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第一章 異世界転移、村ごと!
その頃、日本では~side元後輩2-2 ※ざまぁフラグ回
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もちろん会社の上層部はユウキ先輩のメール内容を重く見て、調査に乗り出した。
ところが、だ。そのまま八十神破滅ルートかと思ったら、そうはならなかった。
ユウキ先輩のメール内容を元に、システム部はまず先輩の削除されたという企画書データを復元しようとした。
だが原因不明のエラーが出て、八十神がコピペして盗んだことも、削除したことも記録が確認できなかったそうで。
じゃあ監視カメラのほうは?
こっちも確認できなかったそうだ。たまたま八十神が営業部に来てユウキ先輩のデスクに来たときに限って、取り扱い商品のサンプルの段ボールが手前にあって何をしているか判別できなかったらしい。
チッ。八十神め、運のいい男っスね。いや、わかっててやった……か?
そんで証拠不十分のため、八十神へはひとまず本人への注意も何もしなかった、いやできなかったらしい。
ただ、告発したのはあのユウキ先輩だ。年上受け抜群のあの仕事超できる男が急に退職して、しかも告発内容が内容だったわけで。
事実確認こそできなかったけど、重大なトラブルがあったことは会社側もしっかり把握しただろ。
少なくとも八十神の、上層部からの印象が落ちたの間違いなしっス。
八十神は相変わらず社内で増長してるし。くそつまんねえ。ほんと潰れろあの男。むしろもげろ。腐れ落ちろ。
「いつまでも澄ましたツラしてられると目障りっスよねえ」
会社帰り、オレは社内のユウキ先輩派閥の友人たちとファミレスでプチ報告会だ。
あーあ。先輩がいたら一緒にワイン飲みながら今日もまったり趣味のソシャゲの話をしたり、仕事のコツとか聞けてたのになあ。
あの人、趣味の範囲が広くてオレみたいなゆとりの陰キャも輪に入れてくれるからほんと……ありがたい先輩だったよ。
「あ。先輩が彼女さんに振られた理由、指輪がお目当ての高級ブランドじゃなかったからだってメッセ送っとこ」
「ちょっと鈴木君ー。それ御米田君にとどめ刺しちゃわない?」
「いいじゃないっスか。金かかる女と切れてよかったですね、と」
メッセージ送信。あ、既読付いた。……あれ? 返信がない?
……来た。なんか泣き崩れて溶けてるスライムのスタンプが来たんスけど。
そこからもう先輩からのメッセージは止まってしまった。
ピコン!
代わりに仕事の取引先のお偉いさんからのメッセージが入った。これは……御米田先輩がお気に入りだった会社のお社長だ。
東南アジア一帯で化粧品事業を手掛けている、日本の中堅企業の社長でもある。
『ちょっと後輩君! あちしの可愛いユウキ君が会社やめたってどゆこと!?』
ああ、ようやく情報が届いたんスね。
オレは怒ってるパンダのスタンプを送ってきた、そのお社長のメッセージをその場で御米田派閥の皆に回覧した。
「ユウキ先輩の担当取引先のいくつかは、八十神さんが引き継ぐはずよ。この社長も多分、八十神さんの担当になるわね」
「皆、どう思います?」
今日アフターファイブにイタリアン系のファミレスに集ったのはオレ入れて四人。八十神が嫌いな男三人と、ユウキ先輩と元カノさん共通の友人の女の先輩が一人。
メッセージを送ってきたお社長はかなり癖のある人だ。影響力の強い人なので言動には気をつけろと会社側から言われていたが……
「お社長にユウキ先輩のこと、教えちまえ」
「それな」
ナイスアイデアが飛び出した。オレはマルゲリータピザを食う手を止めて、お社長宛に長文メッセージを打って送った。一応社内の秘密は上手くボカしたよ。
ピコン!
返信は数秒後すぐに来た。……えっ。
『あんた、今どこにおるの? 話聞きたいから場所教えんしゃい』
「どうしよう。お社長、ここに来るって」
「「「どういうこと!?」」」
とても楽しい予感がする……!
ところが、だ。そのまま八十神破滅ルートかと思ったら、そうはならなかった。
ユウキ先輩のメール内容を元に、システム部はまず先輩の削除されたという企画書データを復元しようとした。
だが原因不明のエラーが出て、八十神がコピペして盗んだことも、削除したことも記録が確認できなかったそうで。
じゃあ監視カメラのほうは?
こっちも確認できなかったそうだ。たまたま八十神が営業部に来てユウキ先輩のデスクに来たときに限って、取り扱い商品のサンプルの段ボールが手前にあって何をしているか判別できなかったらしい。
チッ。八十神め、運のいい男っスね。いや、わかっててやった……か?
そんで証拠不十分のため、八十神へはひとまず本人への注意も何もしなかった、いやできなかったらしい。
ただ、告発したのはあのユウキ先輩だ。年上受け抜群のあの仕事超できる男が急に退職して、しかも告発内容が内容だったわけで。
事実確認こそできなかったけど、重大なトラブルがあったことは会社側もしっかり把握しただろ。
少なくとも八十神の、上層部からの印象が落ちたの間違いなしっス。
八十神は相変わらず社内で増長してるし。くそつまんねえ。ほんと潰れろあの男。むしろもげろ。腐れ落ちろ。
「いつまでも澄ましたツラしてられると目障りっスよねえ」
会社帰り、オレは社内のユウキ先輩派閥の友人たちとファミレスでプチ報告会だ。
あーあ。先輩がいたら一緒にワイン飲みながら今日もまったり趣味のソシャゲの話をしたり、仕事のコツとか聞けてたのになあ。
あの人、趣味の範囲が広くてオレみたいなゆとりの陰キャも輪に入れてくれるからほんと……ありがたい先輩だったよ。
「あ。先輩が彼女さんに振られた理由、指輪がお目当ての高級ブランドじゃなかったからだってメッセ送っとこ」
「ちょっと鈴木君ー。それ御米田君にとどめ刺しちゃわない?」
「いいじゃないっスか。金かかる女と切れてよかったですね、と」
メッセージ送信。あ、既読付いた。……あれ? 返信がない?
……来た。なんか泣き崩れて溶けてるスライムのスタンプが来たんスけど。
そこからもう先輩からのメッセージは止まってしまった。
ピコン!
代わりに仕事の取引先のお偉いさんからのメッセージが入った。これは……御米田先輩がお気に入りだった会社のお社長だ。
東南アジア一帯で化粧品事業を手掛けている、日本の中堅企業の社長でもある。
『ちょっと後輩君! あちしの可愛いユウキ君が会社やめたってどゆこと!?』
ああ、ようやく情報が届いたんスね。
オレは怒ってるパンダのスタンプを送ってきた、そのお社長のメッセージをその場で御米田派閥の皆に回覧した。
「ユウキ先輩の担当取引先のいくつかは、八十神さんが引き継ぐはずよ。この社長も多分、八十神さんの担当になるわね」
「皆、どう思います?」
今日アフターファイブにイタリアン系のファミレスに集ったのはオレ入れて四人。八十神が嫌いな男三人と、ユウキ先輩と元カノさん共通の友人の女の先輩が一人。
メッセージを送ってきたお社長はかなり癖のある人だ。影響力の強い人なので言動には気をつけろと会社側から言われていたが……
「お社長にユウキ先輩のこと、教えちまえ」
「それな」
ナイスアイデアが飛び出した。オレはマルゲリータピザを食う手を止めて、お社長宛に長文メッセージを打って送った。一応社内の秘密は上手くボカしたよ。
ピコン!
返信は数秒後すぐに来た。……えっ。
『あんた、今どこにおるの? 話聞きたいから場所教えんしゃい』
「どうしよう。お社長、ここに来るって」
「「「どういうこと!?」」」
とても楽しい予感がする……!
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