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百年分、慰謝料を頂戴します ※ざまぁ回
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「ついでに、百年前の私を誘拐した罪へのドマ伯爵家への慰謝料と賠償の請求、認めてくださいませんこと?」
ざっと百年分。
「認める。……ドマ伯爵家へは、王家も同じく賠償金等を請求することになりそうだ」
王家の調査報告書を思い出しながら、冷たい目でユーグレン王太子はサムエルを見た。
「なッ、どういうことですか!?」
「……オデット嬢が行方不明になった後も、三代前の国王の王姉殿下が彼女を捜索し続けた。その費用にどれだけかかったと思っている?」
オデットが慕っていた生徒会長だった王女グレイシアのことだ。
彼女は自分のために用意されていた嫁入りのための持参金や資産をすべて、オデット捜索のために注ぎ込んでいる。
だからこそ、この国の直系の王族女性でありながら、誰とも婚姻を結ぶことがなかった。
当時も大問題だったが、既に婚約していた国内の有力貴族の子息との婚約破棄に、王家はかなりの慰謝料を支払う羽目になっていたと記録に残っている。
「何にせよ、当時のドマ伯爵令息ダニエルがオデット嬢に何をしたのか。彼女の証言を元に調査し直した後のことだろう」
恐らく、後のドマ伯爵となったダニエルの日記や書簡を漁れば、オデットに関する記述は簡単に出てくるのではないか。
これまでは、オデットの誘拐にドマ伯爵家の者が関わっていたという情報がなかった。
だからわからなかった。
だが、今はもう違う。そうとわかったなら、いくらでも調べようはあるのだ。
実際、既にリースト侯爵家も王家も具体的な調査に乗り出している。
特に、オデットからは自分が奴隷商に売り飛ばされたとき、婚約者ダニエルがかなり大量の金貨を持っていたと聞かされている。
彼女を売り払った代金として。
その後のダニエルやドマ伯爵家及び関係者の資金状況を調査すれば、不透明な部分が出てくるのは間違いない。
そこをさらに詳しく調べていくことになる。
そして、この話を聞いたドマ伯爵家と関係のある貴族家も、自分たちの家の歴史を調べ直すはずだ。
百年前、ドマ伯爵家との関わりで何か異変がなかったか。
当時のオデットの婚約者ダニエルが、何か核心に繋がる発言をしていなかったか。
恐らく、証拠の記録が出てくるまでそう日数はかからないはずだ。
「それに、リースト伯爵令嬢オデットは、百年前の王姉グレイシアの恋人であったと王家が認定している。なのに、ドマ伯爵令息は何を勝手にオデット嬢と結婚しようとしているのだ?」
「……は?」
国に提出されたオデットとサムエルの婚約証書は、ユーグレン王太子が手を回して受理せず保留のままだ。
「既に王姉グレイシアは身罷られている。だが、独身で身罷られた王姉グレイシアの恋人のオデット嬢に関しては、今も王家が身柄を保証し後見しているのだぞ?」
「………………」
「つまり、貴様は王家も敵に回したということだ。ドマ伯爵令息サムエル」
言外に、お前の企みなどすべてバレているぞと匂わせて、ユーグレン王太子はきっぱりと言い切った。
ざっと百年分。
「認める。……ドマ伯爵家へは、王家も同じく賠償金等を請求することになりそうだ」
王家の調査報告書を思い出しながら、冷たい目でユーグレン王太子はサムエルを見た。
「なッ、どういうことですか!?」
「……オデット嬢が行方不明になった後も、三代前の国王の王姉殿下が彼女を捜索し続けた。その費用にどれだけかかったと思っている?」
オデットが慕っていた生徒会長だった王女グレイシアのことだ。
彼女は自分のために用意されていた嫁入りのための持参金や資産をすべて、オデット捜索のために注ぎ込んでいる。
だからこそ、この国の直系の王族女性でありながら、誰とも婚姻を結ぶことがなかった。
当時も大問題だったが、既に婚約していた国内の有力貴族の子息との婚約破棄に、王家はかなりの慰謝料を支払う羽目になっていたと記録に残っている。
「何にせよ、当時のドマ伯爵令息ダニエルがオデット嬢に何をしたのか。彼女の証言を元に調査し直した後のことだろう」
恐らく、後のドマ伯爵となったダニエルの日記や書簡を漁れば、オデットに関する記述は簡単に出てくるのではないか。
これまでは、オデットの誘拐にドマ伯爵家の者が関わっていたという情報がなかった。
だからわからなかった。
だが、今はもう違う。そうとわかったなら、いくらでも調べようはあるのだ。
実際、既にリースト侯爵家も王家も具体的な調査に乗り出している。
特に、オデットからは自分が奴隷商に売り飛ばされたとき、婚約者ダニエルがかなり大量の金貨を持っていたと聞かされている。
彼女を売り払った代金として。
その後のダニエルやドマ伯爵家及び関係者の資金状況を調査すれば、不透明な部分が出てくるのは間違いない。
そこをさらに詳しく調べていくことになる。
そして、この話を聞いたドマ伯爵家と関係のある貴族家も、自分たちの家の歴史を調べ直すはずだ。
百年前、ドマ伯爵家との関わりで何か異変がなかったか。
当時のオデットの婚約者ダニエルが、何か核心に繋がる発言をしていなかったか。
恐らく、証拠の記録が出てくるまでそう日数はかからないはずだ。
「それに、リースト伯爵令嬢オデットは、百年前の王姉グレイシアの恋人であったと王家が認定している。なのに、ドマ伯爵令息は何を勝手にオデット嬢と結婚しようとしているのだ?」
「……は?」
国に提出されたオデットとサムエルの婚約証書は、ユーグレン王太子が手を回して受理せず保留のままだ。
「既に王姉グレイシアは身罷られている。だが、独身で身罷られた王姉グレイシアの恋人のオデット嬢に関しては、今も王家が身柄を保証し後見しているのだぞ?」
「………………」
「つまり、貴様は王家も敵に回したということだ。ドマ伯爵令息サムエル」
言外に、お前の企みなどすべてバレているぞと匂わせて、ユーグレン王太子はきっぱりと言い切った。
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