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第十六話 炎
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真っ白な空間で延々と頭の中に映像が流れてくる。
それは、昔々この世界で起きた事の恐らく実際の記憶だった。
正体の分からない敵と今より少しだけ若い酷く血だらけな四龍が命懸けで戦っている。
止めろと、言っても映像は止まらない。
「なぁ天帝。聞いてるんだろ。」
この真っ白な空間で、最初に聞こえてきた声があった。
女の人の声で、祖母かとおもったがどうやら別人のようだ。
その誰かは桃のお姫様の昔話を知っていて尚且つ、この胸が刺すように痛い映像をその目で見ていたのだろう。
「あんた、俺に何をさせたいんだ。」
まぁ、気持ちは分かる。
言いたい事も多分分かるわ。
「ただ俺は男と寝る趣味は無いし、神様を信じてない訳じゃない。四龍の事も別に好きも嫌いも無い。けど、こんなのは拷問って言うんじゃねーのかよ?」
言い連ねる桃李は、突如首筋がビリっとした痛みに見舞われた。
「な、んだよ...これ、んぅっ」
痛い筈なのに、ゾクゾクと背中を這い上がって来る感覚には覚えがある。
「また、これか...アイツら人の身体を、花の蜜吸うみてぇにしやがって」
この感覚を快感と呼ぶには躊躇いがあるが、確実に天帝の仕業ではないだろうな。
「ふ、ぅ」
あの日、路上でキスされた時と同じ。
ただひとつ違うのは気配だ。
これは、風でも水でもない。
熱く肌を撫でる炎の気配。
それは、昔々この世界で起きた事の恐らく実際の記憶だった。
正体の分からない敵と今より少しだけ若い酷く血だらけな四龍が命懸けで戦っている。
止めろと、言っても映像は止まらない。
「なぁ天帝。聞いてるんだろ。」
この真っ白な空間で、最初に聞こえてきた声があった。
女の人の声で、祖母かとおもったがどうやら別人のようだ。
その誰かは桃のお姫様の昔話を知っていて尚且つ、この胸が刺すように痛い映像をその目で見ていたのだろう。
「あんた、俺に何をさせたいんだ。」
まぁ、気持ちは分かる。
言いたい事も多分分かるわ。
「ただ俺は男と寝る趣味は無いし、神様を信じてない訳じゃない。四龍の事も別に好きも嫌いも無い。けど、こんなのは拷問って言うんじゃねーのかよ?」
言い連ねる桃李は、突如首筋がビリっとした痛みに見舞われた。
「な、んだよ...これ、んぅっ」
痛い筈なのに、ゾクゾクと背中を這い上がって来る感覚には覚えがある。
「また、これか...アイツら人の身体を、花の蜜吸うみてぇにしやがって」
この感覚を快感と呼ぶには躊躇いがあるが、確実に天帝の仕業ではないだろうな。
「ふ、ぅ」
あの日、路上でキスされた時と同じ。
ただひとつ違うのは気配だ。
これは、風でも水でもない。
熱く肌を撫でる炎の気配。
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