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アリア編
165 護衛依頼
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ただ今メル姉とポーカーの勝負中。
アニキは紙を取り出して色んなゲームの説明書を作ってるところ。
「くそー!ワンペアじゃ勝負にならねえ。降りだ」
「ふふふふ!甘いわねコテツくん」
メル姉が開いた札を見ると、なんとブタだった。
「なにィ!?」
「やっと駆け引きってのがわかって来たわよ!」
トランプ初めて間もないというのに、メル姉は天才か!?
「キヨミツくん、これを売りに出すつもりはありませんか?」
「ん?トランプをか?」
「ええ。こんな面白い物、売れないわけが無い。ただ問題なのはこの薄さですね」
「あー、そこよな。土魔法使って作ったんでココまでの薄さに出来たんだが、普通に作ろうと思うのなら紙とかで作った方がいいと思うぞ」
「キヨミツくんが作って売るというのは?」
「手間がかかりすぎる。着色を他人任せにするってんなら作れなくもないが、残念ながらトランプを作り続けるつもりは無い」
「なるほど、そうですか」
「でもこのトランプはここに置いて行くつもりだから、これを参考にして店長が勝手に作って売るってんなら問題無いぞ」
「なんと!・・・それはアリかもしれませんね。かき氷と同じような契約を結びましょう。売れた分だけキヨミツくんにアイデア料が入る契約です」
「そんなの必要無いのだがな。しかし店長の良心的にそうもいかんか」
「はっはっは、そういうことです。ただ問題は鉄の代用品を何にするかですな」
「紙じゃすぐ壊れそうだから硬めの魔物の皮なんてどうだ?白っぽいのを使えば色も塗りやすいだろう」
「なるほど・・・、よし!それで一度作ってみましょう」
オレとメル姉が白熱してる間に、アニキが店長と販売契約を結んだようだ。
説明書も完成したようなのでそろそろ帰ることにした。
「トランプはここに置いて行くからみんなで楽しんでくれ。一枚でもカードが無くなるとゲームが出来なくなるから、絶対に無くさないようにな」
「「やったーーーーーーー!」」
「んじゃ店長、後はそっちに全部任せるんでいい物を完成させてくれ」
「ええ、色々やってみようと思います。後で説明書も写させて頂きます」
「それじゃあまたなー!おやすみー!」
「「おやすみなさーーい!」」
今日はダンジョンじゃなく春風亭の方に帰還した。
************************************************************
「なあアニキ、Cランクになるのに護衛依頼をやる必要があるぞ」
「護衛か。また盗賊と殺り合うことになるかもしれんが問題無いのか?」
「盗賊は見つけ次第全て滅ぼすぞ。何度でもだ!」
「そうか。その覚悟があるなら何も言うまい」
オレはもう決めたんだ。相手に殺意があるなら容赦はしない。
相手が悪者ならばたぶんオレはアニキよりも厳しいぞ。
昔のオレと違って正義を気取って悪者を全部倒そうとは思わなくなったけど、平気で人を殺す奴らを前にしたら一切同情なんかしない。
「んじゃ冒険者ギルドまでひとっ走りすっぞ」
「あいおー」
・・・・・
掲示板を見ると護衛の依頼書が残っていたので早速受付に持って行った。
「南西の連合国まで商人の馬車の護衛ですね。南地区のフィリップス商会に行ってください。後はそちらの指示に従うようお願いします」
というわけで場所を教えてもらい、フィリップス商会までやって来た。
「連合国までの護衛になります。報酬は一人1日2万ギランで到着まで7日の予定です。護衛は他にも2チーム参加しますが問題ありませんか?」
「問題無い」
「違うぞアニキ、そこは『大丈夫だ、問題ない』って言うんだ」
「あーなんかどこかで聞いた事あるようなセリフだな」
他の2チームが集まったのはそれから30分後くらいだった。
依頼主は南の出口で出国手続き中。
「オイ、あんたら護衛だよな?なぜ鎧も着てなければ武器も持って無いんだ?護衛舐めてねえか?」
ん?誰だこいつ?他の護衛チームっぽい風体ではあるな。
「別に舐めちゃいねえさ。必要無い物を装備しておく理由も無いだろう」
「理由が無いって、今から護衛すんだぞ!?」
次の瞬間アニキが魔剣を抜き、目の前の男に突き付ける。
「装備しておく必要、無いだろ?」
「なっ!?」
「あとこの服はその辺の鎧よりも防御力が高いので心配は無用だ」
「その武器って魔剣か!?わ、わかった。要らぬ節介だったようだな」
男は仲間の元に戻って行った。
・・・・・
「オイ!あの二人が鎧も武器も着けて無いんで注意しに行ったんだけどよ、気付いたら白い方に首に剣を突き付けられていて驚愕したぞ!アイツらとんでもねえ手練れだ」
「それは本当か!?まあ何にせよ味方に手練れがいるってのは良い事だ」
「しかもあれはたぶん魔剣だ。黒い方も見た目がすでにヤバイし変に絡むのだけはヤメておけ」
「ほう・・・、世の中には居るもんだな。隠れた実力者って奴が」
・・・・・
「これでもう手ぶらに文句言ってくる奴もおるまい」
「ずっと武器なんて携帯してたら疲れるしな!」
そしてやっとこさ馬車は出発した。南方面は初めてだからちょっと楽しみだ。
アニキは紙を取り出して色んなゲームの説明書を作ってるところ。
「くそー!ワンペアじゃ勝負にならねえ。降りだ」
「ふふふふ!甘いわねコテツくん」
メル姉が開いた札を見ると、なんとブタだった。
「なにィ!?」
「やっと駆け引きってのがわかって来たわよ!」
トランプ初めて間もないというのに、メル姉は天才か!?
「キヨミツくん、これを売りに出すつもりはありませんか?」
「ん?トランプをか?」
「ええ。こんな面白い物、売れないわけが無い。ただ問題なのはこの薄さですね」
「あー、そこよな。土魔法使って作ったんでココまでの薄さに出来たんだが、普通に作ろうと思うのなら紙とかで作った方がいいと思うぞ」
「キヨミツくんが作って売るというのは?」
「手間がかかりすぎる。着色を他人任せにするってんなら作れなくもないが、残念ながらトランプを作り続けるつもりは無い」
「なるほど、そうですか」
「でもこのトランプはここに置いて行くつもりだから、これを参考にして店長が勝手に作って売るってんなら問題無いぞ」
「なんと!・・・それはアリかもしれませんね。かき氷と同じような契約を結びましょう。売れた分だけキヨミツくんにアイデア料が入る契約です」
「そんなの必要無いのだがな。しかし店長の良心的にそうもいかんか」
「はっはっは、そういうことです。ただ問題は鉄の代用品を何にするかですな」
「紙じゃすぐ壊れそうだから硬めの魔物の皮なんてどうだ?白っぽいのを使えば色も塗りやすいだろう」
「なるほど・・・、よし!それで一度作ってみましょう」
オレとメル姉が白熱してる間に、アニキが店長と販売契約を結んだようだ。
説明書も完成したようなのでそろそろ帰ることにした。
「トランプはここに置いて行くからみんなで楽しんでくれ。一枚でもカードが無くなるとゲームが出来なくなるから、絶対に無くさないようにな」
「「やったーーーーーーー!」」
「んじゃ店長、後はそっちに全部任せるんでいい物を完成させてくれ」
「ええ、色々やってみようと思います。後で説明書も写させて頂きます」
「それじゃあまたなー!おやすみー!」
「「おやすみなさーーい!」」
今日はダンジョンじゃなく春風亭の方に帰還した。
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「なあアニキ、Cランクになるのに護衛依頼をやる必要があるぞ」
「護衛か。また盗賊と殺り合うことになるかもしれんが問題無いのか?」
「盗賊は見つけ次第全て滅ぼすぞ。何度でもだ!」
「そうか。その覚悟があるなら何も言うまい」
オレはもう決めたんだ。相手に殺意があるなら容赦はしない。
相手が悪者ならばたぶんオレはアニキよりも厳しいぞ。
昔のオレと違って正義を気取って悪者を全部倒そうとは思わなくなったけど、平気で人を殺す奴らを前にしたら一切同情なんかしない。
「んじゃ冒険者ギルドまでひとっ走りすっぞ」
「あいおー」
・・・・・
掲示板を見ると護衛の依頼書が残っていたので早速受付に持って行った。
「南西の連合国まで商人の馬車の護衛ですね。南地区のフィリップス商会に行ってください。後はそちらの指示に従うようお願いします」
というわけで場所を教えてもらい、フィリップス商会までやって来た。
「連合国までの護衛になります。報酬は一人1日2万ギランで到着まで7日の予定です。護衛は他にも2チーム参加しますが問題ありませんか?」
「問題無い」
「違うぞアニキ、そこは『大丈夫だ、問題ない』って言うんだ」
「あーなんかどこかで聞いた事あるようなセリフだな」
他の2チームが集まったのはそれから30分後くらいだった。
依頼主は南の出口で出国手続き中。
「オイ、あんたら護衛だよな?なぜ鎧も着てなければ武器も持って無いんだ?護衛舐めてねえか?」
ん?誰だこいつ?他の護衛チームっぽい風体ではあるな。
「別に舐めちゃいねえさ。必要無い物を装備しておく理由も無いだろう」
「理由が無いって、今から護衛すんだぞ!?」
次の瞬間アニキが魔剣を抜き、目の前の男に突き付ける。
「装備しておく必要、無いだろ?」
「なっ!?」
「あとこの服はその辺の鎧よりも防御力が高いので心配は無用だ」
「その武器って魔剣か!?わ、わかった。要らぬ節介だったようだな」
男は仲間の元に戻って行った。
・・・・・
「オイ!あの二人が鎧も武器も着けて無いんで注意しに行ったんだけどよ、気付いたら白い方に首に剣を突き付けられていて驚愕したぞ!アイツらとんでもねえ手練れだ」
「それは本当か!?まあ何にせよ味方に手練れがいるってのは良い事だ」
「しかもあれはたぶん魔剣だ。黒い方も見た目がすでにヤバイし変に絡むのだけはヤメておけ」
「ほう・・・、世の中には居るもんだな。隠れた実力者って奴が」
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