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アリア編
169 犬
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「ところで一つ、ずっと確認したかったことがあるのだ」
「ん?なにを?」
席を立ち、一人の女学生の後ろに立つ。
モフッ
「ひゃいっ!?」
モフモフッ
「あん!そこはダメなのっ!」
うーむ・・・、やはりこれは本物なのか!?
モフモフモフモフ
「ちょ、ちょっと貴方っ、いきなりなんてことしてるのよ!」
「ぬう、どう考えてもこのイヌ耳は本物としか思えん」
そう、筋肉がどうとか言いながらくすぐってきた女だ!
イヌ耳が付いてたからずっと気になってたんだよ。
「こんなに人が多い所で獣人の耳をあんなに触るなんて・・・」
「この毛並み、そして手触りの良さ。これは癖になるな!」
モフモフモフモフ
「きゅ~~~~」
イヌ耳少女は最早グロッキーだ。そろそろヤメてあげよう。
「変な質問してるのかもしれんけど、なんでイヌ耳生えてるの?」
「え?もしかして貴方、獣人を見たことないの?」
「獣人?ひょっとしてその獣人ってのにはみんなこういうケモ耳が生えてるんか?」
「獣人を知らないって貴方一体どこから来たのよ!?」
「遠い北の果てだよ。永遠の猛吹雪の中を半年かけて突破して来たのだ」
地球なんて言っても絶対理解不能だろうからな。
「よくわからないけど北の果てには獣人がいないのね」
「うむ。そもそも人間がいないが」
「何がいるのよっ!」
「骨とかゴブリンとかなら死ぬほどいるぞ」
「魔物じゃないそれ」
「うむ。そこではアニキ以外の人間見たことねーしな」
「じゃあ貴方は何者なのよ!もう全然意味がわからないわ」
「安心しろ!オレにもわからん!」
不毛な話をしてしまったな。とにかく今はイヌ耳だ。いやまて、よく見ると尻尾もあるぞ!
モフッ
「ひゃーーー!そこはらめええええええ!!」
あ、これはマジでアカンやつだ。もうヤメとこ。
「いいなー!尻尾と耳。オレも欲しい」
「変な人ねえ。それより私も聞きたいことがあったのよ」
「ほう、何かね?」
「その眼帯よ!目に怪我をしてるの?」
あーそういやバッチリ見えるんで付けてることすらいつも忘れてしまうが、他人から見たら怪我をしてるように見えるよな。
「いんや、別に怪我なんかしてないぞ。ほれ」
眼帯を外して見せる。
「じゃあなんで眼帯なんか付けてんのよ!ホント貴方って意味不明ね!」
「アーッハッハッハッハ!この子意味わかんない!」
「新手のファッションかしら?」
「いやファッションっつーかこの眼帯って服とセットなんだよ。これ付けてねーと能力下がるからしゃーねえんだ」
「セットで能力が上がるの!?ガチャの服ってやっぱ特殊なのね
「いや、たぶんこの服だけだな。そんな制限付いてるのは」
話しながら席に戻り眼帯を装着する。これだけは無くすわけにいかんからな。
「あのさ、全然話し変わるけど、魔法学校って全部の属性魔法を教わることが出来るんか?」
「全部・・・、んーどうだろう?火、水、土、風、闇、付与、支援ってとこよ」
「時空魔法は無いんか?」
「時空魔法!?いやいや、まずそんなの教える先生がいないわよ。時空魔法の使い手がもし居たとしても、そんな人が先生をやるかも疑問だし、そもそも加護をもった生徒が一人もいないじゃ意味が無いわ」
やっぱそうだよなー。もしあるなら入学も考えたんだが。
「火魔法って火を出す以外になんか面白い使い方あったりする?」
「んーーーー、火魔法は火を出すだけじゃない?水魔法なら回復も出来るけど」
「そうなのか!オレ、乾燥とか出来るんだが」
「乾燥???」
「木の水分抜きとったり出来て便利だぞ」
「何それ!?火魔法ってそんなことが出来るの?地味に凄いじゃない」
「しかし火を出すだけってんならオレは入学する意味無さそうだな」
「貴方がすでに極大魔法を撃てるのなら意味は無いかもしれないわね」
もしデンジャラスファイヤー以上の魔法があるとしても、それだけのために入学して勉強とかアホくさいよな。そもそもオレは火魔法ぶつけるより殴り合いたい派だ。
・・・それにしてもさっきからイヌ耳がくっついてるんだが。
「これ、イヌ耳や。恥ずかしいから離れなさい」
「私は公衆の面前で穢されてしまったのだわ!こうなったらもう結婚するしか・・・」
「耳と尻尾触っただけじゃん!」
「そういえば貴方って獣人知らないんだったわね。獣人の耳を触るなんて、それはもうほとんど求愛行動よ」
「な、なんだってー!?」
「それだけじゃないよ。破廉恥にも尻尾まであんなに強く握られたし」
「なにィ!?尻尾もダメなのか」
「もうこれは運命の出会いね。いい筋肉だったし顔も悪くない、うん合格!」
「えーーー、筋肉マニアはちょっと・・・」
これは困りましたよ!?女にモテたいとは思ってたけど変な女はなあ・・・。
「そもそも名前すら聞いてないぞ!」
「私はルナよ。よろしくね!ダーリン」
「あ、ああ。まったくダーリンじゃないがよろしくな」
良くわからん間に罠にかかった感じなんだが!もう獣人の耳触るのはやめよう。
「ん?なにを?」
席を立ち、一人の女学生の後ろに立つ。
モフッ
「ひゃいっ!?」
モフモフッ
「あん!そこはダメなのっ!」
うーむ・・・、やはりこれは本物なのか!?
モフモフモフモフ
「ちょ、ちょっと貴方っ、いきなりなんてことしてるのよ!」
「ぬう、どう考えてもこのイヌ耳は本物としか思えん」
そう、筋肉がどうとか言いながらくすぐってきた女だ!
イヌ耳が付いてたからずっと気になってたんだよ。
「こんなに人が多い所で獣人の耳をあんなに触るなんて・・・」
「この毛並み、そして手触りの良さ。これは癖になるな!」
モフモフモフモフ
「きゅ~~~~」
イヌ耳少女は最早グロッキーだ。そろそろヤメてあげよう。
「変な質問してるのかもしれんけど、なんでイヌ耳生えてるの?」
「え?もしかして貴方、獣人を見たことないの?」
「獣人?ひょっとしてその獣人ってのにはみんなこういうケモ耳が生えてるんか?」
「獣人を知らないって貴方一体どこから来たのよ!?」
「遠い北の果てだよ。永遠の猛吹雪の中を半年かけて突破して来たのだ」
地球なんて言っても絶対理解不能だろうからな。
「よくわからないけど北の果てには獣人がいないのね」
「うむ。そもそも人間がいないが」
「何がいるのよっ!」
「骨とかゴブリンとかなら死ぬほどいるぞ」
「魔物じゃないそれ」
「うむ。そこではアニキ以外の人間見たことねーしな」
「じゃあ貴方は何者なのよ!もう全然意味がわからないわ」
「安心しろ!オレにもわからん!」
不毛な話をしてしまったな。とにかく今はイヌ耳だ。いやまて、よく見ると尻尾もあるぞ!
モフッ
「ひゃーーー!そこはらめええええええ!!」
あ、これはマジでアカンやつだ。もうヤメとこ。
「いいなー!尻尾と耳。オレも欲しい」
「変な人ねえ。それより私も聞きたいことがあったのよ」
「ほう、何かね?」
「その眼帯よ!目に怪我をしてるの?」
あーそういやバッチリ見えるんで付けてることすらいつも忘れてしまうが、他人から見たら怪我をしてるように見えるよな。
「いんや、別に怪我なんかしてないぞ。ほれ」
眼帯を外して見せる。
「じゃあなんで眼帯なんか付けてんのよ!ホント貴方って意味不明ね!」
「アーッハッハッハッハ!この子意味わかんない!」
「新手のファッションかしら?」
「いやファッションっつーかこの眼帯って服とセットなんだよ。これ付けてねーと能力下がるからしゃーねえんだ」
「セットで能力が上がるの!?ガチャの服ってやっぱ特殊なのね
「いや、たぶんこの服だけだな。そんな制限付いてるのは」
話しながら席に戻り眼帯を装着する。これだけは無くすわけにいかんからな。
「あのさ、全然話し変わるけど、魔法学校って全部の属性魔法を教わることが出来るんか?」
「全部・・・、んーどうだろう?火、水、土、風、闇、付与、支援ってとこよ」
「時空魔法は無いんか?」
「時空魔法!?いやいや、まずそんなの教える先生がいないわよ。時空魔法の使い手がもし居たとしても、そんな人が先生をやるかも疑問だし、そもそも加護をもった生徒が一人もいないじゃ意味が無いわ」
やっぱそうだよなー。もしあるなら入学も考えたんだが。
「火魔法って火を出す以外になんか面白い使い方あったりする?」
「んーーーー、火魔法は火を出すだけじゃない?水魔法なら回復も出来るけど」
「そうなのか!オレ、乾燥とか出来るんだが」
「乾燥???」
「木の水分抜きとったり出来て便利だぞ」
「何それ!?火魔法ってそんなことが出来るの?地味に凄いじゃない」
「しかし火を出すだけってんならオレは入学する意味無さそうだな」
「貴方がすでに極大魔法を撃てるのなら意味は無いかもしれないわね」
もしデンジャラスファイヤー以上の魔法があるとしても、それだけのために入学して勉強とかアホくさいよな。そもそもオレは火魔法ぶつけるより殴り合いたい派だ。
・・・それにしてもさっきからイヌ耳がくっついてるんだが。
「これ、イヌ耳や。恥ずかしいから離れなさい」
「私は公衆の面前で穢されてしまったのだわ!こうなったらもう結婚するしか・・・」
「耳と尻尾触っただけじゃん!」
「そういえば貴方って獣人知らないんだったわね。獣人の耳を触るなんて、それはもうほとんど求愛行動よ」
「な、なんだってー!?」
「それだけじゃないよ。破廉恥にも尻尾まであんなに強く握られたし」
「なにィ!?尻尾もダメなのか」
「もうこれは運命の出会いね。いい筋肉だったし顔も悪くない、うん合格!」
「えーーー、筋肉マニアはちょっと・・・」
これは困りましたよ!?女にモテたいとは思ってたけど変な女はなあ・・・。
「そもそも名前すら聞いてないぞ!」
「私はルナよ。よろしくね!ダーリン」
「あ、ああ。まったくダーリンじゃないがよろしくな」
良くわからん間に罠にかかった感じなんだが!もう獣人の耳触るのはやめよう。
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