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ダンジョンマスター 聖龍
豚骨ラーメン
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目の前に豚骨ラーメンを出されてまず驚いたのがその色だ。真っ白である。
具としては、緑色のネギ、茶色のチャーシュー、そして黒の薄いキノコらしきものの千切りが乗っている。これまで食べた醤油ラーメン・塩ラーメンあるいは味噌ラーメンとも全く異なる色味であった。
早速箸で麺を掬い口に入れた。
「っ!これは、美味しいぞ!!」
口に麺を入れた瞬間衝撃が走った。食事などラーメン以外に食べたことはなく、むしろラーメンやチャーハンの味しか知らないということで舌が肥えている我であるが、これまで食べてきたラーメンとは全くもって異なる味わいに大混乱していた。
「ニャティリさん、これ凄いですよ。前食べた時は結構臭みがあってわたしには合わないかなぁって思ってたんですけど、醤油ダレに甘みがあるせいか臭みもあんまり気にならなくてすっごく美味しく感じます!不思議!!」
我の隣でマリアが感動をしていた。
いやはや、マリアの言うとおり、獣臭がしているにも関わらず、ラーメンに甘みがあるせいかスープにあまり臭みを感じないのだ。それでいて、コクがあり、旨味も凝縮されていて、細い麺と白濁したスープも絶妙に絡み合って兎に角美味しい。
「言い忘れていたけれど、皆スープは飲みきらずに残しておきなさいね」
「それはなぜだ?」
「サービスがあるからよ。皆の反応も見たいから内容はまだ秘密よ」
ニャティリとやり取りを交わして、スープを残して一体どのようなサービスができるのか疑問しか募らなかったが、気を取り直して豚骨ラーメンに再び対峙する。
「この黒いのは何だ?」
先程からラーメンに乗っている黒の何かの千切りが気になったため、思わずニャティリに質問を投げかける。
「これはキクラゲといってキノコの一種ね。クラゲの食感と似ているのだけれど、キノコなのよ。こちらの世界でも似たようなキノコはあるけれどファルスカ王国で食材として出てきたのは見たことないわね」
キクラゲを少しスープに潜らせて食べてみる。コリコリとした食感が心地よく、クセがない淡白な味のためスープの味が良く映えている。
また、チャーシューはキクラゲと対照的でトロトロであった。前に食べた醤油ラーメンの時よりも薄切りであるが、それが良くスープと合う。
そして、麺を再び啜る。完璧である。
「ここまで美味いと恐怖すら感じるぞ。ラーメンとは恐ろしい食べ物だな」
思わず、我はため息をつきながらそう口走っていた。毎回驚かされるが、ラーメンという料理はどれだけの味の種類があるのだろうか。そして、どのラーメンを食べても突き抜けて美味しいのである。それも味も見た目も食材も全く異なるにも関わらず至極の「ラーメン」が出てくるのであるから感嘆するしかない。
具としては、緑色のネギ、茶色のチャーシュー、そして黒の薄いキノコらしきものの千切りが乗っている。これまで食べた醤油ラーメン・塩ラーメンあるいは味噌ラーメンとも全く異なる色味であった。
早速箸で麺を掬い口に入れた。
「っ!これは、美味しいぞ!!」
口に麺を入れた瞬間衝撃が走った。食事などラーメン以外に食べたことはなく、むしろラーメンやチャーハンの味しか知らないということで舌が肥えている我であるが、これまで食べてきたラーメンとは全くもって異なる味わいに大混乱していた。
「ニャティリさん、これ凄いですよ。前食べた時は結構臭みがあってわたしには合わないかなぁって思ってたんですけど、醤油ダレに甘みがあるせいか臭みもあんまり気にならなくてすっごく美味しく感じます!不思議!!」
我の隣でマリアが感動をしていた。
いやはや、マリアの言うとおり、獣臭がしているにも関わらず、ラーメンに甘みがあるせいかスープにあまり臭みを感じないのだ。それでいて、コクがあり、旨味も凝縮されていて、細い麺と白濁したスープも絶妙に絡み合って兎に角美味しい。
「言い忘れていたけれど、皆スープは飲みきらずに残しておきなさいね」
「それはなぜだ?」
「サービスがあるからよ。皆の反応も見たいから内容はまだ秘密よ」
ニャティリとやり取りを交わして、スープを残して一体どのようなサービスができるのか疑問しか募らなかったが、気を取り直して豚骨ラーメンに再び対峙する。
「この黒いのは何だ?」
先程からラーメンに乗っている黒の何かの千切りが気になったため、思わずニャティリに質問を投げかける。
「これはキクラゲといってキノコの一種ね。クラゲの食感と似ているのだけれど、キノコなのよ。こちらの世界でも似たようなキノコはあるけれどファルスカ王国で食材として出てきたのは見たことないわね」
キクラゲを少しスープに潜らせて食べてみる。コリコリとした食感が心地よく、クセがない淡白な味のためスープの味が良く映えている。
また、チャーシューはキクラゲと対照的でトロトロであった。前に食べた醤油ラーメンの時よりも薄切りであるが、それが良くスープと合う。
そして、麺を再び啜る。完璧である。
「ここまで美味いと恐怖すら感じるぞ。ラーメンとは恐ろしい食べ物だな」
思わず、我はため息をつきながらそう口走っていた。毎回驚かされるが、ラーメンという料理はどれだけの味の種類があるのだろうか。そして、どのラーメンを食べても突き抜けて美味しいのである。それも味も見た目も食材も全く異なるにも関わらず至極の「ラーメン」が出てくるのであるから感嘆するしかない。
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