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帰国前日にクラウドファンディング
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カレンのラスベガス4泊5日旅行、最終日の帰国前日。
買い物や観光もあらかた済ませて午後の早いうちにホテルへ戻ってきて、今日はもうホテル内のブッフェレストランで夕飯を楽しめば終わりだった。
レストランのディナーの時間帯になるまで部屋のベッドでごろごろしていた。
スマホでTwitterのタイムラインを追っていると、流れてきた新規立ち上げのクラウドファンディングサービスが目に留まった。
「ふーん。サービス開始記念で利用手数料が無料かあ」
モデルケースで何千万円を資金集めできるかも? な事例に夢が膨らむ。
スマホでかんたんにポチポチ入力していくだけでOKなので、ついアカウント登録をしてしまったわけだ。
「制作部屋を借りてー。材料だってまとめ買いしちゃうんだから。高くて買えなかった金線銀線に貴石クズも買い放題ー。参考資料もー。工具も百均のじゃなくてちゃんとしたプロ仕様のやつ揃えたいな」
集めた資金の使い道をポチポチ、どんどんスマホで入力していく。
カレンは自分の自作アクセサリー作りを応援してもらうためのクラウドファンディングを立ち上げたのだ。
所要時間、何だかんだで30分ほどかかってしまった。
ハッとしてスマホの時刻を見ると、ホテルのレストランのディナー開始時間が迫っている!
「一番に行くわ! 今日こそスイーツ全種類制覇したいもの!」
ピラミッド型の巨大ホテル、ルクソールホテルのブッフェレストランに行くと、既にディナー時間の利用客が半分ほど入っていた。
ここはホテル全館、エジプト遺跡のような内装になっていて面白い。
レストランもまるでピラミッド内部のファラオの古代遺跡のような柱や壁、装飾で彩られている。
「シュリンプカクテル、美味しかったのよねー。ロブスターも外せないわ。カニ……は旅行中だからやめておこうかな」
ブッフェには各国ごとの名物料理が並んでいる。
ラスベガスはアメリカなので、やはりアメリカ料理が多い。
ピザは分厚めの生地にトマトソースとチーズがたっぷりで食べ応えがあって美味しい。
パスタ系は大味だが、マカロニチーズだけはものすごく癖になる味だった。
そしてお隣、南米メキシコのタコスやブリトーは自分で具やソースをチョイスできるのだが、とにかくフレッシュで日本では食べたことがない美味しさだった。
焼いた海老やビーフステーキのタコスはマストだ。
「いっけない、ちょっと盛りすぎた?」
おひとりさま旅行なものだから、同行者に遠慮する必要もなく、誰もカレンを知らない場所だから人目を気にする必要もない。
これでもか、と料理を盛り盛りにした皿とドリンクを持って席を確保した。
ピコン!
ちょっと大味だがじゅうぶん美味しい料理に舌鼓を打っていると、スマホの通知音が鳴った。
ピコン、ピコン、ピコン……
「え、なに?」
通知音が止まらない。
確認すると、何と先ほどカレンがプロジェクトを立ち上げたクラウドファンディングの『自作レジンアクセ作家のプロで食べていきたい』への支援が入ったのだ。
最初の支援金額は3千円。
そこから矢継ぎ早に、次から次へと支援が相次いだ。
支援の際に支援者から送られたコメントがある。
『湖面の水色アクセサリーほしいです!』
『レジンの中に浮かぶ銀色の花、すごいステキ!』
どうも、カレンが作ったアクセサリー見本の写真「水色の湖面に咲く銀の花」ペンダントのシリーズを気に入ってくれた人が支援してくれているらしい。
1万円以上支援してくれた人には、ペンダントかキーホルダーをプレゼント設定にしてあった。
そこからはもう、食事の味なんてわからなくなっていた。
あれよあれよという間に、当初の目標金額の10万円を突破。
まだ通知は鳴り止まない。
買い物や観光もあらかた済ませて午後の早いうちにホテルへ戻ってきて、今日はもうホテル内のブッフェレストランで夕飯を楽しめば終わりだった。
レストランのディナーの時間帯になるまで部屋のベッドでごろごろしていた。
スマホでTwitterのタイムラインを追っていると、流れてきた新規立ち上げのクラウドファンディングサービスが目に留まった。
「ふーん。サービス開始記念で利用手数料が無料かあ」
モデルケースで何千万円を資金集めできるかも? な事例に夢が膨らむ。
スマホでかんたんにポチポチ入力していくだけでOKなので、ついアカウント登録をしてしまったわけだ。
「制作部屋を借りてー。材料だってまとめ買いしちゃうんだから。高くて買えなかった金線銀線に貴石クズも買い放題ー。参考資料もー。工具も百均のじゃなくてちゃんとしたプロ仕様のやつ揃えたいな」
集めた資金の使い道をポチポチ、どんどんスマホで入力していく。
カレンは自分の自作アクセサリー作りを応援してもらうためのクラウドファンディングを立ち上げたのだ。
所要時間、何だかんだで30分ほどかかってしまった。
ハッとしてスマホの時刻を見ると、ホテルのレストランのディナー開始時間が迫っている!
「一番に行くわ! 今日こそスイーツ全種類制覇したいもの!」
ピラミッド型の巨大ホテル、ルクソールホテルのブッフェレストランに行くと、既にディナー時間の利用客が半分ほど入っていた。
ここはホテル全館、エジプト遺跡のような内装になっていて面白い。
レストランもまるでピラミッド内部のファラオの古代遺跡のような柱や壁、装飾で彩られている。
「シュリンプカクテル、美味しかったのよねー。ロブスターも外せないわ。カニ……は旅行中だからやめておこうかな」
ブッフェには各国ごとの名物料理が並んでいる。
ラスベガスはアメリカなので、やはりアメリカ料理が多い。
ピザは分厚めの生地にトマトソースとチーズがたっぷりで食べ応えがあって美味しい。
パスタ系は大味だが、マカロニチーズだけはものすごく癖になる味だった。
そしてお隣、南米メキシコのタコスやブリトーは自分で具やソースをチョイスできるのだが、とにかくフレッシュで日本では食べたことがない美味しさだった。
焼いた海老やビーフステーキのタコスはマストだ。
「いっけない、ちょっと盛りすぎた?」
おひとりさま旅行なものだから、同行者に遠慮する必要もなく、誰もカレンを知らない場所だから人目を気にする必要もない。
これでもか、と料理を盛り盛りにした皿とドリンクを持って席を確保した。
ピコン!
ちょっと大味だがじゅうぶん美味しい料理に舌鼓を打っていると、スマホの通知音が鳴った。
ピコン、ピコン、ピコン……
「え、なに?」
通知音が止まらない。
確認すると、何と先ほどカレンがプロジェクトを立ち上げたクラウドファンディングの『自作レジンアクセ作家のプロで食べていきたい』への支援が入ったのだ。
最初の支援金額は3千円。
そこから矢継ぎ早に、次から次へと支援が相次いだ。
支援の際に支援者から送られたコメントがある。
『湖面の水色アクセサリーほしいです!』
『レジンの中に浮かぶ銀色の花、すごいステキ!』
どうも、カレンが作ったアクセサリー見本の写真「水色の湖面に咲く銀の花」ペンダントのシリーズを気に入ってくれた人が支援してくれているらしい。
1万円以上支援してくれた人には、ペンダントかキーホルダーをプレゼント設定にしてあった。
そこからはもう、食事の味なんてわからなくなっていた。
あれよあれよという間に、当初の目標金額の10万円を突破。
まだ通知は鳴り止まない。
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