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再びのループ~真実の愛を破壊する

カレイド王国の雑草会2

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 雑草会とは、始祖と中興の祖の女勇者の血筋で構成されている、血筋チェッカーの魔導具で身体に血筋順位の数字が出る約千人で構成された団体のことだ。

 平民出身から勇者に目覚めて女伯爵となり王妃まで成り上がった女勇者の偉業を讃えて、平民の比喩でもある雑草を冠したのが会の由来と言われている。

 会員は王族、貴族、平民とまんべんなくいて、近い遠いの差はあっても全員が親戚だ。

 当然、王家は全員が雑草会の会員上位ナンバーのはずなのだが、現国王が他国の平民女性を王妃にしたことで、生まれたバルカス王子の身体に数字は表れなかった。

 その上、そのメイ王妃の懇願によって、王家はただの一王子に過ぎないバルカス王子に王太子を名乗らせている。

 これらの暴挙により、現在の王家と、その親戚集団であるはずの雑草会は険悪な仲となっている。

 それは血筋順位一位のマーゴットも例外ではなかった。
 父公爵が存命中は、距離を置いていたという程度ではあったのだが。



 ともあれ、雑草会の会員で法務省の担当官テオドアはマーゴットの訴えを聞いた上で、国内の貴族法を丹念に調べ上げてくれた。

 結果、マーゴットはバルカス王子の不貞相手のポルテに対し、高位貴族として制裁を加えることができると判明した。

「その際、国王夫妻に許可を求めておくと良いでしょう。『バルカス王子の不貞相手に、婚約者の自分が制裁を下すが良いか?』と」
「でも、そんな。陛下たちが許可を下さるでしょうか?」

 特に王妃はバルカス王子を溺愛していて、ポルテとの恋人関係も推奨しているらしいのだが。

「許可しないわけにはいかないでしょうね。本来なら両親である陛下たちこそが嫡男の王子殿下を諌めなければならないところを、婚約者のマーゴット様本人から指摘されてしまうわけですから」

 下手に誤魔化そうものなら、国王と王妃の名誉に関わる。

「また、制裁を加える場には王家からの見届け人を派遣してくださるようお願いしてください。もちろん、本件の相談案件の担当官である私も当日は同席します」


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