婚約破棄で捨てられ聖女の私の虐げられ実態が知らないところで新聞投稿されてたんだけど~聖女投稿~

真義あさひ

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第二章 お師匠様がやってきた

ブラウンマッシュルーム入りサーモンパイ1

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 ルシウスが作ることにしたのは、ブラウンマッシュルーム入りのサーモンパイだった。

 この頃にはアイシャもルシウスを手伝いながら、ある程度の調理方法に慣れていたので、二人で厨房に並びながら調理することにした。

 アイシャにはマッシュルームのスライスとスモークサーモンのスライスを任せ、ルシウスは手早くパイ生地を麺棒で伸ばしていく。

 長方形に伸ばしたパイ生地の上に、まずスライスしたスモークサーモンを乗せていく。
 その上に、数ミリにスライスしたブラウンマッシュルームを満遍なくたっぷりと。

「マッシュルームのほうが多いけど、いいのかしら?」
「残しておいても使い道に困るから、全部入れてしまおう」

 結果的にスモークサーモン1:マッシュルーム2の比率となった。





 マッシュルームの上から軽くハーブやガーリックパウダー入りのハーブソルトを振り、少し考えてルシウスは乾燥ディルも振りかけた。
 ディルはサーモンと合うハーブである。

 その後は同じ長方形のやや大きめに伸ばしたパイ生地で覆い、周りの縁をフォークの先を押し付けながら綴じていく。
 あとは上面にフォークで数ヶ所、空気穴を開けてパイ全体を一度冷蔵庫で休ませておけばいい。



 せっかくの冷燻の鮭だ。
 本来なら切り身にしてから冷燻で処理するところを、一匹まるごとの形を残すため工夫して作られたのがルシウスの故郷の冷燻鮭だ。
 魔法樹脂で時間経過なく保存できるからこその逸品である。

 一番簡単で食べやすいスモークサーモンのサラダを前菜として作ることにした。
 こちらはカーナ王国では安く手に入る小型の紫玉ねぎをスライスして、軽く水に晒しておく。
 あとは水を切り、普段の食事でもよく使うリーフレタス系と合わせて皿に盛る。

 野菜の上に、アイシャがスライスしたスモークサーモンを端から手早く巻いて薔薇の花弁のように形を整えて盛り付け、上から全体にオリーブオイルを回しかけた。

 更にミルで削りたての黒胡椒をぱらりと振りかけ、ライムのくし切りを数切れ添えて食堂の食卓へ。

 ルシウスの故郷でなら別にドレッシングを作るところだが、何といってもここカーナ王国はライムが安く大量に手に入る。
 新鮮なライム果汁でシンプルに食すほうが美味しかった。



 スープはいつものチキンスープを用意してある。
 冷蔵庫で休ませておいたパイ二台をオーブンに入れ、焼き上がるまでの間に食堂で乾杯することにした。

 アイシャには白ぶどうの炭酸ジュースを、トオンとルシウスはスパークリングの白ワインの辛口の瓶を開けて、それぞれグラスへ注いだ。
 ここは雰囲気を味わうためにも細長いシャンパングラスで、といきたいところだったが、生憎とこの赤レンガの建物に洒落たグラスなどはない。
 普段使いのグラスでもなったが、幸い三人とも洒落たグラスでなければ飲まないなどと拗ねるタイプではないので、そのままグラスを持って食卓の上に掲げた。



「では、聖女アイシャの国外移動が可能と判明したことを祝って……」

「「「乾杯!!!」」」



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