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そうだ、留学しよう~アケロニア王国編
平民主婦の成り上がり物語2
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王都の復興作業が続いた半年間、ほとんど毎日がお祭り状態で、ようやく落ち着いた頃に怪獣を倒した若い主婦が叙爵、つまり国王から爵位を授けられた。
位は伯爵。
当時のカレイド王国では庶民が家名を持つ例は少なく、彼女も名前と出身地しか名乗れるものを持っていなかった。
『聖剣の女勇者よ。何か希望する家名はあるか?』
と国王に問われて、勇者となった若い主婦は、亡き夫が好きだったプディングがいいと答えた。
自分が勇気を出して戦えたのは、愛する夫が胸に、そして彼との間にもうけた忘れ形見の息子を背負っていたからだと言って。
そして以降、女勇者はプディング女伯爵となった。
ついでにいえば、このときの女勇者の言葉に感動、もとい胸キュンした年下の国王がその場で彼女に求婚したというおまけ付き。
女伯爵となった女勇者は、自分が子持ちの寡婦であることを理由に断ったが、勇者誕生に沸く国民を味方にした国王に押し切られて王妃となった。
このような歴史上の出来事があるため、カレイド王国は王政国家の中では例外的に身分差別が少ない。
王妃となった元平民の女勇者は年下の国王との間にたくさんの子供を産んで、その子供たちや孫たちは、王族、貴族、平民と様々な相手と結婚して子孫を作っていったためだ。
女勇者の成り上がりは、現国王の王妃が平民でも王妃になれた理由の一つである。
ただし、彼女メイ王妃の場合は他国の出身者だったことがネックだった。
それに、かつての女勇者ですら己が平民の寡婦であることを理由に当時の国王からの求婚を何度も断っているのに、遠慮もせずにダイアン国王とそのまま婚姻を結んだことには庶民からも評判が悪かった。
(様式美ってやつよ。形だけでも一、二度断ってたら良かった。プディング女伯爵のようにね)
女勇者の先例がありながら活かせなかったメイ王妃には、結婚当時も周囲からの失望が大きかったと聞く。
何にせよ一ヶ月の短期留学の期間中は、国での煩わしいことを忘れよう。
--
聖なる魚切り包丁(魚特攻)、一応分類は聖剣。文献では「聖剣(包丁)」とか書かれて他国人には二度見される
位は伯爵。
当時のカレイド王国では庶民が家名を持つ例は少なく、彼女も名前と出身地しか名乗れるものを持っていなかった。
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そして以降、女勇者はプディング女伯爵となった。
ついでにいえば、このときの女勇者の言葉に感動、もとい胸キュンした年下の国王がその場で彼女に求婚したというおまけ付き。
女伯爵となった女勇者は、自分が子持ちの寡婦であることを理由に断ったが、勇者誕生に沸く国民を味方にした国王に押し切られて王妃となった。
このような歴史上の出来事があるため、カレイド王国は王政国家の中では例外的に身分差別が少ない。
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ただし、彼女メイ王妃の場合は他国の出身者だったことがネックだった。
それに、かつての女勇者ですら己が平民の寡婦であることを理由に当時の国王からの求婚を何度も断っているのに、遠慮もせずにダイアン国王とそのまま婚姻を結んだことには庶民からも評判が悪かった。
(様式美ってやつよ。形だけでも一、二度断ってたら良かった。プディング女伯爵のようにね)
女勇者の先例がありながら活かせなかったメイ王妃には、結婚当時も周囲からの失望が大きかったと聞く。
何にせよ一ヶ月の短期留学の期間中は、国での煩わしいことを忘れよう。
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聖なる魚切り包丁(魚特攻)、一応分類は聖剣。文献では「聖剣(包丁)」とか書かれて他国人には二度見される
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