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再びのループ~真実の愛を破壊する
バルカス王子の横領と悪辣3
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騎士団長の三男と諜報部の伯爵家令嬢、それに有力な同盟国のグレイシア王女。
三人から報告を受けた壮年の学園長は倒れそうになっている。
「な、何と……確かにバルカス王子の素行不良は報告に上がってたが、そこまで愚かだったとは」
今の学園長は王家の遠縁で、カレイド王国の血筋順位は200番台。
もちろん、世間では王太子と呼ばれているバルカスがただの王子であることや、王太女がマーゴットであることは知っている。
「学園長殿。このままマーゴットを登校させていては身の危険に晒される。しばらく、自宅学習させてはどうか」
「グレイシア王女殿下……そうですな、それが良いでしょう。もちろん許可を出します」
グレイシア王女の口添えで、マーゴットは学園の最終学年の就学期間中の不登校許可を得た。
「バルカス王子に権力はないが、取り巻きたちの性質が悪い。自宅に悪漢が押し寄せて来ないとも限りません……俺はこの後、すぐ騎士団長の父の元へ向かいます。マーゴット嬢の自宅を騎士団が警備するよう計らいますので」
そう言って騎士団長の三男は早退していった。
さて残されたマーゴットたちはといえば。
もう教室に戻って授業を受ける気分ではなくなってしまったので、グレイシア王女と伯爵令嬢の三人で食堂のカフェスペースでお茶を飲んで気晴らしすることにした。
「マーゴット。お前は両親も亡くなられているし、現状が良くない。しばらく私の国に避難しないか」
グレイシア王女は、円環大陸の北西部で魔法魔術大国と呼ばれるアケロニア王国の出身だ。
カレイド王国は北部にあるから、馬車で数日もあれば到着できる。
「それはいざというときにお願いしたいわ」
「……マーゴット。遠慮なんて要らないんだぞ? 私とお前の仲じゃないか」
仲、即ちどちらも自国の次期女王という共通した立場仲間ということ。
マーゴットは困ったように笑った。
「とんだクズ男だって、思うでしょ? でも好きなの。見捨てられない。笑ってもいいわよ?」
それはとても自虐的な微笑みだった。
「マーゴット。お前が自分でわかっているなら、私はもう何も言わない。だが一人で抱え込むな。何かあればすぐ連絡を寄越してほしい」
それからマーゴットは学園に登校することがなくなり、親友のグレイシア王女も間もなく後ろ髪を引かれる気分で留学期間を終え、帰国していった。
三人から報告を受けた壮年の学園長は倒れそうになっている。
「な、何と……確かにバルカス王子の素行不良は報告に上がってたが、そこまで愚かだったとは」
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もちろん、世間では王太子と呼ばれているバルカスがただの王子であることや、王太女がマーゴットであることは知っている。
「学園長殿。このままマーゴットを登校させていては身の危険に晒される。しばらく、自宅学習させてはどうか」
「グレイシア王女殿下……そうですな、それが良いでしょう。もちろん許可を出します」
グレイシア王女の口添えで、マーゴットは学園の最終学年の就学期間中の不登校許可を得た。
「バルカス王子に権力はないが、取り巻きたちの性質が悪い。自宅に悪漢が押し寄せて来ないとも限りません……俺はこの後、すぐ騎士団長の父の元へ向かいます。マーゴット嬢の自宅を騎士団が警備するよう計らいますので」
そう言って騎士団長の三男は早退していった。
さて残されたマーゴットたちはといえば。
もう教室に戻って授業を受ける気分ではなくなってしまったので、グレイシア王女と伯爵令嬢の三人で食堂のカフェスペースでお茶を飲んで気晴らしすることにした。
「マーゴット。お前は両親も亡くなられているし、現状が良くない。しばらく私の国に避難しないか」
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