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アリア編
152 大地神ヴェルミヘイル
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「一般的に土魔法で信仰されている神と言ったら地神ウォーレン様よ。なので私が授かった加護も地神ウォーレンの加護になるわ」
「なるほど。名前的に大地神ヴェルミヘイルのほうが格が高そうだな」
「そうなのよね・・・。でもそんな強烈な加護を授かるのなら有名になっててもおかしくないのに、その名前を一度も聞いた事が無いのよ」
「照れ屋なんじゃね?」
「どこの神殿で授かったの?」
「神殿なんか一度も入ったことねーよ」
「は?」
「最初は加護なんか無かったのに、いつの間にか出現してたんだよ」
「なんで??」
「知らんわ!」
オレの女神シャルロットの加護もいつの間にか付いてたんだよな。
ホントいつの間にかだから条件なんてさっぱりわからん。
「レベッカは鉄のゴーレムを作れないのか?」
「うーん、鉄のゴーレムを作れるなんて噂にも聞いた事が無いから試したことも無いわね」
「試してみろよ」
アニキがテーブルの上に骨剣を置いた。
「なんで同じ剣をいっぱい持ってんのよ!まあいいわ、やってみる」
レベッカが自分のバッグから極小魔石を取り出して骨剣の上に置く。
そのまま数分粘ったが骨剣はウンともスンとも言わない。
「はあ、はあ、ダメね。魔力が全然入って行かない」
「あーそれは俺も毎回感じているとこだ。鉄はどうも魔力が馴染まない」
「ミスリルは?」
「ミスリルなんて高くて手が出ないわよ」
ミスリルの鎧とか剣なら持ってるんだけどグニャグニャにされちゃ敵わんな。
それより一つ聞きたいことがあったのを思い出した。
「神殿で加護を貰うにはどうやったらいいんだ?」
「毎日祈りを捧げるのよ。神殿にお布施とかもいいわね」
「毎日って何日くらい?」
「加護を授かるまでずっとよ。本人の信仰の深さが重要ね」
「すげーめんどくさそうだな。加護は持ってるけどオレに信仰心なんて無いぞ」
「よくそれで加護が消えないわね」
「あーわかった!全力でガチャ回してるお陰だな!」
「ガチャ?・・・あー、今流行りのシャルロット様の加護ね?」
「流行ってんのか?」
「毎日凄い行列が出来ているじゃない。まあみんな目的はガチャだけどね。でも少しでも恩恵を受けるために信者が急激に増加中らしいわよ」
神頼みになる気持ちはよくわかる。オレくらいになるとそこはすでに突破していて、今は無の極致を目指しているんだがな。
「ただ加護を得るのには、他の神との相性をしっかり調べないとね」
「なんだそりゃ?」
「そんな事も知らないの?加護は複数得ることが可能だけど、神同士の相性が悪いと元々あった加護が消えてしまうのよ」
「リスク高すぎだろ!」
「貴方みたいなレアな加護持ちならば要注意ね。相性を調べるにしても、誰も知らない神のことなんか知ってる人もいないでしょ?」
「完全に詰んでるな。例えばどれとどれが相性悪いんだ?」
「基本的には火と水が反発し、風と土も反発するわね。絶対では無いのだけれど、信仰する神同士が不仲ならば消滅するという噂よ」
「なるほど。世間一般に知られていない神の加護ならば、火と水が反発しない可能性もあるわけか」
「そうね。でも大地神ほどの加護になると消えたら取返しがつかないわよ」
「だな。気を付けよう」
加護いっぱい持ってると、それだけ消える可能性高くなるじゃん。付与魔法欲しかったんだけどリスクあるんじゃ悩むぞ。火はともかく時空魔法が消えたらショック死しそうだ。
「付与魔法って反発する?」
「あー・・・どうかしら。付与魔法で消えたって話しは聞いた事無い気はするけど、ちゃんと調べたことも無いから絶対とは言えないわ」
「そっかー。でも属性魔法系の加護よりは柔軟そうだな」
時空魔法の事は聞けないから自分で情報仕入れるしかあるまい。とは言えどっちにしろ時空魔法の事知ってる人がいても、相性までわかる人なんて存在しない気がするな。
「鉄のゴーレムは無理みたいだけど、私にも乗り物って作れないかしらね」
「アニキが最初作った岩バイクは一瞬で大破したな」
「岩バイクは細いパイプ部分がへし折れたのが失敗だったな。まあでも変な拘りさえ持たなきゃ行けるんでねーか?」
「あの車輪部分の黒いのは何?」
「あー、それがあったか・・・、タイヤだ。ゴムで重さや衝撃を吸収するんだよ」
「ゴム?」
「えーとな、ゴムの木の樹液に酸を加えて固まった物がゴムだ」
「ゴムの木なんて知らないわ」
「ゴムの木を傷付けた時に確か白いサラサラの樹液が出て来るハズだから、まずはそういう木を探す必要があるな」
「そんなのやってられないわよ!」
「まあな。ゴムの代用品になる物がありゃそれでいいんだが」
ゴムにまで詳しいアニキは一体何者なんだ?ゴム職人でも目指してたんか?
「いきなり言われても、さっぱりわからないわ。後でもう一回見せて」
「まあ構わんが、俺らに何のメリットもねーな」
「色々教えてあげたじゃない!お願いよ!」
「ふむ。この後何か予定入ってる訳でも無いから少し付き合ってやってもいいが、コテツもそれでいいか?」
「別に問題ねーぞ。面白い話しが聞けたしな」
というわけで、これからレベッカの乗り物作りに付き合うこととなった。
「なるほど。名前的に大地神ヴェルミヘイルのほうが格が高そうだな」
「そうなのよね・・・。でもそんな強烈な加護を授かるのなら有名になっててもおかしくないのに、その名前を一度も聞いた事が無いのよ」
「照れ屋なんじゃね?」
「どこの神殿で授かったの?」
「神殿なんか一度も入ったことねーよ」
「は?」
「最初は加護なんか無かったのに、いつの間にか出現してたんだよ」
「なんで??」
「知らんわ!」
オレの女神シャルロットの加護もいつの間にか付いてたんだよな。
ホントいつの間にかだから条件なんてさっぱりわからん。
「レベッカは鉄のゴーレムを作れないのか?」
「うーん、鉄のゴーレムを作れるなんて噂にも聞いた事が無いから試したことも無いわね」
「試してみろよ」
アニキがテーブルの上に骨剣を置いた。
「なんで同じ剣をいっぱい持ってんのよ!まあいいわ、やってみる」
レベッカが自分のバッグから極小魔石を取り出して骨剣の上に置く。
そのまま数分粘ったが骨剣はウンともスンとも言わない。
「はあ、はあ、ダメね。魔力が全然入って行かない」
「あーそれは俺も毎回感じているとこだ。鉄はどうも魔力が馴染まない」
「ミスリルは?」
「ミスリルなんて高くて手が出ないわよ」
ミスリルの鎧とか剣なら持ってるんだけどグニャグニャにされちゃ敵わんな。
それより一つ聞きたいことがあったのを思い出した。
「神殿で加護を貰うにはどうやったらいいんだ?」
「毎日祈りを捧げるのよ。神殿にお布施とかもいいわね」
「毎日って何日くらい?」
「加護を授かるまでずっとよ。本人の信仰の深さが重要ね」
「すげーめんどくさそうだな。加護は持ってるけどオレに信仰心なんて無いぞ」
「よくそれで加護が消えないわね」
「あーわかった!全力でガチャ回してるお陰だな!」
「ガチャ?・・・あー、今流行りのシャルロット様の加護ね?」
「流行ってんのか?」
「毎日凄い行列が出来ているじゃない。まあみんな目的はガチャだけどね。でも少しでも恩恵を受けるために信者が急激に増加中らしいわよ」
神頼みになる気持ちはよくわかる。オレくらいになるとそこはすでに突破していて、今は無の極致を目指しているんだがな。
「ただ加護を得るのには、他の神との相性をしっかり調べないとね」
「なんだそりゃ?」
「そんな事も知らないの?加護は複数得ることが可能だけど、神同士の相性が悪いと元々あった加護が消えてしまうのよ」
「リスク高すぎだろ!」
「貴方みたいなレアな加護持ちならば要注意ね。相性を調べるにしても、誰も知らない神のことなんか知ってる人もいないでしょ?」
「完全に詰んでるな。例えばどれとどれが相性悪いんだ?」
「基本的には火と水が反発し、風と土も反発するわね。絶対では無いのだけれど、信仰する神同士が不仲ならば消滅するという噂よ」
「なるほど。世間一般に知られていない神の加護ならば、火と水が反発しない可能性もあるわけか」
「そうね。でも大地神ほどの加護になると消えたら取返しがつかないわよ」
「だな。気を付けよう」
加護いっぱい持ってると、それだけ消える可能性高くなるじゃん。付与魔法欲しかったんだけどリスクあるんじゃ悩むぞ。火はともかく時空魔法が消えたらショック死しそうだ。
「付与魔法って反発する?」
「あー・・・どうかしら。付与魔法で消えたって話しは聞いた事無い気はするけど、ちゃんと調べたことも無いから絶対とは言えないわ」
「そっかー。でも属性魔法系の加護よりは柔軟そうだな」
時空魔法の事は聞けないから自分で情報仕入れるしかあるまい。とは言えどっちにしろ時空魔法の事知ってる人がいても、相性までわかる人なんて存在しない気がするな。
「鉄のゴーレムは無理みたいだけど、私にも乗り物って作れないかしらね」
「アニキが最初作った岩バイクは一瞬で大破したな」
「岩バイクは細いパイプ部分がへし折れたのが失敗だったな。まあでも変な拘りさえ持たなきゃ行けるんでねーか?」
「あの車輪部分の黒いのは何?」
「あー、それがあったか・・・、タイヤだ。ゴムで重さや衝撃を吸収するんだよ」
「ゴム?」
「えーとな、ゴムの木の樹液に酸を加えて固まった物がゴムだ」
「ゴムの木なんて知らないわ」
「ゴムの木を傷付けた時に確か白いサラサラの樹液が出て来るハズだから、まずはそういう木を探す必要があるな」
「そんなのやってられないわよ!」
「まあな。ゴムの代用品になる物がありゃそれでいいんだが」
ゴムにまで詳しいアニキは一体何者なんだ?ゴム職人でも目指してたんか?
「いきなり言われても、さっぱりわからないわ。後でもう一回見せて」
「まあ構わんが、俺らに何のメリットもねーな」
「色々教えてあげたじゃない!お願いよ!」
「ふむ。この後何か予定入ってる訳でも無いから少し付き合ってやってもいいが、コテツもそれでいいか?」
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というわけで、これからレベッカの乗り物作りに付き合うこととなった。
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