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第五章 鮭の人無双~環《リンク》覚醒ハイ進行中
14.叔父と甥の夜間飛行(第五章・終)
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〝時を壊す〟を果たして神人に覚醒したは良いのだが、それ以来ルシウスの肉体年齢が一定せず不安定なままだった。
今日などついに赤ん坊にまで戻ってしまった。
昼頃に変化してからずっと泣いたままだ。元からあった体力が神人に進化して強化されたせいで、飲食も拒否してギャン泣きだという。
海上神殿にいる姉ジューアの元に連れていくと言うと更に火がついたように泣き出すし、秘書のユキレラや料理人のゲンジ、それにリースト家の他の者たちが抱っこしても泣き止まず困り果てていた。
そこへ、ちょうど夜に官邸から帰宅した鮭の人が預かることにした。
「叔父様も夜泣きするんですねえ。お散歩でも行きましょうか。ユキノ君も一緒にどう?」
「ピュイッ(もちろんおともするよ!)」
泣きじゃくる叔父を抱いて、甥の鮭の人ヨシュアは綿毛竜のユキノと夜の空へと飛び出した。
ユキノの背中の翼は魔法樹脂製だ。
かつて生まれたての頃に悪者にむしられて失ってしまったものを、当時出会った少年時代のルシウスと、一緒にいた聖女ロータスが修復してやったものと聞いている。
一対で二つの翼は本来の綿毛竜たちとは異なる。飛ぶためのものではなく身体のバランスを取るだけの飾りだ。飛行はユキノの魔力でそれらしく行なっているに過ぎない。
硬くて透明な一対の翼の間に上手く腰掛けて、ヨシュアは腕の中でぐずっている赤ん坊に語りかけた。
「覚えてます? 叔父様。オレが小さかった頃、父様も母様もお祖父様も留守で寂しがってたとき、こうしてユキノ君に乗って夜空に連れ出してくれましたよね」
あの頃のように雲の上に出ると、明るい月や星々がビロードの上に散らばる宝石のようだ。
リースト邸では他の者たちもいるから、こうして叔父ルシウスや随獣のユキノだけの時間は貴重だった。
「叔父様は〝時を壊す〟についてどの程度ご存じで? 完全な不老不死ではないと聞いています。でも環ファミリーのフリーダヤやロータスは確か八百年級でしたか。オレの師匠になった魔女も二百年は生きてるって」
カズンを追って円環大陸中を巡っていた一年の間、鮭の人を鍛えたのはルシウスの仲間でもある魔女だった。
思い出したくもないが、今はカズンの顔に戻ったあの黒縁の眼鏡を奪われて、取り戻したかったら環に覚醒しろと言われてブチ切れながら追いかけているうちにカズンに辿り着いたのだ。
「父様もお祖父様も、皆あなた一人を置いて逝くことをすごく気にしてました。オレもいつかはって頭の片隅で考えてたけど。……まあこれからだいぶ長い付き合いになると思いますよ」
鮭の人は自分も〝時を壊す〟を果たしたことを、先日の官邸での決意表明のときに明らかにしている。
「多分、カズン様はふつうに人間の寿命を全うするんだろうな。ユーグレン様もね。魔力だけ考えるならアイシャ様は〝時を壊す〟候補かな」
いつか訪れる別れを今から覚悟している。
環を出している間なら受け入れは容易だったが、鮭の人は未来の永遠の離別の予感をあえて味わうよう努めていた。
考えないように逃げていると、未来の別れは苦痛をもって迫ってくる。
あえて抱き締めるようにすれば、不安や恐れは溶けて優しい心地よさに変わることが多かった。
おくるみに包んで腕に抱いた赤ん坊は、柔らかな青銀の髪を撫でると少し落ち着くも、やはりまだ泣いたままだった。
そんな叔父を見て鮭の人は微笑む。
「叔父様、別に無理して肉体をコントロールしなくてもいいですよ。このまま赤ちゃんから戻れなかったら、大人になるまでオレがお育てしますので」
「ふぎゃっ?」
泣き続けていた赤ん坊が衝撃を受けたように泣き止んだ。
そう、ルシウスは自分の今の姿から抜け出したくて足掻いているのだ。上手くできないからずっともどかしくて泣いている。
「ごはんもおやつもちゃんと食べさせますし、夜も添い寝してあげます。もちろん、おむつだって交換しますよ~」
「ぎゃっ、ぎゃー!」
ものすごく赤ん坊が焦り始めた。柔らかな肌には大粒の汗が滲みだした。
「ははは、大丈夫です、赤ん坊の扱いは慣れてます。知ってました? 叔父様がこの国に向けて発った後、分家に何人か赤ちゃんが産まれたんです。彼らが本家に挨拶に来たとき、オレも抱っこやミルクあげるの手伝ったんですよ。なかなか上手だって母親たちに褒められました」
「うぎゅう……?」
お前が? と言わんばかりの懐疑的な眼差しで見上げられた。
この甥っ子はどう見ても子供好きには見えない、という顔だ。
「帰ったらお風呂入りましょうね。赤ちゃんは抱えて一緒にバスタブ入っちゃいけないんですよね? まだ肌も弱いからスポンジやタオルで擦るのも駄目なんですって。ちゃーんと手で柔らかくベビーソープを泡立てて優しく優しく洗ってあげますから。全身。くまなく」
「ふぎゃああああ!」
「そんなに喜んでもらえて光栄ですねー」
「ピゥ……(ヨシュアくん、あいかわらず強いねー)」
鮭の人はそっと赤ん坊のふっくらした頬に自分の頬を寄せた。
赤ん坊特有のほんのり甘い匂いに麗しの相貌が緩む。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。安心してください、オレが幼い頃に叔父様が面倒見てくれたの、ちゃんと覚えてますから。同じようにお世話しますね」
「ピュアァ……(あんまり安心できる要素ないよね。ルシウスくんは過保護だったからあれと同じお世話されるって……がんばれルシウスくんー)」
夜空の空中散歩は小一時間ほどで終わった。
当のルシウスがガクッと気絶したように寝落ちしたからだ。甥に世話される自分を想像して耐えられなくなったらしい。
帰宅して叔父を入浴させようとした鮭の人だったが、子育て経験のある使用人たちに『寝てる赤ちゃんをお風呂に入れるの駄目絶対』と注意されて断念した。
そして翌朝。もうギャン泣きする赤ん坊はどこにもおらず、ルシウスはすっかり元のイケオジに戻って食堂で優雅に朝のコーヒーを飲んでいた。
「叔父様、もう戻っちゃったんですか?」
「もう平気だ、面倒をかけたな……」
「つまんないなあ」
「大丈夫だ。大丈夫だったら大丈夫なのだ!」
「はーい」
梅雨も終わり、いよいよカーナ神国にも本格的な夏が訪れる。
宰相となった鮭の人にはやることが山積みだったが世間的には、――夏休みだ。
聖女投稿、第五章 終わり
→「ピアディと愉快な仲間たち」の夏休みへ
※五章もご覧いただきありがとうございました。鮭の人でおなかいっぱい編でした……
ピアディの夏休み編をこの後こちらに移しながら、ウパルパ以外の視点を新規エピソードとしていろいろ投稿予定です。
今日などついに赤ん坊にまで戻ってしまった。
昼頃に変化してからずっと泣いたままだ。元からあった体力が神人に進化して強化されたせいで、飲食も拒否してギャン泣きだという。
海上神殿にいる姉ジューアの元に連れていくと言うと更に火がついたように泣き出すし、秘書のユキレラや料理人のゲンジ、それにリースト家の他の者たちが抱っこしても泣き止まず困り果てていた。
そこへ、ちょうど夜に官邸から帰宅した鮭の人が預かることにした。
「叔父様も夜泣きするんですねえ。お散歩でも行きましょうか。ユキノ君も一緒にどう?」
「ピュイッ(もちろんおともするよ!)」
泣きじゃくる叔父を抱いて、甥の鮭の人ヨシュアは綿毛竜のユキノと夜の空へと飛び出した。
ユキノの背中の翼は魔法樹脂製だ。
かつて生まれたての頃に悪者にむしられて失ってしまったものを、当時出会った少年時代のルシウスと、一緒にいた聖女ロータスが修復してやったものと聞いている。
一対で二つの翼は本来の綿毛竜たちとは異なる。飛ぶためのものではなく身体のバランスを取るだけの飾りだ。飛行はユキノの魔力でそれらしく行なっているに過ぎない。
硬くて透明な一対の翼の間に上手く腰掛けて、ヨシュアは腕の中でぐずっている赤ん坊に語りかけた。
「覚えてます? 叔父様。オレが小さかった頃、父様も母様もお祖父様も留守で寂しがってたとき、こうしてユキノ君に乗って夜空に連れ出してくれましたよね」
あの頃のように雲の上に出ると、明るい月や星々がビロードの上に散らばる宝石のようだ。
リースト邸では他の者たちもいるから、こうして叔父ルシウスや随獣のユキノだけの時間は貴重だった。
「叔父様は〝時を壊す〟についてどの程度ご存じで? 完全な不老不死ではないと聞いています。でも環ファミリーのフリーダヤやロータスは確か八百年級でしたか。オレの師匠になった魔女も二百年は生きてるって」
カズンを追って円環大陸中を巡っていた一年の間、鮭の人を鍛えたのはルシウスの仲間でもある魔女だった。
思い出したくもないが、今はカズンの顔に戻ったあの黒縁の眼鏡を奪われて、取り戻したかったら環に覚醒しろと言われてブチ切れながら追いかけているうちにカズンに辿り着いたのだ。
「父様もお祖父様も、皆あなた一人を置いて逝くことをすごく気にしてました。オレもいつかはって頭の片隅で考えてたけど。……まあこれからだいぶ長い付き合いになると思いますよ」
鮭の人は自分も〝時を壊す〟を果たしたことを、先日の官邸での決意表明のときに明らかにしている。
「多分、カズン様はふつうに人間の寿命を全うするんだろうな。ユーグレン様もね。魔力だけ考えるならアイシャ様は〝時を壊す〟候補かな」
いつか訪れる別れを今から覚悟している。
環を出している間なら受け入れは容易だったが、鮭の人は未来の永遠の離別の予感をあえて味わうよう努めていた。
考えないように逃げていると、未来の別れは苦痛をもって迫ってくる。
あえて抱き締めるようにすれば、不安や恐れは溶けて優しい心地よさに変わることが多かった。
おくるみに包んで腕に抱いた赤ん坊は、柔らかな青銀の髪を撫でると少し落ち着くも、やはりまだ泣いたままだった。
そんな叔父を見て鮭の人は微笑む。
「叔父様、別に無理して肉体をコントロールしなくてもいいですよ。このまま赤ちゃんから戻れなかったら、大人になるまでオレがお育てしますので」
「ふぎゃっ?」
泣き続けていた赤ん坊が衝撃を受けたように泣き止んだ。
そう、ルシウスは自分の今の姿から抜け出したくて足掻いているのだ。上手くできないからずっともどかしくて泣いている。
「ごはんもおやつもちゃんと食べさせますし、夜も添い寝してあげます。もちろん、おむつだって交換しますよ~」
「ぎゃっ、ぎゃー!」
ものすごく赤ん坊が焦り始めた。柔らかな肌には大粒の汗が滲みだした。
「ははは、大丈夫です、赤ん坊の扱いは慣れてます。知ってました? 叔父様がこの国に向けて発った後、分家に何人か赤ちゃんが産まれたんです。彼らが本家に挨拶に来たとき、オレも抱っこやミルクあげるの手伝ったんですよ。なかなか上手だって母親たちに褒められました」
「うぎゅう……?」
お前が? と言わんばかりの懐疑的な眼差しで見上げられた。
この甥っ子はどう見ても子供好きには見えない、という顔だ。
「帰ったらお風呂入りましょうね。赤ちゃんは抱えて一緒にバスタブ入っちゃいけないんですよね? まだ肌も弱いからスポンジやタオルで擦るのも駄目なんですって。ちゃーんと手で柔らかくベビーソープを泡立てて優しく優しく洗ってあげますから。全身。くまなく」
「ふぎゃああああ!」
「そんなに喜んでもらえて光栄ですねー」
「ピゥ……(ヨシュアくん、あいかわらず強いねー)」
鮭の人はそっと赤ん坊のふっくらした頬に自分の頬を寄せた。
赤ん坊特有のほんのり甘い匂いに麗しの相貌が緩む。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。安心してください、オレが幼い頃に叔父様が面倒見てくれたの、ちゃんと覚えてますから。同じようにお世話しますね」
「ピュアァ……(あんまり安心できる要素ないよね。ルシウスくんは過保護だったからあれと同じお世話されるって……がんばれルシウスくんー)」
夜空の空中散歩は小一時間ほどで終わった。
当のルシウスがガクッと気絶したように寝落ちしたからだ。甥に世話される自分を想像して耐えられなくなったらしい。
帰宅して叔父を入浴させようとした鮭の人だったが、子育て経験のある使用人たちに『寝てる赤ちゃんをお風呂に入れるの駄目絶対』と注意されて断念した。
そして翌朝。もうギャン泣きする赤ん坊はどこにもおらず、ルシウスはすっかり元のイケオジに戻って食堂で優雅に朝のコーヒーを飲んでいた。
「叔父様、もう戻っちゃったんですか?」
「もう平気だ、面倒をかけたな……」
「つまんないなあ」
「大丈夫だ。大丈夫だったら大丈夫なのだ!」
「はーい」
梅雨も終わり、いよいよカーナ神国にも本格的な夏が訪れる。
宰相となった鮭の人にはやることが山積みだったが世間的には、――夏休みだ。
聖女投稿、第五章 終わり
→「ピアディと愉快な仲間たち」の夏休みへ
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