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7日間の時間の潰し方
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「就職してから、全然旅行とか行けてなかったから。7日間の間、遊んで来ようと思って」
と言ってカレンが出かけることにしたのが、何と北米ラスベガスだった。
いきなりメッセージアプリでセイジ宛に連絡が入ってきたと思ったら、もう翌日は成田に向かうそうだ。
「おいおい。そんな直前でよくツアーの予約取れたな?」
「インターネット様々よ。直前割が使えたからわりとお得だったの」
その日は就業後、いろいろカレンがお騒がせしていた小料理屋ひまらやで、セイジ一人で来店して店主のオヤジさんたちに報告することになった。
「海外には行けなくても、パスポートの更新だけはしてたんですって」
いきなりラスベガスに行くと聞いて、店主のオヤジさんも驚いていた。
「へえ、カレンちゃんて英語喋れる人だったのかい?」
「大卒ですけどサッパリらしいですよ。旅行英会話の本買ってから行くって言ってました」
「あはは」
帰国したらまた土産を持って、ひまらやを訪れたい旨、伝言しに来たセイジだった。
日本の成田空港からラスベガスへは約11時間、飛行機に乗ることになる。
途中、乗り継ぎでロサンゼルスを経由して一度飛行機を降りて乗り換える必要があった。
「あ、あのね、いま途中のロサンゼルス空港なんだけど、に、荷物、見当たらなくて」
翌日、昼間に半泣きで同級生のケータイに電話が入った。メッセージアプリの通話機能だからお互い無料なのが嬉しい。
だがその声は涙声だった。
「えっ。青山、おまえ何やってんだよ!?」
航空会社に問い合わせようにも、英会話がほとんどできないので話が通じないという。
「おい、俺、英語ちょっとできるから荷物受け取りの近くの職員捕まえて電話代われ!」
セイジは学生時代のうちに就職に備えてビジネス英会話はマスターしていたので、電話でカレンの代わりに確認してやることにした。
すると、乗り継ぎの場合は荷物を乗客に返さずそのまま飛行機から飛行機に載せ変えるので無問題とのこと。
「ロサンゼルスで荷物を受け取る必要はないってさ。受け取りはラスベガスで。大丈夫か?」
「だ、大丈夫……多分……」
電話を切ったあと、思わず呟いてしまった。
「ダメだあの女。俺がいてやらないと!」
どっと、弁護士事務所の所内が大爆笑だ。
「早く結婚したほうがいい」
「お互い28でしょ? いい感じー」
「まだ告白もしてません!」
その流れで、セイジはカレンを中学のときから好きだったことを白状させられてしまった。
「もおおー! まだ本人にも告白できてないのに!」
青山カレンと藤原セイジは中学時代の同級生だ。
中学のとき、セイジがクラスメイトたちに苛められていたのを助けてくれて、しかもクラスの輪の中に馴染めるよう手助けしてくれた恩人でもある。
「地元の公立中だったから、先生もそんなに親身になってはくれなくて。体育の授業でペア演習するときなんか、おれ一人だけハブられるんですよね。そんなとき組んでくれたのがあいつなんですよ」
結局、中学のときは卒業するまでの間に告白などはできなかった。
まさか十年以上も経って、地元のスーパー銭湯で再会したときは本当に驚いた。
「そういう縁は大事にしたいよね。応援してるよ、頑張って」
所長からのありがたいお言葉である。
ラスベガスから帰ってきたらカレンは次の就職先が見つかるまで、最大半年間はこの事務所で事務バイトをすることになる。
「はは……こりゃプレッシャーかかるなあ」
何せ事務所の職員、全員にセイジの想いが知られてしまったわけで。
--
日本人に人気のハワイ、韓国、台湾、香港、東南アジアなどは直通便あるけど、ラスベガスは乗り継ぎあるので日本人はそんなには行かないそう。
ロサンゼルス空港で「私の荷物は!?( ´•̥ω•̥`)」と死にそうになったのは作者の体験談ですw
と言ってカレンが出かけることにしたのが、何と北米ラスベガスだった。
いきなりメッセージアプリでセイジ宛に連絡が入ってきたと思ったら、もう翌日は成田に向かうそうだ。
「おいおい。そんな直前でよくツアーの予約取れたな?」
「インターネット様々よ。直前割が使えたからわりとお得だったの」
その日は就業後、いろいろカレンがお騒がせしていた小料理屋ひまらやで、セイジ一人で来店して店主のオヤジさんたちに報告することになった。
「海外には行けなくても、パスポートの更新だけはしてたんですって」
いきなりラスベガスに行くと聞いて、店主のオヤジさんも驚いていた。
「へえ、カレンちゃんて英語喋れる人だったのかい?」
「大卒ですけどサッパリらしいですよ。旅行英会話の本買ってから行くって言ってました」
「あはは」
帰国したらまた土産を持って、ひまらやを訪れたい旨、伝言しに来たセイジだった。
日本の成田空港からラスベガスへは約11時間、飛行機に乗ることになる。
途中、乗り継ぎでロサンゼルスを経由して一度飛行機を降りて乗り換える必要があった。
「あ、あのね、いま途中のロサンゼルス空港なんだけど、に、荷物、見当たらなくて」
翌日、昼間に半泣きで同級生のケータイに電話が入った。メッセージアプリの通話機能だからお互い無料なのが嬉しい。
だがその声は涙声だった。
「えっ。青山、おまえ何やってんだよ!?」
航空会社に問い合わせようにも、英会話がほとんどできないので話が通じないという。
「おい、俺、英語ちょっとできるから荷物受け取りの近くの職員捕まえて電話代われ!」
セイジは学生時代のうちに就職に備えてビジネス英会話はマスターしていたので、電話でカレンの代わりに確認してやることにした。
すると、乗り継ぎの場合は荷物を乗客に返さずそのまま飛行機から飛行機に載せ変えるので無問題とのこと。
「ロサンゼルスで荷物を受け取る必要はないってさ。受け取りはラスベガスで。大丈夫か?」
「だ、大丈夫……多分……」
電話を切ったあと、思わず呟いてしまった。
「ダメだあの女。俺がいてやらないと!」
どっと、弁護士事務所の所内が大爆笑だ。
「早く結婚したほうがいい」
「お互い28でしょ? いい感じー」
「まだ告白もしてません!」
その流れで、セイジはカレンを中学のときから好きだったことを白状させられてしまった。
「もおおー! まだ本人にも告白できてないのに!」
青山カレンと藤原セイジは中学時代の同級生だ。
中学のとき、セイジがクラスメイトたちに苛められていたのを助けてくれて、しかもクラスの輪の中に馴染めるよう手助けしてくれた恩人でもある。
「地元の公立中だったから、先生もそんなに親身になってはくれなくて。体育の授業でペア演習するときなんか、おれ一人だけハブられるんですよね。そんなとき組んでくれたのがあいつなんですよ」
結局、中学のときは卒業するまでの間に告白などはできなかった。
まさか十年以上も経って、地元のスーパー銭湯で再会したときは本当に驚いた。
「そういう縁は大事にしたいよね。応援してるよ、頑張って」
所長からのありがたいお言葉である。
ラスベガスから帰ってきたらカレンは次の就職先が見つかるまで、最大半年間はこの事務所で事務バイトをすることになる。
「はは……こりゃプレッシャーかかるなあ」
何せ事務所の職員、全員にセイジの想いが知られてしまったわけで。
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日本人に人気のハワイ、韓国、台湾、香港、東南アジアなどは直通便あるけど、ラスベガスは乗り継ぎあるので日本人はそんなには行かないそう。
ロサンゼルス空港で「私の荷物は!?( ´•̥ω•̥`)」と死にそうになったのは作者の体験談ですw
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