163 / 183
アリア編
163 トランプ
しおりを挟む
今日は朝起きてすぐにバイクを取りにダンジョンに来た。
塗料が乾くまで部屋に放置しといたのだ。
「よし、完璧に乾いたな」
「やべーなこれ!何度見てもカッコイイ!」
アニキのバイクは白でオレのバイクは赤だ。
他の色も使おうとしたら、『カラフルにすると逆に恰好悪くなる』と言われてヤメたんだが正解だったな。
「昨日店長んとこに塩を大盤振る舞いしてしまったから、久々にちょっと狩りでもしてく?」
「あーそれもいいな。でも俺は一つやりたい事があるんだよ」
「やりたいこと?」
「俺ってゴーレム作りで鉄を自在に操れるようになっただろ?だから鉄でトランプを作ろうと思ってな」
「おーーー!いいじゃん!アンナちゃん先生んとこでみんなでトランプしてえ!」
「作るだけならすぐなんだが着色する必要あるからよ。だから狩りの方はコテツに任せていいか?」
「わかった!狩りとガチャはオレに任せておけ!」
「そう言われると俺もガチャりてえが、今回はトランプに集中しよう」
そういうわけなので今回は別行動だ。たぶん一つ一つ色を塗るのにかなりの時間がかかると思うんで、オレも派手に狩りまくったほうがいいだろう。また中ボスクラスも下から全部狩ってやるぜ。
************************************************************
「ただいまー!雑魚だけじゃなく中ボスも全部討伐してきたぞ!」
「お?戻ったか。お疲れさん!水竜も沸いてたか?」
「バッチリ沸いてたぞ!ドラゴンの肉はオレらの生命線だからな」
(中)魔石と(小)魔石をじゃらっと出してアニキに半分渡す。
「コテツがソロで狩って来たもんだしこれは受け取れねえぞ」
「ゴーレム作ったりするのに絶対必要じゃん。バイクとかクマちゃん号作ってもらってるんだから、・・・んじゃこれはお返しと思ってくれていいぞ」
「ふむ・・・、なるほど。わかった受け取ろう。あんがとな!」
「いいってことよ!ところでトランプはどうなった?」
「ほとんど完成だ。今地面に大量に並べてある表側が乾けば完成だ」
よく見たら奥の方にトランプがずらっと並べてあったので見てみる。
おお、すげー!鉄を極限までぺらっぺらの薄さにして、一つ一つ丁寧に着色してあるぞ。プラスチック素材のトランプにかなり近づいてるんじゃないだろうか?しかもよく見ると数が多い。あートランプ2セット一気に作ったのか!
「アニキすげーじゃんコレ!よくこんなに極薄に出来たなー。でもなんか立体だ」
「あーそれは予想よりも楽勝だったぞ。スペードとかの模様も全部コピーに近いことが出来た。だがやはり着色に苦労したわ。完全に手作業だしな。色が混ざらないようにまずスペード模様の段差を高くしてから塗って、その後また段差を元に戻すという作戦だ。乾いたら段差は無くすぞ」
「ああー、言ってることはわかった。むしろ段差を使って色が混ざらないように塗る作戦を思いついたのがすげー!後から段差無くせるのが魔法の凄さだよな」
「あーでも最後はツルツルにしないで微妙に段差残すかな?手触りが良さそうだ」
「いいかも!」
・・・・・
そして塗料が乾いた後、模様の段差をほとんど無くしてトランプが完成した。
出来上がりを触って確認するとクローバーとかの模様が微妙に飛び出ていて、目を瞑っていても何の模様か当てることが出来る珍しいトランプになっていた。
「鉄なだけあって重いし、54枚を積むとボリュームが半端ねえな・・・」
「テンを切るのちょっと大変だな。半分ずつやるしかねえ」
「それしか無かろう。とにかく試しに少し遊んでみっべ」
「よーし!二人だからポーカーで勝負だ!」
「ポーカーか。ならばチップを賭けてやった方が面白かろう。それぞれ極小魔石10個ずつ用意して無くなった方の負けでいいな?」
「おっけー!今日は勝つ!」
「俺のポーカーフェイスを舐めない事だな!」
ぞれぞれ魔石を1個ずつ前に出す。
しっかりテンを切った後、アニキがトランプを交互に5枚ずつ配った。
「カードの交換は何枚換えてもいいが1回だけな」
「合点承知」
カードをめくると、スペードの3、ハートの8、ハートのJ、クローバーのJ、ダイヤのKだった。
当然ハートのJとクローバーのJを残して3枚を交換する。
来たのは、スペードの2、ダイヤの4、ジョーカーだった。
ってかこのジョーカーってゴブリンじゃん!ぷぷぷぷっ!
「コテツよ、顔がニヤケておるぞ?」
しまった!気を付けねえとな。ポーカーフェイスだ!
「俺がカードを配ったんで俺から先にBETするぞ?」
「おっけい」
アニキが魔石を3個BETした。
こっちはスリーカードだから当然コールだ!魔石を3個出す。
「次はオレがBET出来るんだよな?」
「うむ。コテツの番だ」
「ならば残りを全部だ!」
残りの魔石を6個を全部前に出す。
アニキはこっちの顔を伺った後、同じく魔石6個を前に出した。
「いきなり全部対決だな!」
「一撃で勝負が決まるとあんまりゲームにならんのだがしょうがあるまい」
「じゃあオープンだ!」
カードを開いてアニキにスリーカードを見せる。
「スリーカードじゃい!!」
「なるほど、ニヤケていた理由はゴブリンジョーカーだったか」
そしてアニキがカードを開いた。
「なにィ!?」
ハートの4、クローバーの5、ハートの6、スペードの8、そしてジョーカー。
ス、ストレートだとお!?
「フハハハハハハーーー!ジョーカーは2枚いたのだよ、コテツくん!」
塗料が乾くまで部屋に放置しといたのだ。
「よし、完璧に乾いたな」
「やべーなこれ!何度見てもカッコイイ!」
アニキのバイクは白でオレのバイクは赤だ。
他の色も使おうとしたら、『カラフルにすると逆に恰好悪くなる』と言われてヤメたんだが正解だったな。
「昨日店長んとこに塩を大盤振る舞いしてしまったから、久々にちょっと狩りでもしてく?」
「あーそれもいいな。でも俺は一つやりたい事があるんだよ」
「やりたいこと?」
「俺ってゴーレム作りで鉄を自在に操れるようになっただろ?だから鉄でトランプを作ろうと思ってな」
「おーーー!いいじゃん!アンナちゃん先生んとこでみんなでトランプしてえ!」
「作るだけならすぐなんだが着色する必要あるからよ。だから狩りの方はコテツに任せていいか?」
「わかった!狩りとガチャはオレに任せておけ!」
「そう言われると俺もガチャりてえが、今回はトランプに集中しよう」
そういうわけなので今回は別行動だ。たぶん一つ一つ色を塗るのにかなりの時間がかかると思うんで、オレも派手に狩りまくったほうがいいだろう。また中ボスクラスも下から全部狩ってやるぜ。
************************************************************
「ただいまー!雑魚だけじゃなく中ボスも全部討伐してきたぞ!」
「お?戻ったか。お疲れさん!水竜も沸いてたか?」
「バッチリ沸いてたぞ!ドラゴンの肉はオレらの生命線だからな」
(中)魔石と(小)魔石をじゃらっと出してアニキに半分渡す。
「コテツがソロで狩って来たもんだしこれは受け取れねえぞ」
「ゴーレム作ったりするのに絶対必要じゃん。バイクとかクマちゃん号作ってもらってるんだから、・・・んじゃこれはお返しと思ってくれていいぞ」
「ふむ・・・、なるほど。わかった受け取ろう。あんがとな!」
「いいってことよ!ところでトランプはどうなった?」
「ほとんど完成だ。今地面に大量に並べてある表側が乾けば完成だ」
よく見たら奥の方にトランプがずらっと並べてあったので見てみる。
おお、すげー!鉄を極限までぺらっぺらの薄さにして、一つ一つ丁寧に着色してあるぞ。プラスチック素材のトランプにかなり近づいてるんじゃないだろうか?しかもよく見ると数が多い。あートランプ2セット一気に作ったのか!
「アニキすげーじゃんコレ!よくこんなに極薄に出来たなー。でもなんか立体だ」
「あーそれは予想よりも楽勝だったぞ。スペードとかの模様も全部コピーに近いことが出来た。だがやはり着色に苦労したわ。完全に手作業だしな。色が混ざらないようにまずスペード模様の段差を高くしてから塗って、その後また段差を元に戻すという作戦だ。乾いたら段差は無くすぞ」
「ああー、言ってることはわかった。むしろ段差を使って色が混ざらないように塗る作戦を思いついたのがすげー!後から段差無くせるのが魔法の凄さだよな」
「あーでも最後はツルツルにしないで微妙に段差残すかな?手触りが良さそうだ」
「いいかも!」
・・・・・
そして塗料が乾いた後、模様の段差をほとんど無くしてトランプが完成した。
出来上がりを触って確認するとクローバーとかの模様が微妙に飛び出ていて、目を瞑っていても何の模様か当てることが出来る珍しいトランプになっていた。
「鉄なだけあって重いし、54枚を積むとボリュームが半端ねえな・・・」
「テンを切るのちょっと大変だな。半分ずつやるしかねえ」
「それしか無かろう。とにかく試しに少し遊んでみっべ」
「よーし!二人だからポーカーで勝負だ!」
「ポーカーか。ならばチップを賭けてやった方が面白かろう。それぞれ極小魔石10個ずつ用意して無くなった方の負けでいいな?」
「おっけー!今日は勝つ!」
「俺のポーカーフェイスを舐めない事だな!」
ぞれぞれ魔石を1個ずつ前に出す。
しっかりテンを切った後、アニキがトランプを交互に5枚ずつ配った。
「カードの交換は何枚換えてもいいが1回だけな」
「合点承知」
カードをめくると、スペードの3、ハートの8、ハートのJ、クローバーのJ、ダイヤのKだった。
当然ハートのJとクローバーのJを残して3枚を交換する。
来たのは、スペードの2、ダイヤの4、ジョーカーだった。
ってかこのジョーカーってゴブリンじゃん!ぷぷぷぷっ!
「コテツよ、顔がニヤケておるぞ?」
しまった!気を付けねえとな。ポーカーフェイスだ!
「俺がカードを配ったんで俺から先にBETするぞ?」
「おっけい」
アニキが魔石を3個BETした。
こっちはスリーカードだから当然コールだ!魔石を3個出す。
「次はオレがBET出来るんだよな?」
「うむ。コテツの番だ」
「ならば残りを全部だ!」
残りの魔石を6個を全部前に出す。
アニキはこっちの顔を伺った後、同じく魔石6個を前に出した。
「いきなり全部対決だな!」
「一撃で勝負が決まるとあんまりゲームにならんのだがしょうがあるまい」
「じゃあオープンだ!」
カードを開いてアニキにスリーカードを見せる。
「スリーカードじゃい!!」
「なるほど、ニヤケていた理由はゴブリンジョーカーだったか」
そしてアニキがカードを開いた。
「なにィ!?」
ハートの4、クローバーの5、ハートの6、スペードの8、そしてジョーカー。
ス、ストレートだとお!?
「フハハハハハハーーー!ジョーカーは2枚いたのだよ、コテツくん!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
140
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる