環《リンク》シリーズ設定集

真義あさひ

文字の大きさ
上 下
12 / 52
世界観

邪と魔

しおりを挟む
邪と魔はいずれも人間が正しき道を外れ、世界の理から逸脱したもののこと。
人間の尊厳を放棄し、魂を邪悪に明け渡した存在の総称。

分類せず単純にそのものや、もたらす悪影響を「邪気」と呼ぶことも多い。


邪は特に、己の境遇に強い不満を抱き、夢や希望を失い厭世観に捉われて絶望した者のうち、感情を激化させた者がなる。

いわゆる「異常者」の類い。

強烈な感情が意識を刺激して覚醒感をもたらすため、己が全知全能であるかのような傲慢な言動の者が多く、他者を見下し、引き摺り下ろすことに血道を上げる。

人生に絶望したのに全能を誇るかのような傲慢さと矛盾が、強い邪気を発生させている。

鋭い語調の者が多く、自分の目下の者を押さえつける言動で、邪気の刃で突き刺すようなダメージを与える。

邪に変じた者は弱みのある人間につけ込んで虐げ、己の欲望を刺激する娯楽として愉悦に耽溺しやすい。

常に自分を刺激し続ける興奮状態に陥りやすい体質から、魔力や体力の強い者が多く、敵に回すとタフで非常に厄介である。

極端に感情的な性質から、己に対する侮辱に弱く、組織や関係性の上位者には媚びへつらうことも。

邪に変じた者の周囲には、同じく邪に感染しやすい者が群れることがある。

邪から立ち直るには、身近な親しい者の献身で激化した感情を鎮静させ宥めるか、聖なる魔力を持つ者の破邪スキルが必要。



魔は、邪と発生原因は同じことが多いが、特に他者や世界を恨み、感情が激化ではなく抑圧方向に向かった者の成れの果て。

抑圧した分だけ負の感情の質量が大きいが、魔や魔に憑依された者は表面上は穏やかで人格者に見えることが多い。

魔は、聖なる魔力持ちによる破魔や退魔スキル、また心ある者による鎮魂などで対処する。
下位スキルの破邪でも対応可能。

ただし、魔を解除しても邪になる者が確認されており、魔が邪の深化バッドステータスと見る術者もいる。


魔にはいくつかバリエーションがある。

吸魔
優れた他者から「奪う」ことに特化した魔。
才能や金銭、幸運、福徳など多重的。
理由なく運気が低下したときは吸魔の関与を疑うこと。
他者から奪う手口が自然で巧妙なため、弱い吸魔や吸魔スキルの持ち主は国家や支配者からハニートラップ要員として飼われることがある。

虚無
最も深刻な魔。
ありとあらゆる物事を崩壊させ、腐敗させる。
魔法の下位互換である魔術式を崩壊させ無効化し、汚染する。
人類悪ともいうべきもの。









しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

だいたい全部、聖女のせい。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」 異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。 いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。 すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。 これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

主役の聖女は死にました

F.conoe
ファンタジー
聖女と一緒に召喚された私。私は聖女じゃないのに、聖女とされた。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

いい子ちゃんなんて嫌いだわ

F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが 聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。 おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。 どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。 それが優しさだと思ったの?

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??

シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。 何とかお姉様を救わなくては! 日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする! 小説家になろうで日間総合1位を取れました~ 転載防止のためにこちらでも投稿します。

子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。

さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。 忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。 「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」 気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、 「信じられない!離縁よ!離縁!」 深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。 結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

思わず呆れる婚約破棄

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。 だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。 余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。 ……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。 よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。

処理中です...