【魔導具師マリオンの誤解】 ~陰謀で幼馴染みの王子に追放されたけど美味しいごはんともふもふに夢中なので必死で探されても知らんぷりします

真義あさひ

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「ピュイッ、ピュイッ」

 眷属の綿毛竜コットンドラゴンを撫でもふりながら、青銀の髪の美丈夫がタイアド王国から届いた手紙を読んでいた。

 手紙の送り主はブルー男爵ダリオン。
 かつて、男が子守りになるよう綿毛竜コットンドラゴンの卵を託したマリオンの祖父だ。
 男はマリオンとダリオンのブルー男爵家の一族とは昔から縁がある。

「ほう……。タイアド王国か。久し振りに聞いたな」

 手紙には新聞記事の切り抜きも同封されていて、記事の補足が欄外にいくつか書き込まれている。

「エドアルド第二王子が剣聖に覚醒の見込み有り、か。ならば試練を用意せねばなるまい」

 久々に楽しいことになりそうだと微笑みながら、男は返事を書くため側近にペンと便箋の用意を申し付けた。




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