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目覚めたボクが思うこと
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「おはようございます」
「……おはようございます」
真っ白な部屋の真ん中で、いろんな管に繋がれて目を覚ます。ここはどこ、僕は誰? なんて。消毒液の匂い、鼓動を告げる機械の音。十中八九、ここは病院だろう。白衣の彼に見覚えがある……気がする。
「あの」
「はい」
「どうして僕はここにいるんですか?」
「……貴方は先日事故に遭いました。幸いにも怪我は軽いものでしたが、頭を強く打っていたようで、一週間ほど眠ったままでした」
「いっしゅうかん……」
ぼんやりと、何をしていたかを考える。なぜ僕は外に居たのか。何をしようとしていたのか。
「ラーメンは、まだしばらくお預けです」
聴こえた言葉が脳に染み込んで、理解した瞬間に彼に視線を向けた。
「そんな口調じゃなかった」
「今は、お仕事中なので」
くすりと笑って、内緒話のように僕の耳に囁いた。
「元気になったら屋台に行こうな」
夢の中では聞けなかった再会の言葉は、こんなにも簡単に与えられた。
「……おはようございます」
真っ白な部屋の真ん中で、いろんな管に繋がれて目を覚ます。ここはどこ、僕は誰? なんて。消毒液の匂い、鼓動を告げる機械の音。十中八九、ここは病院だろう。白衣の彼に見覚えがある……気がする。
「あの」
「はい」
「どうして僕はここにいるんですか?」
「……貴方は先日事故に遭いました。幸いにも怪我は軽いものでしたが、頭を強く打っていたようで、一週間ほど眠ったままでした」
「いっしゅうかん……」
ぼんやりと、何をしていたかを考える。なぜ僕は外に居たのか。何をしようとしていたのか。
「ラーメンは、まだしばらくお預けです」
聴こえた言葉が脳に染み込んで、理解した瞬間に彼に視線を向けた。
「そんな口調じゃなかった」
「今は、お仕事中なので」
くすりと笑って、内緒話のように僕の耳に囁いた。
「元気になったら屋台に行こうな」
夢の中では聞けなかった再会の言葉は、こんなにも簡単に与えられた。
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