上 下
15 / 39

第十五話 騰礼

しおりを挟む
「せっかく、綺麗にしてたのにな。」

 真っ白で、金の刺繍が彩られた花嫁衣装は
 桃李を、ハッとするほど美しく、儚い存在に見せた。

 騰礼は、化粧のされた頰や額に口付けながら出来るだけそっと、その衣を脱がせていく。

 封印を解くのに必要なのは四龍の気だ。
 本来、耽淵がやるのが望ましいが時期が悪い。

 四龍は、それぞれに合った季節や時間がある。
 只でさえ、枯渇している今、封印を解くならささやかながら威力や効果を底上げした方が、マシな筈だ。

「桃李...起きろ。」

 やがて、肌襦袢一枚となった桃李は、目眩がする程芳しい桃の香りを漂わせていた。

 ちゅくり、と露わになった首筋に熱い舌を這わせていく。

「はぁ」

 久しぶりに感じる迸る甘みに、騰礼の身体中をあっと言う間に熱を上げていく。

「はぁっ」

 首筋、鎖骨、肩、二の腕、指先、様々な所に口付けを落としながら騰礼は、龍の気を流し込んでいく。
うっかり歯を立て無い様にするのにかなり、理性が要る。

「気を失っていても、ここは反応するのか。」

右足を抱え、露わになった熱を指先で柔く撫で、擦り上げていく。

やがて、蜜を溢し始めのを見ると、我慢が効かなかった。
先端を舌先で突き、抉り、深く咥え込んで纏わりつくす。


「はぁっ、」

 じゅるじゅると溢れる度に喉へ流し込む。
 

 それは、甘い早熟の桃の香りを纏い、
 枯渇し切った騰礼の喉、心、身体を隅々まで癒した。

 少量でこれだけの効果なら。
 桃李が、目を覚まし嫌だと言うほどに責立て、果てさせ、沢山の蜜を滴らせればそれだけで龍の強さが増す。

 勿論、口付けでも良いが
 どうせならもっと気持ち良いことがしたい。

 龍も所詮は、愛するものを持つ只の雄である。

 まだ充分では無い。
 分かっているのだが、どうにも桃李の身体を求めてしまう。

「早く、桃李のナカへ...封印を解かなければ」

 逆上せ上がった脳に、ふと抱えた桃李の右足が目に入る。
 

 細く、引き締まった脚だ。
 堪らなく美しい。

 気付いた時には、
 その足の甲へ口付けを落としていた。

「悪いが、これからお前を抱く。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こんな異世界望んでません!

アオネコさん
BL
突然異世界に飛ばされてしまった高校生の黒石勇人(くろいしゆうと) ハーレムでキャッキャウフフを目指す勇人だったがこの世界はそんな世界では無かった…(ホラーではありません) 現在不定期更新になっています。(new) 主人公総受けです 色んな攻め要員います 人外いますし人の形してない攻め要員もいます 変態注意報が発令されてます BLですがファンタジー色強めです 女性は少ないですが出てくると思います 注)性描写などのある話には☆マークを付けます 無理矢理などの描写あり 男性の妊娠表現などあるかも グロ表記あり 奴隷表記あり 四肢切断表現あり 内容変更有り 作者は文才をどこかに置いてきてしまったのであしからず…現在捜索中です 誤字脱字など見かけましたら作者にお伝えくださいませ…お願いします 2023.色々修正中

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

友達が僕の股間を枕にしてくるので困る

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
僕の股間枕、キンタマクラ。なんか人をダメにする枕で気持ちいいらしい。

ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話

さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ) 奏音とは大学の先輩後輩関係 受け:奏音(かなと) 同性と付き合うのは浩介が初めて いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく

勇者よ、わしの尻より魔王を倒せ………「魔王なんかより陛下の尻だ!」

ミクリ21
BL
変態勇者に陛下は困ります。

処理中です...