【1章完結済】【R18】池に落ちたら、大統領補佐官に就任しました。

mimimi456/都古

文字の大きさ
上 下
64 / 77
第二章:大統領補佐官

蒼鷹の翠 3

しおりを挟む

震える手でパジャマのボタンを外す。
トキが顔を真っ赤にして、熱い息を吐きながらそうする事を許してくれた。

「トキ、」

「ん、ぁっ。」

「服が擦れる?ごめんね、直ぐ外すから」

僕の目に見えるのは、緩く布を押し上げるズボンと。
ぷっくりしてる胸の尖り。
これが、さっきから身じろぎする度に擦れてるんだ。

可愛い。見せて。
服が擦れるだけで、そんな甘い声を出しちゃうトキの胸、見せて、

「はぁーー…っ、ふぅ、ンっ。」

一つ二つボタンを外して一番下まで来た。

「見ても良い、トキっ、」

トキは答えなかった。
代わりに、向かい合って座る僕の握った拳にとん、と胸を寄せてくれた。

「は、はぁっ、」

息が震える。熱い。
握り込んだ拳を開き、触らせてくれた中指の背で、ボタンが外れて少し覗く肌をなぞった。

「ん...っ。」

柔らかい。
鳩尾を這うのが好きなんだ、?
隠してるつもりでも腰が小刻みに揺れてる、可愛い。
ペニスも見たい、トキの敏感な所も見せてっ、

「ぁっ、グゥルだめだ...っ、」

「僕に介抱させて。栄養剤を飲むくらい弱ってるんだよね、トキ」

膝裏に左腕を突っ込んで右手で頭を支え、ベッドに落とす。
膝の間に居座って、ここからどうしようか悩んでいたのに、トキが今度は大きく腰を揺らした。

「... ... っ、!」

今僕はとても卑猥な物を見た。

想像したんだ。
その腰のその角度であの人の物を、突っ込まれてよがるトキの淫らな顔を。
凄いなトキ。よく躾けられた身体だ、

薄いズボンと下着越しにトキの大切な所を見る。
将来大統領の子供を産む、大切な所。
僕が触りたい、トキの大切な所。

良かった
薬効いてる。

たっぷり濡れた跡が見てとれる。
それと、花みたいに甘くて腰に来る濃くて良い匂いも。
清く正しくない僕は、母さんの言い付けを無視して薬を盛った。

とは言っても媚薬なんかじゃない。極々軽い睡眠薬だ。
少し眠りやすくする為に、緊張を緩和し身体が少しだけ素直になる薬だ。
多分、あと40分くらいでトキは眠る。

「こっちはもう見ないの?」

「見て良いの、」

「見たいくせに。」

甘えた恥ずかしそうな声が僕を誘う。
そうだね、トキの濡れた跡を見るのが楽しくてつい放ってしまったけど。

「さっきのもう一回呼んで、トキ」

「グゥル、?」

「うん。可愛い。」

グルーでもグールでも良いのに、トキだけが僕をそう呼ぶ。
上手く呼べないのを恥ずかしがって、偶にしかそう呼んでくれない。
僕はもっと呼んで欲しい。
トキだけが呼ぶ、トキが呼び易い僕の名前だ。

確かに子供っぽい発音で熱に浮かされてる今は、余計に自分を呼ぶ声が柔らかく感じる。

「見るよ、」

パサッ、と開いたパジャマ。
現れたのは滑らかな蜂蜜色の肌と、濃い情事の跡だった。
キスマークと、これは歯型。こっちは指の跡。

それに負けない程、ぷっくり色付いた乳首。

「待って、何か変、」


跡が綺麗過ぎる。

トキは僕を招き入れてくれたけど。
だとしたらこの跡は何。
どう見ても直近でたっぷり愛された身体だ。

トキが来たのは昨日の昼過ぎ。
その夜一緒に過ごしたのが誰かを僕は知ってる。
そんな、まさか。

「兄さん、なの?」

「違う。これはエルの跡だよ。」

「何時、付けてもらったの」

「昨日。」

「昨日の夜って事か。つまり、トキは、まさか、待ってそんな...っ、はぁあ?」

「ははっ、ふっ、ふははっ。」

可愛い声が楽しそうに笑ってる。
悪戯が成功して嬉しいんだね。
それはわかったから、ちょっと待って。

というか、君。

「本当に恐ろしい男だねトキ。」

「君のお父さんの弟子だからね。」

「まさかっ、父さんも噛んでるの?」

「ううん。」

「そっか。それならまだ、」

「でも許可は貰った。」


それはつまり。
父さんは僕の性質を分かった上で了承したのか。
まぁ、正解だよ。
僕程使い勝手の良い駒は居ない。

僕も、他の誰かに譲るつもりは無い。

「答え合わせをしようグゥル。」

「その前に抱きたい。」

「そうなると困るのは君だ。大統領補佐官に毒を持って強姦した。」

「それでも良い。」

「駄目だ、俺が困る。」

「だけど。僕は答えを聞きたく無い。」

「悪い話じゃ無いよ。ご褒美が有るけど聞かない?」

「そのご褒美がこのひと晩の夢だって言うなら、僕は今、君を抱きたい。」


だって。そうだろ。
僕は僕の欲しい物を対価に彼の手駒になるんだ。
それも情報屋だけに収まらない部類の仕事を。

たったひと晩の夢なら、今味わわせて。
答え合わせなんか、その後で良い。

「俺の愛人兼護衛になってよグルーエント・クイレ。」

「ほらね、やっぱりそう...なん、か今、僕に都合の良過ぎる言葉ばかり聞こえたんだけど気のせい、?」

「愛人ってこの国じゃ合法だろ。俺はエルと君を共有したい訳じゃないから夫にはしてやれないけど。愛人にはなれる。」

愛人制度。
よく有る話だけど、鳥が選ぶ番より先に自分で選んだひとと結婚したとする。
愛し合って居ても、その後に鳥が番を知らせて来たら。
まぁ、破局か。もしくは三人で夫婦になるか。

色々なパターンが有るが、結果としては母さんみたいに複数人の妻になることも出来る。

だけど、愛人制度は夫婦にはなり得ない。
身元保証人としての役割くらいしか果たさないけど。

きちんとトキの身元に僕の名前が載る。
夫 :エルムディン・メ・エリタ
愛人:グルーエント・クイレ

そんなまさか。


「なんで、僕?」

とりあえずトキを抱き起こすことにした。
これは、押し倒したまま聞いて良い話じゃ無さそう。
あと、これだけ。
ひとつだけはっきりさせておきたい。

「僕が君を好きだから、僕なのか。それとも都合の良い駒がたまたま僕だからこんな罠かご褒美か分からない物をくれるの、?」

「それは。俺にもよく分からないんだよ。」

「よく分からない、とは」

「そのっ、ああもうっ、ちょっと待って。俺もう砕けて良い?良いよな。どうせ大人しくない俺も知ってるんだよな。」

「うん。知ってる。背伸びしてて可愛いかったのに。」

「良いんだよ。もう言っちゃったし、ネタバレした様なもんだろ。背伸びする必要ももう無いだろ。」

「怒ってるの、?可愛い。」

ーーーーー

恋、は分からないけど。
愛は分かった。

エルが教えてくれた。
どんな時でも何があってもブレない、俺の帰る場所で。
どんな俺でも受け入れてくれる。
泣き喚こうか当たり散らそうが、恨み言を言っても慰めてくれる。

俺も、エルにそうしたい。
真摯でありたい。

でも、あの、なんでこんなに彼が気になるか分からないんだ。

グゥルとは度々会った。
彼は情報屋でありながら、物騒な仕事もこなす。
むしろその為の情報屋という立て看板だ。
マルロイ長官もそうだ。

俺だけ蚊帳の外と言う訳にもいかず、そう言う場に未だ立ち会った事は無いが。
この国にもひとの命を馬鹿にする屑はいる。

相談に乗ってくれと言われれば、少々凄惨な事件現場の写真だって見る。
海外のサスペンスドラマを観まくった成果だな。


「何とも無いのか、トキ?」

「何とも無くは無いけど。他人だ。あんたやユディールじゃない。」

「そっちのは何だ?」

「グゥルが貸してくれた武器の一覧。」

「何か気になるのか?」

「うん、どの角度でどう握ったのか知りたい。」

何でか彼の前での俺は、大人しくなる。
歳が近いからか。
そもそも妙に引っ掛かる所が無い。
胡散臭くも無いし、何かを企んでもいない。
それどころか俺を


「トキ、愛人を作らないか。」

「愛人が欲しいからそんな事を聞くのエルムディン。」

「いいや。恋人と言い換えても良い。」

「誰だそれ。」

「ソイツだ。」

あの時のエルの声は、今まで聞いたどんな声より鋭くて震えた。
違うな。少し怯えながらも気持ち良くなった。
だから、声が少し震えてたと思う。

「グルーエント?」

「良い護衛にもなる。」

「別に寂しく無い。」

「嘘だな。」

まぁ嘘だよ。当たってる。
本当は寂しい。
お菓子作っても何しても結局、俺を抱き締めてくれるひとはエルひとりだ。
ゼフもユディールも良い友人だけど、それぞれに愛した人が居る。

「駄目だろ。外聞が悪い。」

「悪いどころか都合が良過ぎるくらいだ。それに、私が気になる。」

「ん、ごめん。気を付ける。」

「違う。そうじゃ無い、こっちを見るんだトキ。」

叱られるくらいなら現場写真を見てた方がマシだ。
なんでこんな事で、叱られるんだ。
俺、別にエル以外欲しくないんだけど。

「チラチラと別の男を目の前で思い出されるくらいなら、いっそ自分の手元に置いて置く方がマシだ。クイレの名前なら尚更だな。何処でも使えて十分な威嚇になる。」

「だから、俺に愛人を持たせるのか。」

「欲しくないのか、トキ。アレはお前以外には懐かない男だぞ。」

「だからって俺が欲しがる理由にはならないだろ。」

だって、俺にはちゃんと夫が居て愛してる。大事なんだ。
それに、欲しいのがあくまで護衛なら、他のクイレでも良い。
愛人なんか欲しがってどうするんだ。

「確かめてみると良い。」

「何を。」

「グルーエントが欲しいのか、欲しく無いのか。」

何時もみたいにデコにキスして、腰掛けたベッドから降りた。

「なぁ、エル。」

「何だ?」

「恋って、何。」

「ふっ、可愛いことを言う。」

「なんだよっ、」

「そう言う事を聞く時点で、ソレなのだと分からないかトキアキ?」

「ぅ、」

どっかで聞いたことある言い回しだ。
それと、完全に面白がってる。

何なんだよ愛人って。

ベッドの上に広げたあまり良く無い写真は、もう見てない。
見てるのは、翠の瞳が綺麗な彼に借りた武器の一覧表。

これを、あの指で捲ったのか。

そう思ってパラパラ捲って、最後のページがパラリと落ちるを眺めて自分が今、何を考えていたのか気付いた。

「あぁ...嘘だろ、」

碌な人付き合いをしてこなかったツケが此処で来たんだ。
よりによって部下で歳上の男だなんて。
いや、まだ部下じゃ無いけど。
俺より偉い奴なんてエルしか居ない。
俺と同じくらい偉い奴は他にもいるけど。

どうしよう。

「これ、どんな顔して返せば良いんだっ、」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...