婚約破棄で捨てられ聖女の私の虐げられ実態が知らないところで新聞投稿されてたんだけど~聖女投稿~

真義あさひ

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第四章 出現! 難易度SSSの新ダンジョン

さいあい、とも、ねえや

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 その後は、新たに獲ってきた他の魚を塩で焼き魚や骨煎餅などにして、談笑しながら軽食にした。

「この辺の近海で獲れるアジは美味いんだ。次に来たときはクーラーボックスに氷持参で、帰ったらオヤジさんにアジフライにしてもらおう。蕩けるようにサクふわだぞ」
「アジのなめろうや寿司も良いですね、ルシウス様!」

 飯ウマ持ちのルシウスとカズンがはしゃいでいる。近いうちに料理人のゲンジも交えて美味しいシーフード系ごはんが食べられそうだ。

 そんな一同を尻目に、サラマンダーピアディは作業台の上に置かれたままだった魚切り包丁(聖剣)に近づいた。

「ぷぅ(こんな代物が打たれるぐらい平和な時代もあったのですな)」

 またぷぅ、とひと鳴きして、小さな前脚でちょんちょん、と包丁の刃の側面に触れた。

 とそこへ、アイシャがピアディを探しにやってきた。

「あっ、ピアディちゃん、こんなところに。もうお魚はお腹いっぱい?」
「ぷぅ!」
「ふふ。そうそう。ねえ、カズンが〝とも〟なら、私はなあに?」
「ぷぅ?」

 微笑みと一緒に聞かれて、ピアディはちょっとだけ考え込んだ。
 じーっと、黒髪のオカッパヘアーと飴のような茶の瞳の若き聖女を見上げる。

(このおねえたまはずいぶん、ふくざつな魔力の持ち主なのだ。ふしぎなのだ)

「ぷぅ!(あのねあのね。ピアディのねえやになってくれる?)」
「あら、喜んで。可愛い弟ができたわね」

 ニコッと笑って、アイシャはそっと優しくピアディの小さな半透明の身体を持ち上げた。
 お魚さんをお腹いっぱい食べさせてもらって、ちょっとだけ身体が重くなっていたので自分で動かず済み、ちょうど良かった。



 焼き魚も粗方食べ終わったようだ。今度こそ王都に戻ることにした。

「ぷぅ!(われはここに残るー!)」
「ピアディ。いくらなんでも、お前一人をここには残せないよ」

 短い四肢で必死に抵抗したが、カーナ姫に却下された。

「この海上神殿と王都の私の屋敷を転移装置で繋ぐから、しばらく待っていなさい」
「ぷぅ……(おとうたん……はやめにお願いしますぞ)」

 何十万年と海中に沈んでいたポセイドニア神殿は、建物も設備も魚人族の国が栄華を誇った時代のままだった。
 けれど、さすがに古の時代のままのものばかり。神殿を稼働させるには大掛かりな点検が必要だ。

「ぷぅ~(さいあい~とも~ねえや~。みなもわれとポセイドニアでいっしょがよいのだ)」
「この面子を囲おうとするとは。ピアディ、恐ろしい子よな……」

 しみじみ呟いて感心しているルシウスの傍らでは、相手にもされていないトオンとユーグレンがマジ顔でピアディだけを睨んでいる。

「俺の彼女が今まさに奪われかけてるんですが。どうしたらいいですかね、ユーグレンさん」
「私の大切な二人も今まさに目の前で。おのれ、カズンもヨシュアもなぜあのように呑気に笑っていられるのか! 私も混ぜて欲しい!」

 申し訳なさそうにカーナ姫が苦笑している。

「済まないね、幼体こどもの戯言だから勘弁してやっておくれ」
「本当に戯言なんですか? 本当に?」
「多分。……おかしいなあ、あの子の父も兄たちもハーレム願望はなかったはずなのだけど」

 さあ今度こそ撤収だと、魚を捌いた作業台を片付け、焚き火の始末をした。

「あ、包丁は海水で洗うと錆びてしまうな」
「聖剣を名乗るほどの包丁だ、錆びには強いはず。いや待て、確かこの神殿に泉があったはず」

 今、皆がいるのはポセイドニア神殿の入口側の庭園になる。
 カーナ姫が建物内部に泉があると教えてくれたので、カズンは調理で汚れた魚切り包丁の洗浄用に水を汲みに行くことにした。

「あ、カズン、バケツバケツ」

 包丁だけ持って建物の中に向かったカズンを、バケツを持ってトオンはすぐに追いかけた。










※トオン君はともかく、ユーグレン何かとハブられ問題……(自らぐいぐい行くしかない!)
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