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番外編
番外編 ユディール君の秘密 2
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三日後。
頓珍漢がやって来た。
馬鹿みたいに大きな馬車と、
馬鹿みたいに洒落た軍服姿で。
これじゃ、まるでおとぎ話だ。
「こんにちはユディール君。」
胡散臭い笑顔を貼り付けて、烏男が言う。
「悪い魔法使いが君を拐いに来たよ。」
父はすっかり上機嫌で僕を嫁に出した。
家は妹が継ぐ。
その婿には、この頓珍漢がどこからともなく連れてきた男が選ばれた。
一応、自己紹介はされたがそれどころじゃない。
僕の結婚と妹の結婚を1週間後に執り行う事までが決まっていた。
「お前は、それで良いのかっ、!」
切羽詰まった俺に妹は頬を紅くしながら答えた。
「えぇ勿論ですわお兄様。だって私、身を焦す程の恋が出来ましたもの。」
「一生を、その男と過ごすんだぞっ、!?」
僕は妹の正気を疑った。
だが、後から聞いた話だと二人は本当に想い合っていたらしい。
話を流したのは僕の元・婚約者だ。
出会うきっかけを作ったのは彼女だ。
僕の妹を連れて、仕入れ先を回る中夫となる人を見つけた。
知らなかったのは僕だけらしい。
それを頓珍漢な烏男は、引き合わせくっ付けた。
お陰で僕の家の商売も、崩れずに済みそうだが婚約者はどうなる。
年頃の娘に恥を掛かせたと有っては、互いの家名に傷がつく。
「彼女は、なんて…。」
「あの方は実に壮烈な方ですね。」
彼女は仕事の邪魔になるから、と僕を振る事を周囲に相談していたらしい。
しかも男子禁制のお茶会の席で。
「代わりに、アイディアの湧いてくる女性が欲しい、と囁いて回ったそうです。」
そうなるとどうなるか。
懇切丁寧に説明してくれた。
「彼女は大変人気の服飾作家です。彼女の望みならどんな女性でもモデルになりたがるでしょう?
それに、そうなると貴方とは政略結婚だった事が分かる。」
「普通、そうだろう。」
「でも彼女が言えば違う。貴方は私を、彼女は可愛らしい女の子が好きと言うことになる。」
「愛の不一致とでも言うつもり?」
「えぇ。そう言う筋書きですから。」
高級そうな馬車はやたらとクッションが敷き詰めてあった。
長時間走っても腰が痛くならないように、と言う配慮だろうか。
「これで我が家は、彼女の家との取引は無くなった訳だ。良い稼ぎだったのに。」
「それは早合点ですよ、ユディール君。」
「なぜ?彼女と家の関係はこれで終わった筈だ…」
「人間に疎い君は、慣れていない猫みたいだね。」
可愛い、と零す声が甘く響いた。
そんな声を出すな。
場違いだ。
「人間、意外とちょろいんですよ。初対面の人には警戒するくせに、逆に深く関係の続くような信頼した人からの紹介だと、極端に受け入れてしまうんですよ」
ーーー血にこだわる人は特に、顕著だ。
時折、凄むのを止めて欲しい。
通常はおっとりとした口調で、胡散臭い笑顔を張り付けているくせに、どうして途端に凄むのか。
「彼女は、うちとの商売を続けるのか?」
「その通り正解です。」
また、おっとり口調に戻った。
「むしろ家督を継ぐのが彼女なら、喜んで働くそうです。」
「へぇ。」
何故だ、少し面白くない。
僕が居なくなってもあの家は上手く回るのか。
僕なんかより、妹の方が向いていたのかも知れない。
そんな不安を見透かしたのか、彼は僕らしかいない馬車で声を抑えて耳打ちした。
「どうやら彼女、妹さんの事がお好きだったそうですよ。」
「な… …っ、!?」
「あぁ、やはり初耳でしたか。彼女の初恋の相手だそうですよ。今はもう吹っ切れてる、と仰っていましたけれど。やはり女の子がお好きなようです。」
どうして僕は気が付かなかったんだろう。
二人で一緒に居る時間はたっぷり有ったはずなのに。
婚約者がそんな事を、思っていたなんて。
「僕は、知らなかった。」
「彼女も、隠していましたからね。」
「でも、少しぐらい勘付く余裕が…っ」
「無かったと思いますよ。」
「え… …?」
「貴方には無かったと思いますよ。」
頓珍漢な男が目を細めて俺を見る。
「飛ぶ事を知らない鳥は空を見ることもないのです、ユディール君。」
それは、今までの僕の事を言っているのか。
そうだとしたら実に情けない人生だ。
せっかくの羽も、気が付かないんじゃ活かせそうにない。
「ですが、貴方は今、空の存在を知り飛べる事を知った。」
「慰めはいらないよ。」
「慰めではありません。可能性の話です。」
「どうぞ。」
帰る家も無い、継ぐ家督もない、そんな男の話がしたければすれば良い。
何か参考になったらお礼を言うよ。
そう思ったのに。
頓珍漢は、頓珍漢だ。
「空は知らなくとも、地面は知っている。歩き方を知っているのですよ貴方は。それに今からは空だって飛べる。それに私の可愛いお嫁さんになれますよユディール君っ。私は言ったでしょう。」
“そしたら君は自由だ。煩わしい枷の無い君はとても美しい姿を見せてくれるだろうなぁ。”
「あんたの言うことはいつも曖昧過ぎる。」
「そのままの意味ですよ。私は君が自由に飛ぶのが見たいんです。その為に私はこの数ヶ月、散々な苦労をして来ました。」
婚約者の件、家督の件、事業の件、それらは更に複雑に事細かく僕と絡んでいた筈なのに、こと男はその糸を丁寧に結び変えたと言うのだ。
「あの時ははぐらかされましたが、ご褒美を貰っても良いとは思いませんか?」
ふふん、と自慢げに笑うがこの男は一つ重大な欠点を見落としている事に気が付いていない。
王手と見せ掛けて、常に逃げ道は用意して置く。
それがチェスの基本だ。
そんな事も知らないのか。
僕は今が好機と隙を攻めた。
「僕の保証がなされていないよ、コールマンさん。」
こうまでされて、舐められては困る。
僕はこれでも家督を継ぐべくして仕事をしてきた。
いくらクチで言われようとも書類になってサインをするまでは不備を疑わなくてはならない。
貴族社会、商売事ではどんな些細なミスも、決して許されないのだから。
「んふふふっ、ふははははっ‼︎」
頓珍漢なコールマンのこんな笑い声を僕は初めて聞いた。
「君は本当に、本当に可愛いなぁユディール君っ。」
その瞳が、唇が瞬く間に研ぎ澄まされていく。
その瞳は獲物を完全に捉え、その唇は鋭い牙を剥き出している。
そんな獣の本性が見えた気がした。
「私が君の全てを保証するよっ!」
「無理だ。」
「何故だい、私には金も権力も、君に注げるありったけの愛もあるんだよっ!」
「この、頓珍漢。何にも分かってないじゃないか。」
「分かってるよ!君の好きな紅茶の種類に、好きな色に好きな食事に好きなレストランに、好きなーーー」
「もう良いっ、!」
僕はこいつと出会ってから怒ってばかりだ。
どうも会話が噛み合わない。
こんなのと結婚して僕は幸せになれるのか。
全然っ、そんな気がしない。
そもそもあの烏の事だって、僕は信じていないのに。
「怒ったのかい…?」
「えぇ。」
「でも君の好きな物は大概把握しているよ?
それが駄目だったのかい?ごめんねユディール君。」
こうしていれば、素直で良い男に見えるのに。
僕自身、この男に惹かれつつあるのは確かだ。
一時の熱じゃない、永遠を確かに生きていける確証がある。
でも、愛だけで暮らしてはいけない。
だが、財だけでも暮らしていけない。
僕は元・婚約者の心中すら察せなかった男だ。
政略結婚だからと彼女を蔑ろにしてきた。
でも今度こそは、貫きたい。
僕自身、そして結婚してくれと言うこの男の為にも。
「僕はあんたのファミリーネームしか知らない。」
これが僕の最大の譲歩だ。
あとはこの男次第、だと思ったのに。
この頓珍漢はやはり頓珍漢だった。
「ぁあ!そうだった!僕はすっかり君の事を調べ上げたのに、ごめんねユディール君っ!楽しくてうっかりしていたよ!」
確かに、不思議だった。
初めて会った文房具店でも僕は名前しか名乗らなかった。
それにあの場には彼女も居なかった。
それででも、次の日からこの男は僕の前に現れては、会話してお茶を飲んだ。
更にその後は、僕より彼女とお茶する機会が増えて行き、国に戻った後は何故か教えてもいないのに、家まで来た。
そうしたら今日だ。
僕の人生と生涯のケプロン家は、
呆気ない程に僕を解放した。
初めは探偵でも雇ったのかと思ったが、これはいくらなんでも只の軍人の手に負える仕業ではない。
それに、この豪華な馬車はなんだ。
まるで国賓を乗せるみたいに豪華だ。
「ごめんねユディール君。心配しないで。僕はただの公僕だよ。それに名前はね。」
頓珍漢がやって来た。
馬鹿みたいに大きな馬車と、
馬鹿みたいに洒落た軍服姿で。
これじゃ、まるでおとぎ話だ。
「こんにちはユディール君。」
胡散臭い笑顔を貼り付けて、烏男が言う。
「悪い魔法使いが君を拐いに来たよ。」
父はすっかり上機嫌で僕を嫁に出した。
家は妹が継ぐ。
その婿には、この頓珍漢がどこからともなく連れてきた男が選ばれた。
一応、自己紹介はされたがそれどころじゃない。
僕の結婚と妹の結婚を1週間後に執り行う事までが決まっていた。
「お前は、それで良いのかっ、!」
切羽詰まった俺に妹は頬を紅くしながら答えた。
「えぇ勿論ですわお兄様。だって私、身を焦す程の恋が出来ましたもの。」
「一生を、その男と過ごすんだぞっ、!?」
僕は妹の正気を疑った。
だが、後から聞いた話だと二人は本当に想い合っていたらしい。
話を流したのは僕の元・婚約者だ。
出会うきっかけを作ったのは彼女だ。
僕の妹を連れて、仕入れ先を回る中夫となる人を見つけた。
知らなかったのは僕だけらしい。
それを頓珍漢な烏男は、引き合わせくっ付けた。
お陰で僕の家の商売も、崩れずに済みそうだが婚約者はどうなる。
年頃の娘に恥を掛かせたと有っては、互いの家名に傷がつく。
「彼女は、なんて…。」
「あの方は実に壮烈な方ですね。」
彼女は仕事の邪魔になるから、と僕を振る事を周囲に相談していたらしい。
しかも男子禁制のお茶会の席で。
「代わりに、アイディアの湧いてくる女性が欲しい、と囁いて回ったそうです。」
そうなるとどうなるか。
懇切丁寧に説明してくれた。
「彼女は大変人気の服飾作家です。彼女の望みならどんな女性でもモデルになりたがるでしょう?
それに、そうなると貴方とは政略結婚だった事が分かる。」
「普通、そうだろう。」
「でも彼女が言えば違う。貴方は私を、彼女は可愛らしい女の子が好きと言うことになる。」
「愛の不一致とでも言うつもり?」
「えぇ。そう言う筋書きですから。」
高級そうな馬車はやたらとクッションが敷き詰めてあった。
長時間走っても腰が痛くならないように、と言う配慮だろうか。
「これで我が家は、彼女の家との取引は無くなった訳だ。良い稼ぎだったのに。」
「それは早合点ですよ、ユディール君。」
「なぜ?彼女と家の関係はこれで終わった筈だ…」
「人間に疎い君は、慣れていない猫みたいだね。」
可愛い、と零す声が甘く響いた。
そんな声を出すな。
場違いだ。
「人間、意外とちょろいんですよ。初対面の人には警戒するくせに、逆に深く関係の続くような信頼した人からの紹介だと、極端に受け入れてしまうんですよ」
ーーー血にこだわる人は特に、顕著だ。
時折、凄むのを止めて欲しい。
通常はおっとりとした口調で、胡散臭い笑顔を張り付けているくせに、どうして途端に凄むのか。
「彼女は、うちとの商売を続けるのか?」
「その通り正解です。」
また、おっとり口調に戻った。
「むしろ家督を継ぐのが彼女なら、喜んで働くそうです。」
「へぇ。」
何故だ、少し面白くない。
僕が居なくなってもあの家は上手く回るのか。
僕なんかより、妹の方が向いていたのかも知れない。
そんな不安を見透かしたのか、彼は僕らしかいない馬車で声を抑えて耳打ちした。
「どうやら彼女、妹さんの事がお好きだったそうですよ。」
「な… …っ、!?」
「あぁ、やはり初耳でしたか。彼女の初恋の相手だそうですよ。今はもう吹っ切れてる、と仰っていましたけれど。やはり女の子がお好きなようです。」
どうして僕は気が付かなかったんだろう。
二人で一緒に居る時間はたっぷり有ったはずなのに。
婚約者がそんな事を、思っていたなんて。
「僕は、知らなかった。」
「彼女も、隠していましたからね。」
「でも、少しぐらい勘付く余裕が…っ」
「無かったと思いますよ。」
「え… …?」
「貴方には無かったと思いますよ。」
頓珍漢な男が目を細めて俺を見る。
「飛ぶ事を知らない鳥は空を見ることもないのです、ユディール君。」
それは、今までの僕の事を言っているのか。
そうだとしたら実に情けない人生だ。
せっかくの羽も、気が付かないんじゃ活かせそうにない。
「ですが、貴方は今、空の存在を知り飛べる事を知った。」
「慰めはいらないよ。」
「慰めではありません。可能性の話です。」
「どうぞ。」
帰る家も無い、継ぐ家督もない、そんな男の話がしたければすれば良い。
何か参考になったらお礼を言うよ。
そう思ったのに。
頓珍漢は、頓珍漢だ。
「空は知らなくとも、地面は知っている。歩き方を知っているのですよ貴方は。それに今からは空だって飛べる。それに私の可愛いお嫁さんになれますよユディール君っ。私は言ったでしょう。」
“そしたら君は自由だ。煩わしい枷の無い君はとても美しい姿を見せてくれるだろうなぁ。”
「あんたの言うことはいつも曖昧過ぎる。」
「そのままの意味ですよ。私は君が自由に飛ぶのが見たいんです。その為に私はこの数ヶ月、散々な苦労をして来ました。」
婚約者の件、家督の件、事業の件、それらは更に複雑に事細かく僕と絡んでいた筈なのに、こと男はその糸を丁寧に結び変えたと言うのだ。
「あの時ははぐらかされましたが、ご褒美を貰っても良いとは思いませんか?」
ふふん、と自慢げに笑うがこの男は一つ重大な欠点を見落としている事に気が付いていない。
王手と見せ掛けて、常に逃げ道は用意して置く。
それがチェスの基本だ。
そんな事も知らないのか。
僕は今が好機と隙を攻めた。
「僕の保証がなされていないよ、コールマンさん。」
こうまでされて、舐められては困る。
僕はこれでも家督を継ぐべくして仕事をしてきた。
いくらクチで言われようとも書類になってサインをするまでは不備を疑わなくてはならない。
貴族社会、商売事ではどんな些細なミスも、決して許されないのだから。
「んふふふっ、ふははははっ‼︎」
頓珍漢なコールマンのこんな笑い声を僕は初めて聞いた。
「君は本当に、本当に可愛いなぁユディール君っ。」
その瞳が、唇が瞬く間に研ぎ澄まされていく。
その瞳は獲物を完全に捉え、その唇は鋭い牙を剥き出している。
そんな獣の本性が見えた気がした。
「私が君の全てを保証するよっ!」
「無理だ。」
「何故だい、私には金も権力も、君に注げるありったけの愛もあるんだよっ!」
「この、頓珍漢。何にも分かってないじゃないか。」
「分かってるよ!君の好きな紅茶の種類に、好きな色に好きな食事に好きなレストランに、好きなーーー」
「もう良いっ、!」
僕はこいつと出会ってから怒ってばかりだ。
どうも会話が噛み合わない。
こんなのと結婚して僕は幸せになれるのか。
全然っ、そんな気がしない。
そもそもあの烏の事だって、僕は信じていないのに。
「怒ったのかい…?」
「えぇ。」
「でも君の好きな物は大概把握しているよ?
それが駄目だったのかい?ごめんねユディール君。」
こうしていれば、素直で良い男に見えるのに。
僕自身、この男に惹かれつつあるのは確かだ。
一時の熱じゃない、永遠を確かに生きていける確証がある。
でも、愛だけで暮らしてはいけない。
だが、財だけでも暮らしていけない。
僕は元・婚約者の心中すら察せなかった男だ。
政略結婚だからと彼女を蔑ろにしてきた。
でも今度こそは、貫きたい。
僕自身、そして結婚してくれと言うこの男の為にも。
「僕はあんたのファミリーネームしか知らない。」
これが僕の最大の譲歩だ。
あとはこの男次第、だと思ったのに。
この頓珍漢はやはり頓珍漢だった。
「ぁあ!そうだった!僕はすっかり君の事を調べ上げたのに、ごめんねユディール君っ!楽しくてうっかりしていたよ!」
確かに、不思議だった。
初めて会った文房具店でも僕は名前しか名乗らなかった。
それにあの場には彼女も居なかった。
それででも、次の日からこの男は僕の前に現れては、会話してお茶を飲んだ。
更にその後は、僕より彼女とお茶する機会が増えて行き、国に戻った後は何故か教えてもいないのに、家まで来た。
そうしたら今日だ。
僕の人生と生涯のケプロン家は、
呆気ない程に僕を解放した。
初めは探偵でも雇ったのかと思ったが、これはいくらなんでも只の軍人の手に負える仕業ではない。
それに、この豪華な馬車はなんだ。
まるで国賓を乗せるみたいに豪華だ。
「ごめんねユディール君。心配しないで。僕はただの公僕だよ。それに名前はね。」
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