家出少年ルシウスNEXT

真義あさひ

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番外編 異世界板前ゲンジ、ルシウス君と再会す

ヴァシレウス大王にレポート提出

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 完成した異世界レポートは、ルシウスに連れられてヴァシレウス大王の離宮に献上しに行くことになった。
 ヴァシレウス大王は離宮で若い後添えの伴侶と、まだ幼い息子と一緒に暮らしている。

「ご苦労だったな、ゲンジ殿。ありがたく頂戴する」
「もったいないお言葉です」

 離宮の応接間でレポートを提出、献上後、ヴァシレウス大王は秘書を通じて例の異世界人たちの暮らす集落への紹介状を渡してくれた。

「住人すべてが異世界人ではないが、村長家族が把握しているのでまず訪ねて話を聞くと良いだろう。もし集落が気に入って腰を落ち着けたいのであれば、王家の別荘の料理人を任せたい」

 聞けば、保養地でもある集落の王家の別荘は現地にいくつかあって、王族や親戚たちが使わない時期は他の貴族や旅行客に貸し出しているそうだ。そのため料理人の仕事は常にある。
 ゲンジは貴重な飯ウマ属性持ちの料理人だ。需要は多そうだった。

「息子がもう少し成長したら家族で避暑に利用すると思う。そのときは世話になるぞ」
「はい、はい……こちらこそ過分なお手配に感謝します」

 白髪混じりの黒髪黒目のヴァシレウス大王は、相変わらず威厳たっぷりの巨躯だ。
 暴君ではないとわかっていても、緊張するのは仕方がない。

 その後は、彼の伴侶や息子にも挨拶する予定だったが、息子が遊び疲れてお昼寝に入ってしまったので残念ながら顔合わせはできなかった。
 またの機会ということで。



 それからゲンジがヴァシレウス大王の家族に会えるのは10年以上後、彼の息子が夏バテで調子を崩して保養地の別荘にやってきてからのことだった。

 後から、やはり久し振りのルシウスの甥っ子ヨシュアも合流してきて、顔を合わせるなり「あっ!?」と驚くことになるのは、まだまだ先の話である。




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ゲンジ君は未来でヴァシレウス大王の息子さんに焼きおにぎりde飯テロ攻撃かまして胃袋掴みます😃
(詳細は「王弟カズンの冒険前夜」後半にてw)
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