3 / 39
第三話 仁嶺
しおりを挟む「ぃぃえ!」
恐れていた事態。
気の強そうな白髪長身のイケメンが、桃李に向かって声を掛けた。バッチリ目があったから間違いないが。
聞き間違えた?
と言うか、桃妃って何だ。
「だが、貴様からは仙桃の匂いがする。」
「待ちなさい義栄。桃妃はまだ記憶が戻っていない。私たちのことも覚えていない筈だよ。」
「先ずは、封印を解くべきだ。」
バチッと目が合った白髪長身のイケメンは、義栄というらしい。
それを制したのは、真っ黒な黒曜の髪をした男て、名前は耽渊というらしい。
「お前名は。俺は耽渊。」
漢字で書けるらしい。読み方まで教えてくれた。
「天塚桃李その、俺の知り合いだっけ?」
桃李は問い掛けた。
すると耽渊の横から青い髪の優しそうな男がズイ、と前に出てきた。
何故か。
慈しむように瞳を細めている。
何だ。
誰だ。
「桃の字が入っているのだろう。それに、苗字は天塚と言ったね?」
「あぁ。あんたは、なんて名前?」
「私は、仁嶺だよ、桃李。しかし、まったく困ったな。先程から君はとても美味しそうな匂いがする。」
「ぇ、ちょっ、な、ひぃ…っ!」
仁嶺がツカツカと桃李の前まで迫って来た。
驚いたのも束の間、ぐっと腰を抱え込まれ気が付くと唇を塞がれた。
悲鳴序でに文句を言おうしたら、舌が入り込み、噛みつこうとしたらキツく吸われた。
「ひ、うあ…ッ。」
忍び込む舌先が上顎を擦り始める。
逃げ惑う桃李の舌を捕まえては絡みつく。
息が出来ない。
「ふ…ん、んん。もぅ、やめろ」
鼻で呼吸出来ない。
熱い舌から逃げてなんとか薄い息でやめろ、と言えたのに。
「きもちいいかい、桃李。」
「うん。」
次の瞬間にはどろっと脳みそが蕩ける。
拒むには情熱的で、気遣いすらみせるキスに悪い気はしなかった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
こんな異世界望んでません!
アオネコさん
BL
突然異世界に飛ばされてしまった高校生の黒石勇人(くろいしゆうと)
ハーレムでキャッキャウフフを目指す勇人だったがこの世界はそんな世界では無かった…(ホラーではありません)
現在不定期更新になっています。(new)
主人公総受けです
色んな攻め要員います
人外いますし人の形してない攻め要員もいます
変態注意報が発令されてます
BLですがファンタジー色強めです
女性は少ないですが出てくると思います
注)性描写などのある話には☆マークを付けます
無理矢理などの描写あり
男性の妊娠表現などあるかも
グロ表記あり
奴隷表記あり
四肢切断表現あり
内容変更有り
作者は文才をどこかに置いてきてしまったのであしからず…現在捜索中です
誤字脱字など見かけましたら作者にお伝えくださいませ…お願いします
2023.色々修正中
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる