176 / 183
アリア編
177 砦を作りに南の森まで
しおりを挟む
旅は非常に順調で、夕方になる前に隣国に入ることが出来た。
いつものように国境でバイクの事を説明したのがめんどかったくらいだ。
「今日はこの辺でいいだろう。地形を記憶してくれ」
アニキがそう言いながら木陰に地蔵オブジェを作った。
「すっげー普通に地蔵だな!いきなり風景に溶け込んだぞ」
「と言っても現地人にゃ意味不明だろうけどな」
「よし、覚えたぞ!」
「そうそう、スピードメーターはまだもう少しかかるが、魔石の残量メーターは完成したぞ」
「マジか!仕事はえーな」
「こっちは走行距離に関係無く、どれくらいエネルギーが減ってるかを感じるだけだったからな。魔石とゴーレムに精通してる土魔法使いならではの感覚かもしれんが」
「へーー、これが残量メーターか。なんか結構減ってるな」
「バイク作ってからまだ一回も魔石交換してねーからな。むしろかなり燃費いい方なんじゃねえか?」
なるほど。確かにもうかなり走ってるけど、まだ電池が残ってるってすげーかも。(中)魔石のパワーがもの凄いのかもしれん。地上では(大)魔石ってくらいだしな。
「よし、んじゃ宿屋に戻ろうぜ」
「オーケイ」
バイクを収納し、宿屋の横に転移した。
食堂に行くともうすでに混雑していて、例のごとく大きいテーブルしか空いていなかった。
「あーーーっ!キヨミツだ」
女がアニキに抱き付いた。ってルーシーやん。昨日はオレにくっついておきながら今日はアニキかい!これだから女って奴は・・・。まあ、デレっとしてるアニキには黙っておこう。
テーブルに着いて食事を注文する。
ぽにょん
「ダーリン遅い!どっか行ってたの?」
「ん?ルナか。校長先生に頼まれてちょっと遠出してたんだ」
「へーーーっ」
料理が来た。今日はガッツリした物が食いたかったのでステーキだ。
「やっぱここの料理はうめーな!」
「王国よりも香辛料が充実してるよな」
もちろん美味さではドラゴンステーキの圧勝だろうけど、こっちも全然普通に美味い。美味いからと言って毎回ドラゴンステーキ食うよりオレは色んな物が食いたいね。
食い終わって寛いでいると、昨日のメンツが集まって来た。
「ねえキヨミツ、シャンプーとリンスの作り方知ってる?」
「あーー!そういや昨日そんな話しをしてたんだった」
「シャンプーとリンスか。コテツに借りて使ってみたのか?」
「うん!もうね、髪の潤いとかが全然違うのよ!・・・でも手に入らないってコテツくんに聞いて、キヨミツなら作り方知ってるんじゃないかって」
「ふむ、なるほどな。たしかに手に入れるのは困難だ。自作したほうが手っ取り早いわな」
「作れるの!?」
「出来る。材料さえあればな。石鹸とハチミツは手に入るか?」
「ハチミツ??あの甘いハチミツ?」
「そうだ。そのハチミツと、あとは香料も欲しい。何種類でも多いほどいいな」
「香水とかでもいいの?」
「たぶん大丈夫だとは思うが高くつかないか?いい匂いがする物なら何でもいいんだ。単純な話しで、シャンプーがその匂いになるので使った本人の髪の毛がその匂いになる」
「なるほどー。じゃあ明日までに石鹸とハチミツと香料を揃えとくわね」
「あと、リンスを作るには酸っぱい果物があればいい」
「それだけ??」
「少し難しい話になるが、石鹸で髪を洗うとアルカリ性になるわけよ。そうなるとキューティクルが開き非常によろしくないので、それを酸性で中和する必要がある。酸っぱい物を使って洗えば髪は酸性になりキューティクルが閉じて、滑らかな髪になるというわけだ」
「・・・何言ってるのか全っ然わからなかった!でも最後に酸っぱいので洗えばいいわけね?」
「そうだ。それはまた明日、作る時に軽く説明しよう」
アグネスよ、安心しろ。オレにも半分くらいしかわからんかった!
「コテツに聞いたと思うが、昨日おもちゃを作ったんでお披露目するぞ」
「おもちゃ??」
「あーそれなら小さいテーブルの方がいいんでない?」
「だな。ちょっとみんな移動するぞ」
近くに空いてるテーブルがあったので、テーブルを拭いてキレイにした。
「これはトランプって言うカードゲームだ。中はこんな感じになっている」
カードを表にして並べてみんなに見せる。
「人数多いしやっぱここは簡単なババ抜きしかねーよな?」
「だな。説明書も作って来たから、みんながカードに慣れたら色々やろうか」
そんなわけでみんなでババ抜きだ。
ジョーカーは現地バージョンのクマちゃんとパンダちゃんの方だな。
「いやーーっ!これは私の負けなの?」
「うむ。最後までジョーカーを持ってた人が負けというルールだ」
「もう一回よ!次は負けない!」
「わははは!」
盛り上がってると何人か見物人が出始めたので、その人らも巻き込んで遊んだ。
「ダーリン、トランプって面白いね!」
「だろ?これはオレらの故郷にあった遊び道具だ。そう遠くないうちにトーレス商会から売りに出されると思うんで、誰でも手に入れられるようになるぞ」
そうして盛り上がったトランプ大会は夜遅くまで続いたのだった。
いつものように国境でバイクの事を説明したのがめんどかったくらいだ。
「今日はこの辺でいいだろう。地形を記憶してくれ」
アニキがそう言いながら木陰に地蔵オブジェを作った。
「すっげー普通に地蔵だな!いきなり風景に溶け込んだぞ」
「と言っても現地人にゃ意味不明だろうけどな」
「よし、覚えたぞ!」
「そうそう、スピードメーターはまだもう少しかかるが、魔石の残量メーターは完成したぞ」
「マジか!仕事はえーな」
「こっちは走行距離に関係無く、どれくらいエネルギーが減ってるかを感じるだけだったからな。魔石とゴーレムに精通してる土魔法使いならではの感覚かもしれんが」
「へーー、これが残量メーターか。なんか結構減ってるな」
「バイク作ってからまだ一回も魔石交換してねーからな。むしろかなり燃費いい方なんじゃねえか?」
なるほど。確かにもうかなり走ってるけど、まだ電池が残ってるってすげーかも。(中)魔石のパワーがもの凄いのかもしれん。地上では(大)魔石ってくらいだしな。
「よし、んじゃ宿屋に戻ろうぜ」
「オーケイ」
バイクを収納し、宿屋の横に転移した。
食堂に行くともうすでに混雑していて、例のごとく大きいテーブルしか空いていなかった。
「あーーーっ!キヨミツだ」
女がアニキに抱き付いた。ってルーシーやん。昨日はオレにくっついておきながら今日はアニキかい!これだから女って奴は・・・。まあ、デレっとしてるアニキには黙っておこう。
テーブルに着いて食事を注文する。
ぽにょん
「ダーリン遅い!どっか行ってたの?」
「ん?ルナか。校長先生に頼まれてちょっと遠出してたんだ」
「へーーーっ」
料理が来た。今日はガッツリした物が食いたかったのでステーキだ。
「やっぱここの料理はうめーな!」
「王国よりも香辛料が充実してるよな」
もちろん美味さではドラゴンステーキの圧勝だろうけど、こっちも全然普通に美味い。美味いからと言って毎回ドラゴンステーキ食うよりオレは色んな物が食いたいね。
食い終わって寛いでいると、昨日のメンツが集まって来た。
「ねえキヨミツ、シャンプーとリンスの作り方知ってる?」
「あーー!そういや昨日そんな話しをしてたんだった」
「シャンプーとリンスか。コテツに借りて使ってみたのか?」
「うん!もうね、髪の潤いとかが全然違うのよ!・・・でも手に入らないってコテツくんに聞いて、キヨミツなら作り方知ってるんじゃないかって」
「ふむ、なるほどな。たしかに手に入れるのは困難だ。自作したほうが手っ取り早いわな」
「作れるの!?」
「出来る。材料さえあればな。石鹸とハチミツは手に入るか?」
「ハチミツ??あの甘いハチミツ?」
「そうだ。そのハチミツと、あとは香料も欲しい。何種類でも多いほどいいな」
「香水とかでもいいの?」
「たぶん大丈夫だとは思うが高くつかないか?いい匂いがする物なら何でもいいんだ。単純な話しで、シャンプーがその匂いになるので使った本人の髪の毛がその匂いになる」
「なるほどー。じゃあ明日までに石鹸とハチミツと香料を揃えとくわね」
「あと、リンスを作るには酸っぱい果物があればいい」
「それだけ??」
「少し難しい話になるが、石鹸で髪を洗うとアルカリ性になるわけよ。そうなるとキューティクルが開き非常によろしくないので、それを酸性で中和する必要がある。酸っぱい物を使って洗えば髪は酸性になりキューティクルが閉じて、滑らかな髪になるというわけだ」
「・・・何言ってるのか全っ然わからなかった!でも最後に酸っぱいので洗えばいいわけね?」
「そうだ。それはまた明日、作る時に軽く説明しよう」
アグネスよ、安心しろ。オレにも半分くらいしかわからんかった!
「コテツに聞いたと思うが、昨日おもちゃを作ったんでお披露目するぞ」
「おもちゃ??」
「あーそれなら小さいテーブルの方がいいんでない?」
「だな。ちょっとみんな移動するぞ」
近くに空いてるテーブルがあったので、テーブルを拭いてキレイにした。
「これはトランプって言うカードゲームだ。中はこんな感じになっている」
カードを表にして並べてみんなに見せる。
「人数多いしやっぱここは簡単なババ抜きしかねーよな?」
「だな。説明書も作って来たから、みんながカードに慣れたら色々やろうか」
そんなわけでみんなでババ抜きだ。
ジョーカーは現地バージョンのクマちゃんとパンダちゃんの方だな。
「いやーーっ!これは私の負けなの?」
「うむ。最後までジョーカーを持ってた人が負けというルールだ」
「もう一回よ!次は負けない!」
「わははは!」
盛り上がってると何人か見物人が出始めたので、その人らも巻き込んで遊んだ。
「ダーリン、トランプって面白いね!」
「だろ?これはオレらの故郷にあった遊び道具だ。そう遠くないうちにトーレス商会から売りに出されると思うんで、誰でも手に入れられるようになるぞ」
そうして盛り上がったトランプ大会は夜遅くまで続いたのだった。
0
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!
ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。
幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。
これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。
※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。
※主人公は凄腕付与魔法使いです。
※多種多様なヒロインが数多く登場します。
※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。
☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を!
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。


ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる