カクテル

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血塗られた少女メアリー

都市伝説

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雰囲気はいいか場所のせいなのか客がほとんどいないバーが都内に存在する。
そこの常連である2人の大学生。彼ら2人は研究生で帰宅するのが9時を過ぎることが多々あった。
2人は帰りが遅くなるとそのバーで1杯やるのが恒例行事となっていた。

いつも通りそのバーに入るとそこには一人の白い服を着た女性が座っていた。いつも誰もいないのに珍しいなと思いつつ彼女の顔が見えるカウンター席に座った。その顔はとても美しく、一瞬でAは一目ぼれをしてしまった。彼女を意識しながら酒を飲んでいるとBが突然「ゲームをしよう」と言い出した。どんなゲームかと尋ねるA。
「じゃんけんをして負けたほうが彼女に話かけるってのはどうだ?」「OK!乗った」「俺はグーしか出さないから、わかっているよな」と言うB。「じゃんけん、、、」見事パーで勝利するA。罰ゲームのはずなのだが、顔は嬉しそうに笑っている。「世話の焼けるやつだな、きっかけを作らないと話しかけることもできないのか」とつぶやくB。

彼女の顔ばかり見ていたAは彼女が飲んでいるカクテルのことなんて気にしてもいなかったが近づくにつれてそれが目に入る。それは真っ赤なカクテルだった。彼女のとなりに座るA。「君、名前は?何飲んでるの?」彼女はボソッと「ブラッディー・メアリー」と答えた。「一緒に飲まない?」そう言おうとしたとき、彼女は急に立ち上がりトイレに行った。『迷惑だったかな?』と思いつつ、彼女が帰ってくるまでマスターと話すことにした。

「彼女って何歳?未成年に見えるのって俺だけ?」「彼女が飲んでいるカクテルは、ヴァージンです。つまり、お酒は入っていません。」「そうなんだ。ところでこのお酒おいしいの?なんか赤いし、名前も不気味だよね。」「そうですね、好き嫌いは分かれるかもしれませんね。ところでAさんブラッディー・メアリーの都市伝説はご存じですか?」「知らない。」と答えるとマスターはその都市伝説を語り始めた。

その内容は部屋を暗くして、ブラッディー・メアリーと3回鏡の前で唱えると鏡の中に血まみれの少女が現れるという物でした。一種の降霊術とのことだった。マスターが話し終わる直前彼女はトイレから戻ってくるとカウンターにお金をおいて立ち去ってしまった。

『仲良くなりたかったな~あんなかわいい子もう2度と会うことはないだろうな』そう思いながらBのもとに戻るA。飲みかけのお酒を飲み干した2人だったがまだ飲み足りない。しかし、学生ゆえお金に余裕があるわけでもない2人はAの家で飲みなおそうということになりバーを後にした。
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