【1章完結済】【R18】池に落ちたら、大統領補佐官に就任しました。

mimimi456/都古

文字の大きさ
上 下
75 / 77
第二章:大統領補佐官

蒼鷹、補佐官の羽繕う 1

しおりを挟む
蒼鷹、補佐官の羽 繕う 1


トキは僕の質問には答えなかった。

だけど、
拳を作らせた僕の手を両手で握って胸に抱き締めた。

可愛い、僕の手は怖くないんだ。

それなのに、何か違和感が有る。

僕は腕の中に居るトキを眺めた。
あぁ、もしかして抱き締めたのは僕の勘違いか。
偶々気まぐれで遊んでるのかも知れない。
トキは言葉にしないままでも、仕草ひとつで僕達を誘導出来る。


言葉にしないままーーって事は。

ハッとする。
大慌てで湯船からトキを抱き上げた。
歩きながら風魔法でトキに纏わりつく水滴を飛ばす。
冷たく無い様に少し熱を加えたけど、邪魔だ。

両手が使えたら一瞬で終わるのに、扉を開ける為に手間を惜しんだ。家の中にも転移魔法を仕込んだ方が良いね。

「ちょ、グゥル、どうした」

「黙って。お願いトキ。今僕の意識を削がないで。」

トキは言葉ひとつでも僕を惑わせる。
この仕草にも意味があるんだとしたら、少し口を閉じて貰わないと困る。

僕はこれ以上、トキを見逃したくない。

「グゥル…」

「どうかしたトキ」

それなのに、どうかしたのと返事をせずにはいられない。
何かあるなら僕に全部聞かせて欲しいから、

「トキじゃない。」

「ん?」

「時昭。」

ゴキュッ、と喉から変な音がした。
自分の…僕の喉だと思う、

唾なのか空気なのか一体何を飲み込んだのか分からないけど。
心臓が煩くて、抱え上げてる腕に変に力が入る様な何か。
無意識にこの可愛い生き物を何処へ隠そうか考えた。
ここは僕の家だ。向こうの僕の部屋なら誰にも見つからない。

いや。駄目だ、この子は大統領の番だ。
でも僕の愛人だ。

初めて呼ぶ好きな子の名前は、情けない程震えた。

「と、きあき」

「んっ。」

「ときあき」

抱き上げたまま僕だけがベッドに座る。
このまま離したくない、もっと僕の腕の中に居て欲しい。
裸のトキはとても綺麗で、キスがしたくなる

「僕に、そう…呼ばれたいの、」

「ん。今だけな。」

「今だけ、呼んで良いの」


それはとても特別な事だよトキ。
名前だけを呼ばせるのは、親かとても親しい人にしか許されない本当に特別な事だよ。
トキや大統領が僕をグルーエントと呼ぶのは構わない。
それは立場的に許された行為だけど。
僕が、トキを名前だけで呼ぶ事は良く無い。

僕は只の護衛だ。愛人契約を結んでいても、トキの立場を考えれば僕が名前を呼べないのは必然だった。

「ん。俺を名前で呼んでくれて良い…グゥル。」

「練習しとけば良かった、」


急に言われると難しいんだよ

「トキあき、」

抱き締めた腕や膝に乗るトキの身体が温かい。
ゆっくりお湯に浸かるトキの文化を僕は好きになった。
温められた蜂蜜色の肌は、美味しそうに見える。

「トキあき、ときあき」

そうだ、僕は
確かめないといけないのにこの目はトキの肌ばかり見てる。

「あまり僕を煽らないで、」

「いやだ。」

「少し診るだけだよ。」

「見てるだろ。」

「そういう目で見ちゃうから、」

「見れば良いー…っ。♡」


不意にトキの腕がするっと伸びた。
ぎゅっとあの夜を思い出す様な強さで抱き締められ、つい息を止めた。
これ絶対良い匂いがする。

「アッ」

キスされた。首に。それもただのキスじゃ無い。
一瞬走った痛みで跡を残されたんだと思った。

「トキ…くッ、」

ぬるっ、と柔らかい舌が残した跡を這う。
おまけにガブッと歯を立てられた。

はぁー…なんでそんな事するの、頭が爆発しそうなんだけどっ、
理性がフラフラする。
大統領はどうやってこんな誘惑に耐えてるんだ

「結構派手に付いたな。痛かった?」


このままじゃダメだ。全く良く無い。
完全にトキの手の上で遊ばれてる。
また夢中でトキを抱いてたら朝が来る奴だ。

どうする。

「グゥル?なぁ、噛んだのそんなに痛かった?」

流石にトキの秘密を聞いておいてそんな事、報告出来ないんだけど。

蜂蜜色の肌や、赤くて美味しそうな舌先から必死で目を引き剥がしして、見飽きた部屋の壁へと固定した。
そこには、姉さんに押し付けられて飾った絵が有る。

前にトキが避難して来た時に、絵ぐらい飾りなさいよって言われて。
特に何とも思わない風景画だけど、助かった。
あとで姉さんにお礼しよう。

僕の理性を取り戻してくれてありがとう姉さん。

「ごめんって...なぁ、グルーエント、大丈夫か?」

ああどうしよう。
僕に跡を残すなんて可愛いねトキ。
そんな風に撫でてみなくても、全然痛くなかったよ。
もっと、血が滲むほど噛んでくれて良いのに。

跡も、沢山付けて良いよ。
僕の身体に付ける跡は、もうずっと全部トキだけなんだから。

「痛く無いよ。可愛いくて考え事してた」

「そう?」

それにしても、好きな子が裸で腕の中に居て冷静になれる男には、
キスくらいしても許されたりしないかな。
トキが許してくれれば大統領はある程度許してくれると思うんだけど。

あー…そうだ。良いのが有る。

「うわ、」

「ははっ、ごめんね。空間収納も本当は怖かった?」

「まぁ、うん…いきなり空中に手を突っ込む所がちょっと怖いけど大丈夫。見慣れないだけ。それより、今取り出した薬の方が気になるんだけど。何それ。」

「何だと思う?」

「診るのに睡眠薬は要らないだろ。」

「飲んでも効かないの覚えてるよ。だから別のを用意したんだ。」


その警戒心で鋭くなるトキの瞳が僕は好きだな。


「これを飲んで大人しくなるか、飲まないで大人しくするか選んでときあき。」

「俺を脅すと高く付くけど良いのか?」

睨め付ける様に僕を見る。
僕はその問いに返事をする事は出来ない。
良いよって答えたらその瞬間に僕がトキを脅したって事になる。

だから先を促した。

「もし飲んだら、その賢い頭が性欲でいっぱいになる位抱き合って君の意識を飛ばしてから僕だけが解毒薬を飲む。その後で、意識の無い身体を隈なく調べ回ってホクロの数まで数えて…トキには瘢痕一つ見つから無かったって大統領に報告するだけだよ。」

「怖っ。」

「準備もほら、もう出来てる。」

「ん、ぁ。♡」

幾ら頭を落ち着けても下半身はトキの重みに反応してる。
ちょっと腰を打ちつけるだけで、トキの大事な所を押し上げる。
ここが柔く蕩けるまで僕を受け入れてくれたの、まだ覚えてる?

「ぁ。こら、やめろ」

僕がやっと二度目のトキを味わうまで、何度も大統領に愛されたよね。
羨ましいと思う。


「どうするとき。飲む?」

「ん…っ、ンぁ。」


小さい声が僕を煽る。
煽るなって言ったのは僕なのにね。
我慢なんか出来なかった。
もっと強く押し付けた下半身にトキも腰を揺らす。

僕が欲しいんだトキ。嬉しい。

抱き上げていた右手でトキの右の胸を、撫でた。
少し硬くなってる…。

すりすりすりすり。
手触りを楽しむ。

「あー…カワイ、」

反対側も触りたくなった。
左手はトキの足の裏に通してる。

離したら逃げるかな、じゃあ。
はく、と口を開けて寄る。

トキの胸は逃げなかった。
軽く吸い付いた僕を受け入れた、
それどころか胸を押し付けて吸い易くする。

「は、ぁ...♡」

柔く軽く甘くそっと、何度も何度も吸い付いた。
もう抱いて気を失ってから診ようかな。
それでも良いんじゃないかな。

「トキ、薬飲もっか。」

濡れた胸の先をぺろっ、と舐めて押し潰してから聞く。

「んぅ、♡」

「良いの?今の返事って事で良い、」

良いんだ。
トキ、粉薬苦手だったよね。

「待ってね水持って来るから」

「え゛、!?駄目だ!」


ふわふわしてたのに。
急にガバッと起き上がって暴れ出した。
落ちちゃうよ、トキ。落とさないけど。

「俺に薬盛ったらエルに言い付けてやる、!」


睨み付けて来るトキを見ながら空間収納に戻すけど、凄く胡乱気な目を向けられた。ちゃんと戻したよ。

「トキ。」

「なに。」

「トキの名前をもう一回聞きたい。響きを覚えたいんだ。」

「時昭。」

「ときあ、き。」

「惜しい。時…昭…」


僕、耳は良いんだ。
本当なら目も良いんだけど、そっちはトキが誘惑して全然使い物にならなそうだから、使える方から使おう。

診るのは、身体だけじゃない。
トキはもう少し自惚れた方が良い。
その為の僕なんだから。

「時昭…、今の似てた?」

「凄いな完璧、」

「時昭。」

「ん…なんか、結構懐かしいな。すごく日本語っぽい。」


さっきの愛撫で熱を上げた身体を落ち着ける様に、優しく抱き締めて何度もトキの名前を呼ぶ。
一回呼ぶ毎に一つ思い出を込めて。


「なぁ...それ、なんか意味有るだろ、」

「今だけだから沢山呼びたいんだよ時昭。」


疑り深いのは良い事だよ。
本当、厄介な男だねトキ。

勿論、この行動に意味は有る。沢山呼びたいのは本当だけど。
ひとは自分の名前を大事に呼ばれると、それだけで堪らなく心を揺さぶられる事が有る。
それは異世界から来た人間にも効いた。
父さんに手を握られて泣いたでしょ、あれと同じ事が僕にも出来るよ。

僕は父さんより深く、トキの中に沈みたい。
その為の愛人だから。

「時昭。」

「… …なぁ、もういいって、」

「僕に明日の昼食と秘密とトキをくれるって言ったのは時昭だよ。」

「名前呼びは入ってないだろ、」

「もう味を占めちゃった。今日だけ、今夜だけだよトキ。」


トキが僕の顔が好きな事も、僕の声が好きな事も知ってる。
僕の目が好きだって事も。

裸の身体をもっと抱き寄せて口付ける。

「もっと呼びたい、」

トキは僕が甘えると、しょうがないって顔をする。
それから観念して好きなだけ呼ばせる事にしてくれた。

トキの甘やかし方に、皆が夢中になる。

療養のベッドで過ごすトキは、病弱でお綺麗でお堅い子なんだと思った。
でも具合が悪くて寝込む以外には、弱音を吐く所は勿論、帰りたいなんて言葉すら一度だって言わなかったし。
父さんが聞くまで窓の一つも開けなかった。

思えばあれが最初の違和感だったのかも。
妙に飼い慣らされた子だと思った。

だけどそれは初めだけだった。

文字を覚えて今後の事を考えるトキは、どんどん元気になった。

あの人と父さんの目論見は当たった。
トキはあれだけの嫌味や奇異の目に晒されながら、誰が見ても堂々と大統領に並ぶこの国二番目の良い男になった。

それで翳りが無くなるだろう、と僕達はそう思ってた。

それが補佐官になってから翳りは一層濃くなった。
負担が大き過ぎたんだと、幾ら僕や主治医が言っても、もう引き返せなかった。

何より、トキにはその才能が有った。
彼らは自分の感情より先に、損得勘定を念頭に置く生き物だ。
そういう連中は医者の言う事を聞いた試しが無い。

倒れる迄、限界まで働く事が楽しい連中で。
僕には全く理解出来ない生き物のひとりになってしまった。


「時昭。」

「んっ。まだ呼ぶのか。」


何度も呼び続けて、トキの声音が柔らかくなる。
少し慣れて来たかな。

ガチガチに固められた防御を柔くふにゃふにゃにして、そこに少しずつ火を点ける。

例えば、名前を呼びながら首に口付けたり。
体勢を変えて、僕の腰を跨ぐ様に抱き直したりしながら、悪い言葉を吹き込んでいく。


「時昭。」

「んっ、擽ったい。」

「彼らは」

「彼ら?」

「そう。彼ら。トキは彼らをそう呼びたい?」

僕は呼ばせたく無い。
勿論、僕が敬意を払わなければならない立場だという事は理解していてる。
只、トキが教えてくれた<秘密>を聞くに、彼らが敬意に見合った行いをして来たとは思えない。

まぁ、僕もこんな仕事をしていて敬意を払われる事は望んで無い。
そこらの魔物と何が違うのかと言われれば。
言葉が通じて、護るべき人が居る事くらいだ。

それ以外は、<彼ら>と大差ないだろうね。
僕の手は汚れてる。
対してトキの手はまだ全ったく綺麗だね。

「皆にそう呼ばれたくは、ない。他人行儀な呼び方をしても良いならそうしたい。」


他人が聞けば、冷たいと思うだろうし。
それでも大統領なら彼らに敬意を示すだろうね。
それは、あの人が大統領だからだ。

だからこそ思う。

「彼らはここがルノクである事に感謝すべきだよ時昭。」


小さいお尻を抱き締めて、名前を呼びながら話し掛ける僕に、トキは何が言いたいのか分からないみたいだった。

「トキは、もう僕達だけのトキじゃない。」

大統領の最愛の妻、と言うだけではなく。
大統領補佐官という肩書まで得たトキは、今日見た通り国中がトキの事を愛してる。

「この前、ラジクマルクス・ランが『君の非情さの方が際立ってしまったかな』と言ったあの時、僕はうっかりアイツの首をへし折りそうになった。」

「あ、そう...」

「そう。そういう事を彼らにしてやりたいと僕は思う。」


彼らは感謝すべきだ。

僕達はーー、
とりわけこの国ルノクの最深部では国を守る為に物騒な事も許容する。
トキはそれを許容するだけ立場と度量を持ってる。

普通は誰もが怯む様な指示、悪夢に苛まれもする様な事を、トキは許可する事が出来る。

それは間違い無く才能だよ時昭。

だからこそ彼らは感謝すべきだ。
トキがたった一言命じれば、彼らを無数の刃が襲う。

そうしないのは、ここがルノクだからだ。

今まで落ちて来た異世界の誰も、元の世界へ戻す術は見つかっていない。

よかったね。
安堵してくれて構わない。
感謝をしてくれて良い。

不意を打たれて襲われるか、味わった事の無い苦痛と恐怖で以て使い物にならなくするか、僕達にそうする術が無い事に心から感謝すべきだ。

「今日のグゥルは怖い事ばっか言うんだな。」

「本気だよ時昭。僕が怖い?」

「それは分かる。」

トキが手を伸ばして僕を抱き締めてくれた。
怖い事を聞かされたのに、その指はトントンと僕の肩を跳ねて遊んでる。
怯えている様には見えないな。
むしろ楽しそうに見える。

「もしトキの故郷へ行けたなら、12羽の鷹や鷲が空から奇襲を掛けて」

誰よりも速く風を切る翼で追い掛けて追い詰める。
狩りが得意なんだ。
そして行き着く先に、あの人が居る。
牙を剥き出しにして雄々しいたてがみを風に受けて待ち受ける。

「食い殺されそうだ」

「空と陸の王が愛してるんだから生きて居られる筈が無い。」

「ん。そうだな…っ。」

「泣いても良いよ。」

「ん。泣いてる。涙が出ないだけで泣いてると思う…。」

きゅ、と僕を抱き込む力が強くなった。
声が震えてる、息も堪えてる

そのまま。
そのままでいて

慰める様に背中を撫でる。
傷ひとつないトキの身体を。

「傷は癒さないと、トキ。」

仕返しなら僕達がしてあげる。
トキを愛さない国なら、僕達ルノクがトキを愛してる。

その為にトキは呼ばれたんだ。
大統領と僕達のルノクの為の大事で可愛い補佐官。
普通は、補佐官殿と呼ぶのに。

皆が、親しみを込めてトキ様と呼ぶ。
こんなに愛されたい大統領の番は居ない。


「僕達の補佐官が何時迄も<癒さない傷>を抱える事を、僕達は望まない。」

「ン、」

「皆、元気なトキが見たいんだ。僕も大統領も国民も皆だよトキ。」

「ん…~ッ、ふぅ、ぅ、」

じわ、と肩が濡れた。
温かい水滴が服を濡らす。

この水滴は全然鬱陶しくないな。
それどころかずっと寄り添って居たい位、温かい。

じわじわ染みる涙は、しばらくすると下手な哭き方に変わった。
涙は少しだけ向こうへ行って、声だけでわんわん泣く。

子供みたいだ。
どうだろ、子供の方が上手く泣けるか。

「泣くの下手だね時昭。」

「うう…~っ、」

なんか喋ってるけど、全然聞き取れない。
もしかして向こうの言葉かも知れないけど、そのまま声を出したら良い。

「トキ、手を貸して。」

僕はトキの手を借りて、その表面に魔力を流す。

「そのまま、手を伸ばして…そう、」

「うわぁ。!?」

手を重ねたまま、空間収納からタオルを取り出した。

「…すごぃ、」

「そうっ?」

「は、じめて触った…すげぇ」


取り出したタオルをまじまじと眺めて、虚空を見てる。

「折角タオル取ったのに、涙引っ込んだ」

「もう一回やる?」

「いや、いい。」

「どうして?」

「さっきの薬なら要らないからな。」

「水も有るよ?」

涙は止まって漸く鼻先だけがスンスン言うだけになった頃、トキが僕を見上げてはっきりと宣言した。

「俺を診て良いグルーエント。あと、ベルモントさんにもちゃんと話す。」

「良いの?」

「ん。ユディールに予定をこじ開けさせるから、執務室から一緒に行こう、」

「トキが行くなら何処でも行くよ。手でも繋ぐ?」

「繋ぐ。」

「…本気?」

「本気だ。俺が逃げそうになったら頼む。こういうのは他人に頼むのが良いってこの前、痛感したんだよ。」

「分かったよ。縛り挙げてでも医務室に連れて行ってあげる。」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...