やば、騎乗位、最高、」
そういえば、和己とこの体位は久しぶりかも。
俺も最高。指先まで痺れてきた。
でも、この痺れはすぐに止まる。
健康的な痺れ。快感の味と、えっちな匂い。
「もっと焦らしたかったんだけど、今日は無理そう。今夜は俺が腰を振らされる訳ね。」
「でもあと1回だから。出来るだけ我慢してくれると嬉しい。」
和己の好きな緩いピストン。
俺の奥は、先っぽにちゅぱって吸い付くらしいから、そのまま止まる。
和己がふーふー言って、気を散らそうと胸に吸い付くのを見てる。
「良悟っ、」
俺の名前を呼んでくれたら、ピストンする。
ちゃんとズルズル先っぽまで抜いて、結腸までぐっぽり飲み込む。
4回もすれば和己は限界。
でも、俺はまだ欲しい。
肩を抑えてるから和己は起き上がれない。
「もう一回♡」
「あぁーー最高。俺、一生良悟の竿になるっ」
「ん♡」
キスをしてまた待つ。
俺も和己が名前を呼んでくれるだけで、何でもしてあげたくなる。
例えば、今の俺に出来る最高にえっちな言葉で気持ち良いセックスを終わらせるとか。
「たっぷり出してー…♡」
意地張ってごめん。
でもどうしても、嫌だったんだ。
俺の大事な物が勝手に振り回されるなんて。
土曜日、陸也が強制参加させられるパーティーが有る。
ムカつく。
日も長くなって、外がまだ明るい。
「ただいま。」
「おーおかえりー。」
「良悟はどうしてる?」
「寝室。17時くらいから拗ねちゃって、立て篭ってんの。」
それはもしかして俺のせいか。
心当たりが有る。
良悟はしっかりしてる、このタイミングで拗ねたという事は先ず間違いないだろうな。
「土曜日の件か。」
「だろうね。なぁ、パジャマ有った?」
「いや、丁度探してるところだ。」
手を洗いに行った洗濯機の上にも、着替えるつもりで向かった自室にも無い。
あとはリビングかと思ったんだが。
「俺のも無いんだよねー。」
「まさか人質かっ?」
その時、和己のスマホが鳴った。
メッセージの通知音らしいそれを少し眺めていたかと思ったら、カシャっとスクリーンを保存して、膝から崩れ落ちた。
「くっ、ふっはははっ、まじ可愛い過ぎかよ…っ、これ見てよ陸也」
肩を揺らして悶えながら差し出してくるスマホは、脅迫状だった。
「聞かれてたなっ。」
「お前、パジャマと同等かよっ、安過ぎるだろっ、はぁっ、」
人質は預かった、というメッセージに俺と和己のパジャマが写った写真が送られてきた。その人質は俺と交換らしい。
もう少し、膝を写して欲しかったな。よし、見に行くか。
「あーー立て籠もり犯に聞いてみてくれないかーっ。俺の他にこの間のアイスとオレンジジュースが有るんだが必要無いだろうかーっ。」
ーーピコン。
「ふっ、くっ、いるってさ...っ、ふっははは、」
「あーーすまない、ただいまも言ってもらえないだろうかーっ。」
「おい、やめろって…っ、くっ、腹痛いだろっ、」
ーーピコン。
ヒーヒー笑い転げる和己が、なんとか見せてくれた画面にはただ一言追加されていた。
「直接言うから早く持って来い、か。」
可愛い事をするが、少し乱暴だな。
「和己、少し頼めるか。」
「良いけど何っ?」
「手首を縛る紐が有ると助かるんだが。」
「あーー。有るわ。」
和己の察しの良さには感心する。
そして、その楽しそうに跳ね上がる唇も表情も良い。
キスしたくなるが、それは後だな。
「硬いのと柔いのどっちよ?」
「キツくしても痛く無い方、が良いだろうな。」
「オーケー有る有る。持ってくるから先に飯食ってたら?」
「いや、大丈夫だ温めてくる。」
ーーーーー
なんで、なんでだ。
何処で間違ったんだ、?
完璧だっただろ、!?
パジャマを人質に取って、代わりに陸也が寝室に来てくれて、拗ねたバカみたいな俺を慰めてくれるーー筈だったのにっ、!
「食べないのか?溶けるぞ。」
「食べる...っ、」
なんで、膝の上に座らされてダイニングでアイス食べてるんだっ、
「可愛いねぇ良悟。手も足も出ないって感じ?」
「足は出るっ、」
「届いて無いよ?恥ずかしいね?」
ぐうの音も出ないとは、こういう事か。
寝室に手ぶらで来るや否や、おいでって言うから抱きしめてくれると思って着替えられずに居たらしい陸也の胸に飛び込んだ。
しっかり抱きしめてくれて、左手で俺の頬を撫でて、首、肩、そのまま腕まで撫で降ろした所でふと、違和感を感じた。
「陸也、右手どうかした…あっ、ぅわ、え?」
左手でガッチリ手首を掴まれ、右手に隠してたであろう紐か何かで後ろ手に縛られると、あっさり肩に担ぎ上げられた。
それで今、晩御飯を食べる片手間にわざわざ箸をスプーンに持ち替えて、アイスを食わせてくれる。
因みに、足は着かない。
陸也が左脚を胡座を組むみたいに曲げてるせいで、余計だ。
爪先が床を擦りもしないというのは、同じ男として若干腹立つ。
和己なら届くだろうから、俺にしかこの手は通じない。
というか、なんで和己にまで煽られるんだっ、
「まだ謝罪を聞いてないな、良悟。」
「別に、何も悪い事してないっ。」
「人質を取っただろ?」
「パジャマじゃんっ。」
「和己が困ってたぞ。」
それは、俺が悪いかも知れない。
「どうしたのか、聞かれなかったのか?」
俯くしかない。
だって聞かれた。
ちゃんと何時もみたいに、どうしたのって聞いてくれた。
でもこれは和己のせいじゃないし、どっちかと言うと絶対、確実に陸也のせいだし。
「陸也に言うから良い、って言った。」
「それで和己が傷付かないと思ったのか?」
「思った...っ、」
「ちゃんと言ったか?」
「言ってなぃー…っ、」
だって和己は関係ない。もし言えば和己がごめんねって謝ってくれるって分かってた。けど、俺は和己のごめんが聞きたい訳じゃない。
「だって、陸也がわるぃ。」
「それはそうだな。土曜日の件を言ってるのなら、俺が悪い。その説明も挽回もあとでさせて欲しい。だけど今は和己の話の途中だ。先にこっちを片付けたい。良いか?」
「良い。分かった。」
前にもこういう事をされた。
その時も、アイスを食わせて貰いながら怒られるのは可笑しいだろ、と言ったらそんな事ないって言うから、普通の家はそんなもんなのかと思って、アレっ?となったのを覚えてるっ、
これは、むくれた子供に言い聞かせる時によく効く手らしい。
こいつのこういう所、ムカつくっ、
しかもそれがちゃんと効くのもムカつくっ、
でも、アイスは美味い。ラムネのアイスだ。
「美味いか?」
「ん。ラムネの所食べたい。」
「説明してあげた方が良かったんじゃないか良悟。」
「…和己に説明したら、和己がごめんって言う。けど、和己は悪くないから謝らせたくない。俺の和己は何も悪くない。」
「今の録音して、いい?」
「和己、」
「いや、良いよ。今ので充分わかったよ。」
陸也が呼ぶけど、それを制して和己がスマホを出してくる。
何、そのスマホ。
「許すよ良悟。ちょっと傷付いて何で俺放置されちゃったのかなぁ、寂しいなぁって思ってたけどもう一回言ってくれたら、チャラに出来ると思うなっ。」
「なに、を言うの?」
「俺の和己、ってもう一回言って良悟。録音するから。そしたらチャラだし、陸也の話をする間は俺がアイス食べさせてあげる。」
「もう少し早くごめんなさいすべきだったな良悟。」
「意地張って良い事ないな、って今思ってるー…。」
「良い勉強になったな。」
ーーーーー
偶には別々が良い日だって有る。
例えば、個別に謝りたい時とか。
二人きりになりたい時とか。
悪い男の台詞みたいに、和己と陸也それぞれに愛してるって言いたい時がある。
三人で居ると二人に同じだけ言わないと大変な事になる。
「んぁあー…っ、♡ふぅうっ、かいぃ、いく、いくっ、いく陸也ぁあッ♡」
陸也の騎乗位は深くて、お腹がおかしくなるっ。
息がしづらいし、勝手にナカがきゅむきゅむ締め付けて、勝手にもぐもぐしてイク。
ましてやお尻掴まれたら、ギリギリ着いてる膝も片方が浮く。
だからって膝を立てれば、丸まる背中を抱かれて、お腹の中を余計に真っ直ぐ陸也の熱が入って来る。
「あぅぅー…っ、♡ぅ、あ、うぅっ、いぃ、♡いい、きもちぃっ、♡」
ローションの音もえっちだし、ピストン毎に耳に吹き込まれる陸也の熱い息も良い。
「またいく、いく、イクッー…っ♡ふっ、ふぅ、はぁ♡」
ほんとはバックが良い。
いつもバックだし、陸也の寝バックは凄く安心するっ。
重たくて、熱くて、逃げられないのが良い。
でも今日はこのあと和己の部屋にも行く。
「あと一回、奥をヌいて良いか良悟っ、」
「良いっ。」
良いに決まってる。
力が抜けた身体でなんとか、陸也の耳までしがみついてはむっと口に含む。
途端に膨らむ、お腹の中の熱が苦しくてゾクゾクして、また甘イキしたー…♡
おなかヒクヒクしてる。
「たっぷり出してー…♡」
今日は2回だけ。
陸也と2回、和己と2回。
その間、俺が何回イクかは関係ない。
何回だって良い。
二人が求めてくれるなら、俺は何回でも熱くなれるし、気持ち良くなれる。
和己の部屋に運んでくれた時には、まだ日本語話せたんだけどな。
ソファに下ろしてくれて、陸也がキスをくれて和己の部屋を出た。
今度は俺が手を伸ばして、和己を抱き寄せると、やっと来てくれたなんて言う。
こんな顔の綺麗な男が、心底嬉しそうに俺を待ってるなんて嬉しいに決まってる。
「りょーご♡」
「んー…?」
「これ、まだ勃つ?」
「んー…わかんない♡」
「そっかぁ。やってみようねぇ。」
パジャマも着てない、バスタオル一枚の身体を剥がされ、手を突っ込まれた所をすりすりされる。
「頑張り過ぎたのかなぁ。」
半分くらいしか勃たないけど、それを口に含まれてからもう言葉が出ない。
陸也の出した精液毎、突っ込まれた指がこぷこぷ混ぜる。
「あぁー…♡やらぁ。」
「んー俺もいや。♡良悟のアナル混ぜ混ぜさせて。」
「うぅっ。♡」
前立腺をきゅって挟んで、指がトントンする。
それに飽きたら意地悪みたいに、また音を立てて混ぜる。
「いれて」
「いや♡」
「いれて」
「いーや♡」
「んんうーーっ、おねがー…ぃ、ほしぃ、」
名前を呼んでもおねだりは効かなかった。
なら、もっと過激なおねだりにしよう。
右手を伸ばした。
和己のカリがおっきいやつに。
俺も先っぽ撫でて、括れをすりすりする。
左手は和己の右手を握って、もっと奥へ招き入れた。
ごぷって音がした♡
「あー…食べたの俺の指?」
「んぅ。♡」
腰も自分で動かせる。へこへこするの和己が好き。
それに、ちゃんと角度を付けたまま指を固定しててくれるから、好きな所に当てるのは簡単だった。
「可愛い。そんなに欲しい?」
欲しい、と答える前に身体が限界だった。
具体的には脳味噌だったのかも。
ごめんって思いながら和己の肩を掴んで、ラグに押し倒した。
握った物は硬くて、太い。
カサを飲み込んで、根元まで全然痛みも無く飲み込んだ。
飲み込む途中もぞりぞりして気持ち良いし、陸也がヌいてくれた奥はまだ開いてる。
「あ、あ...っ、やばっ、はぁー…っ、出、るっ、良悟っ、」
「そんなに出したいー…かずみ♡」
「あは、は、はぁー最高っ。お願い良悟、」
「良いよ。出して♡」
俺の挑発は上手く行った。
たっぷり愛され慣れた身体は、好きな男の好きな性器をたっぷりあいしてあげられる。
たった6回のピストン。騎乗位。
和己の胸に手を付いて、背中を逸らしてイッた。
「はー…ァっ♡」
「はぁ、はぁーっ、はぁ、やば、騎乗位、最高、」
そういえば、和己とこの体位は久しぶりかも。
俺も最高。指先まで痺れてきた。
でも、この痺れはすぐに止まる。
健康的な痺れ。快感の味と、えっちな匂い。
「もっと焦らしたかったんだけど、今日は無理そう。今夜は俺が腰を振らされる訳ね。」
「でもあと1回だから。出来るだけ我慢してくれると嬉しい。」
和己の好きな緩いピストン。
俺の奥は、先っぽにちゅぱって吸い付くらしいから、そのまま止まる。
和己がふーふー言って、気を散らそうと胸に吸い付くのを見てる。
「良悟っ、」
俺の名前を呼んでくれたら、ピストンする。
ちゃんとズルズル先っぽまで抜いて、結腸までぐっぽり飲み込む。
4回もすれば和己は限界。
でも、俺はまだ欲しい。
肩を抑えてるから和己は起き上がれない。
「もう一回♡」
「あぁーー最高。俺、一生良悟の竿になるっ」
「ん♡」
キスをしてまた待つ。
俺も和己が名前を呼んでくれるだけで、何でもしてあげたくなる。
例えば、今の俺に出来る最高にえっちな言葉で気持ち良いセックスを終わらせるとか。
「たっぷり出してー…♡」
意地張ってごめん。
でもどうしても、嫌だったんだ。
俺の大事な物が勝手に振り回されるなんて。
土曜日、陸也が強制参加させられるパーティーが有る。
ムカつく。
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