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第三十二話 虎徹
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季節が変わり気温が下がり始めた頃。
義栄の部屋も冬支度をすると言うので桃李は桃妃宮へ戻る事にした。
理由は幾つもあるが、最大の決め手は子虎だ。
義栄の宮では人の往来が多く、誰がどんな手を伸ばして来るのか計り知れない。
部屋に閉じこもってばかりでは、四つ足に良くないと判断した。
その点、桃妃宮なら走りたい放題だ。
何せ鈴と桃李と子虎、あとは2、3人の出入りで片付く為危険も殆どないと言って良いだろう。
「如何ですか桃李さん。」
ほんのひと月も居なかった桃妃宮だが、すっかり見違えた。
「和モダンにしてみました。」
「うわっ、床が柔らかい。」
弾力のある床材は一見すればフローリングだが、子虎の四つ足に配慮した結果だ。
「あちらに畳の間を用意しました。」
小上がりのそこだけ切り取ったかの様な空間に、障子の窓がある。
そこから見えた景色は、広々とした芝生。
「走り放題ですよ。」
「やったな虎徹。」
「みいっ」
今まで通り桃妃宮への出入り口はひとつだけ。
一応護衛を立てたが、なにより限られた者以外を撥ねる結果が張られた。
つまり、ここの障子窓を開けて庭に出ても怪しい奴には遭遇しないという事になる。
「お気に召しましたか?」
「うん。ちょっと走って来るよ。」
こうして見ると此処が天界なんて信じられないな。
その晩は眠る前に義栄が来て、一頻り話してキスをして部屋へ戻って行った。
多分仕事するんだろうな。
「虎徹を甘やかすなよ姫。」
そう言いながらも子虎を撫でる手は優しい。
虎徹と言う名前も気に入ってくれて、今はあだ名を何にするかって神経に悩んでいる。
のほほんとした子虎とは違い、大きい方の虎は何故か、愛称に並々ならないこだわりを持っている。
でも、虎徹が名前を認識出来るまであだ名で呼ぶのはやめた方が良い...いや、こいつはただの虎じゃ無い。
白虎の名を冠する四龍の子供だ。
犬猫と一緒に考えたらダメだろうな。
「みっ!」
そんな事を考えながら布団を捲った途端、虎徹は吾先にと潜り込んで行った。
「ふっ、甘やかすなって言われたけど。」
こんなに可愛い生き物を甘やかさずにはいられない。
もふもふで、もぎゅっとした子虎をいつも通り抱きしめて眠った。
畳のいい匂いがする。
新しい部屋もそう悪くは無いかもしれない。
ーーーーー
桃妃宮でも桃李の訓練は行われていた。
相手は麒麟の片割れ鈴だ。
仙桃妃のチカラというのは吸収する事に長けている、と言うのは聞いたが。その使い道は今の所、胸元の金属を変形させる事しか無いのだと思っていたが。
火、水、木、金属を吸った分だけ変形させられるらしい。
因みに義栄は金属以外は扱えない。
曰く虎徹にも同じチカラが備わっているらしいけど、今の所どれだけやらせても出来た事は無い。
興味なさそうに庭を走ったり、鳥を追いかけたりしている。
可愛いから良いじゃん。
「花びらを風に乗せ花嵐を起こす事は出来ても、花そのものを強制して咲かせる事は出来ません。」
「成程...それじゃ、強制じゃなかったら可能って事?」
「可能です。というのも桃李さんが居るだけでその国は浄化されるので、四龍様も龍王としてのチカラの底上げにもなり、自ずと花も咲きやすくなります。」
「わ...っかんないけど、つまり。俺がバフを起こしてる?」
「バ、ふ?」
「えっと、そうだな。えぇ。俺が居るだけで効果が上がる、とかそんな仕様があるって事なのかなーって。」
「はい。それで間違いありません。」
「へぇー。」
難しい話は疲れる。
それに比べて虎徹は暢気で良い。
今度はいい日向を見つけた様だ。
彼の首輪にも桃李と同じ金属のプレートを付けている。
鈴も義栄も虎徹を"四龍最高硬度の盾"と誉めそやしているが、まだその盾とやらを拝めた事は無い。
別に良いんだけどな。
可愛いしすくすく育ってくれたらそれで良いんだけど。
一度くらいは見てみたいよな。
「桃李さん。」
「うん?」
「今日は助っ人を呼んであります。」
「へぇ。誰だろ...虎徹?」
のぺっと寝そべっていた虎徹が、突然立ち上がり目を光らせた。
そこへ風を切って何かが桃李と虎徹の間を抜けた。
「なに、」
ドサッと音がした。
見れば金属の矢が芝生に刺さっていた。
「グルルルッ」
「来るな虎徹!」
言っても遅かった。
四つ足の駆ける速さは、桃李の思うより早く。
次の瞬間にはガキンと金属のぶつかる嫌な音がした。
「虎徹っ、!」
悲鳴に近い声がした。
自分の声とは思えない上擦り用で、目の前の銀色の毛並みの背中をそっと触った。
「虎徹っ、虎徹、怪我は無いか、!?」
背中も尻も足も撫でて触って確かめる。
何処にも何も赤色は見当たらない。
大丈夫、大丈夫、大丈夫だ。
「怪我、してないか。」
桃李の座高よりも高い、身体を大きく変化させた虎徹はその身を呈して庇ったのだ。
「これ...虎徹が作ったのか?」
漸く首と顎の部分を確かめる、何とも無いと確認した気がついた。
桃李と虎徹を余裕で庇える程大きな、銀の盾が地面に突き刺さっていた。
「グワゥ」
誉めろと言わんばかりに大きな頭を押し付けられる。
どうみても間違い無く、その盾からは桃李と同じ薄桃色のチカラが揺らめいていた。
「凄いな、虎徹。こんな大きな盾が作れたのか。」
呆気に取られても、頭を撫でてやると何処からか声がした。
聞き覚えのある声だ。
それもそうだな。
ここに入れる人物は限られている。
「流石です虎徹様。」
茂みから弓を持って現れたソイツは、背に矢筒を背負っていた。
「それ程までに大きな盾を顕現させられるとは。」
まだ5、6本はあった。
そこの地面に刺さった様な銀の矢が。
「貴方がこれを放ったんですか、常秋さん。」
「あ、の。」
呑気に手を叩いて誉めそやす姿が、あの議会長とダブって見えた。
その時も身内の不祥事だった。
あぁ、身内って何処まで身内なんだろうか。
けど、義栄の側近なら義栄の身内だよな。
「貴方が、虎徹を狙ったんですか。」
胸が騒ついた。
血が沸いた。
熱くて、皮膚の上を炎が走ってるみたいだ。
人間誰しも、触れられたく無いものが一つや二つ存在する。
それでも押し込めて笑って気遣って、お互い無闇な争いはしないでおきましょうね、が日本人だった筈だ。
あぁ、ここは天界だから日本人なのは俺だけか。
じゃあ、良いか。
「俺、身内が傷付くの大っ嫌いなんだよね。」
今なら分かる。
自分のチカラが指先まで伝わって、あっちこっち広がって行くのが分かる。
芝生も俺が起こす風に誘われて、大きく揺れてる。
そこの木もザワザワ揺れて鋭い枝を敵に差し向けようとしてくれてる。
なぁ。
お前も俺の言う事聞いてくれる?
足元に突き立てられたアイツが放った金属の矢に目を向ける。
それはカタカタッと揺れ、桃李が指先で呼ぶと地面から抜け飛んでやって来た。
「良い子。」
金属の矢は、これ以上なく目の前の敵を懲らしめる良い武器に見えた。
「いけません、桃李さんっ、」
つい、と指を振れば矢は素直に向こうを向いた。
「桃李さんっ、!」
「行け。」
ピンっと指を弾く瞬間。
誰かの手がのびてきた。
顔を覆われて、身体を引っ張られ、キツく戒められている。
「口を開けろ。」
「義栄、」
「後で謝ってやる。」
「なんだよ、なっ、ンぐっ...っ、ふぅっ、」
顔を覆う手がそのまま頭を押し顎を上げさせる。
戒められていると思ったのは義栄の右腕だった。
踵が浮く程キツく抱き上げられ、脳が揺れる程注がれた。
ゴクン、
ふっ、と遠のく意識の中唐突に理解した。
初めて仁嶺とキスした時倒れたのって、コレのせいなんじゃね。
桃の実にも、一度に吸える量には限度がある。
覚醒したばかりの身体では尚の事だが、覚醒前なら必至だった。
そして今も。
キャパを越えて注がれた穢れに、桃李はコトンッと意識を手放さざるを得なかった。
くっそ。
あとで覚えてろよ馬鹿虎野郎、!
義栄の部屋も冬支度をすると言うので桃李は桃妃宮へ戻る事にした。
理由は幾つもあるが、最大の決め手は子虎だ。
義栄の宮では人の往来が多く、誰がどんな手を伸ばして来るのか計り知れない。
部屋に閉じこもってばかりでは、四つ足に良くないと判断した。
その点、桃妃宮なら走りたい放題だ。
何せ鈴と桃李と子虎、あとは2、3人の出入りで片付く為危険も殆どないと言って良いだろう。
「如何ですか桃李さん。」
ほんのひと月も居なかった桃妃宮だが、すっかり見違えた。
「和モダンにしてみました。」
「うわっ、床が柔らかい。」
弾力のある床材は一見すればフローリングだが、子虎の四つ足に配慮した結果だ。
「あちらに畳の間を用意しました。」
小上がりのそこだけ切り取ったかの様な空間に、障子の窓がある。
そこから見えた景色は、広々とした芝生。
「走り放題ですよ。」
「やったな虎徹。」
「みいっ」
今まで通り桃妃宮への出入り口はひとつだけ。
一応護衛を立てたが、なにより限られた者以外を撥ねる結果が張られた。
つまり、ここの障子窓を開けて庭に出ても怪しい奴には遭遇しないという事になる。
「お気に召しましたか?」
「うん。ちょっと走って来るよ。」
こうして見ると此処が天界なんて信じられないな。
その晩は眠る前に義栄が来て、一頻り話してキスをして部屋へ戻って行った。
多分仕事するんだろうな。
「虎徹を甘やかすなよ姫。」
そう言いながらも子虎を撫でる手は優しい。
虎徹と言う名前も気に入ってくれて、今はあだ名を何にするかって神経に悩んでいる。
のほほんとした子虎とは違い、大きい方の虎は何故か、愛称に並々ならないこだわりを持っている。
でも、虎徹が名前を認識出来るまであだ名で呼ぶのはやめた方が良い...いや、こいつはただの虎じゃ無い。
白虎の名を冠する四龍の子供だ。
犬猫と一緒に考えたらダメだろうな。
「みっ!」
そんな事を考えながら布団を捲った途端、虎徹は吾先にと潜り込んで行った。
「ふっ、甘やかすなって言われたけど。」
こんなに可愛い生き物を甘やかさずにはいられない。
もふもふで、もぎゅっとした子虎をいつも通り抱きしめて眠った。
畳のいい匂いがする。
新しい部屋もそう悪くは無いかもしれない。
ーーーーー
桃妃宮でも桃李の訓練は行われていた。
相手は麒麟の片割れ鈴だ。
仙桃妃のチカラというのは吸収する事に長けている、と言うのは聞いたが。その使い道は今の所、胸元の金属を変形させる事しか無いのだと思っていたが。
火、水、木、金属を吸った分だけ変形させられるらしい。
因みに義栄は金属以外は扱えない。
曰く虎徹にも同じチカラが備わっているらしいけど、今の所どれだけやらせても出来た事は無い。
興味なさそうに庭を走ったり、鳥を追いかけたりしている。
可愛いから良いじゃん。
「花びらを風に乗せ花嵐を起こす事は出来ても、花そのものを強制して咲かせる事は出来ません。」
「成程...それじゃ、強制じゃなかったら可能って事?」
「可能です。というのも桃李さんが居るだけでその国は浄化されるので、四龍様も龍王としてのチカラの底上げにもなり、自ずと花も咲きやすくなります。」
「わ...っかんないけど、つまり。俺がバフを起こしてる?」
「バ、ふ?」
「えっと、そうだな。えぇ。俺が居るだけで効果が上がる、とかそんな仕様があるって事なのかなーって。」
「はい。それで間違いありません。」
「へぇー。」
難しい話は疲れる。
それに比べて虎徹は暢気で良い。
今度はいい日向を見つけた様だ。
彼の首輪にも桃李と同じ金属のプレートを付けている。
鈴も義栄も虎徹を"四龍最高硬度の盾"と誉めそやしているが、まだその盾とやらを拝めた事は無い。
別に良いんだけどな。
可愛いしすくすく育ってくれたらそれで良いんだけど。
一度くらいは見てみたいよな。
「桃李さん。」
「うん?」
「今日は助っ人を呼んであります。」
「へぇ。誰だろ...虎徹?」
のぺっと寝そべっていた虎徹が、突然立ち上がり目を光らせた。
そこへ風を切って何かが桃李と虎徹の間を抜けた。
「なに、」
ドサッと音がした。
見れば金属の矢が芝生に刺さっていた。
「グルルルッ」
「来るな虎徹!」
言っても遅かった。
四つ足の駆ける速さは、桃李の思うより早く。
次の瞬間にはガキンと金属のぶつかる嫌な音がした。
「虎徹っ、!」
悲鳴に近い声がした。
自分の声とは思えない上擦り用で、目の前の銀色の毛並みの背中をそっと触った。
「虎徹っ、虎徹、怪我は無いか、!?」
背中も尻も足も撫でて触って確かめる。
何処にも何も赤色は見当たらない。
大丈夫、大丈夫、大丈夫だ。
「怪我、してないか。」
桃李の座高よりも高い、身体を大きく変化させた虎徹はその身を呈して庇ったのだ。
「これ...虎徹が作ったのか?」
漸く首と顎の部分を確かめる、何とも無いと確認した気がついた。
桃李と虎徹を余裕で庇える程大きな、銀の盾が地面に突き刺さっていた。
「グワゥ」
誉めろと言わんばかりに大きな頭を押し付けられる。
どうみても間違い無く、その盾からは桃李と同じ薄桃色のチカラが揺らめいていた。
「凄いな、虎徹。こんな大きな盾が作れたのか。」
呆気に取られても、頭を撫でてやると何処からか声がした。
聞き覚えのある声だ。
それもそうだな。
ここに入れる人物は限られている。
「流石です虎徹様。」
茂みから弓を持って現れたソイツは、背に矢筒を背負っていた。
「それ程までに大きな盾を顕現させられるとは。」
まだ5、6本はあった。
そこの地面に刺さった様な銀の矢が。
「貴方がこれを放ったんですか、常秋さん。」
「あ、の。」
呑気に手を叩いて誉めそやす姿が、あの議会長とダブって見えた。
その時も身内の不祥事だった。
あぁ、身内って何処まで身内なんだろうか。
けど、義栄の側近なら義栄の身内だよな。
「貴方が、虎徹を狙ったんですか。」
胸が騒ついた。
血が沸いた。
熱くて、皮膚の上を炎が走ってるみたいだ。
人間誰しも、触れられたく無いものが一つや二つ存在する。
それでも押し込めて笑って気遣って、お互い無闇な争いはしないでおきましょうね、が日本人だった筈だ。
あぁ、ここは天界だから日本人なのは俺だけか。
じゃあ、良いか。
「俺、身内が傷付くの大っ嫌いなんだよね。」
今なら分かる。
自分のチカラが指先まで伝わって、あっちこっち広がって行くのが分かる。
芝生も俺が起こす風に誘われて、大きく揺れてる。
そこの木もザワザワ揺れて鋭い枝を敵に差し向けようとしてくれてる。
なぁ。
お前も俺の言う事聞いてくれる?
足元に突き立てられたアイツが放った金属の矢に目を向ける。
それはカタカタッと揺れ、桃李が指先で呼ぶと地面から抜け飛んでやって来た。
「良い子。」
金属の矢は、これ以上なく目の前の敵を懲らしめる良い武器に見えた。
「いけません、桃李さんっ、」
つい、と指を振れば矢は素直に向こうを向いた。
「桃李さんっ、!」
「行け。」
ピンっと指を弾く瞬間。
誰かの手がのびてきた。
顔を覆われて、身体を引っ張られ、キツく戒められている。
「口を開けろ。」
「義栄、」
「後で謝ってやる。」
「なんだよ、なっ、ンぐっ...っ、ふぅっ、」
顔を覆う手がそのまま頭を押し顎を上げさせる。
戒められていると思ったのは義栄の右腕だった。
踵が浮く程キツく抱き上げられ、脳が揺れる程注がれた。
ゴクン、
ふっ、と遠のく意識の中唐突に理解した。
初めて仁嶺とキスした時倒れたのって、コレのせいなんじゃね。
桃の実にも、一度に吸える量には限度がある。
覚醒したばかりの身体では尚の事だが、覚醒前なら必至だった。
そして今も。
キャパを越えて注がれた穢れに、桃李はコトンッと意識を手放さざるを得なかった。
くっそ。
あとで覚えてろよ馬鹿虎野郎、!
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