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第一章:キハラ トキアキ
第四話
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「なんじゃ、まだ何も話しておらなんだのか!?」
一体今まで何を話しておったのか、とじいちゃんの少し怒った声と、呆れ果てたと言うような声が、もう一度部屋を満たした。
他にもメイドさんたちが居たのが見えたが、今は全員出払っているようだった。
俺のためにわざわざ部屋を開けてくれたんだろうが、こんな話は想定していなかった。
結論から言えば、俺は死んではいなかったし、この国は日本じゃ無かった。と言うかオジサンは、アメリカ人でもイギリス人でもなかった。
耳を疑ったが、此処は異世界だという。
「いやでも、言葉がわかるのは、何でですか。」
というかさっきじいちゃんの言った言葉の意味が、俺の国の意味と違うものだといいんだけど。物凄く嫌な予感がする。
「言葉は通じるようにしてある。音を介しての意思疎通なら容易いものだ。」
「その内、目を見るだけで会話が出来るようになるぞ。」
「便利ですね。」
「特定の相手とだけじゃがのう?」
じいちゃんがニヤニヤしながらオジサンの方を見て言うのに、俺はやっぱり嫌な予感がする。
「その相手って。」
「待て。」
ビシッと硬い声が制した。
「その話は後にしよう。まずは体を休めなさい。此処は安全だ。決してお前に危害は加えないと約束する。」
「はい。」
そうまで言われて言えることなんて無かった。
「私は席を外すが、しばらくはこの爺が居る。この世界、国の事を聞いても良い。邪魔なら叩き出しても構わん。」
「ありがとうございます。」
「よく休め。」
「はい。そうさせて貰います。」
パタン、と閉まった扉をおじいちゃんが腰を折って見送った後。それはそれは大きいため息をついた。
「やれやれ。」
「俺、何かやらかしましたかね。」
「何、大した事は無いぞ。何時もの事じゃて。」
ほっほっほ、と笑うおじいちゃんはヨイショと椅子に座り直す。
「さて、水を差した詫びに何でも聞いてくだされ。」
そう言われても、一体何から聞いたらいいのやら全くもって分からんのだが。
社会人の鉄則。一先ず名前から、か?
「じゃあ、名前から。」
「ふむ。良い提案ですな。」
おじいちゃんの名前はベルモント・クイレというそうだ。
序でにあのオジサンは、エルムディン・メ・エリタさん。
名前長すぎて覚えられる気がしない。
それでもファーストネームだけは何とか覚えられそうだ。
「それで、ここはエルムディンさんのお屋敷なんですか。」
「よく分かったの?」
「いえ。たまたま、あの人の瞳の色と壁の差し色が一緒だったので。」
「確かにの。あやつの趣味は多少変わっておって年寄りには理解できぬものばかりじゃ。」
それから、俺とおじいちゃんは色々な話をした。
それは取るに足らない雑談ばかりだったが、やはり気になる事が一つだけある。それだけはどうしてもはっきりさせておきたい。
「俺は、元の場所に・・・元の世界には戻れますか。」
大体、察しは付いている。
俺も薄々とだが理解できる。そう言う雰囲気がある。
どうしても回避できない、ぶち当たるべき壁という物がこの世には存在する。
ー今ここが、俺の転機なんだ。ー
「すまんな。わしらの世界にやってくる異界の者はこれまでも居ったのだが。そのどのお方も元いた世界に返して差し上げることは出来なんだ。」
そもそも、どうやってやってくるのかも分からない。
ただ、来る時だけは分かるのだという。
「神のお告げがやってくるのだ。」
「やってくる?」
「この国には有名な神話があっての。その神の遣いが鳥なのじゃ」
それがある日、窓辺にふらりとやってくるのだという。
「わしの時は、大変でのう。」
雪が降り積もった夜勤明けの朝だった。
這々の体で自宅のベットに突っ伏したところだったが。
それでも自宅の窓を鳥がガチガチと叩けば、この国の者なら誰であっても飛び起きて鳥の跡を追うものなのだ。
なにせ、その先には自分の片割れとも言える伴侶が待っているのだから。
神のお告げによってもたらされる運命の相手。
わしもその時は胸が躍ったものだ。
通常なら小躍りしながら、鳥の跡を追っただろう。
しかしのお。
実にひと月ぶりの我が家だったのだ。
もう、限界での。そのまま一晩中眠りこけてしまっておった。
「えっ!?」
「その間に妻が通り過ぎて行ってしまっっての。」
「えっっ!?」
「アレは当時旅の踊り子をしておった。危うく国境を超える寸前じゃった。」
おまけに、家にも帰れない激務明けで何処の浮浪者かと見間違う程に怪しい身なりで。身分証と言えば首から下げた入室許可証だけだった。
そんな物で国境は越えられないし、何故か遣いの鳥が案内を辞めてしまうのだという。
更に、3日しかない休みで片道1日を消費してしまった。
「残り1日でアレを口説き落とすのは至難の業じゃった。」
何せ踊り子。
その顔立ちは朝霧のように儚く美しく。
その四肢は鹿のようにたおやかでしなやかだった。
「身ひとつで何処へでも生きていける彼女に、わしが差し出せる物など何も無かった。」
馬車馬のように働く研修医ができる事なぞ、限られている。だから言ってやったんだ。
我ながら酷いプロポーズだった。
だが、これでダメなら諦めがつくだろう?
ーあんたの健康も下の世話も全部俺がやるから、俺と一緒になってくれ。ー
「なんて言われたんですか。」
「本当か、と言われての。本当も何もわしは医者しかやった事がないからそれくらいしか出来ないと言ったんじゃ。」
幸い正式に医者になれば給料は良い。研修医の給料でも慎ましい暮らしであれば妻一人を養うことは出来たが他は空っきしで。
流石に飯は人を雇うかも知れん、とだけ付け加えると。
その顔身体から似つかわない程、彼女は大きな声で笑った。その声さえ朗らかでわしには、美しいひとときだったが。
一頻り笑って気が済んだのか。
彼女は「良いよ」と言ったんだ。
「あの時ほど、神に感謝した日はないのお。」
踊り子を、今までの暮らしも仲間も捨てて。
こんな男の元に生涯居てくれると言うんだ。
だが、そうでは無い。
ーあたしはあたしだよ。
踊り子だろうが主婦だろうが、あたしはあたしだし。
私の仲間はいつまで経っても仲間だ。ー
「馬車が変わるだけだよ、と。」
例え乗り物が変わっても、確な行き先と大切な仲間がいれば万事上手く行く。
そういうことわざがあるのだと彼女が教えてくれた。
「良い奥さんですね。」
「ああ、アレはわしの‘’右腕‘’だからの。」
それから俺とおじいちゃんは、休憩を取る事にした。
話しっぱなしは堪えると言って。
ドアの外に居たメイドさんにフルーツを頼んでくれた。
こうして見ると、本当に何も変わらないなと思う。
ここが異世界だといわれても、まだ理解できていない。
あまり褒められた物ではないが、今の俺病人だ。
ベッドの上でもぐもぐと桃をフォークに刺して頬張っていく。
「甘くておいしいですね、これ。」
「ほんに、桃がお好きなようじゃ。」
「果物は何でも。目が無いんです。」
そう言って頬張る果物の端から端まで、全てが美味かった。果汁が多く、蜜がたっぷり詰まっている。
「‘目がない’‘とは不思議な言い回しだのう?」
『そうですか?』
そうか。音での意思疎通は出来てもスラングなんかは通じないのかも知れない。
この場合、本当に目が無いと捉えられたのか。
「‘’目が無い‘’って言うのは、それだけ夢中であるという様な意味があるんです。」
「成程!盲目なまでに求めているという風な事かの。」
「そうそう。恋は盲目なんて言ったりもします。」
じいちゃんは、それは面白いことを聞いたとばかりに話を聞いてくれた。
「あの、俺も気になってる言葉があるんですけど。」
「何かあったかの?」
「‘’右腕‘’って何ですか?」
それを聞いた時のおじいちゃんの顔は、相当に苦い顔をしていた。
「それをわしが話して良いものか。だが、これはこの国の子供たちですら知っているような話じゃ。」
「さっき言ってた鳥の神話に関する事ですか。」
「・・・お主は聡いのお。」
まあでも、ここまで話してしまったのだからと。
おじいちゃんは俺に布団に入るように言うと話をしてくれた。
「寝物語には丁度いいのでな。よく眠れるだろう。なに、よくある話じゃ。」
そう言って、俺はもう帰ることのできない故郷を思い出しながらおじいちゃんの寝物語を聞いた。
孫にしては大きすぎるだろうに、よく話し慣れた静かな口調で淡々と肩られる物語は、俺の疲れ切った脳味噌に静かに溶け込んで。
やがて、重くなった瞼を堪えきれずに閉じた。
よく休め、と言ったあの人の声が聞こえた気がした。
ー俺は、あんたの為に此処に来たんだ。ー
起きたら、そう言ってあげなきゃ。
だって神話の通りなのだとしたら、オジサンはきっと俺と同じ。誰かが恋しかったのかも知れないから。
一体今まで何を話しておったのか、とじいちゃんの少し怒った声と、呆れ果てたと言うような声が、もう一度部屋を満たした。
他にもメイドさんたちが居たのが見えたが、今は全員出払っているようだった。
俺のためにわざわざ部屋を開けてくれたんだろうが、こんな話は想定していなかった。
結論から言えば、俺は死んではいなかったし、この国は日本じゃ無かった。と言うかオジサンは、アメリカ人でもイギリス人でもなかった。
耳を疑ったが、此処は異世界だという。
「いやでも、言葉がわかるのは、何でですか。」
というかさっきじいちゃんの言った言葉の意味が、俺の国の意味と違うものだといいんだけど。物凄く嫌な予感がする。
「言葉は通じるようにしてある。音を介しての意思疎通なら容易いものだ。」
「その内、目を見るだけで会話が出来るようになるぞ。」
「便利ですね。」
「特定の相手とだけじゃがのう?」
じいちゃんがニヤニヤしながらオジサンの方を見て言うのに、俺はやっぱり嫌な予感がする。
「その相手って。」
「待て。」
ビシッと硬い声が制した。
「その話は後にしよう。まずは体を休めなさい。此処は安全だ。決してお前に危害は加えないと約束する。」
「はい。」
そうまで言われて言えることなんて無かった。
「私は席を外すが、しばらくはこの爺が居る。この世界、国の事を聞いても良い。邪魔なら叩き出しても構わん。」
「ありがとうございます。」
「よく休め。」
「はい。そうさせて貰います。」
パタン、と閉まった扉をおじいちゃんが腰を折って見送った後。それはそれは大きいため息をついた。
「やれやれ。」
「俺、何かやらかしましたかね。」
「何、大した事は無いぞ。何時もの事じゃて。」
ほっほっほ、と笑うおじいちゃんはヨイショと椅子に座り直す。
「さて、水を差した詫びに何でも聞いてくだされ。」
そう言われても、一体何から聞いたらいいのやら全くもって分からんのだが。
社会人の鉄則。一先ず名前から、か?
「じゃあ、名前から。」
「ふむ。良い提案ですな。」
おじいちゃんの名前はベルモント・クイレというそうだ。
序でにあのオジサンは、エルムディン・メ・エリタさん。
名前長すぎて覚えられる気がしない。
それでもファーストネームだけは何とか覚えられそうだ。
「それで、ここはエルムディンさんのお屋敷なんですか。」
「よく分かったの?」
「いえ。たまたま、あの人の瞳の色と壁の差し色が一緒だったので。」
「確かにの。あやつの趣味は多少変わっておって年寄りには理解できぬものばかりじゃ。」
それから、俺とおじいちゃんは色々な話をした。
それは取るに足らない雑談ばかりだったが、やはり気になる事が一つだけある。それだけはどうしてもはっきりさせておきたい。
「俺は、元の場所に・・・元の世界には戻れますか。」
大体、察しは付いている。
俺も薄々とだが理解できる。そう言う雰囲気がある。
どうしても回避できない、ぶち当たるべき壁という物がこの世には存在する。
ー今ここが、俺の転機なんだ。ー
「すまんな。わしらの世界にやってくる異界の者はこれまでも居ったのだが。そのどのお方も元いた世界に返して差し上げることは出来なんだ。」
そもそも、どうやってやってくるのかも分からない。
ただ、来る時だけは分かるのだという。
「神のお告げがやってくるのだ。」
「やってくる?」
「この国には有名な神話があっての。その神の遣いが鳥なのじゃ」
それがある日、窓辺にふらりとやってくるのだという。
「わしの時は、大変でのう。」
雪が降り積もった夜勤明けの朝だった。
這々の体で自宅のベットに突っ伏したところだったが。
それでも自宅の窓を鳥がガチガチと叩けば、この国の者なら誰であっても飛び起きて鳥の跡を追うものなのだ。
なにせ、その先には自分の片割れとも言える伴侶が待っているのだから。
神のお告げによってもたらされる運命の相手。
わしもその時は胸が躍ったものだ。
通常なら小躍りしながら、鳥の跡を追っただろう。
しかしのお。
実にひと月ぶりの我が家だったのだ。
もう、限界での。そのまま一晩中眠りこけてしまっておった。
「えっ!?」
「その間に妻が通り過ぎて行ってしまっっての。」
「えっっ!?」
「アレは当時旅の踊り子をしておった。危うく国境を超える寸前じゃった。」
おまけに、家にも帰れない激務明けで何処の浮浪者かと見間違う程に怪しい身なりで。身分証と言えば首から下げた入室許可証だけだった。
そんな物で国境は越えられないし、何故か遣いの鳥が案内を辞めてしまうのだという。
更に、3日しかない休みで片道1日を消費してしまった。
「残り1日でアレを口説き落とすのは至難の業じゃった。」
何せ踊り子。
その顔立ちは朝霧のように儚く美しく。
その四肢は鹿のようにたおやかでしなやかだった。
「身ひとつで何処へでも生きていける彼女に、わしが差し出せる物など何も無かった。」
馬車馬のように働く研修医ができる事なぞ、限られている。だから言ってやったんだ。
我ながら酷いプロポーズだった。
だが、これでダメなら諦めがつくだろう?
ーあんたの健康も下の世話も全部俺がやるから、俺と一緒になってくれ。ー
「なんて言われたんですか。」
「本当か、と言われての。本当も何もわしは医者しかやった事がないからそれくらいしか出来ないと言ったんじゃ。」
幸い正式に医者になれば給料は良い。研修医の給料でも慎ましい暮らしであれば妻一人を養うことは出来たが他は空っきしで。
流石に飯は人を雇うかも知れん、とだけ付け加えると。
その顔身体から似つかわない程、彼女は大きな声で笑った。その声さえ朗らかでわしには、美しいひとときだったが。
一頻り笑って気が済んだのか。
彼女は「良いよ」と言ったんだ。
「あの時ほど、神に感謝した日はないのお。」
踊り子を、今までの暮らしも仲間も捨てて。
こんな男の元に生涯居てくれると言うんだ。
だが、そうでは無い。
ーあたしはあたしだよ。
踊り子だろうが主婦だろうが、あたしはあたしだし。
私の仲間はいつまで経っても仲間だ。ー
「馬車が変わるだけだよ、と。」
例え乗り物が変わっても、確な行き先と大切な仲間がいれば万事上手く行く。
そういうことわざがあるのだと彼女が教えてくれた。
「良い奥さんですね。」
「ああ、アレはわしの‘’右腕‘’だからの。」
それから俺とおじいちゃんは、休憩を取る事にした。
話しっぱなしは堪えると言って。
ドアの外に居たメイドさんにフルーツを頼んでくれた。
こうして見ると、本当に何も変わらないなと思う。
ここが異世界だといわれても、まだ理解できていない。
あまり褒められた物ではないが、今の俺病人だ。
ベッドの上でもぐもぐと桃をフォークに刺して頬張っていく。
「甘くておいしいですね、これ。」
「ほんに、桃がお好きなようじゃ。」
「果物は何でも。目が無いんです。」
そう言って頬張る果物の端から端まで、全てが美味かった。果汁が多く、蜜がたっぷり詰まっている。
「‘目がない’‘とは不思議な言い回しだのう?」
『そうですか?』
そうか。音での意思疎通は出来てもスラングなんかは通じないのかも知れない。
この場合、本当に目が無いと捉えられたのか。
「‘’目が無い‘’って言うのは、それだけ夢中であるという様な意味があるんです。」
「成程!盲目なまでに求めているという風な事かの。」
「そうそう。恋は盲目なんて言ったりもします。」
じいちゃんは、それは面白いことを聞いたとばかりに話を聞いてくれた。
「あの、俺も気になってる言葉があるんですけど。」
「何かあったかの?」
「‘’右腕‘’って何ですか?」
それを聞いた時のおじいちゃんの顔は、相当に苦い顔をしていた。
「それをわしが話して良いものか。だが、これはこの国の子供たちですら知っているような話じゃ。」
「さっき言ってた鳥の神話に関する事ですか。」
「・・・お主は聡いのお。」
まあでも、ここまで話してしまったのだからと。
おじいちゃんは俺に布団に入るように言うと話をしてくれた。
「寝物語には丁度いいのでな。よく眠れるだろう。なに、よくある話じゃ。」
そう言って、俺はもう帰ることのできない故郷を思い出しながらおじいちゃんの寝物語を聞いた。
孫にしては大きすぎるだろうに、よく話し慣れた静かな口調で淡々と肩られる物語は、俺の疲れ切った脳味噌に静かに溶け込んで。
やがて、重くなった瞼を堪えきれずに閉じた。
よく休め、と言ったあの人の声が聞こえた気がした。
ー俺は、あんたの為に此処に来たんだ。ー
起きたら、そう言ってあげなきゃ。
だって神話の通りなのだとしたら、オジサンはきっと俺と同じ。誰かが恋しかったのかも知れないから。
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