119 / 152
第二章 異世界ど田舎村を救え!
その頃、日本では~side八十神、御米田の父と鰻屋にて4 ※飯テロ回
しおりを挟む
「会社側の把握してるうちのせがれの退職理由は、君に彼女を取られてヤケになったからってことになっている。企画を盗まれてどうのって話も、君へのやっかみだとね」
「………………」
「もちろんユウキの親しい人たちは企画を盗まれたというユウキの言葉を信じている。だけど確実な証拠を握ってる者はまだ誰もいないようだ。君はそこは安心していい」
この男は何を言おうとしているのだろうか?
僕はひたすら鰻重に箸を伸ばしつつ話を聞くしかできなかった。
「君がユウキのコンペ企画を盗用したことを事実として知っているのは、まず被害者のユウキ。そして私だ。なぜかといえば、あの企画はそもそも父親の私が息子のあの子に助言したものだったからね」
「……どの辺りが、でしたか?」
もうすべてバレているなら取り繕う必要もないし、遅い。
空いた御米田ゲンキのグラスに最中を注いで僕は訊いた。
「元の企画書にはタイ支社立ち上げ後は現地の外資系コミュニティとの提携案があったろう?」
「……ええ。現地の日本人会とは別のグループでしたね」
「あれね、私がリーダーシップを取って立ち上げた外資リタイヤ組のグループなのだよ。不思議じゃないか? 私たちのグループはクローズドでまだ公に発表をしていなかったのに」
「ああ……なるほど……」
そうか、そういうことか。僕は箸を置いて片手で顔を覆った。
「私は息子のユウキには企画書にグループ名と所在地を記載する許可を出していた。だが八十神アキラ。私は君とは面識がなかったし、許可を出した覚えもない」
「……ええ」
「だが、さっきも言ったように私は君に大きな恩がある。だからこの話はもうおしまい。不問にしよう」
「ですが、ゲンキさん」
「……まあ気持ちの整理はできないよね。苦しい気持ちがあるなら、それが君への罰ってことにしようか」
不問にするとは言いながら、御米田ゲンキはその後少しだけ僕にチクリとお説教を刺した。
「社内の上層部だって、君とユウキの間に何もなかったなんて思っちゃいないさ。だが君へ直接聞き取りして事実確認するより放置を選んだようだよ」
「ゲンキさんは、なぜそこまで我が社の内部に詳しいのですか?」
「みどりさんの情報網もあるし、今の常務は私の大学時代の後輩なんだ。帰国したときは銀座で一緒に飲むし、普段もスマホでメッセージのやりとりをしてたから」
くそ、御米田め。あの野郎、縁故もいいところじゃないか。よくこの環境で平気で会社を辞めたもんだ。
「なぜかわかるかい? 優秀な君を潰したくなかったからだ。だが君はどうなんだね? 証拠はなくても周りはそこそこ君の所業を知っている。その中で君はこれからも生きて行かねばならない」
言われてハッとなった。
これからも同じ会社で勤めていくとして。何か社内で目立てば、コンペ当時の状況を知る者は必ず御米田の退職の経緯と絡めて僕がやらかしたことを思い出すだろう。
御米田ゲンキの言葉が正しければ、僕が御米田の企画を盗んだ事実の裏は取れなかったらしい。だがそのような疑いが僕にあったことは必ず誰かが思い出すに違いない。
実際、御米田が退職してしばらくして、社内システムへのログイン方式が変わった。IDとパスワード入力から、社員証のICチップをスマホアプリでタッチ+指紋認証方式に変更された。
もう僕と同じやり方で他人のパソコンからデータを盗むことは誰にもできなくなった。
コンペは年に何回か開催されている。参加者は部署の上司が企画の進捗をかなり詳しくチェックするようになった。企画被りとの言い訳ももうできなくなる。
「今の状況だと、お前が悪者だ、と指を指されて断罪されるより精神的に堪えるのではないかな。もちろん会社を辞めて逃げたっていい。だが、君の会社は総合商社だけあってさまざまな業界と繋がっている」
「僕を脅しているんですか」
「いいや? 逆だよ。私はこのまま君が勤め続けることを望むね。……ここだけの話、私は息子から君の話はたびたび聞いていたんだ。ライバルだと言ってたけど社会人になって良い友人ができたと思っていたんだよね」
「………………」
「君がしたことは良くないことだったけど。たった一回の過ちで人生すべて潰してしまうのも何か違うなと私は思うから」
その後は他愛のない話で鰻重を食い終え、締めの肝吸いでお開きとなった。勘定は相手持ちだ。彼は本当にこれは恩返しだからと言って譲らなかった。
「あ。そうだ八十神君。アドレス交換しよう。スマホアプリの」
「えっ?」
まさかそんなことを言われると思ってなかった僕は、御米田ゲンキに促されるままにメッセージアプリのアドレス交換をした。
彼のプロフィールアイコンは不敵な笑顔と、頭には王冠イラストの加工付き。その辺のモブがやったら笑い物だが御米田ゲンキにはよく似合っていた。
浅草駅前のホテルに泊まるという御米田ゲンキを、僕は深く深く腰を折って見送った。
……完敗だ。御米田の父親は本当にいい男だった。ああいう人物を格が違うというのだろう。
あんな父を持って御米田は幸せ者だな……羨ましいことだ。
うなぎ屋を出ると八時過ぎ。一応、米俵社長の会社に連絡を入れるともう退社した後だ。
遅番の社員によると報告は明日で良いとのことなので、自社の上司宛てに簡単に接待終わりの報告メッセージだけ送ってそのまま赤羽のアパートに直帰した。
「……しかも土産まで貰ってしまったし」
1LDKのキッチンのテーブルには御米田ゲンキに貰った日本酒最中の残りを瓶ごとと、包んでもらった焼きおにぎりがある。
まだ夜の九時前だ。これは晩酌するしかあるまい。
先にシャワーを浴びてる間に瓶とグラスを冷凍庫に突っ込んでおく。出てきた頃にはどちらも冷え冷えだ。
冷酒の最中は予想通り最高だった。鼻に抜けていく爽やかな香りも、味わいがあるのに綺麗な風味もぐっと際立っている。
冷やした分だけするする飲めてしまうが廃業した酒蔵の貴重な酒らしいし。ペースはゆっくり落としてだ。なるほどこれは普通酒だから後味が少し残るが純米大吟醸なら本当に水みたいに飲める酒だったろう。
残りは一合ほど。うなぎのタレの染みた焼きおにぎりを肴に大切に飲むことにした。
焼きおにぎりにうなぎは入っていない。これはタレの味を楽しむやつだな。うなぎの脂と旨みの溶け込んだ甘辛いタレが、冷めてもこんがり焼かれて表面がカリッとしたままの焼きおにぎりを極上品に仕立て上げている。
最中が爽やかな酒だから濃いめのタレ味の焼きおにぎりにとても合う。
焼きおにぎりは二個入っていた。晩酌には一個だけ食べて残り一個は明日の朝温め直して茶漬けにしよう、と思って僕は最中を飲み干した。
その直後。
――これでいい。自分は正しいことをした。
「………………?」
何かが自分の中でカチリと嵌まる感覚と同時に、頭の中でそのような声が聞こえた。
僕自身の声だが自分の思考とも言い難い。ポンとその声だけが唐突に頭の中に響いたからだ。
無視はできなかった。確信のある強い言葉だったからだ。
「ふぁ……まだ十時……」
スマホの日記アプリにその〝声〟をメモした途端、急激な眠気に襲われた。
ま、待て、今日はこの後あの御米田ゲンキを思い返して反省をまとめようと思って……いた、のに………………
NEXT→八十神はようやくお社長の正体に気づいた!(遅ッ)
※御米田パパが包容力ありすぎな件()
ざまぁされない系ざまぁでした……(後悔と反省をずーっと思い知らされるパターン)
「………………」
「もちろんユウキの親しい人たちは企画を盗まれたというユウキの言葉を信じている。だけど確実な証拠を握ってる者はまだ誰もいないようだ。君はそこは安心していい」
この男は何を言おうとしているのだろうか?
僕はひたすら鰻重に箸を伸ばしつつ話を聞くしかできなかった。
「君がユウキのコンペ企画を盗用したことを事実として知っているのは、まず被害者のユウキ。そして私だ。なぜかといえば、あの企画はそもそも父親の私が息子のあの子に助言したものだったからね」
「……どの辺りが、でしたか?」
もうすべてバレているなら取り繕う必要もないし、遅い。
空いた御米田ゲンキのグラスに最中を注いで僕は訊いた。
「元の企画書にはタイ支社立ち上げ後は現地の外資系コミュニティとの提携案があったろう?」
「……ええ。現地の日本人会とは別のグループでしたね」
「あれね、私がリーダーシップを取って立ち上げた外資リタイヤ組のグループなのだよ。不思議じゃないか? 私たちのグループはクローズドでまだ公に発表をしていなかったのに」
「ああ……なるほど……」
そうか、そういうことか。僕は箸を置いて片手で顔を覆った。
「私は息子のユウキには企画書にグループ名と所在地を記載する許可を出していた。だが八十神アキラ。私は君とは面識がなかったし、許可を出した覚えもない」
「……ええ」
「だが、さっきも言ったように私は君に大きな恩がある。だからこの話はもうおしまい。不問にしよう」
「ですが、ゲンキさん」
「……まあ気持ちの整理はできないよね。苦しい気持ちがあるなら、それが君への罰ってことにしようか」
不問にするとは言いながら、御米田ゲンキはその後少しだけ僕にチクリとお説教を刺した。
「社内の上層部だって、君とユウキの間に何もなかったなんて思っちゃいないさ。だが君へ直接聞き取りして事実確認するより放置を選んだようだよ」
「ゲンキさんは、なぜそこまで我が社の内部に詳しいのですか?」
「みどりさんの情報網もあるし、今の常務は私の大学時代の後輩なんだ。帰国したときは銀座で一緒に飲むし、普段もスマホでメッセージのやりとりをしてたから」
くそ、御米田め。あの野郎、縁故もいいところじゃないか。よくこの環境で平気で会社を辞めたもんだ。
「なぜかわかるかい? 優秀な君を潰したくなかったからだ。だが君はどうなんだね? 証拠はなくても周りはそこそこ君の所業を知っている。その中で君はこれからも生きて行かねばならない」
言われてハッとなった。
これからも同じ会社で勤めていくとして。何か社内で目立てば、コンペ当時の状況を知る者は必ず御米田の退職の経緯と絡めて僕がやらかしたことを思い出すだろう。
御米田ゲンキの言葉が正しければ、僕が御米田の企画を盗んだ事実の裏は取れなかったらしい。だがそのような疑いが僕にあったことは必ず誰かが思い出すに違いない。
実際、御米田が退職してしばらくして、社内システムへのログイン方式が変わった。IDとパスワード入力から、社員証のICチップをスマホアプリでタッチ+指紋認証方式に変更された。
もう僕と同じやり方で他人のパソコンからデータを盗むことは誰にもできなくなった。
コンペは年に何回か開催されている。参加者は部署の上司が企画の進捗をかなり詳しくチェックするようになった。企画被りとの言い訳ももうできなくなる。
「今の状況だと、お前が悪者だ、と指を指されて断罪されるより精神的に堪えるのではないかな。もちろん会社を辞めて逃げたっていい。だが、君の会社は総合商社だけあってさまざまな業界と繋がっている」
「僕を脅しているんですか」
「いいや? 逆だよ。私はこのまま君が勤め続けることを望むね。……ここだけの話、私は息子から君の話はたびたび聞いていたんだ。ライバルだと言ってたけど社会人になって良い友人ができたと思っていたんだよね」
「………………」
「君がしたことは良くないことだったけど。たった一回の過ちで人生すべて潰してしまうのも何か違うなと私は思うから」
その後は他愛のない話で鰻重を食い終え、締めの肝吸いでお開きとなった。勘定は相手持ちだ。彼は本当にこれは恩返しだからと言って譲らなかった。
「あ。そうだ八十神君。アドレス交換しよう。スマホアプリの」
「えっ?」
まさかそんなことを言われると思ってなかった僕は、御米田ゲンキに促されるままにメッセージアプリのアドレス交換をした。
彼のプロフィールアイコンは不敵な笑顔と、頭には王冠イラストの加工付き。その辺のモブがやったら笑い物だが御米田ゲンキにはよく似合っていた。
浅草駅前のホテルに泊まるという御米田ゲンキを、僕は深く深く腰を折って見送った。
……完敗だ。御米田の父親は本当にいい男だった。ああいう人物を格が違うというのだろう。
あんな父を持って御米田は幸せ者だな……羨ましいことだ。
うなぎ屋を出ると八時過ぎ。一応、米俵社長の会社に連絡を入れるともう退社した後だ。
遅番の社員によると報告は明日で良いとのことなので、自社の上司宛てに簡単に接待終わりの報告メッセージだけ送ってそのまま赤羽のアパートに直帰した。
「……しかも土産まで貰ってしまったし」
1LDKのキッチンのテーブルには御米田ゲンキに貰った日本酒最中の残りを瓶ごとと、包んでもらった焼きおにぎりがある。
まだ夜の九時前だ。これは晩酌するしかあるまい。
先にシャワーを浴びてる間に瓶とグラスを冷凍庫に突っ込んでおく。出てきた頃にはどちらも冷え冷えだ。
冷酒の最中は予想通り最高だった。鼻に抜けていく爽やかな香りも、味わいがあるのに綺麗な風味もぐっと際立っている。
冷やした分だけするする飲めてしまうが廃業した酒蔵の貴重な酒らしいし。ペースはゆっくり落としてだ。なるほどこれは普通酒だから後味が少し残るが純米大吟醸なら本当に水みたいに飲める酒だったろう。
残りは一合ほど。うなぎのタレの染みた焼きおにぎりを肴に大切に飲むことにした。
焼きおにぎりにうなぎは入っていない。これはタレの味を楽しむやつだな。うなぎの脂と旨みの溶け込んだ甘辛いタレが、冷めてもこんがり焼かれて表面がカリッとしたままの焼きおにぎりを極上品に仕立て上げている。
最中が爽やかな酒だから濃いめのタレ味の焼きおにぎりにとても合う。
焼きおにぎりは二個入っていた。晩酌には一個だけ食べて残り一個は明日の朝温め直して茶漬けにしよう、と思って僕は最中を飲み干した。
その直後。
――これでいい。自分は正しいことをした。
「………………?」
何かが自分の中でカチリと嵌まる感覚と同時に、頭の中でそのような声が聞こえた。
僕自身の声だが自分の思考とも言い難い。ポンとその声だけが唐突に頭の中に響いたからだ。
無視はできなかった。確信のある強い言葉だったからだ。
「ふぁ……まだ十時……」
スマホの日記アプリにその〝声〟をメモした途端、急激な眠気に襲われた。
ま、待て、今日はこの後あの御米田ゲンキを思い返して反省をまとめようと思って……いた、のに………………
NEXT→八十神はようやくお社長の正体に気づいた!(遅ッ)
※御米田パパが包容力ありすぎな件()
ざまぁされない系ざまぁでした……(後悔と反省をずーっと思い知らされるパターン)
515
お気に入りに追加
2,405
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?
澤檸檬
ファンタジー
旧題 努力=結果
異世界の神の勝手によって異世界に転移することになった倉野。
実際に異世界で確認した常識と自分に与えられた能力が全く違うことに少しずつ気付く。
異世界の住人はレベルアップによってステータスが上がっていくようだったが、倉野にだけレベルが存在せず、行動を繰り返すことによってスキルを習得するシステムが採用されていた。
そのスキル習得システムと異世界の常識の差が倉野を最強の人間へと押し上げていく。
だが、倉野はその能力を活かして英雄になろうだとか、悪用しようだとかそういった上昇志向を見せるわけでもなく、第二の人生と割り切ってファンタジーな世界を旅することにした。
最強を隠して異世界を巡る倉野。各地での出会いと別れ、冒険と楽しみ。元居た世界にはない刺激が倉野の第二の人生を彩っていく。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる